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アナログ出力制御
(アナログしゅつりょくせいぎょ)
アナログ出力制御とは、計測値や演算値を、4~20mA、0~10V、1~5Vなどの連続した電気信号へ変換し、外部機器へ出力する制御です。
重量、流量、圧力、温度、電力などの値を、PLC、記録計、表示器、インバーター、調節計へ伝えるために使用されます。
接点出力のようなON・OFF信号とは異なり、アナログ出力では計測値の大きさに応じて電流または電圧が連続的に変化します。例えば、重量0~1,000kgを4~20mAへ変換する場合、0kgで4mA、500kgで12mA、1,000kgで20mAを出力します。
ハカルプラスでは、マイコン、PLC、計測回路、絶縁回路などを組み合わせ、計測範囲、接続先、配線距離、必要精度に応じたアナログ出力制御を設計します。
主なアナログ出力信号
4~20mA出力
計測値を4~20mAの電流信号として出力する方式です。配線抵抗による電圧降下の影響を受けにくく、比較的長い配線での伝送に適しているため、産業設備で広く使用されます。
下限を0mAではなく4mAとすることで、正常な測定範囲の下限と断線・電源異常を区別しやすくなります。
0~10V・1~5V出力
計測値を電圧信号として出力する方式です。同一制御盤内や比較的短い配線で、インバーターや調節計へ指令値を送る場合などに使用されます。
電圧出力は、配線抵抗、受信機器の入力抵抗、接地電位差の影響を受けるため、接続条件を確認する必要があります。
アナログ出力の換算式
測定範囲と出力範囲を対応させる処理をスケーリングと呼びます。
測定値をX、測定範囲の下限をXmin、上限をXmax、出力信号の下限をYmin、上限をYmaxとすると、出力値Yは次の式で求められます。
Y=Ymin+(X-Xmin)×(Ymax-Ymin)÷(Xmax-Xmin)
この式により、測定値が測定範囲内のどの位置にあるかを求め、同じ割合で電流または電圧へ変換します。
4~20mAへの変換例
重量0~1,000kgを4~20mAへ変換し、現在値が500kgの場合は、次のようになります。
Y=4+(500-0)×(20-4)÷(1,000-0)
Y=12mA
同様に、250kgでは8mA、750kgでは16mAとなります。
受信信号から測定値への逆換算
PLCや表示器の受信側では、入力された電流または電圧を元の測定値へ換算します。
測定値Xは、次の式で求められます。
X=Xmin+(Y-Ymin)×(Xmax-Xmin)÷(Ymax-Ymin)
0~1,000kgを4~20mAで受信し、入力が16mAの場合は次のようになります。
X=0+(16-4)×1,000÷(20-4)
X=750kg
PLC内部値へのスケーリング
PLCのアナログ入出力ユニットでは、電流や電圧を内部のデジタル値へ変換して扱います。
例えば、4~20mAが内部値0~4,000に対応するユニットでは、内部値Dを次の式で求められます。
D=(I-4)×4,000÷16
12mAの場合は、内部値2,000です。
内部値の範囲や異常入力時の値は、PLCやアナログユニットによって異なるため、使用機器の仕様書を確認します。
上限・下限処理
測定値が設定範囲を超えた場合に、計算結果をそのまま出力すると、接続先の許容範囲を超える可能性があります。
そのため、通常は次のような出力制限を設けます。
- 測定値が下限以下なら下限信号を出力する
- 測定値が上限以上なら上限信号を出力する
- センサ異常時はあらかじめ定めた異常値を出力する
- 通信異常時は前回値保持または安全側の値へ移行する
異常時に0mA、4mA、20mA超などのどの信号を出すかは、接続先の判定方法と設備の安全性を考慮して決定します。
アナログ出力制御の用途
- 重量や流量を記録計・表示器へ出力する
- 温度や圧力を上位PLCへ伝送する
- 計測値に応じてインバーターの速度を変更する
- バルブ開度やヒーター出力の指令値を与える
- 電力やデマンド値を監視システムへ伝送する
インバーターの周波数指令に使用する場合は、0~10Vまたは4~20mAの出力範囲と、インバーター側の最低・最高周波数を対応させます。
負荷抵抗の確認
電流出力回路には、信号を正常に流せる最大負荷抵抗があります。受信機器の入力抵抗と配線抵抗の合計が上限を超えると、設定した電流を出力できません。
電源電圧をV、出力回路に必要な最低動作電圧をVmin、最大出力電流をImaxとすると、負荷抵抗Rの目安は次の関係で表せます。
R≦(V-Vmin)÷Imax
実際の最大負荷抵抗は、出力機器の仕様書に記載された値を使用します。
分解能と出力精度
アナログ出力は連続的に見えますが、内部ではデジタル値をD/A変換して出力します。そのため、変換器のビット数に応じた最小変化量があります。
出力範囲をS、分解能をnビットとすると、1段階当たりの理論的な変化量は、おおむね次の式で表せます。
1段階当たりの変化量=S÷(2n-1)
ただし、実際の出力誤差には、変換器の分解能だけでなく、ゼロ点誤差、ゲイン誤差、温度変化、回路部品のばらつきも含まれます。
出力更新周期とフィルター
出力値の更新周期が長すぎると、急激な計測値変化に追従できません。一方、計測値をそのまま高速で出力すると、ノイズによって指令値が細かく変動する場合があります。
移動平均やローパスフィルターを使用すると出力を安定させられますが、強く平滑化すると応答が遅れます。対象設備に必要な応答速度と安定性のバランスを取ります。
絶縁とノイズ対策
送信側と受信側の接地電位が異なると、回り込み電流によって信号がずれたり、不安定になったりすることがあります。
設備構成に応じて、絶縁型アナログ出力、信号変換器、絶縁電源などを使用します。
- シールド付きツイストペア線を使用する
- 動力線やインバーター出力線から離して配線する
- シールドの接地方法を統一する
- 信号線と電源線を適切に分離する
- 必要に応じてソフトウェアフィルターを使用する
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、重量、電力、流量、温度などの計測値や演算値を、4~20mA、0~10V、1~5Vなどへ変換するアナログ出力制御を設計します。
測定範囲と出力範囲のスケーリング、上下限処理、異常時出力、分解能、更新周期、フィルター処理を、マイコンまたはPLCのソフトウェアへ実装します。
出力回路、絶縁、電源、負荷抵抗、配線方法、接続先機器まで確認し、計測機器、制御盤、インバーター、記録計を含むシステムとして構築します。
よくある質問
Q. 4~20mAの出力が20mAまで上がらない原因は何ですか?
A. 負荷抵抗や配線抵抗が大きすぎる、電源電圧が不足している、出力上限設定が誤っているなどの原因が考えられます。
Q. 出力値が細かく変動する場合はどうすればよいですか?
A. センサ信号のノイズ、接地、配線、電源を確認します。必要に応じて、移動平均やローパスフィルターによって変動を抑えます。
Q. 4~20mA信号を複数の機器で受信できますか?
A. 電流ループへ直列接続できる機器であれば可能な場合があります。ただし、各機器と配線の抵抗合計が出力側の許容負荷を超えないことが条件です。
Q. 測定範囲を変更した場合は何を変更しますか?
A. 送信側のスケーリング、受信側の換算範囲、警報値、帳票や画面の表示範囲を合わせて変更します。
Q. アナログ出力でインバーターの速度を制御できますか?
A. インバーターが対応する信号入力を備えていれば可能です。出力範囲、周波数範囲、断線時の動作、最低速度を設定して使用します。
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