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セメントスクリュー式輸送制御

(セメントスクリューしきゆそうせいぎょ)

セメントスクリュー式輸送制御とは、スクリューコンベアやスクリューフィーダーを使用し、セメントをサイロやホッパーから計量槽、ミキサなどへ搬送するための制御技術です。

回転するらせん状の羽根によってセメントを押し進め、PLCからモーター、インバーター、供給ゲートなどを制御します。搬送先の状態、計量値、ゲート位置、モーター負荷を確認しながら運転することで、詰まりや過負荷、誤投入を防ぎます。

ハカルプラスでは、生コンクリート製造設備などを対象に、スクリュー、計量槽、操作盤、PLC、タッチパネル、配合管理システムを連携させた輸送制御を構築しています。

セメントスクリュー式輸送の仕組み

設備は、主にスクリュー、ケーシング、モーター、減速機、投入口、排出口、供給ゲート、レベルセンサで構成されます。

モーターの回転を減速機を介してスクリューへ伝え、ケーシング内のセメントを軸方向へ送り出します。PLCは、搬送先の受入れ状態やゲートの開閉を確認したうえで、スクリューを起動します。

計量槽へ供給する場合は、インバーターで回転速度を変更し、高速の粗供給と低速の微供給を切り替えます。

搬送能力の考え方

スクリューの供給能力は、スクリュー径、軸径、羽根ピッチ、回転速度、充満率、セメントのかさ密度などによって変化します。

有効断面積をA、羽根ピッチをP、回転速度をn、充満率をηとすると、体積搬送量Qvは概略的に次の関係で表せます。

Qv=A×P×n×η

セメントのかさ密度をρとすると、質量搬送量Qmは次のようになります。

Qm=Qv×ρ

ただし、実際の搬送量は、吸湿、付着、圧縮、スクリューの傾斜角度、サイロ内の原料状態などにも影響されます。そのため、計算値だけでなく実際の運転結果を確認して条件を調整します。

主な用途

  • セメントサイロから計量槽への供給
  • 計量済みセメントのミキサへの投入
  • 複数サイロからの原料選択
  • フライアッシュなど粉体原料の搬送
  • バッチ計量における粗供給・微供給

複数のサイロを使用する設備では、配合指示に基づいて対象サイロと搬送経路を選択します。異なる原料を誤って供給しないよう、サイロ選択、ゲート開閉、スクリュー運転を相互にインターロックします。

起動・停止の順序

複数の搬送機器を直列に接続する場合は、一般に下流側から順番に起動し、上流側から順番に停止します。

例えば、計量槽の受入れ可能、排出先ゲート開、下流スクリュー運転中などの条件を確認してから、上流側のスクリューを起動します。

停止時は、先にセメントの供給を止め、必要に応じて一定時間空運転してケーシング内の残留物を排出してからスクリューを停止します。

下流側が停止した状態で上流から供給を続けると、排出口付近でセメントが圧縮され、詰まりやモーター過負荷につながります。

粗供給・微供給制御

計量開始時はスクリューを高速で運転し、目標重量へ近づくと低速へ切り替えます。最後は低速で少量ずつ供給し、設定した停止重量でスクリューを停止します。

  1. 計量槽の空状態と排出ゲート閉を確認する
  2. 対象サイロと供給経路を選択する
  3. 高速で粗供給を行う
  4. 切替重量で低速へ移行する
  5. 停止重量でスクリューを停止する
  6. 後落ちが収まった後に計量値を確定する

高速供給時間を長くすれば計量時間を短縮できますが、切替えが遅いと目標重量を超えやすくなります。処理能力と計量精度のバランスを見ながら条件を設定します。

停止後落差の補正

スクリューを停止しても、ケーシング内や排出口付近に残ったセメントが計量槽へ落下します。この量を停止後落差と呼びます。

目標重量をWt、予測される停止後落差をWf、供給停止重量をWsとすると、概略的に次のように設定します。

Ws=Wt-Wf

例えば、目標重量が500kg、停止後落差が2kgの場合は、498kg付近でスクリューを停止します。

後落ち量は、微供給時の回転速度、セメントの状態、搬送距離、排出口形状によって変化します。直近の計量実績から補正値を自動更新する制御を組み合わせる場合もあります。

詰まり・過負荷の監視

セメントは吸湿や圧縮によって固まりやすく、ケーシング内や排出口で閉塞することがあります。

  • モーター電流やインバーター負荷率の監視
  • 過負荷・過電流異常の検出
  • 回転検出センサによる軸停止監視
  • 搬送時間のタイムアウト監視
  • 排出口や搬送先の満杯監視

運転指令が出ているのに回転が検出されない場合は、スクリューの固着、減速機異常、軸の損傷などが考えられます。異常時は上流側の供給も停止し、追加のセメント流入を防ぎます。

残留・固着への対策

長時間停止すると、ケーシング内に残ったセメントが湿気を吸収して固着する場合があります。

  • 運転終了時に空運転を行う
  • 排出しやすいケーシング角度と形状にする
  • 点検口や清掃口を設ける
  • 雨水や湿気の侵入を防ぐ
  • 軸シールや接続部からの漏れを点検する

空運転を長く続けすぎると、軸受やシール部へ負担を与える場合があるため、必要な排出時間を確認して設定します。

安全とインターロック

点検口や保護カバーが開いている状態では、スクリューが起動しないようにします。また、非常停止、モーター保護、ゲート開閉異常、搬送先満杯などを監視します。

計量槽が満杯の場合、排出ゲートが開いている場合、ミキサが受入れできない場合などは、スクリューの起動を禁止します。

詰まり発生時の安易な逆転は、セメントを別の場所へ圧縮したり、スクリューや軸を損傷したりする可能性があります。設備構造に応じた復旧手順を定めます。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、搬送量、搬送距離、設置角度、計量精度、サイロ数、周辺設備との接続条件を確認し、セメントスクリュー式輸送制御を設計します。

モーターやインバーターを組み込んだ制御盤、PLCによる起動・停止シーケンス、粗供給・微供給、停止後落差補正、ゲートとのインターロック、過負荷監視まで一体で構成します。

タッチパネルには、選択中のサイロ、スクリューの運転状態、計量値、ゲート位置、異常内容などを表示します。計量実績や異常履歴の保存、配合管理システムや生産管理システムとの連携にも対応します。

既設設備の更新では、スクリューやモーターを継続使用しながら、制御盤、PLC、タッチパネル、インバーターのみを更新する構成も検討します。

よくある質問

Q. セメントの供給量が徐々に少なくなる原因は何ですか?

A. スクリューやケーシングへの付着、サイロ内のブリッジ、排出口の閉塞、セメントの吸湿などが考えられます。モーター電流と内部の付着状態を確認します。

Q. 計量値が目標重量を超える場合はどう調整しますか?

A. 微供給速度、低速への切替重量、供給停止重量、停止後落差を確認します。直近の計量誤差から補正値を更新する方法もあります。

Q. 運転開始直後に過負荷となる原因は何ですか?

A. ケーシング内でセメントが固着している、排出口が閉塞している、下流ゲートが閉じているなどの可能性があります。原因を確認してから再起動します。

Q. セメント空気圧送式輸送とはどのように使い分けますか?

A. スクリュー式は比較的短距離の搬送や計量槽への定量供給に適しています。空気圧送式は、密閉配管による長距離・高低差のある搬送で使用されます。

Q. 既設設備の制御盤だけを更新できますか?

A. モーター、センサ、ゲート、計量器の仕様と劣化状態を確認し、流用可能であれば制御盤やPLCを中心に更新できます。

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