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SDカード

(SDカード)

SDカード

SDカード

SDカードは、データを保存するための小型のフラッシュメモリーカードです。SDメモリーカードとも呼ばれ、デジタルカメラ、パソコン、携帯端末、産業用機器、計測機器、SBCなど、幅広い機器で利用されています。

電源を切ってもデータが保持される不揮発性メモリーであり、取り外して別の機器へデータを移動できることが特長です。計測・制御分野では、計測値、運転実績、設定情報、警報履歴、ソフトウェアなどの保存に使用されます。

SDカードの仕様はSD Associationによって策定され、容量、通信速度、インターフェースなどの規格が継続的に拡張されています。

SDカードの主な用途

SDカードは、小型で取り扱いやすく、比較的大容量のデータを保存できるため、さまざまな機器に採用されています。

主な用途には、次のようなものがあります。

  • デジタルカメラや映像機器の画像・動画保存
  • パソコンや携帯端末の補助記憶媒体
  • 計測値や製造実績の保存
  • 設備の運転履歴・警報履歴の記録
  • 設定データの読込み・書出し
  • 組込み機器のOSやアプリケーションの保存
  • 機器間でのデータ受け渡し
  • 保守用データやソフトウェアの更新

現在使われているSDカードのサイズ

SDカードには複数の外形サイズがありますが、現在広く使用されているのは、標準サイズのSDカードとmicroSDカードです。

SDカード

標準サイズのSDカードです。デジタルカメラ、パソコン、産業用機器、計測機器などで利用されています。

カード本体が比較的大きいため、装置への挿入・取り外しがしやすく、機器側にカード保持機構を設けやすいことが特長です。

microSDカード

SDカードを小型化した形式です。携帯端末、小型カメラ、SBC、IoT機器、組込み機器などで広く利用されています。

変換アダプターを使用することで、標準サイズのSDカードスロットへ挿入できる場合があります。ただし、容量規格や通信方式が機器側に対応している必要があります。

miniSDカード

miniSDは、標準SDカードとmicroSDカードの中間サイズとして過去に使用されていた形式です。

現在はmicroSDへ置き換えられており、新規製品で採用されることはほとんどありません。既設機器で使用している場合は、カードや変換アダプターの入手性を確認する必要があります。

容量による規格の違い

SDカードは、記憶容量によってSD、SDHC、SDXC、SDUCに区分されます。

規格 容量範囲 標準的なファイルシステム
SD 最大2GB FAT12・FAT16
SDHC 2GB超~32GB FAT32
SDXC 32GB超~2TB exFAT
SDUC 2TB超~128TB exFAT

大容量のSDカードを小容量規格にしか対応していない機器へ挿入しても、認識されない場合があります。

例えば、SDHC対応機器でSDXCカードを使用できるとは限りません。カードの外形が同じであっても、容量の管理方式やファイルシステムが異なるため、機器側の対応規格を確認する必要があります。

SDカードの速度規格

SDカードには、最低書込み速度や用途を示す複数の速度表示があります。

カードに記載された最大読出し速度だけでなく、連続してデータを書き込む場合の最低速度も重要です。

スピードクラス

従来から使用されている速度区分で、Class 2、Class 4、Class 6、Class 10があります。

数字は、最低連続書込み速度の目安をMB/sで示します。例えばClass 10は、最低10MB/sの連続書込み性能を示します。

UHSスピードクラス

高速インターフェースを使用するSDカード向けの速度区分で、U1とU3があります。

  • U1:最低連続書込み速度10MB/s
  • U3:最低連続書込み速度30MB/s

ビデオスピードクラス

高解像度映像や連続データ記録を想定した速度区分で、V6、V10、V30、V60、V90があります。

数字は、それぞれ最低連続書込み速度をMB/sで示します。

アプリケーションパフォーマンスクラス

スマートフォンやSBCなどで、SDカード上のアプリケーションを動作させる用途を想定した規格です。

A1とA2があり、連続転送速度だけでなく、細かなデータをランダムに読み書きする性能も評価されます。

バスインターフェースの違い

SDカードには、データを転送するための複数のバスインターフェースがあります。

  • Default Speed
  • High Speed
  • UHS-I
  • UHS-II
  • UHS-III
  • SD Express

UHS-IIやUHS-IIIでは、カード裏面に追加の端子列を設け、高速転送を実現します。SD Expressでは、PCI ExpressとNVMeの技術を利用して、従来のSDインターフェースより高速なデータ転送を可能にします。

ただし、高速規格の性能を利用するには、SDカードと接続機器の双方が同じインターフェースへ対応している必要があります。

高速なカードを旧型機器へ挿入した場合、下位互換の範囲で動作することがありますが、最大性能を利用できるとは限りません。

SDカードとMMCの関係

MMC(MultiMediaCard)は、SDカードより前から存在するフラッシュメモリーカード規格です。SDカードはMMCと似た外形や通信方式を持ちますが、両者は同一規格ではありません。

初期の一部のSDカード対応機器では、MMCも利用できるように設計されていました。一方、SDカードとMMCには、カード厚、端子、通信方式、電気的仕様などの違いがあります。

そのため、SDカードスロットでMMCを使用できることや、MMC対応機器でSDカードを使用できることは保証されません。機器の取扱説明書や仕様書に、対応カードとして明記されているかを確認する必要があります。

SDカードをMMCの上位互換として扱うことは適切ではなく、カードの外形が挿入できる場合でも、電気的・ソフトウェア的に動作するとは限りません。

産業用機器におけるSDカードの用途

産業用機器では、SDカードを単なるデータ保存媒体としてだけでなく、設定、保守、ソフトウェア更新などにも使用します。

主な用途には、次のものがあります。

  • 計測値や製造実績の定期保存
  • 運転履歴・警報履歴の保存
  • 設定値・品種データのバックアップ
  • CSVファイルによるデータ受け渡し
  • プログラムやファームウェアの更新
  • 異常発生時の解析用ログ保存
  • OSやアプリケーションの起動媒体

ネットワークへ接続できない設備でも、SDカードへデータを保存し、定期的に回収することで、パソコンで集計・分析できます。

SDカードを選定する際の確認項目

SDカードは、容量だけでなく、接続する機器や利用方法に合わせて選定する必要があります。

主な確認項目は次のとおりです。

  • SD・SDHC・SDXC・SDUCの対応規格
  • 標準SD・microSDなどの外形
  • 使用できる最大容量
  • 対応するファイルシステム
  • 必要な書込み速度
  • 動作温度範囲
  • 書き換え寿命
  • 耐振動・耐衝撃性
  • 長期供給の可否
  • 電源断対策の有無

一般用SDカードと産業用SDカード

市販の一般用SDカードは、写真や動画などの保存を主な用途として設計されています。比較的安価で大容量ですが、製品の仕様や内部部品が予告なく変更される場合があります。

産業用SDカードは、長期間の連続使用や厳しい設置環境を想定し、次のような機能・特性を備えた製品があります。

  • 広い動作温度範囲
  • 書き換え寿命を考慮したフラッシュメモリー
  • 書込みを分散させるウェアレベリング
  • エラー訂正機能
  • 電源断時のデータ保護
  • 寿命状態の監視
  • 長期供給や部品変更管理

産業用設備では、カードの価格だけでなく、使用期間、書込み頻度、停止時の影響などを考慮して選定します。

フラッシュメモリーの書き換え寿命

SDカードに使用されるフラッシュメモリーには、書き換え可能な回数に限りがあります。

同じ領域へ短い周期でデータを書き続けると、一部のメモリーセルに書込みが集中し、カードの寿命が短くなる可能性があります。

対策として、次のような設計を行います。

  • 不要な書込みを減らす
  • 一定量のデータをまとめて保存する
  • 保存周期を用途に応じて設定する
  • ログファイルを定期的に切り替える
  • 十分な空き容量を確保する
  • 産業用途に適したカードを選定する

電源断によるデータ破損

SDカードへデータを書き込んでいる途中で機器の電源が切れると、書込み中のファイルだけでなく、ファイルシステムが破損する場合があります。

ファイルシステムが破損すると、保存データを読み出せない、カードを認識できない、機器が正常に起動しないといった問題につながります。

電源断への主な対策には、次のものがあります。

  • 書込み完了後に電源を切る
  • 安全な取外し操作を設ける
  • バックアップ電源を利用する
  • 一時ファイルを使用してから正式ファイルへ切り替える
  • 定期的にデータを別媒体へバックアップする
  • 破損時の初期化・復旧方法を用意する

SDカードの取扱いに関する注意点

書込み中に取り外さない

データ保存中にSDカードを抜くと、保存中のファイルやファイルシステムが破損する可能性があります。

機器のアクセス表示や画面表示を確認し、安全な取外し操作を行ってから抜きます。

機器で初期化する

パソコンで初期化したカードが、組込み機器で正しく認識されない場合があります。

機器にフォーマット機能がある場合は、原則として使用する機器で初期化します。

接点の汚れ・損傷を防ぐ

端子部分へ手で触れたり、粉じんや油分が付着したりすると、接触不良が発生する場合があります。

カードの挿入・取り外しを頻繁に行う設備では、カードだけでなくコネクタ側の摩耗にも注意します。

容量だけで互換性を判断しない

同じ容量のカードでも、速度規格、ファイルシステム、内部制御方式などが異なります。

特に旧型機器では、大容量カードや新しい世代のカードを認識できないことがあるため、動作確認済みの型式を使用します。

既設機器でSDカードを変更する場合

既設の計測機器や組込み機器で使用しているSDカードを、別メーカーや大容量品へ変更する場合は、事前の動作確認が必要です。

主な確認項目は次のとおりです。

  • 機器がカードを正常に認識するか
  • データを正しく読み書きできるか
  • 長時間の連続書込みができるか
  • 電源再投入後も正常に動作するか
  • 保存データをパソコンで読み取れるか
  • 容量が上限を超えていないか

同じ規格表示のカードであっても、内部構成の違いによって組込み機器との相性が生じる場合があります。

ハカルプラスにおけるSDカードの活用

ハカルプラスでは、計測機器や組込みシステムにおいて、計測データ、設定情報、運転履歴などを保存するために、SDカードなどの記録媒体を活用しています。

また、既設の一部機器ではMMCを利用した実績があります。SDカードを代替媒体として使用する場合は、カード形状だけで判断せず、機器側の電気仕様、通信方式、容量、ファイルシステムなどを確認します。

主な対応内容には、次のものがあります。

  • 機器に適したSDカード規格・容量の選定
  • 計測値や履歴データの保存処理
  • CSV形式によるデータ出力
  • カードの挿入・取外し検出
  • 書込みエラー・容量不足の監視
  • 電源断を考慮した保存処理
  • 設定データのバックアップ・復元
  • 既設MMC・SDカード使用機器の互換性確認

カード単体の仕様だけでなく、マイコン、SBC、OS、ファイルシステム、保存周期、使用環境まで含めて設計することが重要です。

よくある質問

Q. SDカードとは何ですか?

A. 写真、動画、計測値、設定情報などを保存するための小型フラッシュメモリーカードです。電源を切ってもデータが保持されます。

Q. SDカードのサイズは何種類ありますか?

A. 標準SD、miniSD、microSDの3種類が規格化されていますが、現在広く使用されているのは標準SDとmicroSDです。

Q. SD・SDHC・SDXC・SDUCは何が違いますか?

A. 主に対応する記憶容量とファイルシステムが異なります。機器が対応していない規格のカードは使用できない場合があります。

Q. 大容量のSDカードへ交換すれば使用できますか?

A. 必ずしも使用できません。機器側が対応する容量規格、ファイルシステム、最大容量を確認する必要があります。

Q. microSDカードをSDカードスロットで使用できますか?

A. 変換アダプターを使用すれば挿入できますが、カードの容量規格や通信方式に機器が対応している必要があります。

Q. SDカードとMMCには互換性がありますか?

A. 一部の機器では両方を使用できますが、規格上の完全な互換性はありません。機器の仕様書に対応カードとして明記されているか確認してください。

Q. SDカードには書き換え寿命がありますか?

A. あります。書込み回数には上限があり、短い周期で大量のデータを書き続けると寿命が短くなる場合があります。

Q. 電源を切るとSDカードが壊れることがありますか?

A. 書込み中に電源が切れると、ファイルやファイルシステムが破損する可能性があります。安全な終了処理やバックアップ電源などを検討します。

Q. 市販のSDカードを産業用機器で使用できますか?

A. 使用できる場合はありますが、動作温度、書込み寿命、長期供給、電源断耐性などを確認する必要があります。

Q. 同じ型式のSDカードを継続して購入できますか?

A. 一般向け製品では、型式が同じでも内部部品が変更される場合があります。長期使用する設備では、産業用製品や部品変更管理された製品を検討します。

Q. ハカルプラスではSDカードを使用したデータ保存に対応できますか?

A. 計測値、運転履歴、警報履歴、設定情報などの保存について、機器、容量、保存周期、電源断対策を含めて検討できます。

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