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離床検知
(りしょうけんち)
離床検知とは、ベッドや布団で休んでいる人が、起き上がる、端座位になる、ベッドから離れるといった動作をセンサで検知することです。介護施設、病院、在宅介護などで、転倒・転落の予防や見守り支援に利用されます。
離床検知システムは、利用者の行動を制限するものではなく、介護職員や家族が必要なタイミングで対応できるように知らせる仕組みです。利用者の身体状況、生活習慣、介助方法に合わせて検知条件を設定することが重要です。
離床検知が必要とされる場面
歩行が不安定な人や、認知機能の低下によって一人で移動しようとする人は、ベッドから立ち上がった直後に転倒する可能性があります。
介護職員が常にベッドの横にいることは難しいため、離床の兆候をセンサで検知し、ナースコールや携帯端末などへ通知します。
- 夜間の一人歩きを早期に把握する
- 立ち上がり時の介助へつなげる
- ベッドからの転落を予防する
- トイレ移動時の見守りを支援する
- 巡回の優先順位を判断する
離床までの動作段階
離床は、一つの瞬間的な動作ではなく、複数の段階に分けられます。
- 寝返りや体動
- 上半身を起こす
- ベッド端へ移動する
- 端座位になる
- 足を床へ下ろす
- 立ち上がる
- ベッドから離れる
どの段階で通知するかによって、介護職員が対応できるまでの時間と、誤報の起こりやすさが変わります。
早い段階で通知すれば対応時間を確保しやすい一方、寝返りや一時的な起き上がりでも通知する可能性があります。
代表的な検知方式
マットセンサ
ベッド上、ベッド横、床面などにマット状のセンサを設置し、身体や足の荷重を検知します。
ベッド上の荷重がなくなったことや、床マットを踏んだことを検知します。設置が比較的分かりやすい一方、マットの位置ずれ、コード、耐久性、衛生管理に注意が必要です。
荷重センサ方式
ベッド脚やベッドフレームにセンサを設置し、利用者の荷重変化から起き上がりや離床を判定します。
身体へセンサを取り付ける必要がなく、ベッド上の重心移動や荷重変化を利用できます。ベッドの種類や設置状態によって適否が異なります。
赤外線・距離センサ方式
ベッド周辺の人の動きや距離変化を非接触で検知します。マットやコードを床へ置かずに使用できる場合があります。
家具、カーテン、介護者、同室者などの動きを誤って検知しないよう、検知範囲を調整します。
画像・レーダ方式
カメラ画像や電波を利用して、起き上がり、端座位、離床などを判定します。非接触で複数の動作を捉えられる場合があります。
プライバシー、設置位置、遮蔽物、照明などを考慮して選定します。
通知タイミングの設定
利用者によって、必要な通知タイミングは異なります。自力で座ることはできても、立ち上がり時に介助が必要な人には、端座位の段階で通知する方法があります。
一方、寝返りが多い人に起き上がり検知を設定すると、頻繁に通知が発生することがあります。その場合は、立ち上がりやベッドから離れた段階へ設定を変更します。
通知が多すぎると、職員が警報へ慣れ、重要な通知への対応が遅れる可能性があります。利用者ごとに検知感度、遅延時間、通知動作を調整します。
ナースコールとの連携
離床センサの信号をナースコール設備へ接続すれば、居室からの呼出しとして介護職員へ知らせられます。
ナースコール親機、廊下灯、携帯端末など、施設の設備構成に応じて通知先が異なります。接点信号の種類、呼出し保持、復旧方法などを確認します。
離床センサと利用者の手元にある呼出しボタンは役割が異なります。センサからの自動通知と、本人が操作する呼出しを区別して表示できる構成が望まれます。
誤報が起きる主な原因
- 寝返りや大きな体動
- 介護者がベッドへ触れる
- センサやマットの位置ずれ
- 寝具や荷物の荷重
- 同室者やカーテンの動き
- ベッド高さや角度の変更
- 検知範囲の設定不良
誤報が多い場合は、単に感度を下げるだけでなく、利用者の動作とセンサの検知状況を確認します。必要に応じてセンサ方式や設置位置を見直します。
通知されない場合の確認
利用者が離床しても通知されない場合は、センサ電源、接続コード、ナースコール接続、検知範囲、設定モードを確認します。
マットセンサでは、利用者が実際にセンサを踏む位置に設置されているか確認します。非接触センサでは、ベッド柵、家具、寝具などが検知を妨げていないか確認します。
導入時だけでなく、ベッド移動、居室変更、利用者の身体状況変化があった場合にも再設定が必要です。
導入時のポイント
離床検知機器を選定するときは、利用者の身体状況、起き上がり方、介助が必要な段階、ベッドの種類を確認します。
施設側では、既設ナースコールとの接続、通知先、復旧操作、電源、無線通信の有無を確認します。
通知を受けた後に誰が対応するか、夜間と日中で運用を変えるかなど、職員の対応手順も決めておきます。
プライバシーと利用者への配慮
離床検知は安全確保を支援する一方、利用者に監視されていると感じさせる可能性があります。使用目的や仕組みを説明し、必要な範囲で使用します。
カメラを使用する方式では、画像の表示、保存、閲覧権限を確認します。画像を使用しない非接触センサを選択できる場合もあります。
離床センサだけに依存せず、ベッド高さ、手すり、照明、床環境、履物などの転倒予防対策と組み合わせます。
保守点検
定期的にセンサの動作試験を行い、実際に起き上がりや離床動作をして通知されるか確認します。
接続コードの断線、コネクタの緩み、マットの損傷、電池残量、センサ位置を確認します。無線式では、受信状態や電池交換時期も管理します。
清掃や消毒が必要な機器は、メーカーが指定する方法で手入れします。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、CAREaiシリーズによる離床検知について、利用者の動作、ベッド、居室環境、通知タイミングなどの条件を確認して構成します。
既設ナースコールとの連携についても、ナースコール設備の仕様や接続条件を確認したうえで対応できる場合があります。
よくある質問
Q. 離床する前の起き上がり段階で検知できますか?
A. 使用するセンサや設定によって、起き上がり、端座位、離床などの段階を検知できる場合があります。
Q. 寝返りでも通知されますか?
A. 検知方式や感度設定によっては通知される場合があります。利用者の動作に合わせて設定を調整します。
Q. 既設のナースコールへ接続できますか?
A. ナースコールのメーカー、型式、接点仕様などによって対応できる場合があります。設備仕様を確認します。
Q. センサを身体へ取り付ける必要がありますか?
A. マット、荷重、赤外線、レーダなど、身体へ取り付けずに検知する方式があります。
Q. 離床センサがあれば転倒を完全に防げますか?
A. 離床を知らせる支援機器であり、転倒を完全に防ぐものではありません。環境整備や介助体制と組み合わせて使用します。