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ロボット計量制御

(ロボットけいりょうせいぎょ)

ロボット計量制御とは、産業用ロボットや協働ロボットと秤、ロードセル、供給機器を連携させ、原料や部品を目標重量まで自動的に計量する制御です。ロボットが原料をすくう、投入する、容器を搬送するといった動作を行い、計量器が取得した重量値に応じて次の動作を判断します。

人による手作業計量では、作業者が秤の表示を見ながら投入量を調整します。ロボット計量制御では、この判断をPLC、計量コントローラ、ロボットプログラムなどで実行し、計量作業の省人化や記録の自動化を図ります。

ロボット計量制御の基本構成

一般的なシステムは、次の機器で構成されます。

  • 産業用ロボットまたは協働ロボット
  • スコップ、カップ、グリッパなどのロボットハンド
  • ロードセルを備えた秤
  • 計量容器
  • 原料容器や供給ホッパー
  • 計量コントローラ
  • PLC
  • ロボットコントローラ
  • 安全柵や安全センサ
  • 上位の配合・生産管理システム

計量器が重量値をPLCへ送り、PLCが不足量を演算してロボットへ投入指示を出します。ロボットは、指示された採取量や動作パターンに従って原料を投入します。

目標重量まで計量する仕組み

計量制御では、現在重量と目標重量の差を求めます。

不足量=目標重量-現在重量

不足量が大きい段階では、ロボットが一度に多くの原料を投入します。目標重量へ近づくと、採取量を減らし、少量ずつ投入します。

例えば、次のような段階制御を行います。

  • 大投入:目標値から大きく離れているとき
  • 中投入:目標値へ近づいたとき
  • 小投入:許容範囲の直前まで調整するとき

原料の採取量が一定でない場合は、投入後の実績重量を記録し、次回の採取姿勢やスコップ角度を補正します。

重量値の安定判定

ロボットが原料を投入した直後は、秤や計量容器が振動し、重量表示が変動します。その状態で次の投入量を計算すると、過量になる可能性があります。

そのため、投入後に一定時間待つ、または重量変化が所定範囲内になったことを確認してから判定します。

重量安定の考え方として、一定時間内の最大値と最小値の差が設定値以下になった場合に安定と判定する方法があります。

重量変動幅=一定時間内の最大重量-最小重量

重量変動幅が許容値以下になった後で、次の投入動作を開始します。

ロボットとPLCの信号連携

ロボットとPLCの間では、動作開始、動作完了、位置到達、異常、運転可能などの信号を送受信します。

一般的な動作の流れは次のとおりです。

  • PLCが計量開始条件を確認する
  • ロボットへ原料採取指示を出す
  • ロボットが原料を採取する
  • 計量容器へ原料を投入する
  • ロボットが退避位置へ移動する
  • 計量器が重量を安定判定する
  • PLCが不足量を計算する
  • 不足していれば追加投入を指示する
  • 許容範囲内であれば計量完了とする

ロボットが計量容器へ接触したままでは正しい重量を測定できないため、退避完了信号を確認してから重量を判定します。

過量を防ぐ制御

ロボット計量では、一度の投入量が目標重量を超えると、原料を取り除く必要があります。粉体や混合原料では、過量分だけを正確に取り除くことが難しい場合があります。

そのため、目標値へ近づくほど投入量を小さくし、過去の投入実績から採取量を補正します。

過量が発生した場合は、次の処理を設備仕様に応じて選択します。

  • ロボットで過量分を取り除く
  • 計量不良として別容器へ排出する
  • 上位システムへ異常を通知する
  • 作業者による修正を要求する

複数原料の配合

複数の原料を順番に計量する場合は、原料ごとの容器位置、目標重量、許容差、採取方法を登録します。

誤った原料を採取しないように、バーコード、二次元コード、RFID、容器有無センサなどを利用する場合があります。

ロボットハンドやスコップに原料が残ると、次の原料へ混入する可能性があります。原料ごとに専用工具を使用する、工具交換を行う、清掃工程を設けるなどの対策を検討します。

原料性状による制御の違い

流動性の高い粒体は、比較的一定量を採取しやすい一方、細かい粉体や付着性原料では、スコップへ残留したり、投入時にまとまって落下したりします。

原料によって、ロボットの侵入深さ、採取速度、スコップ角度、振り落とし動作を変更します。

原料残量が少なくなると、同じ動作でも採取量が減る場合があります。原料面の高さを検知する、採取位置を段階的に下げる、原料補給要求を出すなどの制御を行います。

計量精度へ影響する要因

  • 秤へ伝わる床振動
  • ロボット動作による振動
  • 計量容器への接触
  • ケーブルや配管から加わる力
  • 原料の付着
  • ロードセルの温度変化
  • 採取量のばらつき
  • 投入後の落下残り

ロボットと秤を同じフレームへ設置すると、ロボット動作の振動が計量値へ伝わることがあります。基礎やフレームを分ける、計量判定時にロボットを停止するなどの対策を行います。

安全制御

産業用ロボットでは、安全柵、扉スイッチ、非常停止回路などを設けます。扉が開いた状態ではロボットを動作させない制御が必要です。

協働ロボットでも、スコップや容器の形状、対象物の重量、動作速度によっては、人との接触時に危険が生じます。設備全体でリスクアセスメントを行います。

ロボットと供給機、コンベヤ、AMRなどを組み合わせる場合は、それぞれの動作範囲と停止条件を整理し、相互インターロックを構成します。

異常時の確認方法

重量値が安定しない場合は、ロボットが秤へ接触していないか、床振動、ロードセル、ケーブル、計量容器の付着を確認します。

投入量が安定しない場合は、原料残量、スコップへの付着、採取位置、ロボットの教示位置を確認します。

ロボットが動作しない場合は、PLCとの信号、運転モード、安全扉、非常停止、ロボットアラームを確認します。計量完了にならない場合は、目標値、許容差、安定判定条件を確認します。

導入時のポイント

対象原料、目標重量、許容誤差、処理能力、品種数を確認します。ロボットの可搬質量、動作範囲、繰返し精度も重要です。

計量精度と処理能力は相反する場合があります。少量投入を細かく繰り返すと精度は高まりやすい一方、計量時間が長くなります。必要な生産能力に応じて制御条件を決めます。

実績管理

計量完了後は、原料名、目標重量、実績重量、誤差、計量時刻、ロット番号などを保存できます。

異常や手動修正が発生した場合も記録することで、品質管理や原因調査に利用できます。上位の生産管理システムから配合データを受信し、計量実績を返す構成もあります。

保守・更新

定期的に秤の校正、ロードセル、ロボットハンド、教示位置、安全装置を点検します。スコップの摩耗や変形によって採取量が変化するため、投入補正値も確認します。

原料や配合を追加するときは、新しい採取条件、動作位置、許容差を設定します。ロボットや計量器を更新する場合は、通信方式、信号割付、動作タイミングを確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、ロボットを用いた粉体・粒体の計量制御について、原料性状、目標重量、計量精度、処理能力などの仕様を確認して構成します。

計量器、PLC、ロボットコントローラ、原料識別、実績管理との連携についても、各機器の通信仕様を確認して検討します。

よくある質問

Q. ロボット計量ではどの程度の精度を出せますか?

A. 原料性状、目標重量、採取方法、秤の仕様によって異なります。実際の原料を使用して投入量のばらつきを確認します。

Q. 粉体と粒体を同じロボットで扱えますか?

A. ハンドやスコップ、採取動作を切り替えることで対応できる場合がありますが、混入防止や清掃方法の検討が必要です。

Q. 目標重量を超えた場合に自動で修正できますか?

A. 過量分を取り除ける原料であれば自動修正を検討できます。難しい場合は不良排出や手動修正とします。

Q. 計量中にロボットを動かしても問題ありませんか?

A. ロボットの振動が秤へ伝わる場合があります。重量判定中は停止・退避させる構成が一般的です。

Q. 計量実績を生産管理システムへ送れますか?

A. 上位システムの通信仕様を確認し、目標値の受信や実績値の送信を検討します。

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