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A/D変換回路

(A/Dへんかんかいろ)

A/D変換回路とは、電圧、電流、温度、圧力、重量などの連続的に変化するアナログ信号を、マイコンやPLCで演算できるデジタル値へ変換する回路です。A/DはAnalog to Digitalの略で、A/DコンバータやADCとも呼ばれます。

センサ信号を正確にデジタル化するには、A/Dコンバータの分解能だけでなく、入力レンジ、基準電圧、増幅、フィルタ、ノイズ、変換速度を含めた設計が必要です。

ハカルプラスでは、センサ出力と必要精度を確認し、アナログフロントエンド、A/D変換、マイコン処理、校正、データ保存まで含めた計測回路を検討します。

A/D変換の基本

アナログ信号は連続した値を取りますが、デジタル回路では一定の段階に区切った数値として扱います。A/Dコンバータは、入力電圧を測定し、その大きさに対応するデジタル値を出力します。

例えば、0~5Vを0~4095へ変換する12ビットADCでは、入力電圧が約2.5Vのとき、デジタル値はおおむね2048になります。

分解能

分解能は、入力範囲を何段階に分けられるかを表します。nビットのADCでは、理論上2n段階に変換できます。

  • 10ビット:1,024段階
  • 12ビット:4,096段階
  • 16ビット:65,536段階
  • 24ビット:約1,677万段階

ただし、ビット数が大きくても、回路ノイズや基準電圧の変動が大きければ有効な分解能は低下します。

入力レンジと信号調整

センサ出力がADCの入力範囲より小さい場合、そのままでは分解能を十分に利用できません。オペアンプや計装アンプを用いて信号を増幅します。

反対に、入力電圧がADCの許容範囲を超える場合は、分圧回路や電流電圧変換回路を設けます。負電圧を扱えないADCへ交流信号を入力する場合は、バイアスや絶縁回路も必要です。

アナログフロントエンド

A/D変換前に信号を整える部分をアナログフロントエンドと呼びます。主な構成は次のとおりです。

  • 入力保護回路
  • 電流電圧変換回路
  • 増幅回路
  • ローパスフィルタ
  • 絶縁回路
  • 基準電圧回路

センサの出力インピーダンスとADC入力の特性が合わない場合は、バッファアンプを設けます。

基準電圧の重要性

多くのADCは、入力電圧を基準電圧と比較してデジタル値へ変換します。基準電圧が変動すると、入力信号が同じでも変換値が変化します。

高精度計測では、温度変化が小さく、ノイズの少ない基準電圧源を使用します。基板上の発熱部品から距離を取り、電源ノイズの影響を抑えます。

変換速度とサンプリング周波数

A/Dコンバータが1秒間に何回変換できるかをサンプリング周波数で表します。温度や重量などゆっくり変化する信号では高速変換は不要ですが、振動、波形、高速圧力変動などでは高い変換速度が必要です。

変換速度を上げるとノイズが増えたり、処理データ量が大きくなったりします。測定対象の変化速度に合わせて選定します。

エイリアシング対策

サンプリング周波数に対して入力信号の周波数が高すぎると、実際とは異なる低い周波数として観測されることがあります。これをエイリアシングと呼びます。

A/D変換前にローパスフィルタを設け、測定に不要な高周波成分を除去します。フィルタの遮断周波数は、必要な応答速度とサンプリング条件から決めます。

ノイズ低減

微小信号を測定する場合、電源ノイズ、接地電位差、基板配線、デジタル回路のスイッチングが測定値へ影響します。

  • アナログ部とデジタル部の配線を分離する
  • センサ入力線を短くする
  • 差動入力を利用する
  • 適切な接地とシールドを行う
  • 平均化やデジタルフィルタを使用する

平均化回数を増やすと値は安定しますが、応答が遅くなるため、制御用途では注意します。

校正と補正

A/D変換回路には、ゼロ点誤差、ゲイン誤差、非直線性、温度ドリフトがあります。既知の入力を加え、ゼロ点とスパンを調整します。

ロードセルなどの計量用途では、無負荷時のゼロ校正と、分銅を載せた実負荷校正を行います。温度補正や複数点補正を行う場合もあります。

異常時の確認

変換値が最大または最小に固定される場合は、入力範囲超過、配線断線、電源異常、基準電圧異常を確認します。

値が不安定な場合は、入力信号をオシロスコープやデジタルマルチメータで確認し、センサ側、増幅回路、ADC、ソフト処理の順に切り分けます。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、4~20mA、電圧、ロードセル、温度センサなどの信号に合わせたA/D変換回路を設計します。

増幅、絶縁、フィルタ、校正、温度補正、マイコン演算、通信、データ保存を組み合わせ、計測器や制御機器として構成します。

よくある質問

Q. ADCのビット数が大きいほど精度も高くなりますか?

A. 分解能は高くなりますが、ノイズ、基準電圧、回路誤差によって実際の精度は制限されます。

Q. 4~20mA信号を直接A/D変換できますか?

A. 入力抵抗で電圧へ変換し、必要に応じて増幅・保護してからA/D変換します。

Q. ロードセルの微小信号も変換できますか?

A. 計装アンプや高分解能ADCを用い、ノイズと温度変化へ配慮すれば測定できます。

Q. 平均化すると測定値は安定しますか?

A. ランダムノイズを低減できますが、急激な変化への応答は遅くなります。

Q. A/D変換回路の校正は必要ですか?

A. 必要精度に応じて、ゼロ点、スパン、複数点の校正を行います。

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