Technology
非接触動作検知
(ひせっしょくどうさけんち)
非接触動作検知とは、対象者の身体へセンサを装着したり、マットを踏ませたりせずに、人の動きや姿勢変化を検知する技術です。赤外線、電波、超音波、画像などを利用し、起き上がり、立ち上がり、離床、移動などの動作を検知します。
介護施設や病院では、ベッド周辺の見守りや転倒予防に利用されます。身体へ機器を取り付けないため、利用者の負担を抑えやすく、マットやコードを床面へ置かずに構成できる場合があります。
非接触で動きを検知する仕組み
非接触センサは、対象者へ向けて光や電波を照射したり、周囲の熱や画像を取得したりして、変化を検出します。
対象者が動くと、センサまでの距離、反射波、温度分布、画像内の位置などが変化します。この変化を演算し、あらかじめ登録した条件に基づいて動作を判定します。
単に動いたかどうかを検知する方式と、起き上がり、端座位、離床などの動作段階を判定する方式があります。
代表的な検知方式
赤外線方式
人体から放射される赤外線や、センサから照射した赤外線の反射を利用します。人感センサや距離センサとして広く使用されます。
室温と体表温度の差、衣服、寝具、設置角度などによって検知状態が変わる場合があります。
電波・レーダ方式
マイクロ波やミリ波などを照射し、反射波の変化から人の動きや距離を検知します。暗所でも使用しやすく、寝具越しの体動を捉えられる場合があります。
壁、家具、金属製品、同室者の動きなどによる反射の影響を考慮して設置します。
超音波方式
超音波を照射し、反射して戻るまでの時間から対象物までの距離を測定します。人が動くことで距離が変化したことを検知します。
カーテン、寝具、家具などにも反射するため、検知範囲の設定が重要です。
画像方式
カメラ画像を解析し、人の位置や姿勢を判定します。複数の動作を識別できる場合があります。
照明、遮蔽物、撮影角度、プライバシーへの配慮が必要です。画像を保存しない方式や、シルエット情報だけを利用する方式もあります。
介護現場で検知する主な動作
- ベッド上での大きな体動
- 上半身の起き上がり
- ベッド端での端座位
- 立ち上がり
- ベッドからの離床
- 居室内での移動
- 一定時間動きがない状態
どの動作を検知できるかは、センサ方式と製品の機能によって異なります。
接触式センサとの違い
マットセンサや荷重センサは、身体や足から加わる力を利用します。動作と荷重変化の関係が分かりやすい一方、マットの位置ずれ、コード、清掃、耐久性への配慮が必要です。
非接触方式は、利用者や寝具へセンサを取り付けずに検知できます。床面へマットを置かないため、つまずきや車いす走行への影響を抑えられる場合があります。
一方、非接触方式は検知範囲内の介護者、同室者、カーテンなどの動きを拾う可能性があります。設置位置と検知範囲の調整が重要です。
検知範囲の設定
センサは、対象となるベッドや居室の必要な範囲だけを検知するように設置します。範囲が広すぎると、介護者や隣のベッドの動きを誤って検知する場合があります。
範囲が狭すぎると、利用者がセンサの検知外へ移動したときに通知されません。ベッド位置、高さ、柵、家具、カーテンなどを考慮して調整します。
居室のレイアウト変更やベッド移動を行った場合は、検知範囲を再確認します。
通知タイミングの考え方
起き上がりの早い段階で通知すると、介護職員が立ち上がり前に対応しやすくなります。一方で、単なる寝返りや一時的な体動を誤って通知する可能性があります。
利用者の動作速度や介助の必要性に応じて、起き上がり、端座位、離床などの通知タイミングを選びます。
一定時間だけ動作が継続した場合に通知する遅延設定を使用すると、一時的な動きによる通知を減らせる場合があります。
誤検知が発生する原因
- 介護者が検知範囲へ入る
- 同室者や隣のベッドの動きを検知する
- カーテンや寝具が動く
- 家具やベッド位置を変更する
- 強い日射や暖房器具の影響を受ける
- 検知感度や範囲が適切でない
誤検知が多い場合は、利用者の実際の動作を確認しながら、センサ位置、角度、感度、検知範囲を調整します。
通知されない場合の確認
対象者が動いても検知されない場合は、センサ電源、通信、取付位置、検知範囲を確認します。
ベッド柵、家具、寝具などがセンサと対象者の間に入り、検知を妨げていないか確認します。対象者が小柄な場合や動作がゆっくりな場合は、感度設定の調整が必要になることがあります。
ナースコール・見守りシステムとの連携
非接触センサで検知した信号は、ナースコール、携帯端末、見守り画面などへ通知できます。
既設設備と連携する場合は、接点信号、通信方式、通知保持、復旧操作を確認します。複数の居室を管理する場合は、どの利用者の通知かを識別できる構成が必要です。
プライバシーへの配慮
画像を利用する方式では、映像の表示方法、保存の有無、閲覧権限を確認します。利用者や家族へ使用目的を説明し、必要な範囲で運用します。
電波や赤外線を利用し、人物画像を表示しない方式は、プライバシーへの配慮が必要な場所で選択肢となります。
どの方式でも、見守りの目的と通知後の対応方法を明確にすることが重要です。
導入時のポイント
利用者の身体状況、起き上がり方、動作速度、居室の広さ、ベッド位置を確認します。必要な通知タイミングに対応するセンサを選定します。
施設では、既設ナースコール、無線環境、電源、職員の運用方法を確認します。試験設置を行い、実際の動作で検知状態を確認することが有効です。
保守点検
定期的にセンサの動作試験を行い、起き上がりや離床で通知されるか確認します。
センサ位置のずれ、取付けの緩み、レンズや検出面の汚れ、電池残量、通信状態を点検します。
居室レイアウトや利用者が変わった場合は、以前の設定をそのまま使用せず、検知範囲と通知条件を見直します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、CAREaiシリーズによる非接触動作検知について、利用者の動作、居室環境、ベッド配置、必要な通知タイミングなどの仕様を確認して構成します。
既設ナースコールや見守り機器との連携についても、接続仕様や施設運用を確認したうえで検討します。
よくある質問
Q. 身体にセンサを付けなくても動作を検知できますか?
A. 赤外線、電波、超音波、画像などを利用し、身体へ機器を取り付けずに検知できる方式があります。
Q. 暗い部屋でも使用できますか?
A. 電波方式や赤外線方式など、照明の影響を受けにくい方式があります。機器仕様を確認します。
Q. 介護者の動きも検知しますか?
A. 検知範囲に介護者が入ると反応する場合があります。設置位置や判定条件を調整します。
Q. カメラ映像は保存されますか?
A. 製品や方式によって異なります。画像を使用しない方式や、映像を保存しない方式もあります。
Q. 既設のナースコールへ通知できますか?
A. ナースコールの接続仕様を確認し、連携できる構成を検討します。