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4-20mA入力回路
(4-20ミリアンペアにゅうりょくかいろ)
4-20mA入力回路とは、圧力センサ、流量計、レベルセンサ、温度変換器などから送られる4~20mAのアナログ電流信号を受け取り、計測器、PLC、マイコンなどで扱える電圧信号やデジタル値へ変換する回路です。
4~20mA信号は、長距離配線や電気ノイズの影響を受けにくく、工場設備やプラントで広く使用されています。測定範囲の下限を0mAではなく4mAとすることで、測定値がゼロの状態と、断線や電源喪失を区別しやすい点も特長です。
ハカルプラスでは、センサ仕様、電源方式、絶縁の要否、入力点数、必要精度を確認し、4~20mA入力回路から表示、制御、通信、データ保存まで含めた構成を検討します。
4~20mA信号の基本
4~20mA信号では、センサの測定範囲を電流値へ比例換算します。例えば、0~1MPaの圧力センサであれば、0MPaを4mA、1MPaを20mAとして出力します。
測定値は、次の考え方で換算できます。
測定値=下限値+(入力電流-4mA)÷16mA×測定範囲
入力電流が12mAの場合、4~20mAの中央にあたるため、測定値も設定レンジの50%となります。
電流を電圧へ変換する方法
PLCやA/D変換器で電流を直接扱えない場合は、入力抵抗へ電流を流し、発生する電圧を測定します。オームの法則により、入力抵抗が250Ωであれば、4mAで1V、20mAで5Vとなります。
ただし、抵抗値の誤差や温度変化は測定精度へ影響します。高精度用途では、許容差と温度係数の小さい抵抗を使用します。また、入力抵抗による電圧降下がセンサ側の許容負荷を超えないように確認します。
2線式・3線式・4線式の違い
4~20mA機器には、電源と信号線の構成によって複数の方式があります。
- 2線式:同じ2本の線で電源供給と信号伝送を行う
- 3線式:電源線と信号線の一部を共通化する
- 4線式:電源と信号を別々の配線で扱う
2線式では、入力機器側や外部電源からループ電源を供給します。電源電圧、センサの必要電圧、配線抵抗、入力抵抗を考慮し、ループ全体で必要な電圧が確保できるか確認します。
入力回路の主な構成
4~20mA入力回路は、入力抵抗、フィルタ、サージ保護、過電圧保護、絶縁回路、増幅回路、A/D変換回路などで構成されます。
入力端子の近くに保護回路を設け、外部配線から侵入するサージや静電気から内部回路を保護します。電源系統や接地電位の異なる設備間を接続する場合は、絶縁アンプや絶縁型A/D変換器を使用することがあります。
絶縁入力が必要な場合
複数の設備や遠隔地のセンサを接続すると、接地電位差によって意図しない電流が流れることがあります。これにより、測定誤差、通信異常、機器故障が発生する可能性があります。
絶縁入力回路を採用すると、センサ側と制御側の電気的な経路を分離できます。絶縁耐圧だけでなく、絶縁精度、応答速度、電源構成も確認します。
断線と異常電流の検出
4mAを測定下限とするため、入力電流が大きく低下した場合は断線やセンサ電源異常を疑えます。入力電流が20mAを超えた場合は、測定範囲超過やセンサ異常として扱うこともできます。
実際の判定値は、センサが出力する異常時電流や入力機器の仕様に合わせます。例えば、3.6mA未満を下方異常、21mAを超える値を上方異常として扱う機器があります。
ノイズ対策
4~20mA信号は電圧信号よりノイズに強いものの、インバーター、モーター、電磁接触器などの近くでは変動する場合があります。
- 動力線と信号線の配線経路を分ける
- ツイストペア線やシールド線を使用する
- シールドの接地方法を統一する
- 入力部にローパスフィルタを設ける
- 平均化や移動平均処理を行う
フィルタを強くすると表示は安定しますが、急激な変化への応答が遅くなります。制御用途では、必要な応答速度とのバランスを取ります。
PLCでのスケーリング
PLCでは、アナログ入力ユニットから得たデジタル値を、圧力、流量、温度などの工業値へ換算します。入力ユニットの下限値・上限値と、センサの測定範囲を対応させます。
レンジ設定を誤ると、実際の測定値と表示値が一致しません。センサ交換時には、4~20mA仕様が同じでも測定範囲が異なる場合があるため、PLC側の設定も確認します。
異常時の確認
入力値がゼロ付近になる場合は、センサ電源、配線断線、極性、端子の緩みを確認します。常に最大値となる場合は、入力回路の開放、誤配線、レンジ設定、センサ異常を点検します。
表示値が不安定な場合は、入力電流を電流計で直接測定し、センサ側と入力回路側のどちらで変動しているかを切り分けます。入力抵抗両端の電圧を確認する方法も有効です。
保守と校正
既知の電流を発生できる校正器を使用し、4mA、12mA、20mAなど複数点で表示値を確認します。入力回路だけでなく、PLC演算、タッチパネル表示、警報出力まで一連の動作を点検します。
端子の緩み、腐食、シールド接地、入力抵抗の劣化も確認します。重要な計測点では、定期的な校正履歴を残します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、2線式・3線式・4線式センサに対応する入力回路、絶縁、フィルタ、サージ保護、A/D変換を検討します。
PLC、マイコン、タッチパネル、通信機器と組み合わせ、工業値表示、上下限警報、制御、遠隔監視、履歴保存へ展開できます。
よくある質問
Q. 4~20mA信号で0mAを使わないのはなぜですか?
A. 測定値が下限の状態と、断線や電源喪失を区別しやすくするためです。
Q. 250Ωの抵抗を使うと何Vになりますか?
A. 4mAで1V、20mAで5Vとなるため、1~5V入力として扱えます。
Q. 長距離配線でも使用できますか?
A. 使用できますが、配線抵抗による電圧降下と、センサに必要な電源電圧を確認する必要があります。
Q. センサごとに絶縁入力が必要ですか?
A. 接地電位差やノイズ、設備間の電源構成によって必要性が異なります。
Q. 既設PLCへ4~20mA入力を追加できますか?
A. 対応するアナログ入力ユニット、電源容量、盤内スペースを確認し、追加できる場合があります。