Technology

流量計

(りゅうりょうけい)

流量計とは、配管や水路を流れる液体、気体、蒸気などの量を測定する機器です。一定時間当たりに流れる量を示す瞬時流量と、一定期間に流れた総量を示す積算流量を測定できます。

流量は、ポンプやバルブの制御、原料の定量供給、使用量の管理、異常監視などに利用されます。計量設備では、液体原料を設定量だけ供給するための計測機器として使用されるほか、生産実績や原料使用量の記録にも活用されます。

流量計には、電磁式、超音波式、コリオリ式、渦式、容積式、差圧式など多くの方式があります。測定対象の導電率、粘度、温度、圧力、気泡、固形物の有無、必要精度を確認し、適切な方式を選定することが重要です。

流量の基本

流量には、体積流量と質量流量があります。

体積流量は、単位時間当たりに流れる体積を表し、L/min、m3/hなどの単位を使用します。質量流量は、単位時間当たりに流れる質量を表し、kg/min、t/hなどで表します。

体積流量をQ、流速をv、配管の断面積をAとすると、流れが均一な場合の基本的な関係は次のとおりです。

Q=A×v

例えば、配管断面積が0.01m2、平均流速が2m/sの場合、体積流量は0.02m3/sです。

ただし、実際の配管内では流速分布が均一でないことがあります。曲がり管、バルブ、ポンプなどの影響を受けるため、流量計の前後に必要な直管長を確保します。

瞬時流量と積算流量

瞬時流量

現在どれだけの量が流れているかを示します。ポンプ速度やバルブ開度を調整し、一定流量を維持する制御に使用します。

流量が設定範囲を外れた場合は、原料切れ、配管閉塞、ポンプ異常、バルブ未開などの異常として監視できます。

積算流量

流れた量を時間とともに加算した値です。原料の使用量、給水量、生産バッチごとの投入量などを管理します。

流量をQ、計測時間をt、積算量をVとすると、流量が一定の場合は次の関係になります。

V=Q×t

流量が10L/minで3分間流した場合、積算量は30Lです。実際の流量が変動する場合は、一定周期ごとに流量を積算します。

主な流量計の方式

電磁流量計

導電性のある液体が磁界中を流れるときに発生する電圧を測定し、流速と流量を求めます。配管内に大きな可動部や絞りがなく、圧力損失を抑えやすい方式です。

水、薬液、スラリーなどの測定に利用されます。一方、油や空気など導電性のない流体は一般に測定できません。

超音波流量計

配管内を伝わる超音波の伝搬時間や周波数変化から流量を求めます。配管外側へセンサを取り付けるクランプオン方式では、配管を切断せずに設置できる場合があります。

既設設備への追加に適していますが、気泡、固形物、配管材質、内面状態などの影響を受けることがあります。

コリオリ式流量計

流体が流れる測定管を振動させ、流れによって生じる変形から質量流量を直接測定します。密度も測定できる製品があります。

高精度な質量計測に適していますが、機器価格、圧力損失、設置重量などを考慮する必要があります。

渦流量計

流れの中に設けた障害物の後方で発生する渦の周波数を測定し、流量を求めます。液体、気体、蒸気の測定に使用できます。

流量が小さすぎると安定した渦が発生しにくいため、測定可能な流量範囲を確認します。振動の影響にも注意が必要です。

容積式流量計

一定体積の流体を機械的に区切り、その通過回数から流量を測定します。粘度のある液体や油の計測に適する方式があります。

可動部を持つため、異物の噛み込み、摩耗、圧力損失、定期的な保守を考慮します。

差圧式流量計

配管にオリフィスなどの絞りを設け、その前後に発生する圧力差から流量を求めます。広く利用されている方式ですが、圧力損失が生じます。

流量は差圧の平方根に比例するため、低流量域では測定誤差が大きくなりやすい点に注意します。

測定対象による選定

水や導電性液体

電磁流量計が利用しやすい対象です。薬液やスラリーを扱う場合は、接液部の材質、耐薬品性、摩耗性を確認します。

油や高粘度液体

容積式やコリオリ式などが候補になります。粘度が温度によって変化すると流れ方や圧力損失も変化するため、使用温度を確認します。

空気やガス

熱式、渦式、差圧式などを使用します。気体は圧力と温度によって体積が変化するため、標準状態への換算が必要になる場合があります。

蒸気

渦式や差圧式などを使用します。温度、圧力、飽和蒸気か過熱蒸気かを確認し、必要に応じて密度補正を行います。

流量計の選定ポイント

流量範囲

通常流量だけでなく、最小流量と最大流量を確認します。流量計の測定範囲外では、表示が不安定になったり、十分な精度が得られなかったりします。

配管口径だけで選定せず、実際に必要な流量範囲と流速を確認します。

測定精度

監視だけに使用する場合と、原料の定量供給や取引用途に使用する場合では、必要精度が異なります。

精度表示が指示値に対する割合なのか、フルスケールに対する割合なのかも確認します。低流量域での実際の誤差に差が生じます。

圧力損失

流量計内部の絞りや可動部によって圧力が低下すると、下流側で必要な流量を確保できない場合があります。

ポンプ能力、配管長、バルブ、フィルターなどを含め、配管系全体の圧力損失を確認します。

接液部の材質

流体に接触するライニング、電極、測定管、シールなどは、薬品、温度、腐食性に適した材質を選定します。

食品や衛生用途では、洗浄性、液だまり、分解方法なども確認します。

流体の状態

気泡、固形物、脈動、流体温度、粘度変化などは測定値へ影響します。ポンプ直後では脈動や気泡が発生しやすいため、設置位置を検討します。

設置上の注意点

直管長を確保する

エルボ、分岐、バルブ、ポンプの直後では、流れが偏ったり旋回したりします。流量計の上流側と下流側に、機器仕様で定められた直管部を確保します。

必要な直管長を確保できない場合は、整流器の使用や測定方式の変更を検討します。

配管を満水状態にする

液体用流量計では、測定管内が液体で満たされていることが基本です。配管上部に空気がたまる位置や、液体が抜ける縦配管には注意します。

電磁流量計では、電極が液体に接触していないと正しく測定できません。

流れ方向を確認する

流量計本体には流れ方向が指定されている場合があります。逆向きに取り付けると、正しく測定できない、符号が反転するなどの問題が発生します。

振動と配管応力を抑える

ポンプや周辺機械の振動が流量計へ伝わると、測定値が不安定になる場合があります。配管支持を設け、流量計本体へ配管の重量や無理な力が加わらないようにします。

流量制御との組み合わせ

流量計の測定値をPLCや流量調節計へ取り込み、ポンプの回転速度やバルブ開度を調整することで、一定流量を維持できます。

目標流量と実流量の差を基に、インバーターや調節弁へ出力します。応答を速くしすぎると、流量が上下に変動するハンチングが発生するため、ポンプや配管の応答に合わせて調整します。

バッチ供給では、流量を積算し、目標量の手前でポンプを減速します。停止指令後に配管内から流れ込む量を考慮して停止点を設定します。

アナログ・パルス・通信出力

流量計からPLCや表示器へ測定値を送る方法には、アナログ出力、パルス出力、通信出力などがあります。

4~20mAなどのアナログ信号は、瞬時流量の伝送に使用されます。パルス出力は、一定量が流れるごとに信号を出し、積算量の管理に利用します。

通信出力では、瞬時流量、積算値、温度、異常情報など複数のデータを取得できる場合があります。通信断時の処理や更新周期も確認します。

積算パルスの注意点

パルス出力では、1パルス当たりの流量を設定します。例えば、1パルスを1Lと設定し、100パルス受信した場合の積算量は100Lです。

流量が大きいのに1パルス当たりの量を小さく設定すると、パルス周波数が高くなり、PLC入力が取りこぼす可能性があります。

反対に1パルス当たりの量が大きすぎると、少量計測での分解能が不足します。最大流量、PLC入力の応答速度、必要な積算分解能から設定します。

異常監視

主な異常には、流量なし、流量不足、過大流量、逆流、空配管、センサ異常、通信異常などがあります。

ポンプ運転中にもかかわらず流量がない場合は、原料切れ、バルブ未開、配管閉塞、ポンプ空運転、流量計異常を確認します。

流量が急激に増加した場合は、バルブ故障、配管破損、設定変更などが考えられます。設定範囲を超えた場合は、ポンプ停止やバルブ閉止を行うインターロックを検討します。

異常時の復旧

流量異常が発生した場合は、ポンプやバルブの状態、配管内の液体、流量計の表示、PLCへの入力値を確認します。

流量計の表示が正常でもPLC側の値が異なる場合は、アナログ信号のスケーリング、断線、通信設定を確認します。

バッチ供給の途中で異常停止した場合は、停止までに流れた積算量と容器内の実量を確認します。最初から供給をやり直すと過量になるため、残量供給、手動確定、排出のいずれを行うか判断します。

校正と保守

流量計は、使用期間、摩耗、付着、流体条件の変化によって指示値がずれる場合があります。必要な精度に応じて定期的に校正します。

容積式流量計では可動部の摩耗や異物の噛み込み、電磁流量計では電極への付着、超音波式ではセンサ取付状態などを確認します。

実量を容器へ受けて重量または体積を測定し、流量計の積算値と比較する方法もあります。基準器や校正設備を使用する場合は、必要な精度とトレーサビリティを確認します。

既設設備への追加・更新

既設配管へ流量計を追加する場合は、流体、配管口径、材質、流量範囲、設置スペース、直管長、停止可能時間を確認します。

配管を切断できない場合は、クランプオン式超音波流量計を使用できる場合があります。ただし、配管状態や流体条件によって測定精度が変わるため、事前確認が必要です。

流量計を更新する場合は、取付寸法、フランジ規格、出力信号、電源、スケーリング、積算パルス設定を確認します。新旧機器で信号範囲が異なる場合は、PLCソフトの変更も必要です。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、測定する液体・気体の種類、流量範囲、温度、圧力、粘度、必要精度を確認し、用途に適した流量計を検討します。

流量計、ポンプ、バルブ、配管、計量器などを組み合わせ、定流量制御、バッチ供給、積算管理、異常監視を構成します。

制御盤、PLC、インバーター、タッチパネルを含め、瞬時流量の表示、目標量での停止、供給実績の保存、上位システムとの連携についても仕様を確認して設計します。

既設設備への追加や流量計の更新についても、配管条件、既存信号、運転方法を確認し、対応可能な構成を検討します。

よくある質問

Q. ポンプが動いているのに流量が表示されない場合は何を確認しますか?

A. 配管内の液体、バルブの開閉、ポンプの回転方向、空気噛み、流量計の電源と出力を確認します。

Q. 流量計の値が大きく変動する場合はどうしますか?

A. 気泡、ポンプの脈動、配管振動、直管長不足、流量計の設置位置を確認します。必要に応じてフィルターや平均化処理を調整します。

Q. 既設配管を切断せずに流量を測定できますか?

A. 配管外側へ取り付けるクランプオン式超音波流量計を使用できる場合があります。配管材質、厚さ、流体条件の確認が必要です。

Q. 流量計で液体を設定量だけ自動供給できますか?

A. 積算流量をPLCで監視し、目標量の手前でポンプやバルブを停止する制御を構成できます。停止後の流れ込み量も調整します。

Q. 流量計を更新するときにPLCの変更は必要ですか?

A. 出力信号、測定範囲、パルス単位、通信仕様が変わる場合は、スケーリングや制御ソフトの変更が必要です。

関連ワード

お問い合わせ窓口

この技術について
お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォーム
お問い合わせ