Technology
ロードセル
(ロードセル)
ロードセルとは、力や荷重によって生じるわずかな変形を電気信号へ変換し、重量を検出するセンサです。電子台秤の内部だけでなく、ホッパー、タンク、容器、搬送台車などへ組み込み、設備そのものを計量機として構成できます。
ロードセルから出力される信号は非常に小さいため、計量コントローラやロードセルアンプで増幅・演算し、重量値へ変換します。圧縮型、引張型、ビーム型などがあり、荷重方向、設置構造、必要精度に応じて使い分けます。
ハカルプラスでは、計量対象、最大荷重、設備形状、要求精度を確認し、ロードセル、荷重受け機構、計量コントローラ、制御盤、PLCを含む計量装置を設計します。
ロードセルの検出原理
一般的なひずみゲージ式ロードセルでは、金属製の起歪体にひずみゲージを貼り付けています。荷重によって起歪体がわずかに変形すると、ひずみゲージの電気抵抗が変化します。
複数のひずみゲージをブリッジ回路として接続し、その出力電圧を測定することで荷重を求めます。信号は定格荷重時でも数mV程度と小さいため、安定した電源、増幅回路、ノイズ対策が必要です。
主な種類
ロードセルは、荷重のかかり方と機械構造に合わせて選定します。
- 圧縮型:上から押し込む荷重を測定し、タンクやホッパーに使用
- 引張型:吊り下げ方向の荷重を測定し、吊り秤などに使用
- ビーム型:曲げによる変形を利用し、台秤や小型ホッパーに使用
- S字型:引張・圧縮の両方向に対応し、吊り下げや試験装置に使用
- シングルポイント型:一台で偏荷重に対応し、小型の台秤に使用
同じ定格容量でも、取付方法や許容される横荷重、温度範囲、防水性能などが異なります。
定格容量の選定
ロードセルの定格容量は、計量物の最大重量だけで決めません。ホッパーやタンク本体、架台、付属機器、配管など、ロードセルへ常時加わる重量も含めます。
複数台のロードセルで支える場合は、総荷重を台数で割った値だけでなく、重心の偏りや投入時の衝撃を考慮します。例えば四点支持でも、荷重が均等に四分割されるとは限りません。
容量に余裕を持たせすぎると、使用範囲に対する信号変化が小さくなり、分解能を得にくくなることがあります。過荷重への安全率と必要精度のバランスを考えて選定します。
荷重受け機構の設計
ロードセルの性能を引き出すには、荷重を正しい方向へ伝える機械構造が重要です。斜め方向の力、ねじれ、横荷重が加わると、表示値の誤差やロードセルの損傷につながります。
タンクやホッパーでは、ロードセル用の取付金具、揺れ止め、浮き上がり防止機構などを設けます。ただし、揺れ止めを強く拘束しすぎると、荷重の一部がロードセル以外へ逃げ、正しい重量を測定できません。
温度変化によるタンクの膨張や収縮も考慮し、必要な方向には動ける構造としながら、転倒や過大な移動を防ぎます。
配管やケーブルの影響
計量タンクに固定配管が接続されていると、配管の硬さや熱伸縮による力がロードセルへ加わります。重量が変わっていないのに表示値が変化したり、ゼロへ戻らなくなったりする原因になります。
計量部と固定側の接続には、フレキシブルホースや伸縮継手を用い、できるだけ荷重を伝えない構造とします。電線やエア配管についても、短く張った状態にせず、十分なたるみを持たせます。
計量コントローラとの接続
ロードセルの信号は、計量コントローラやロードセルアンプへ入力します。コントローラでは信号を増幅し、ゼロ点と基準荷重から重量値へ換算します。
複数のロードセルを使用する場合は、和算箱で信号をまとめる構成があります。各ロードセルの出力差を調整し、偏った位置へ荷重を載せても同じ重量となるようにします。
計量コントローラからPLCへは、通信、アナログ出力、デジタル信号などで重量値や計量状態を伝えます。
校正とゼロ調整
設置後は、荷重がない状態をゼロとして登録し、基準分銅や既知重量を載せてスパン調整を行います。大型タンクなど、基準分銅を載せにくい設備では、校正方法を設計段階で検討します。
使用中に原料の付着や機械部品の追加があると、ゼロ点が変化します。自動ゼロ追従を使用する場合もありますが、原料が残った状態をゼロとして処理しないよう、適用範囲を設定します。
精度へ影響する要因
ロードセル自体が高精度でも、設備全体の精度は機械構造や設置環境によって変わります。主な影響要因には次のものがあります。
- 配管やケーブルから加わる力
- 機械振動や攪拌機の動作
- 原料の偏りや偏荷重
- 温度変化による架台・タンクの変形
- 粉体付着や異物の噛み込み
- インバーターなどから発生する電気ノイズ
必要精度が高い場合は、ロードセルの仕様だけでなく、設備を実際に運転した状態で重量の安定性を確認します。
断線・異常の検出
重量値が急に最大値や最小値へ振り切れた場合は、ロードセルケーブルの断線、端子の緩み、アンプ電源の異常などが考えられます。値が徐々にずれる場合は、原料付着、機械接触、温度変化を点検します。
複数台構成では、一台だけが故障しても合計重量が表示されることがあります。四隅へ既知重量を載せて表示差を確認すると、不良ロードセルや荷重伝達不良を特定しやすくなります。
過荷重と保護
ロードセルへ定格を超える荷重や強い衝撃が加わると、ゼロ点が戻らなくなったり、内部が損傷したりすることがあります。投入物の落下衝撃や、保守作業時に人が設備へ乗る場合も考慮します。
必要に応じて、機械式ストッパーや過荷重保護機構を設けます。ただし、通常計量範囲でストッパーへ接触すると誤差になるため、隙間の調整と定期点検が必要です。
ロードセルを使用するメリット
ロードセルを設備へ組み込む方式では、タンク、ホッパー、台車、架台など、計量対象に合わせて形状を自由に設計できます。原料を別の秤へ移さず、その工程内で重量を測定できます。
一方で、電子台秤のような完成品と比べ、荷重受け構造、配管、振動、校正方法を個別に検討する必要があります。精度はロードセル単体ではなく、計量装置全体で評価します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、圧縮型、引張型、ビーム型などから用途に適したロードセルを選定し、ホッパー、タンク、台車、計量架台へ組み込む構造を設計します。
荷重受け機構、揺れ止め、配管接続、過荷重保護、和算箱、計量コントローラ、制御盤を含め、設備全体で必要な精度を得られる構成を検討します。
PLCによる粗供給・微供給、落差補正、重量安定判定、実績保存、上位システム連携についても、要求仕様に合わせて対応します。
よくある質問
Q. ロードセルの容量は計量物の最大重量と同じでよいですか?
A. 設備本体の重量、偏荷重、衝撃、ロードセル台数も考慮して選定する必要があります。
Q. ロードセルを取り付ければ高精度に計量できますか?
A. ロードセルだけでなく、荷重受け構造、配管、振動、温度、校正方法が精度へ大きく影響します。
Q. タンクに接続した配管は計量値へ影響しますか?
A. 配管の硬さや熱伸縮による力が加わるため、フレキシブル継手などで影響を抑えます。
Q. 複数のロードセルを使用できますか?
A. 大型タンクなどでは複数台で支持します。和算箱や調整機構を用いて各ロードセルの出力をそろえます。
Q. 既設タンクへロードセルを追加できますか?
A. 架台構造、配管、設備重量、据付スペースを確認し、改造できる場合があります。