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落差補正

(らくさほせい)

落差補正とは、供給装置を停止した後も、供給口から計量器までの間にある原料が落下して重量が増えることを見込み、目標重量より手前で供給を停止する制御です。空中量補正やオーバーラン補正と呼ばれる場合もあります。

粉体・粒体のバッチ計量、液体充填、袋詰めなどでは、停止指令を出した瞬間に供給が完全に止まるわけではありません。落差補正が適切でないと、過量または不足が繰り返し発生します。

ハカルプラスでは、原料特性、供給速度、設備応答を確認し、実績値に基づく落差補正と自動更新を検討します。

落差が発生する理由

供給停止後に重量が増える主な要因には、次のものがあります。

  • 供給口から計量器まで空中にある原料
  • スクリュー内部から押し出される原料
  • ゲートやバルブが閉じるまでに流れる原料
  • 配管やシュート内を移動中の原料
  • ポンプ停止後の慣性や圧力で流れる液体

これらの合計が、停止指令後に追加される重量となります。

基本的な補正方法

目標重量から予想落差量を差し引き、供給停止重量を設定します。

供給停止重量=目標重量-落差補正量

目標重量が100kg、停止後に2kg増えると予想される場合は、98kgで供給停止指令を出します。

落差量に影響する条件

落差量は常に一定とは限りません。次の条件によって変化します。

  • 微供給時の供給速度
  • 原料の粒径、流動性、含水率
  • 供給口から計量器までの距離
  • スクリューやゲートの停止応答
  • 配管圧力やポンプ吐出圧
  • ホッパー内残量

原料残量によって供給圧が変わる設備では、同じ停止条件でも落差量が変化します。

固定補正と自動補正

固定補正では、試運転で求めた落差量を設定値として使用します。原料条件が安定している設備では簡単に運用できます。

自動補正では、前回の目標値と実績値の差から、次回の落差補正量を更新します。原料性状や機械状態が徐々に変化する設備に有効です。

補正値の計算

実績値が目標より1kg多かった場合、次回は停止重量を一定量早めます。補正量を一度に全量変更すると、ばらつきに過剰反応する可能性があります。

実績誤差の一部だけを補正へ反映する、複数回の平均値を使用するなど、変動を抑える方法があります。

粗供給・微供給との関係

落差補正は、通常、微供給停止時に使用します。粗供給停止後には供給量が大きく変化するため、その後の微供給で目標へ近づけます。

微供給速度が大きいほど落差量も増えやすくなります。計量時間と精度のバランスを見ながら微供給速度を設定します。

供給装置別の特徴

スクリューフィーダーでは、停止後もスクリュー内の原料が押し出されることがあります。振動フィーダーでは、振動が収まるまで原料が移動します。

ゲート供給では閉動作時間、液体バルブでは閉止時間と液だれ、ポンプでは配管圧力や慣性が落差へ影響します。

液体充填の落差

液体では、バルブ閉止後の液だれや配管内圧によって充填量が増えます。粘度や温度の変化によって流れ方が変わるため、補正値も変動します。

ノズル先端の閉止機構、吸引機構、ポンプ減速を組み合わせ、停止後の流入量を減らします。

計量信号の遅れ

重量信号へ強いフィルタをかけると、実際の重量変化より表示値が遅れます。表示上は停止重量へ達していなくても、実際には多くの原料が投入されている場合があります。

落差補正を調整する前に、計量信号の更新周期、フィルタ、PLCスキャン時間を確認します。

異常値を学習しない工夫

ブリッジ解消後の急落下、作業者の接触、ロードセル異常などで大きな誤差が発生した場合、その値を自動補正へ使用すると次回の計量が不安定になります。

補正可能範囲を設定し、異常値や許容範囲外のバッチは学習対象から除外します。

原料ごとの補正管理

原料によって流動性や落下量が異なるため、補正値は原料別に管理します。同じ原料でも供給装置や計量器が異なる場合は、設備ごとに設定します。

配合番号、品種、供給経路と補正値を関連付けて保存します。

落差補正の調整手順

試運転では、一定の微供給速度で複数回計量し、供給停止重量から安定後重量までの増加量を確認します。

平均落差量を初期値とし、計量実績を見ながら補正係数と上限・下限を調整します。供給機の部品交換や原料変更後は再確認します。

異常時の確認

過量が継続する場合は、落差補正不足、供給停止遅れ、バルブ閉止不良を確認します。不足が継続する場合は、補正過大、微供給停止前の供給途切れを点検します。

ばらつきが大きい場合は、原料流動性、ホッパー残量、供給速度、重量安定を確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、供給装置の応答、微供給速度、原料性状を確認し、落差補正の初期値と更新方法を検討します。

計量コントローラやPLCへ補正演算を組み込み、原料別管理、補正上限、異常値除外、実績保存に対応できる場合があります。

よくある質問

Q. 落差とは高さのことですか?

A. 計量制御では、供給停止後に計量器へ入る原料量を指すことが一般的です。

Q. 落差補正量は一定ですか?

A. 原料性状、供給速度、設備応答によって変化するため、自動補正が有効な場合があります。

Q. 液体充填にも落差補正は必要ですか?

A. バルブ閉止後の液だれや配管内圧による流入があるため、必要になる場合があります。

Q. 補正値を毎回更新してもよいですか?

A. 異常値へ過剰反応しないよう、更新率と補正範囲を制限するのが一般的です。

Q. 過量が多い場合は補正値だけを変更すればよいですか?

A. 供給速度、ゲートやバルブの応答、計量信号の遅れも確認する必要があります。

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