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停電検出回路
(ていでんけんしゅつかいろ)
停電検出回路とは、商用電源や直流電源の電圧低下・喪失を検出し、機器の安全停止、データ保存、警報出力、バックアップ電源への切替などを行うための回路です。単に電源が完全に切れたことを検出するだけでなく、動作に必要な電圧を下回った段階で異常を判断することが重要です。
マイコン、PLC、産業用コンピュータ、計量装置などでは、電源が失われる直前に設定値、積算値、計量実績、異常履歴を保存する場合があります。停電検出が遅いと、保存処理を完了する前に制御回路が停止する可能性があります。
ハカルプラスでは、入力電源、電源回路、必要な保持時間、保存データ量を確認し、停電検出から安全停止・データ保存までを含む構成を検討します。
停電検出の目的
- モーター、ヒーター、バルブなどを安全に停止する
- 積算値、設定値、計量実績を不揮発性メモリへ保存する
- 停電発生時刻を異常履歴へ記録する
- バックアップ電源へ切り替える
- 復電時の自動再起動を防止する
設備によっては、瞬時の電圧低下と長時間停電を区別し、異なる処理を行います。
交流電源の停電検出
AC100VやAC200Vなどの商用電源を監視する場合は、絶縁トランス、フォトカプラ、電源監視リレーなどを使用します。
交流波形は周期的に0Vを通過するため、瞬間値だけで判定すると毎周期停電と誤認します。整流・平滑した電圧を監視するか、一定時間以上パルスが得られないことを条件とします。
直流電源の停電検出
DC24VやDC5Vなどの直流電源では、抵抗分圧回路、コンパレータ、電源監視ICなどで電圧を監視します。
設定したしきい値を下回ると停電予告信号を出力し、マイコンやPLCへ通知します。制御回路が動作できなくなる最低電圧より高い位置で検出する必要があります。
電源監視IC
電源監視ICは、電源電圧が設定値を下回った場合にリセット信号や警報信号を出力する部品です。しきい値精度が高く、マイコンの電源監視に使用されます。
電圧低下だけでなく、復帰遅延、ウォッチドッグ、手動リセット機能を備える製品もあります。監視対象電圧と出力論理を確認します。
コンパレータによる検出
抵抗分圧した電源電圧と基準電圧をコンパレータで比較し、しきい値以下になった場合に停電信号を出力します。
しきい値を任意に設定できますが、基準電圧の精度、抵抗誤差、温度変化、入力ノイズを考慮します。
ヒステリシス
電源電圧がしきい値付近を上下すると、停電信号が短時間にON・OFFを繰り返す可能性があります。
停電判定電圧と復電判定電圧に差を設けるヒステリシスを使用します。例えば、20V以下で停電、22V以上で復電とすることで、信号のチャタリングを防ぎます。
検出しきい値の決め方
しきい値は、制御回路が正常動作できる最低電圧、保存処理に必要な時間、コンデンサの保持能力から決めます。
しきい値が低すぎると、停電検出後に十分な処理時間を確保できません。高すぎると、通常の電源変動や始動時電圧低下を停電と誤判定します。
瞬時電圧低下との区別
モーター始動や系統事故により、短時間だけ電源電圧が低下することがあります。これを瞬時電圧低下と呼びます。
短い電圧低下ですぐに設備を停止すると、生産への影響が大きくなる場合があります。一方、制御装置が誤動作する電圧まで低下する場合は速やかな保護が必要です。
電圧値と継続時間を組み合わせて、瞬低、停電、電源異常を区別します。
停電予告時間
停電検出から制御電源が停止するまでの時間を停電予告時間として考えます。
この時間内に、出力停止、データ保存、通信通知などを完了させます。必要時間が不足する場合は、電源コンデンサ、スーパーキャパシタ、UPSなどで保持時間を延ばします。
データ保存処理
停電を検出すると、通常制御を停止し、積算値、工程状態、設定変更、異常情報などを不揮発性メモリへ保存します。
すべてのデータを書き込むと時間がかかるため、通常運転中にも定期保存し、停電時には差分だけを保存する方法が有効です。
停電中の出力状態
制御電源が低下する途中で、リレーやトランジスタ出力が不安定になる可能性があります。
停電検出時に出力を明示的に安全側へ移行し、電源低下時にもモーターやヒーターが意図せず動作しない回路構成とします。
バックアップ電源への切替
停電検出信号を利用して、主電源からバッテリー、UPS、スーパーキャパシタなどへ切り替える場合があります。
切替時に電源が途切れないこと、逆流が発生しないこと、バックアップ容量が必要時間を満たすことを確認します。
復電検出
電源が回復した場合も、電圧が安定するまで直ちに運転を再開しないようにします。
一定時間、正常電圧が継続したことを確認し、制御装置を初期化します。設備周辺の安全確認が必要な場合は、作業者によるリセット操作を求めます。
停電と電源故障の区別
入力電源が正常でも、内部電源回路の故障でDC電圧が低下する場合があります。
商用入力、DC24V、DC5Vなど複数段階を監視すると、外部停電か内部電源故障かを切り分けやすくなります。
異常履歴
停電発生時刻、復電時刻、停電継続時間、停電直前の工程状態を保存します。
瞬低回数や低電圧発生回数を記録すると、電源設備や受電環境の問題把握にも役立ちます。
試験方法
主電源を遮断し、停電信号の出力、保存処理、安全停止、バックアップ電源切替を確認します。
電圧を徐々に低下させ、停電判定電圧と復電判定電圧を測定します。短時間の電圧低下で誤動作しないことも確認します。
異常時の確認
停電を検出しない場合は、分圧抵抗、基準電圧、電源監視IC、フォトカプラ、PLC入力を確認します。
頻繁に停電警報が出る場合は、電源電圧変動、モーター始動、配線電圧降下、しきい値、判定時間を点検します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、交流・直流電源、制御機器、保存データ、停止方法を確認し、停電検出しきい値と処理時間を検討します。
電源監視、データ保存、バックアップ電源、復電処理、異常履歴を組み合わせ、停電時にも安全性とデータ信頼性を確保する構成に対応できる場合があります。
よくある質問
Q. 電源が完全に切れてから停電を検出するのですか?
A. 制御回路が動作できるうちに処理を開始するため、通常は電圧が一定値を下回った段階で検出します。
Q. 瞬時電圧低下と停電を区別できますか?
A. 電圧値と継続時間を組み合わせて区別できます。
Q. 停電時に設定値を保存できますか?
A. 電源保持時間を確保し、不揮発性メモリへ必要データを保存できます。
Q. 復電すると自動的に設備が再起動しますか?
A. 危険防止のため、電圧安定と設備状態を確認してから再起動する構成が一般的です。
Q. 既設装置へ停電検出を追加できますか?
A. 監視対象電源、PLC入力、電源保持時間を確認し、追加できる場合があります。