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GR・DGR試験

(GR・DGRしけん)

GR・DGR試験とは、高圧受配電設備に設置される地絡継電器GRと地絡方向継電器DGRが、設定された条件で正しく動作するかを確認する試験です。地絡事故が発生したときに、遮断器へ適切な動作信号を出せる状態かを確認します。

GRは主に零相電流を検出して動作します。DGRは零相電流に加えて零相電圧と位相関係を確認し、地絡事故の方向を判定します。

GRとは

GRはGround Relayの略称で、地絡継電器を表します。零相変流器ZCTで検出した零相電流が整定値を超えると動作します。

地絡事故が発生したときに警報を出したり、遮断器を動作させたりするために使用します。

GRは地絡電流の大きさを基準に動作するため、事故電流の方向判定は行いません。

DGRとは

DGRはDirectional Ground Relayの略称で、地絡方向継電器を表します。

ZCTから得られる零相電流と、零相電圧検出装置から得られる零相電圧の大きさ・位相関係を使用して、自設備側の地絡か、系統の別方向で発生した地絡かを判定します。

配電系統や受電設備の構成によっては、不要動作を防ぐためにDGRが使用されます。

試験の主な項目

  • 最小動作電流試験
  • 最小動作電圧試験
  • 動作時間試験
  • 位相特性試験
  • 警報・表示の確認
  • 遮断器との連動確認

必要な試験項目は、継電器の種類、設備構成、点検目的によって異なります。

GRの動作電流試験

GRの動作電流試験では、継電器へ試験電流を加え、徐々に増加させます。継電器が動作したときの電流値を確認し、整定値や許容範囲と比較します。

出力を急に上げると動作点を正確に確認しにくいため、試験器の出力を確認しながら調整します。

試験後は、継電器の表示や動作接点が正常に復帰することも確認します。

DGRの試験

DGRでは、試験電流だけでなく試験電圧も入力します。さらに、電流と電圧の位相関係を継電器の動作領域に合わせる必要があります。

動作電流試験では所定の試験電圧と位相条件を加え、電流を変化させます。動作電圧試験では所定の試験電流を加え、電圧を変化させます。

位相条件が正しくない場合、電流と電圧が十分でもDGRが動作しないことがあります。

簡易動作試験と総合試験の違い

継電器の入力端子へ試験電流・試験電圧を加え、継電器単体の動作を確認する試験は、簡易動作試験または単体試験として行われます。

一方、ZCTや零相電圧検出装置などの一次側から試験信号を与え、継電器、配線、遮断器まで含めて動作を確認する試験は、総合試験として扱われます。

簡易動作試験で正常でも、一次検出器、配線、遮断回路まで正常とは限りません。点検目的に応じて試験範囲を決めます。

動作時間の確認

継電器には、事故検出から接点出力までの動作時間が設定されています。試験器から信号を出力し、継電器接点が動作するまでの時間を測定します。

動作時間が短すぎると他設備との保護協調に影響し、長すぎると事故回路の遮断が遅れる可能性があります。

継電器の整定値、メーカー仕様、保護協調の条件と比較します。

試験前に確認する項目

  • GRまたはDGRのメーカーと型式
  • 動作電流整定値
  • 動作電圧整定値
  • 動作時間整定値
  • 使用する試験端子
  • 電流・電圧入力の極性
  • 位相条件
  • 遮断器が実際に動作するかどうか

試験によって遮断器が動作すると設備停電につながるため、試験範囲と設備状態を事前に確認します。

安全上の注意

GR・DGR試験は高圧受配電設備に関係する作業です。停電範囲、充電部、接地、遮断器の状態などを確認し、有資格者や設備管理者の手順に従って実施します。

試験線を接続・取り外すときは、試験器の出力が停止し、調整値がゼロになっていることを確認します。

試験器の出力端子へ誤った電圧や外部電源が加わらないようにします。

試験結果が整定値と合わない場合

動作値が許容範囲から外れる場合は、試験器の接続、位相、出力値、継電器整定を再確認します。

接続に問題がない場合は、継電器の経年劣化、内部回路、接点、補助電源などを点検します。

総合試験でのみ異常が出る場合は、ZCT、零相電圧検出装置、配線、端子、遮断回路なども確認します。

試験記録

試験記録には、設備名、継電器型式、整定値、試験値、動作時間、試験日、試験者などを残します。

過去の結果と比較することで、動作値や動作時間の変化を確認できます。継電器を更新した場合は、更新前後の型式と整定値を明確にします。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、受配電設備に設置されたGR・DGRの簡易動作試験に使用するポータブル試験器を提供しています。

対象となる継電器、試験電流、試験電圧、電源、試験方法などを確認し、対応可能な試験範囲を検討します。

よくある質問

Q. GRとDGRは何が違いますか?

A. GRは主に地絡電流の大きさで動作し、DGRは地絡電流と零相電圧の位相関係から事故方向も判定します。

Q. DGR試験ではなぜ電圧も必要ですか?

A. DGRは零相電流だけでなく、零相電圧とその位相関係を使って方向を判定するためです。

Q. 簡易動作試験だけで保護設備全体を確認できますか?

A. 継電器単体の確認が中心です。ZCT、配線、遮断器まで確認するには、別途総合試験が必要です。

Q. 試験中に遮断器が動作しますか?

A. 接点回路や試験方法によっては動作します。試験前に遮断回路と停電範囲を確認します。

Q. すべてのGR・DGRを同じ条件で試験できますか?

A. メーカー、型式、整定値、試験端子、位相特性などが異なるため、対象機器の仕様確認が必要です。

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