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計量制御
(けいりょうせいぎょ)
計量制御とは、ロードセルや計量器で重量を測定しながら、原料や製品の供給量を調整し、設定した目標重量へ自動的に合わせる制御です。粉体、粒体、液体などを所定量だけ投入するバッチ計量や、搬送中の流量を連続的に管理する設備で使用されます。
単に重量を表示するだけでなく、供給機器の起動・停止、粗供給と微供給の切り替え、停止後に落下する原料の補正、重量安定判定、過不足判定、計量実績の保存までを一連の工程として管理します。
設備は、ホッパースケール、フロアスケール、電子台秤などの計量部、ロードセル、計量コントローラ、PLC、供給機器、制御盤、タッチパネルなどで構成されます。
計量制御の基本構成
計量対象の荷重は、ロードセルによって微小な電気信号へ変換されます。複数のロードセルを使用する場合は、和算箱で信号をまとめて計量コントローラへ入力します。
計量コントローラはロードセル信号を増幅・変換し、重量値、安定状態、上限・下限判定などをPLCへ出力します。PLCは目標重量や工程条件に基づき、ゲート、バルブ、スクリューフィーダー、振動フィーダー、ポンプなどを制御します。
タッチパネルでは、目標重量、現在重量、粗供給設定、微供給設定、落差補正値、許容範囲、異常内容などを表示・設定します。上位システムと連携する場合は、品種や配合ごとの設定値を受信し、計量結果を返送します。
計量制御の主な用途
- 粉体・粒体・液体のバッチ計量
- 複数原料の配合計量
- 容器、袋、フレコンへの充填計量
- 製品重量の過不足判定
- ベルトコンベア上の連続計量
- 計量結果と品種・ロット情報の記録
例えば、ホッパースケールへ原料を投入する設備では、空の計量槽でゼロ点を確認し、供給機を高速運転します。目標重量へ近づくと供給速度を下げ、設定重量の手前で停止します。落下中の原料が入り終わり、重量が安定した時点で計量完了とします。
基本的な計量工程
ゼロ確認と風袋処理
計量開始前に、計量槽や計量台が空であることを確認し、ゼロ点が許容範囲内にあるか判定します。容器へ充填する場合は、容器重量を風袋として登録し、投入物だけを正味重量として管理します。
総重量をWg、風袋重量をWt、正味重量をWnとすると、次の式で表せます。
Wn=Wg-Wt
粗供給
計量開始直後は、目標重量までの距離が大きいため、供給機を高速または全開で運転します。短時間で大部分を投入することで、設備の処理能力を確保します。
微供給
目標重量へ近づくと、供給速度を下げて少量ずつ投入します。スクリューフィーダーでは回転速度を下げる、ダブルゲートでは粗供給側を閉じて微供給側だけを開くなど、機器に応じた切り替えを行います。
供給停止と落差補正
停止指令を出しても、供給口と計量槽の間にある原料や、機器内部に残った原料はそのまま落下します。この停止後に加わる重量を落差または空中落下量と呼びます。
目標重量をWs、予測落差をWf、供給停止重量をWcとすると、概算では次のように設定します。
Wc=Ws-Wf
目標重量100kg、予測落差0.8kgの場合は、99.2kg付近で供給を停止します。
重量安定と完了判定
供給停止直後は、原料の落下、容器の揺れ、液面変動、周辺設備の振動などによって重量値が安定しません。一定時間内の重量変動が設定範囲以内となったことを確認し、確定重量を取得します。
確定重量が許容範囲内であれば計量完了とし、過量または不足の場合は補充、排出、手動確認などの処理へ移ります。
粗供給・微供給の設定
計量精度と処理能力は、粗供給から微供給へ切り替える重量と、供給を停止する重量に大きく影響されます。
微供給への切り替えが遅すぎると、供給量を十分に減らせないまま目標重量へ到達し、過量になりやすくなります。早すぎると微供給時間が長くなり、計量サイクルが低下します。
粉体では密度、粒径、含水率、圧縮性、付着性によって供給量が変化します。液体では粘度、温度、配管圧力、バルブ応答が影響します。そのため、実際の原料を用いた計量試験によって設定値を調整することが重要です。
落差補正と自動補正
落差は常に一定とは限りません。供給速度、原料残量、原料性状、機器内部への付着、バルブやゲートの応答時間などによって変化します。
前回の計量誤差を次回の停止重量へ反映する自動補正を行う場合があります。目標重量と確定重量の差を計量誤差Eとすると、次の計量で落差補正値を増減させます。
E=確定重量-目標重量
過量が続く場合は供給停止を早め、不足が続く場合は遅らせます。ただし、異常な計量値をそのまま学習すると設定が大きくずれるため、補正量の上限や採用条件を設けます。
設計・制御上のポイント
計量部へ外力を加えない
計量槽や計量台へ配管、ホース、ケーブル、シュート、コンベアなどから力が加わると、その力も重量として検出されます。配管にはフレキシブル継手を使用し、計量部と固定部の接触を避けます。
粉体が計量槽と周辺設備の間に堆積し、橋渡し状態になると、重量が正しく戻らない場合があります。付着や堆積を確認しやすく、清掃しやすい構造とします。
供給機器の特性を把握する
スクリューフィーダー、振動フィーダー、ゲート、ポンプでは、指令から実際に供給が止まるまでの応答時間が異なります。機器の停止応答と原料の流れ方を考慮して、微供給速度と停止点を決めます。
粉体の詰まりや付着によって供給量が急に減る場合もあります。運転指令中に重量が一定時間増加しなければ、原料切れや閉塞として警報を出します。
計量レンジと分解能を選定する
ロードセル容量は、原料重量だけでなく、計量槽、容器、付属機器、偏荷重、衝撃荷重を含めて選定します。ただし、必要以上に大きな容量を選ぶと、少量計量で十分な分解能を得にくくなります。
最大計量値、最小計量値、必要精度、最小表示を整理し、設備に適したロードセルと計量コントローラを選定します。
振動とフィルターを調整する
ミキサー、コンベア、集塵機、ポンプなどの振動が計量部へ伝わると、安定判定に時間がかかります。架台や配管を機械的に分離し、必要に応じて防振対策を行います。
計量コントローラのデジタルフィルターを強くすると表示は安定しますが、応答が遅れます。供給中の高速応答と、停止後の安定性を両立できるよう調整します。
原料ごとに設定を管理する
同じ設備でも、原料の密度や流動性が異なると、供給速度や落差が変わります。品種ごとに粗供給設定、微供給設定、落差補正、安定判定時間、許容値を登録します。
配合管理システムと連携する場合は、製造指示に対応する設定が正しく選択されたことを確認してから計量を開始します。
異常監視と復旧
主な異常には、ゼロ点異常、ロードセル断線、重量不安定、過荷重、供給時間超過、重量増加なし、過量、不足、計量コントローラ通信異常などがあります。
供給指令中に重量が増えない場合は、原料切れ、ゲートやバルブの動作不良、スクリューの停止、閉塞、ロードセル信号異常を確認します。供給停止後も重量が増え続ける場合は、バルブの閉止不良や原料の流れ込みが考えられます。
異常復旧時は、計量槽に残っている原料とPLCが管理する工程状態を確認します。計量途中の原料がある状態で最初から再実行すると、二重投入につながるため、継続計量、手動確定、排出のいずれを行うか選択できる構成とします。
停電・通信異常時の処理
停電時は、供給機やバルブを安全側へ停止させ、原料の流入を止めます。復電後は、計量途中であったか、計量槽内に原料が残っているか、重量値と工程状態が保持されているかを確認します。
計量コントローラとPLCの通信が切れた場合は、新しい供給を開始せず、現在の供給も設備条件に応じて停止します。復旧後に古い開始指令を重複実行しないよう、バッチ番号や工程番号を照合します。
上位システムへの実績送信ができない場合は、計量結果をPLC、タッチパネル、産業用パソコンなどへ一時保存し、通信復旧後に未送信データだけを送る構成を検討します。
計量実績とトレーサビリティ
計量完了時には、目標重量、確定重量、誤差、原料名、品種、ロット、容器番号、計量日時などを保存します。
複数原料を配合する設備では、各原料を正しい順番と量で投入したことを記録します。バーコードやRFIDを使用して原料・容器を識別すれば、誤投入防止とトレーサビリティの強化につながります。
記録データは、品質確認、原料使用量の集計、異常原因の調査、製造報告書の作成などに活用できます。
保守と設備更新
定期点検では、ロードセル取付部、ケーブル、和算箱、端子、計量槽と周辺設備の接触、粉体の堆積、ゼロ点、既知重量による指示値を確認します。
計量コントローラを更新する場合は、ロードセル仕様、入力感度、校正値、最小表示、フィルター、安定判定、入出力信号、通信データを確認します。
PLCやタッチパネルの更新では、品種設定、落差補正値、計量実績、上位通信の互換性を確認します。新旧機器で演算や応答が異なる場合は、実原料を使用して粗供給・微供給と停止点を再調整します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、粉体、粒体、液体などの原料特性、目標重量、必要精度、処理能力、設備構成を確認し、用途に応じた計量制御を検討します。
ロードセル、計量コントローラ、ホッパースケール、フロアスケール、供給機器、ゲート、バルブ、ポンプなどを組み合わせ、制御盤、PLC、タッチパネルまで一体で構成します。
粗供給・微供給、落差補正、重量安定判定、過不足判定、異常監視、停電復旧、手動操作を設備条件に合わせて設計します。
配合管理システム、生産管理システム、バーコード機器などと連携し、製造指示の受信、誤投入防止、計量実績の保存、上位システムへの送信についても、通信仕様を確認して対応を検討します。
よくある質問
Q. 計量結果が毎回目標重量を超える場合はどう調整しますか?
A. 微供給速度、供給停止重量、落差補正値を確認します。ゲートやバルブの停止応答、原料の流動性が変化していないかも確認します。
Q. 重量が安定せず計量完了にならない場合は何を確認しますか?
A. 周辺設備の振動、配管やホースの接触、粉体の堆積、計量槽の揺れ、フィルターと安定判定条件を確認します。
Q. 原料が変わった場合も同じ設定で計量できますか?
A. 原料の密度、粒径、付着性、流動性によって供給速度と落差が変わります。品種ごとに粗供給・微供給と補正値を設定することが望まれます。
Q. 既設の計量設備を自動化できますか?
A. ロードセルや計量器の信号、供給機器、PLC入出力、盤内スペースを確認し、計量コントローラや制御盤を追加・更新できる場合があります。
Q. 計量値を生産管理システムへ送信できますか?
A. PLCや計量コントローラの通信機能を使用し、品種、ロット、目標重量、実績重量、計量日時などを送信する構成を検討できます。