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計量安定判定
(けいりょうあんていはんてい)
計量安定判定とは、ロードセルなどから得られる重量値の変動が所定の範囲内に収まり、計量結果を確定できる状態になったかを判断する制御です。粉体・粒体・液体のバッチ計量、充填計量、排出確認などで使用されます。
原料投入直後や排出直後の重量値は、落下衝撃、設備振動、液面の揺れ、供給機の停止振動などによって変動します。表示された瞬間値だけで計量完了を判断すると、実際の重量と異なる値を記録する可能性があります。
ハカルプラスでは、計量速度、必要精度、設備振動を確認し、判定幅、判定時間、フィルタ、タイムアウトを組み合わせた計量安定判定を検討します。
計量値が安定しない主な原因
- 原料が計量ホッパーへ落下した際の衝撃
- スクリュー、バイブレータ、モーターの振動
- 液体の波立ちや泡立ち
- 配管、ダクト、ケーブルから加わる外力
- 周辺設備や床から伝わる振動
- 電気ノイズやロードセル配線の異常
制御側の調整だけで改善できない場合は、計量架台、配管接続、供給方法など機械構造も確認します。
基本的な判定方法
一定時間内における重量値の最大値と最小値の差を求め、その差が設定した安定幅以内であれば安定と判定します。
例えば、判定時間1秒、安定幅0.1kgとした場合、1秒間の重量変動が0.1kg以内に収まれば計量値を確定します。
判定幅が狭すぎると安定待ち時間が長くなり、広すぎると変動中の重量を確定する可能性があります。
判定時間の設定
判定時間を長くすると、一時的な変動を除外しやすくなりますが、計量サイクルが長くなります。短くすると処理は速くなりますが、振動の谷や山を偶然捉えて安定と判定する可能性があります。
粉体計量、液体計量、容器充填など、対象によって適切な判定時間は異なります。実際の重量波形を確認して設定します。
デジタルフィルタとの関係
移動平均やローパスフィルタを使用すると、重量表示のばらつきを抑えられます。ただし、フィルタを強くすると実際の重量変化に対する応答が遅れます。
供給停止時の応答が遅いと、粗供給・微供給や落差補正にも影響します。計量表示を見やすくする設定と、制御に使用する重量値の設定を分ける場合もあります。
計量完了時の安定判定
供給停止後、落下中の原料がすべて計量器へ入り、重量変動が収まってから実績重量を確定します。
安定判定前に実績を記録すると、空中量が含まれず不足として記録される場合があります。反対に、設備へ一時的な衝撃が加わった瞬間を記録すると、過量として扱われる可能性があります。
排出完了時の安定判定
計量ホッパーから原料を排出した後、重量がゼロ付近で安定したことを確認します。これにより、原料残留、ゲート噛込み、排出不良を検出できます。
重量がゼロ許容範囲へ戻っていても変動が大きい場合は、ゲート振動や付着物の落下が続いている可能性があります。
ゼロ点補正との関係
自動ゼロ点補正を行う場合も、重量値が安定していることを確認してから補正します。変動中にゼロ補正すると、誤った値を基準として記録する可能性があります。
また、ゼロ許容範囲を超える重量が残っている場合は、補正せずに残留異常として警報を出す構成が有効です。
安定判定のタイムアウト
設備振動や原料の揺れが長く続くと、いつまでも安定判定が成立しないことがあります。一定時間を超えた場合は、安定待ちタイムアウトとして警報を出します。
タイムアウト後に強制的に計量値を採用するか、計量不良として排出を禁止するかは、品質要求に応じて決めます。
安定判定と生産能力
バッチ計量では、安定待ち時間が積み重なると生産能力へ大きく影響します。判定時間を短縮するだけでなく、原料の落下衝撃、計量架台の剛性、供給機停止時の振動を改善することも重要です。
計量精度と処理能力の両方を確認し、必要以上に厳しい判定条件としないよう調整します。
異常時の確認
安定判定が成立しない場合は、重量波形を確認し、周期的な振動か、不規則なノイズかを切り分けます。周期的な変動ではモーターや供給機、不規則な変動では配線や接触不良を確認します。
排出後だけ不安定になる場合は、ゲート、バイブレータ、ホッパーへの原料付着を点検します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、ロードセル、計量コントローラ、PLCの重量データを確認し、安定幅、判定時間、フィルタ、タイムアウト条件を設定します。
計量完了、排出完了、ゼロ確認、自動補正、異常履歴を組み合わせ、計量精度と生産能力の両立を検討します。
よくある質問
Q. 重量表示が止まって見えれば安定していますか?
A. 表示桁や更新周期によって止まって見える場合があるため、内部重量値の変動幅と判定時間で確認します。
Q. 安定幅を狭くすれば精度は必ず上がりますか?
A. 判定は厳しくなりますが、計量時間が長くなり、設備振動が大きい場合は判定できなくなることがあります。
Q. フィルタを強くすれば安定判定しやすくなりますか?
A. 表示は安定しますが、応答が遅れて供給停止や落差補正へ影響する場合があります。
Q. 排出後にも安定判定は必要ですか?
A. 原料残留やゲート噛込みを確認するため、ゼロ付近での安定判定が有効です。
Q. 安定判定できない場合に自動運転を続けられますか?
A. 品質条件に応じて、タイムアウト警報、強制確定、運転停止のいずれかを設定します。