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データロギング
(データロギング)
データロギングとは、温度、圧力、重量、電流、設備状態、異常情報などを、一定周期または特定条件で記録・保存する機能です。設備の運転状況、品質、故障原因、エネルギー使用量などを後から確認するために使用されます。
データは、マイコン内部の不揮発性メモリ、SDカード、USBメモリ、産業用コンピュータ、サーバーなどへ保存します。保存周期、保存期間、記録項目、データ形式をあらかじめ設計する必要があります。
ハカルプラスでは、記録目的、データ量、保存期間、閲覧方法を確認し、組込機器から上位システムまで含むデータロギング構成を検討します。
データロギングの主な目的
- 設備の運転状態を把握する
- 製品品質と製造条件を関連付ける
- 異常発生時の原因を調査する
- 消費電力や原料使用量を分析する
- 保守時期や部品劣化を予測する
- トレーサビリティを確保する
目的によって必要な記録周期と精度が大きく異なります。
記録するデータ
計測値だけでなく、設備状態や設定値も合わせて保存すると分析しやすくなります。
- 温度、圧力、流量、重量、電力
- モーター運転、バルブ開閉、工程ステップ
- 目標値、設定値、補正値
- 警報、異常、インターロック
- 品種、配合番号、ロット番号
- 作業者、操作時刻、設定変更
周期記録
一定時間ごとにデータを保存する方法です。1秒、1分、10分など、対象の変化速度に合わせて周期を設定します。
周期を短くすると細かな変化を確認できますが、データ量と書込み回数が増えます。温度のように変化が遅い値へ必要以上に短い周期を設定しても、保存効率が低下します。
イベント記録
異常発生、設備起動、設定変更、計量完了など、特定の事象が発生したときだけ記録する方法です。
通常時のデータ量を抑えながら、重要な出来事を確実に保存できます。周期記録と組み合わせることも一般的です。
変化時記録
前回値から一定量以上変化した場合に記録します。設備状態やゆっくり変化する計測値の保存量を減らす方法です。
長時間変化しない場合でも、機器が正常に動作していることを示すため、一定時間ごとの記録を併用します。
保存周期の決め方
記録周期は、設備の応答速度、異常の継続時間、分析目的から決めます。
瞬間的な電圧低下や高速振動を記録する場合は、ミリ秒以下の高速サンプリングが必要になることがあります。一方、月間の電力使用量管理では、数分または数十分単位でも十分な場合があります。
保存容量の計算
必要容量は、1件あたりのデータ量、記録周期、保存期間から概算します。
例えば、1件100バイトのデータを1秒ごとに30日間保存すると、約259MB必要です。ファイル管理情報や予備容量も加えて選定します。
記録時刻
データには正しい日時を付与します。RTC、PLC時計、産業用コンピュータ、NTP、GNSSなどを利用します。
複数機器のデータを比較する場合は、時計を同期し、時刻ずれを抑えることが重要です。
リングバッファ
保存容量が一杯になった場合に、最も古いデータから順番に上書きする方式をリングバッファと呼びます。
一定期間の最新データだけを保持する用途に適しています。重要な異常データまで上書きしないよう、異常履歴を別領域へ保存する場合があります。
内部メモリへの保存
マイコン内蔵フラッシュや外付け不揮発性メモリへ保存する方法は、構成を小型化しやすく、取り外し媒体を必要としません。
容量と書換え寿命に制限があるため、短期間の履歴や設定変更記録に適しています。
SDカードへの保存
SDカードは比較的大容量で、CSVなどのファイルとして保存しやすい媒体です。カードを取り出し、パソコンでデータを確認できます。
電源断時のファイル破損、カード寿命、接点不良、不正な抜取りを考慮します。書込み中にカードを抜かないよう表示やロック機構を設けます。
USBメモリへの出力
設備内部に保存したデータをUSBメモリへコピーする方法があります。常時保存媒体として使う場合と、保守時のデータ搬出だけに使う場合があります。
未対応のファイルシステムや大容量媒体を接続した場合の動作も確認します。
CSV形式
CSV形式は、日時や計測値をカンマ区切りで保存する一般的な形式です。表計算ソフトで開きやすく、設備ごとのデータ確認に適しています。
項目名、単位、文字コード、小数点、日時形式を統一します。途中で項目数を変更する場合は、ファイルバージョンを管理します。
データベースへの保存
複数設備のデータを長期間保存し、検索・集計する場合は、産業用コンピュータやサーバーのデータベースを利用します。
設備番号、品種、ロット、期間などで検索し、グラフや帳票へ展開できます。ネットワーク障害時に備え、設備側へ一時保存領域を設けます。
通信断時のバッファリング
上位システムへリアルタイム送信する場合でも、通信が途切れる可能性があります。
送信できなかったデータを設備側のバッファへ保存し、通信復旧後に古い順から再送します。重複送信を識別するため、通し番号や時刻を持たせます。
異常前後のデータ保存
異常発生時だけでなく、その直前の状態が原因調査に重要です。通常時のデータをリングバッファへ保持し、異常発生時に前後一定期間を固定保存する方法があります。
モーター電流、圧力、重量、工程ステップなどを保存すると、異常の進行を確認できます。
データの信頼性
書込み途中の停電、媒体故障、通信エラーによってデータが欠落・破損する可能性があります。
CRC、ファイル確定処理、二重化、定期バックアップを行います。重要データでは、保存成功を確認してから元データを削除します。
個人情報とセキュリティ
作業者名、操作履歴、製造情報などを保存する場合は、閲覧権限と持出し方法を管理します。
USBメモリやSDカードへの出力を制限し、必要に応じて暗号化やアクセス認証を使用します。
異常時の確認
データが保存されない場合は、媒体容量、書込み保護、ファイルシステム、時刻設定を確認します。データが途中で途切れる場合は、停電、媒体接触、通信断を点検します。
記録周期が不規則な場合は、処理負荷、書込み時間、時計補正の影響を確認します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、記録項目、周期、保存期間、データ利用方法を整理し、保存容量と媒体を選定します。
組込メモリ、SDカード、USBメモリ、産業用コンピュータ、データベースを組み合わせ、CSV出力、異常前後記録、上位連携まで含む構成を検討します。
よくある質問
Q. 記録周期は短いほどよいですか?
A. 細かな変化を確認できますが、データ量と書込み負荷が増えるため、目的に合った周期を設定します。
Q. SDカードへ何年分保存できますか?
A. 1件あたりのデータ量、記録周期、カード容量から算出します。
Q. 通信が切れてもデータを残せますか?
A. 設備側へ一時保存し、通信復旧後に再送する構成にできます。
Q. 異常発生前のデータも確認できますか?
A. 通常時のデータをリングバッファへ保持し、異常前後を保存できます。
Q. CSV形式で出力できますか?
A. 日時、項目名、単位を付けたCSVファイルとして保存・出力できます。