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パルス出力制御

(パルスしゅつりょくせいぎょ)

パルス出力制御とは、計測値や機器の動作回数を、電気信号のON/OFFとして外部機器へ伝達し、その信号を受けて積算、監視、判定などを行う制御です。流量、電力量、生産数量、回転数、ドアの開閉回数など、一定量または1回の動作ごとにパルスを出力する用途で広く利用されています。

パルス信号は、通信プロトコルを使用せず、比較的シンプルな接点信号や電圧信号として扱えることが特徴です。出力されたパルスをPLC、カウンタ、表示器、デマンド監視装置などで受け取り、パルス数にあらかじめ設定した換算値を掛けることで、電力量や流量などを求めます。

パルス出力制御の仕組み

パルス出力では、計測対象が一定量増えるたびに、短時間だけ信号をONにします。例えば、電力量計が1kWhごとに1パルスを出力する場合、100パルスを受信すると積算電力量は100kWhとなります。

この「1パルスが何単位を表すか」をパルス定数と呼びます。実際の換算方法や表記は機器によって異なり、「1パルス当たりの量」で示す場合と、「1単位当たりのパルス数」で示す場合があります。受信側では、機器の仕様に合わせて換算値を正しく設定する必要があります。

パルスの立ち上がりまたは立ち下がりを検出した時点で処理できるため、受信側は必要なタイミングで回数を加算できます。ただし、パルス通信が常にデータ通信より高速とは限らず、パルス幅や出力間隔、入力機器の応答速度によって受信できる上限が決まります。

主な出力方式

無電圧接点出力

リレー接点などを開閉し、外部から供給された電圧をON/OFFする方式です。受信側の電源仕様に合わせやすい一方、機械式リレーでは接点寿命や高速動作の限界を考慮する必要があります。

オープンコレクタ出力

トランジスタを利用して信号をON/OFFする方式です。接点のような機械的動作がなく、比較的高速で繰り返し出力できます。受信側に適切な電源と負荷を接続し、極性や許容電圧・電流を確認する必要があります。

電圧パルス出力

一定の電圧レベルを持つパルスを出力する方式です。出力電圧、パルス幅、周波数、受信側の入力しきい値を合わせます。機器間の電位差やノイズの影響にも注意が必要です。

主な用途

パルス出力制御は、計測・計量設備や生産設備における数量管理に使用されます。代表的な用途には、次のようなものがあります。

  • 電力量計からの電力量パルスの受信
  • 流量計からの積算流量パルスの受信
  • 製品や容器を検出した回数の積算
  • 回転センサやエンコーダによる回転数・移動量の検出
  • スイッチ、ドア、ゲートなどの動作回数の記録
  • 計測値に応じた外部カウンタや上位機器へのパルス出力

電力計測では、取引用電力量計から出力されるパルスをデマンド監視装置へ入力し、一定時間内の使用電力量やデマンド電力を演算します。流量計では、受信したパルスを積算して液体の供給量を求め、設定量に達した時点でポンプやバルブを停止させる制御にも利用できます。

通信によるデータ取得との違い

パルス出力は、必要な情報を回数として伝えるため、通信プロトコルや複雑なデータ形式を必要としません。異なるメーカーの機器間でも、電気的仕様とパルス定数が合えば接続できる場合があります。

一方、パルスだけでは、瞬時値、機器状態、警報内容、品種情報などの複数データをまとめて取得することは困難です。また、受信側がパルスを取りこぼすと、元の累積値を問い合わせて補正できない場合があります。

通信方式では複数の情報を取得でき、データの整合性を確認できる場合がありますが、通信設定やプロトコルへの対応が必要です。用途によっては、積算用にパルスを使用し、詳細情報の取得には通信を併用します。

設計・制御上のポイント

パルス定数と入力設定

受信側のパルス定数が誤っていると、実際とは異なる計測値になります。出力機器の仕様書を確認し、パルスの換算値、出力形式、パルス幅、最大出力周波数を正しく設定します。

機器交換時には、同じ種類の計測器であってもパルス定数が異なる場合があるため、交換後の設定確認が必要です。

入力応答速度と取りこぼし対策

パルス間隔がPLCや入力機器の処理周期より短いと、信号を取りこぼす可能性があります。高速パルスを扱う場合は、高速カウンタ入力や専用のカウンタユニットを使用します。

また、パルス幅が短すぎる場合や、ON時間とOFF時間が入力仕様を満たしていない場合も、正しく検出できません。想定される最大流量や最大電力から最大パルス周波数を計算し、受信可能か確認します。

ノイズと配線距離への対策

パルス信号は、モーター、インバーター、電磁弁、動力線などから発生する電気的ノイズの影響を受けることがあります。ノイズを誤ってパルスとして認識すると、積算値が実際より大きくなる可能性があります。

信号線と動力線を分離する、シールド線を使用する、適切に接地する、入力回路にフィルターを設けるなどの対策を行います。ただし、フィルターを強くすると有効な短いパルスまで除去する可能性があるため、パルス幅とのバランスが必要です。

長距離配線では、電圧降下、波形の変形、外来ノイズの影響が大きくなります。出力機器と受信機器の仕様、ケーブル種類、配線経路、周囲の電気設備を確認し、必要に応じて中継器や信号変換器を使用します。

停電・断線・異常時の処理

単純なパルス入力では、信号が来ない状態が「計測量が増えていない」のか、「断線や機器故障」なのかを区別できない場合があります。一定時間パルスがない場合の警報は、設備の運転状態や想定流量と組み合わせて判断します。

停電中に発生したパルスは受信できないことがあるため、重要な積算値では、計測機器側の累積値を通信で取得する方法や、不揮発性メモリへ定期保存する方法も検討します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、電力量、流量、回数などの測定値をパルスとして外部へ出力する計測機器や、外部の計測器・センサからパルス信号を受け取る製品・システムを取り扱っています。

出力方式、パルス定数、パルス幅、最大周波数、配線距離などを確認し、入力回路、制御盤、PLCプログラム、積算処理、警報処理を設計します。計測値のタッチパネル表示、日報・月報への集計、データ保存、上位システムへの送信にも対応します。

デマンド監視では、取引用電力量計からのパルスを受信し、現在デマンドや予測デマンドを演算する装置を開発・販売しています。従来、短いケーブルでの接続に限られていた構成についても、対応機器と施工条件を確認したうえで、最大100mの配線に対応できる構成を用意しています。

よくある質問

Q. パルス出力から電力量や流量を求めるにはどうしますか?

A. 受信したパルス数に、機器で定められたパルス定数を掛けて求めます。パルス定数の表記方法は機器によって異なるため、仕様書を確認して設定します。

Q. PLCの通常入力でパルスを受信できますか?

A. パルスの周波数が低く、パルス幅がPLCの入力応答時間と処理周期を満たしていれば受信できます。高速なパルスでは、高速カウンタ入力や専用ユニットが必要です。

Q. パルス信号は長距離伝送できますか?

A. 出力方式、電圧、パルス幅、ケーブル、ノイズ環境によって可能な距離が異なります。長距離の場合は、信号変換器や中継器の使用も含めて検討します。

Q. ノイズによる誤カウントを防ぐにはどうしますか?

A. 動力線との分離、シールド線の使用、接地、入力フィルターなどを検討します。フィルター設定は、有効なパルスを除去しないよう、パルス幅に合わせる必要があります。

Q. パルス出力と通信はどちらを選べばよいですか?

A. 積算量や回数だけをシンプルに取得する場合はパルスが適しています。瞬時値、警報、設定値など複数の情報が必要な場合は通信が適しています。重要な設備では両方を併用する場合もあります。

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