Technology

電力・電力量

(でんりょく・でんりょくりょう)

電力・電力量とは、電気設備がその時点で使用している電気エネルギーの大きさと、一定時間に使用した電気エネルギーの合計を表す値です。電力はW(ワット)やkW(キロワット)、電力量はWh(ワット時)やkWh(キロワット時)で表します。

工場や事業所では、受電設備全体だけでなく、生産ライン、空調設備、コンプレッサー、ポンプなどの設備ごとに計測することで、電力使用状況の把握、省エネルギー、デマンド管理、設備異常の発見に活用できます。

ハカルプラスでは、電圧入力とCTによる電流計測から電力・電力量を演算し、表示、警報、通信、データ保存、遠隔監視まで、用途に合わせた電力計測機器・システムを検討します。

電力と電力量の違い

電力は、電気機器がある瞬間に使用している電気エネルギーの大きさです。例えば、定格消費電力が10kWの設備は、運転中におおむね10kWの電力を使用します。

電力量は、電力を使用時間に沿って積算した値です。10kWの設備を3時間運転した場合、使用電力量は30kWhとなります。

電力は設備の負荷状態や最大需要電力の監視に、電力量は電気料金、省エネルギー効果、設備別使用量の集計に利用されます。

電力を求める仕組み

直流回路の電力Pは、電圧Vと電流Iから、次の関係で求められます。

P=V×I

交流回路では、電圧と電流の位相差を考慮する必要があります。単相交流の有効電力は、力率をcosφとして、概ね次の関係で表されます。

P=V×I×cosφ

三相交流では、配電方式や結線方式に応じて各相の電圧と電流を測定し、三相分の電力を演算します。電流だけを測定した場合は、電圧や力率の変動を反映できないため、正確な電力値にならないことがあります。

電力量の積算

電力量は、測定した電力を時間に沿って積算します。設備の負荷が一定でない場合でも、短い周期で電力を測定して積み上げることで、使用電力量を求められます。

積算値は、日、月、年度などの期間で集計できます。設備別や工程別に記録すれば、どの設備がどの時間帯に多くの電力を使用しているかを確認できます。

停電や計測機器の再起動で積算値が失われないよう、不揮発性メモリーへ保存することも重要です。上位システムへ送信する場合は、通信途絶時の一時保存や重複登録の防止も検討します。

電力計測に必要な機器

一般的な低圧設備では、計測器へ電圧を入力し、CTで電流を測定します。CTは電線に流れる大きな電流を、計測器で扱える小さな信号へ変換する機器です。

計測時には、次の条件を確認します。

  • 単相・三相などの配電方式
  • 電源電圧と最大電流
  • CTの定格電流と変流比
  • 電圧相と電流相の組合せ
  • 必要な測定周期と保存周期

CTの向きや相を間違えると、電力値が小さくなったり、負の値になったりします。設置後は、電圧、電流、電力、力率をまとめて確認します。

省エネルギーへの活用

電力・電力量を記録すると、停止中にも電力を消費している設備、負荷の小さい状態で長時間運転している設備、従来より消費量が増えている設備を把握できます。

生産数や処理量と電力量を関連付ければ、製品一個、原料1t、一バッチ当たりのエネルギー原単位を求められます。生産量が異なる日でも、原単位で比較することで改善効果を評価しやすくなります。

設備更新や運転方法の変更前後で電力量を比較すれば、省エネルギー施策の効果確認にも利用できます。

デマンド管理への活用

工場や事業所では、一定時間の平均使用電力であるデマンド電力が契約電力へ影響する場合があります。瞬時電力と区間内の電力量から、計測区間終了時のデマンド値を予測します。

予測値が設定値へ近づいた場合は、表示器やブザーで警報を出したり、空調設備などの負荷を段階的に制御したりします。単に電力量を減らすだけでなく、電力を使用する時間帯を分散させることも重要です。

設備監視への活用

設備の電力値は、運転状態によって変化します。通常より電力が高い場合は、過負荷、詰まり、摩耗、機械抵抗の増加などが考えられます。低すぎる場合は、空運転、材料切れ、動力伝達不良などの可能性があります。

正常時の電力範囲を登録し、上限・下限を外れた状態が一定時間継続した場合に警報を出すことで、設備異常の早期発見に活用できます。

高調波やインバーターの影響

インバーター、スイッチング電源、LED照明などが接続された設備では、電圧・電流波形が正弦波からひずむことがあります。計測器の演算方式や周波数特性が適切でない場合、正しい電力値を得られません。

インバーター出力側を測定する場合は、出力周波数と波形に対応した計測器が必要です。用途によっては、インバーターの入力側で測定する方法も検討します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、電圧、電流、電力、電力量、力率などを計測する機器や表示器を設計・開発してきました。

低圧CT、電圧入力回路、計測演算、表示、警報接点、電力線通信、無線通信などを組み合わせ、設備単体から工場全体までの電力監視を検討します。

計測データの保存、遠隔表示、デマンド監視、空調制御、上位システムとの連携についても、測定点数や通信環境に合わせて構成します。

よくある質問

Q. 電力と電力量は何が違いますか?

A. 電力はその時点で使用している電気の大きさ、電力量は一定時間に使用した電気エネルギーの合計です。

Q. 電流だけを測れば電力を求められますか?

A. 概算できる場合はありますが、正確に求めるには電圧と力率も含めて測定する必要があります。

Q. 設備ごとの電気料金を把握できますか?

A. 設備ごとの電力量を計測し、料金単価などと組み合わせることで、使用量や費用の目安を把握できます。

Q. 既設設備へ電力計測を後付けできますか?

A. 配電方式、CTの取付スペース、制御盤内の空きなどを確認し、追加できる場合があります。

Q. 計測データを遠隔で確認できますか?

A. 通信対応機器や監視システムを組み合わせ、現在値、積算値、警報、履歴を遠隔で確認する構成を検討できます。

関連ワード

関連ページ

お問い合わせ窓口

この技術について
お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォーム
お問い合わせ