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WBGT

(WBGT)

WBGTとは、気温だけでなく、湿度、日射、周囲からの熱などを考慮して、人体が受ける暑熱負担を表す指標です。Wet Bulb Globe Temperatureの略で、日本語では暑さ指数と呼ばれます。

気温が同じでも、湿度が高い、直射日光が強い、炉や設備からの放射熱が大きいと、人体の熱を外へ逃がしにくくなります。WBGTは、このような条件を含めて熱中症リスクを判断するために利用します。

WBGTを構成する温度

WBGTの算出には、主に次の温度が使用されます。

  • 自然湿球温度:湿度や風の影響を反映する温度
  • 黒球温度:日射や周囲から受ける放射熱を反映する温度
  • 乾球温度:一般的な気温に相当する温度

屋内で日射がない場合と、屋外で日射がある場合では算出式が異なります。

屋内におけるWBGT

屋内または日射のない場所では、一般に自然湿球温度と黒球温度を用いて算出します。

WBGT=0.7×自然湿球温度+0.3×黒球温度

工場や倉庫では直射日光がなくても、炉、乾燥機、成形機、屋根、蒸気配管などから放射熱を受ける場合があります。そのため、気温だけでは作業者が受ける暑さを適切に評価できないことがあります。

屋外におけるWBGT

屋外で日射がある場合は、自然湿球温度、黒球温度、乾球温度を組み合わせます。

WBGT=0.7×自然湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度

日射、地面からの照り返し、周囲の建物などによって黒球温度が高くなり、気温よりWBGTが高い危険状態となる場合があります。

気温との違い

気温は空気の温度を表しますが、人体の熱負担は気温だけでは決まりません。

湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体温を下げにくくなります。また、日射や高温設備から放射熱を受けると、人体へ加わる熱が増えます。

WBGTはこれらの影響を含むため、熱中症リスク管理では気温と併せて確認します。

測定場所の選び方

WBGT計は、作業者が実際に作業する位置に近い場所へ設置します。空調機の吹出口、窓際、直射日光、発熱設備の近くなど、局所的な影響を受ける場所では値が大きく異なります。

工場全体を一台で代表させるのではなく、環境が異なる作業区域ごとに測定する方法があります。

作業者の頭部や胴体に近い高さを考慮し、機械の陰や壁際など、実際の作業環境と異なる場所へ設置しないようにします。

測定値へ影響する要因

  • 気温
  • 相対湿度
  • 日射
  • 炉や配管からの放射熱
  • 風速
  • 測定器の設置高さ
  • 測定器周辺の遮蔽物
  • 測定開始からの経過時間

測定器を別の場所から移動した直後は、センサや黒球が周囲の温度へなじむまで時間が必要な場合があります。

WBGTを利用した安全管理

WBGTに応じて、休憩、水分・塩分補給、作業時間、作業強度、人員配置などを調整します。

同じWBGTでも、作業強度、服装、暑熱順化、年齢、健康状態によってリスクは異なります。数値だけで安全を判断せず、作業者の体調確認を組み合わせます。

高温環境では、管理者が定期的に測定値を確認し、設定値を超えた場合の対応を事前に決めておきます。

遠隔監視の活用

WBGTセンサを通信機器へ接続すると、離れた事務所や監視場所で複数地点の値を確認できます。

工場、倉庫、屋外作業場などを巡回して測定する負担を減らし、一定間隔でデータを記録できます。設定値を超えた場合に画面表示や通知を行う構成も検討できます。

ただし、通信が途絶えた場合に測定値を確認できなくなる可能性があるため、現場の表示、巡回、体調確認なども組み合わせます。

警報値の設定

警報値は、作業強度、作業時間、服装、作業者の状態、社内基準などをもとに設定します。

注意、警戒、作業中止など、複数段階のしきい値を設定する方法があります。警報が出たときに誰が確認し、どのような対応を取るかを決めます。

警報値を超えたことだけでなく、高い状態がどの程度続いたかも確認します。

データ記録

WBGTを時系列で保存すると、暑さが高くなる時間帯や場所を把握できます。気温、湿度、作業内容、熱中症発生状況などと関連付けることで、環境改善の検討に利用できます。

送風機、遮熱材、空調、休憩時間の変更前後でデータを比較すると、対策の効果を確認できます。

測定値が不自然な場合の確認

他の測定器と大きく異なる場合は、設置場所、日射、風、黒球の汚れ、センサ状態を確認します。

屋内用と屋外用の算出条件、表示モード、単位なども確認します。センサが発熱機器や冷気の吹出口へ近すぎると、作業区域を代表しない値となります。

保守・校正

定期的にセンサ部、黒球、通気部の汚れや破損を確認します。粉じんや水滴が付着すると、温度や湿度の応答へ影響する場合があります。

電池式では電池残量を確認し、通信式では通信状態や電源も点検します。管理用途に応じて、校正や他の基準器との比較を行います。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、WBGTセンサの信号を無線機などで収集し、離れた場所でモニタリングする構成を検討します。

測定場所、点数、通信距離、電源、表示方法、警報などの条件を確認し、作業環境に合わせて構成します。

よくある質問

Q. WBGTと気温は同じですか?

A. 同じではありません。WBGTは気温に加えて、湿度、日射、放射熱などの影響を含む暑さ指数です。

Q. 屋内でもWBGTを測定する必要がありますか?

A. 炉、蒸気、屋根、空調不足などによって暑熱負担が高くなる場所では、屋内でも有効です。

Q. WBGT計は工場に一台あればよいですか?

A. 発熱設備、日射、空調などの条件が異なる場合は、作業区域ごとに測定する方法があります。

Q. WBGTが低ければ熱中症は起こりませんか?

A. 作業強度、服装、体調などによっては発生する可能性があります。数値と体調管理を組み合わせます。

Q. WBGTを離れた事務所で確認できますか?

A. センサ出力、通信環境、電源などの条件を確認し、無線による遠隔監視を検討できます。

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