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超音波センサ

(ちょうおんぱせんさ)

超音波センサ

超音波センサ

超音波センサとは、人の耳には聞こえにくい高い周波数の音波を発射し、対象物から戻ってくる反射波を利用して、対象物までの距離や有無、動きなどを検出するセンサです。光を使わないため、対象物の色や周囲の明るさの影響を比較的受けにくく、距離測定、物体検知、液面・粉面の監視などに利用されます。

一般的な超音波センサは、超音波を発射してから反射波を受信するまでの時間を測定します。ハカルプラスでは、この距離測定技術に動きの検出を組み合わせ、独自の判定アルゴリズムによって、設定した範囲内における人の動きを検知する介護支援機器を商品化した実績があります。

超音波センサの測定原理

超音波センサは、送波器から超音波を発射し、対象物で反射した音波を受波器で受信します。超音波が往復するまでの時間と音速から、対象物までの距離を求めます。

対象物までの距離をL、超音波の送信から受信までの時間をt、音速をvとすると、距離は次の式で求められます。

L=v×t÷2

2で割るのは、測定時間にセンサから対象物までの往路と、対象物からセンサまでの復路が含まれるためです。例えば、音速を約340m/s、往復時間を0.02秒とすると、対象物までの距離は約3.4mとなります。

距離以外に検出できる情報

超音波センサは、単に一回の距離を測るだけでなく、測定値を継続して比較することで対象物の動きを判定できます。

前回の測定値と今回の測定値が変化していれば、対象物が移動した可能性があります。一定時間内の距離変化、変化量、継続時間などを組み合わせることで、瞬間的なノイズと実際の動きを区別します。

複数の距離範囲を設定し、「監視エリア内へ入った」「特定位置から離れた」「一定時間動きが続いた」といった条件で警報を出力することも可能です。

主な用途

  • 人や物体の接近・通過検知
  • タンクや容器内の液面・粉面測定
  • 搬送物の有無や位置の確認
  • 車両や移動体までの距離測定
  • 人の離床や特定エリア内の動きの検知

非接触で測定できるため、対象物にセンサを取り付けにくい用途や、接触による摩耗、汚れ、衛生上の問題を避けたい用途に適しています。

検出範囲と不感帯

超音波センサには、検出可能な最短距離と最長距離があります。センサのすぐ近くでは、超音波を発射した後の振動が残っているため、反射波を正しく受信できない範囲があります。この範囲を不感帯と呼びます。

対象物が不感帯へ入る可能性がある場合は、センサの取付位置を変更するか、測定距離に適した機種を選定します。また、検出範囲を広く設定しすぎると、壁や周辺設備など、目的とは異なる物体からの反射を拾うことがあります。

対象物による反射の違い

超音波は、硬く平らな面では反射しやすい一方、布、クッション、吸音材などでは吸収されやすくなります。対象面が斜めになっている場合は、反射波がセンサとは別の方向へ進み、受信できないことがあります。

小さな対象物、細い棒状の物体、表面に凹凸がある対象物も、反射が不安定になる場合があります。実際の設置条件で検出状態を確認し、取付角度、距離、判定値を調整することが重要です。

温度の影響

空気中の音速は温度によって変化します。温度が変わると、同じ距離でも超音波の往復時間が変化するため、距離測定値に誤差が生じます。

測定精度が求められる場合は、温度センサを使って音速を補正する方法があります。また、暖房や送風機の近くでは空気の流れや温度差によって測定値が不安定になることがあるため、設置環境を確認します。

複数センサを使用する場合

複数の超音波センサを近接して設置すると、別のセンサが発射した超音波を受信し、誤検知する可能性があります。この現象を相互干渉と呼びます。

対策として、各センサの発射タイミングをずらす、センサ間の距離や向きを調整する、同期機能を使用するなどの方法があります。複数台で広い範囲を監視する場合は、検出範囲の重なりも含めて設計します。

動き検出のアルゴリズム

人の動きを検出する場合、単純に距離値が変わっただけで警報を出すと、カーテンの揺れ、寝具の動き、周囲を通過する人などによって誤検知することがあります。

そのため、監視する距離範囲、変化量、継続時間、測定回数などを組み合わせて判定します。対象となる動きと、無視すべき環境変化を整理し、実際の使用場所でパラメータを調整します。

検出感度を高くしすぎると誤検知が増え、低くしすぎると必要な動きを見逃す可能性があります。安全性と使いやすさのバランスを確認しながら設定することが重要です。

異常判定と警報出力

一定時間反射波を受信できない場合や、測定値が急激に変化した場合は、対象物の移動だけでなく、センサの向きのずれ、遮蔽物、故障なども考えられます。

異常時には、LED、ブザー、接点、通信などで警報を出力します。警報を遠隔の表示器や管理システムへ送信する場合は、通信異常や電源断も監視対象とします。

人の安全に関係する用途では、センサの検知だけに依存せず、未検知、故障、通信断が発生した場合の運用や代替手段も検討します。

設置・保守のポイント

センサの送受波面にほこりや水滴が付着すると、超音波の発射や受信が弱くなることがあります。定期的に外観を確認し、汚れがある場合はセンサを傷つけない方法で清掃します。

取付金具の緩みや振動によってセンサの向きが変わると、測定対象を外れてしまいます。点検時には、取付状態、検出距離、警報動作を確認します。

設備更新時には、測定範囲、出力形式、電源電圧、取付寸法、応答時間を確認し、既設センサと置き換え可能かを検討します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、超音波センサを用いた距離測定だけでなく、測定値の変化から人や対象物の動きを判定する組込ソフトウェアを検討します。

介護支援機器の離床センサでは、山口大学との共同研究を通じて、超音波による距離測定へ動き検出を付加し、特定エリア内の状態を判定する製品を商品化した実績があります。

センサ回路、マイコン制御、判定アルゴリズム、警報出力、通信機能を組み合わせ、設置環境や検出対象に応じてパラメータを調整します。既存製品や設備への組込みについても、検出距離、設置条件、必要な出力仕様を確認して構成を検討します。

よくある質問

Q. 超音波センサは対象物の色に影響されますか?

A. 光学式センサと比べると色の影響は受けにくいですが、材質、形状、表面の角度によって反射状態が変わります。

Q. 布団や衣類も検出できますか?

A. 検出できる場合がありますが、柔らかい素材は超音波を吸収しやすいため、実際の距離や角度で確認する必要があります。

Q. 人の動きと物の動きを区別できますか?

A. 超音波だけで対象物の種類を完全に識別することは困難ですが、検出範囲や距離変化、継続時間などを組み合わせて目的の動きを判定します。

Q. 複数の超音波センサを近くに設置できますか?

A. 設置できますが、相互干渉を防ぐため、発射タイミング、距離、向きなどの調整が必要です。

Q. 既存製品へ超音波センサを追加できますか?

A. 取付位置、検出範囲、電源、出力・通信仕様を確認し、センサ回路や組込ソフトウェアを追加できる場合があります。

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