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瞬時電圧低下

(しゅんじでんあつていか)

瞬時電圧低下とは、電源電圧が短時間だけ所定の値より低下する現象です。一般に「瞬低」と呼ばれます。停電とは異なり、電圧が完全にゼロにならない場合や、短時間で元の電圧へ復帰する場合も含まれます。

瞬低の継続時間は短くても、PLC、パソコン、インバーター、電磁接触器、通信機器などが停止・リセットする可能性があります。生産設備では、一つの機器が停止しただけでも工程全体の復旧に時間を要することがあります。

ハカルプラスでは、電圧の低下を検出し、警報、履歴保存、設備状態の記録、停電・復電時の制御へ活用する構成を検討します。

瞬低と停電の違い

停電は電力供給が失われた状態を指します。一方、瞬低は電圧が一時的に低下する現象で、電圧が残っている場合があります。

また、電圧が短時間完全にゼロになる瞬時停電と、電圧が低い状態で残る瞬時電圧低下は区別されます。ただし、設備側ではどちらも制御機器の停止やリセットを引き起こす可能性があります。

瞬低が発生する主な原因

  • 送配電系統での落雷や地絡事故
  • 大容量モーターや変圧器の投入
  • 溶接機など大電流負荷の動作
  • 短絡事故や保護装置の動作
  • 受電設備や配線の接触不良
  • 発電機・電源切替時の一時的な電圧変動

系統事故による瞬低は、工場内に異常がなくても発生する場合があります。一方、特定設備の起動時だけ発生する場合は、工場内の電源容量や配線条件を確認します。

設備への主な影響

電子機器は、入力電圧が一定値を下回ると正常動作を維持できません。瞬低による主な影響には次のものがあります。

  • PLC、マイコン、パソコンのリセット
  • 電磁接触器やリレーの釈放
  • インバーター、サーボアンプの不足電圧停止
  • 通信機器やネットワークの再起動
  • 計測値、設定値、処理中データの消失
  • 搬送・計量・混合工程の途中停止

瞬低時間が短くても、接触器が一度釈放すると、その後電圧が戻っても設備が自動復帰しない場合があります。

影響を受けやすい機器

電源保持時間の短い制御電源、交流電源で直接駆動する接触器、低電圧保護を持つインバーターなどは瞬低の影響を受けやすい傾向があります。

同じ電源系統でも、機器ごとの入力電源回路、設定、負荷状態によって停止する機器と継続動作する機器が分かれる場合があります。

瞬低の測定方法

瞬低を確認するには、電圧波形や実効値を短い周期で記録できる電源品質測定器を使用します。通常の監視装置で長い周期の平均値だけを保存している場合、短時間の瞬低を捉えられないことがあります。

測定では、低下した電圧の大きさ、継続時間、発生時刻、対象相を記録します。三相回路では、一相だけ低下する場合と三相すべてが低下する場合があります。

原因を調べる方法

瞬低発生時刻と、モーター起動、溶接機運転、設備停止、雷情報などを照合します。特定設備の運転と一致する場合は、起動電流、電源容量、配線の電圧降下を確認します。

受電点と設備側の両方で電圧を測定すると、瞬低が上位系統から来ているのか、工場内で発生しているのかを判断しやすくなります。

瞬低対策

対策は、保護する設備の重要度、必要な保持時間、消費電力によって選定します。

  • 制御電源や通信機器への無停電電源装置の設置
  • DC電源の保持用コンデンサやバックアップ電源の追加
  • 瞬低補償装置の採用
  • 接触器やリレーの保持回路の見直し
  • 大容量モーターの始動方式や起動順序の変更
  • 重要負荷と大電流負荷の電源系統分離

設備全体を補償すると容量と費用が大きくなるため、PLC、通信、操作端末など重要な制御系だけを保護する方法もあります。

復電時の制御

瞬低や停電から電圧が復帰した際に、設備が無条件で再起動すると危険な場合があります。モーター、コンベヤ、バルブなどは、設備状態を確認してから再起動させます。

復電時には、出力をいったん安全側へ戻し、センサ状態、残留原料、通信接続、異常履歴を確認します。工程途中で停止した場合は、自動復旧と手動復旧のどちらを採用するかを事前に決めます。

データ保護

電圧低下中にメモリーへ書き込むと、設定値や実績データが破損する可能性があります。電圧低下を早めに検出し、重要データを不揮発性メモリーへ保存してから停止する処理を設けます。

保存中の電源を維持するため、コンデンサやバックアップ電源を利用する場合があります。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、電圧低下の検出、警報出力、履歴保存、PLCやマイコンへの入力、停電・復電時の制御を検討します。

制御盤、電源回路、PLC、タッチパネル、通信、データ保存を組み合わせ、設備の安全停止と復旧手順を含めた構成に対応します。

よくある質問

Q. 瞬低は通常の電圧計で確認できますか?

A. 表示更新が遅い電圧計では捉えられないことがあります。短い周期で記録できる測定器が必要です。

Q. 瞬低と瞬時停電は同じですか?

A. 瞬低は電圧が低下する現象、瞬時停電は短時間電圧が失われる現象です。設備への影響は似る場合があります。

Q. PLCだけを瞬低から保護できますか?

A. 制御電源へUPSやバックアップ電源を設け、PLCや通信機器だけを保護する構成を検討できます。

Q. 瞬低後に設備を自動再起動してもよいですか?

A. 設備状態や安全性を確認せず再起動すると危険なため、復旧条件と再起動手順を設計する必要があります。

Q. 瞬低の発生時刻を記録できますか?

A. 電圧低下を検出して時刻、相、継続時間などを保存する構成を検討できます。

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