Technology
ナースコール連動
(ナースコールれんどう)
ナースコール連動とは、離床センサ、見守りセンサ、トイレセンサなどが検知した情報を、病院や介護施設のナースコール設備へ送り、職員へ呼出しとして知らせる仕組みです。
利用者本人が押しボタンを操作する通常のナースコールに加えて、転倒リスクにつながる動作や異常状態をセンサが自動的に通知します。職員が必要なタイミングで居室へ向かうための支援に利用されます。
ナースコール連動の基本構成
一般的な構成では、居室に設置したセンサが動作を検知し、接点信号や通信によってナースコール子機または連動装置へ信号を送ります。
ナースコール設備は、居室番号や呼出し種別を親機、廊下灯、携帯端末などへ表示します。
主な構成機器は次のとおりです。
- 離床センサや見守りセンサ
- センサ制御装置
- ナースコール接続用アダプタ
- 居室子機
- 廊下灯
- ナースコール親機
- 職員用携帯端末
連動する主なセンサ
- 離床センサ
- ベッド上の起き上がりセンサ
- 床マットセンサ
- 非接触動作センサ
- トイレ離座センサ
- ドア開閉センサ
- 徘徊検知センサ
検知する動作と通知の緊急度に応じて、呼出し音や表示を分ける場合があります。
接点信号による連動
多くの見守りセンサは、異常を検知したときに無電圧接点を出力します。この接点をナースコール接続端子へ入力し、通常の呼出しと同様に通知します。
接点には、常時開いていて検知時に閉じるa接点と、常時閉じていて検知時に開くb接点があります。接続するナースコール設備の仕様に合わせる必要があります。
信号を一時的に出力する方式と、職員が復旧するまで保持する方式があります。呼出しが解除される条件も事前に確認します。
有線接続と無線接続
有線方式では、センサとナースコール設備をケーブルで接続します。通信が安定しやすい一方、居室内の配線や設置工事が必要です。
無線方式では、センサ信号を無線子機から受信機へ送ります。配線を追加しにくい既設施設で導入しやすい場合があります。
ただし、建物構造、壁、扉、金属製家具などによって通信状態が変わります。導入前に通信確認を行い、電池交換や無線異常の管理方法を決めます。
呼出し種別の識別
利用者本人が押した呼出しと、センサが自動的に発報した通知を区別できると、職員が状況を判断しやすくなります。
ナースコール設備によっては、通常呼出し、トイレ呼出し、離床通知、緊急呼出しなどを異なる表示や音で知らせられます。
既設設備で種別表示に対応できない場合は、通常呼出しとして入力される場合があります。必要な表示方法とナースコール側の機能を確認します。
通知から復旧までの流れ
一般的な運用は次のとおりです。
- センサが起き上がりや離床を検知する
- ナースコール設備へ呼出し信号を送る
- 親機、廊下灯、携帯端末などに表示する
- 職員が居室へ向かう
- 利用者の状態を確認して介助する
- センサやナースコールを復旧する
センサが正常状態へ戻ると自動的に復旧する構成と、職員がリセット操作を行う構成があります。
自動復旧では呼出しに気付く前に表示が消える可能性があるため、ナースコール側で呼出しを保持する構成が適する場合があります。
既設ナースコールと接続するときの確認事項
ナースコール設備は、メーカーや機種によって端子、電圧、接点条件、通信方式が異なります。
接続前には、次の項目を確認します。
- ナースコールのメーカーと型式
- 居室子機の接続端子
- 接点入力の種類
- 信号保持の有無
- 復旧操作
- 呼出し種別の表示可否
- 同時に接続できる機器数
仕様が合わない機器を直接接続すると、誤動作や機器故障につながる可能性があります。必要に応じて専用アダプタや中継リレーを使用します。
複数センサを接続する場合
一つの居室で、離床センサ、トイレセンサ、ドアセンサなど複数の機器を使用する場合があります。
単純に接点を並列接続すると、どのセンサが動作したか分からない場合があります。個別入力に対応した中継装置や見守りシステムを使用し、センサ種別を識別できる構成を検討します。
電源容量、接続台数、信号の優先順位も確認します。
誤報を減らすための考え方
ナースコールへ通知する前に、センサ側で一定時間の継続検知や複数条件の一致を確認する場合があります。
例えば、単なる寝返りでは通知せず、起き上がり状態が一定時間続いた場合に通知する設定です。
ただし、判定時間を長くすると通知が遅れるため、利用者の転倒リスクと誤報回数のバランスを取ります。
通知されない場合の確認
センサが検知してもナースコールが鳴らない場合は、センサ出力、接続アダプタ、ケーブル、居室子機、ナースコール設定を順に確認します。
無線式では、送信機の電池、受信機、電波状態、機器登録を確認します。
センサ単体では正常でも、接点時間が短すぎる、信号論理が逆になっているなどの理由でナースコールが認識しない場合があります。
呼出しが解除されない場合の確認
呼出しが継続する場合は、センサが検知状態のままになっていないか、復旧操作が必要な設定になっていないかを確認します。
マットセンサに荷物が載っている場合や、非接触センサの検知範囲内に人がいる場合は、センサ信号が戻らないことがあります。
接点の溶着、配線短絡、アダプタ異常も確認します。
記録・見守りシステムとの連携
ナースコールへの通知に加えて、見守りシステムへ発生時刻、居室、センサ種別を保存する構成があります。
通知履歴を確認することで、夜間の離床回数や対応時間を把握できます。ただし、記録の目的、閲覧権限、保存期間を定めて運用します。
介護記録システムと連携する場合は、ナースコールや見守り機器の通信仕様を確認します。
安全性と運用上の注意
ナースコール連動は職員の対応を支援するものであり、センサが動作しただけで利用者の安全が確保されるわけではありません。
通知を受けた後の対応者、夜間の役割分担、機器異常時の代替手順を決めておきます。
停電、通信異常、電池切れが発生した場合にも、通常の巡回や見守りを継続できる運用が必要です。
保守点検
定期的にセンサを動作させ、ナースコール親機や携帯端末まで通知されるか確認します。
センサ単体だけでなく、接続アダプタ、配線、表示、音、復旧まで含めた連動試験を行います。
居室変更やナースコール更新時には、接続仕様や機器登録を再確認します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、CAREaiシリーズと既設ナースコール設備との連動について、ナースコールのメーカー、型式、接点仕様、必要な通知方法などを確認して構成します。
離床検知や非接触動作検知との組合せについても、利用者の状態や施設運用を確認したうえで対応できる場合があります。
よくある質問
Q. どのメーカーのナースコールにも接続できますか?
A. メーカー、型式、接点仕様によって接続方法が異なります。既設設備の仕様を確認して検討します。
Q. 通常の呼出しと離床通知を区別できますか?
A. ナースコール設備の機能や接続方法によって、呼出し種別を分けられる場合があります。
Q. 無線でナースコールへ連動できますか?
A. 無線子機と受信機を組み合わせた構成に対応できる場合があります。施設内の通信状態を確認します。
Q. センサが正常に戻ると呼出しも自動で消えますか?
A. 接続方式や設定によって異なります。自動復旧または職員によるリセットが必要な構成があります。
Q. 既設施設へ後付けできますか?
A. ナースコールの空き端子、接続仕様、電源、無線環境などの条件によって対応できる場合があります。
関連ワード
関連ページ
同じカテゴリの『ハカル技術辞典』を見る