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近接センサ
(きんせつセンサ)
近接センサとは、対象物に接触することなく、物体の有無や接近を検出するセンサです。機械設備では、金属部品の位置確認、シリンダの動作端検出、搬送物の通過確認、回転体の速度検出などに使用されます。
機械式リミットスイッチと異なり、対象物との接触がないため、摩耗が少なく、高速で繰り返し検出できる点が特長です。一方、検出できる対象物、距離、周囲金属、温度などによって動作が変わるため、使用条件に合わせた選定が必要です。
ハカルプラスでは、近接センサをPLCや制御盤へ接続し、位置確認、動作順序の判定、インターロック、異常監視に利用する構成を検討します。
代表的な検出方式
近接センサとして広く使用されるのは、誘導形、静電容量形、磁気形などです。
- 誘導形:金属による電磁界の変化を検出
- 静電容量形:物体の接近による静電容量変化を検出
- 磁気形:磁石や磁界を検出
一般に「近接センサ」と呼ぶ場合は、金属を検出する誘導形を指すことが多くあります。
誘導形近接センサの原理
誘導形近接センサは、検出面の近くに高周波磁界を発生させます。金属が接近すると、金属内部に渦電流が流れ、発振状態が変化します。この変化を検出して出力を切り替えます。
鉄、ステンレス、アルミニウム、銅などを検出できますが、材質によって検出距離が異なります。カタログに記載された検出距離は、指定された標準検出物体を使った値であるため、実際の対象物で確認します。
静電容量形近接センサ
静電容量形は、対象物が近づいた際の静電容量変化を利用します。金属だけでなく、樹脂、ガラス、液体、粉体なども検出できる場合があります。
容器の外側から内部の液体や粉体を検出する用途にも利用できますが、水分、付着物、周囲温度、容器厚さの影響を受けやすいため、感度調整が必要です。
主な用途
- シリンダやアクチュエータの前進・後退端検出
- 移動台車やトラバーサの停止位置確認
- 回転ラックの位置決め
- 歯車や金属突起を利用した回転数検出
- ワークや容器の有無確認
- ゲート、扉、カバーの開閉確認
設備の動作完了を近接センサで確認してから次工程へ進むことで、機械同士の干渉や誤動作を防止できます。
検出距離と取付余裕
近接センサには定格検出距離がありますが、実際の設計では温度、電源電圧、材質、個体差などを考慮し、定格距離ぎりぎりで使用しないようにします。
対象物が振動したり位置ずれしたりしても確実に検出でき、同時にセンサへ衝突しない距離を確保します。機械の停止精度とセンサの応差も確認します。
シールド形と非シールド形
誘導形近接センサには、金属へ埋め込んで取り付けられるシールド形と、検出距離を長く取りやすい非シールド形があります。
非シールド形は側面にも磁界が広がるため、周囲金属から距離を取る必要があります。取付金具や機械フレームの影響を考慮し、メーカー指定の取付間隔を守ります。
出力方式
直流3線式では、NPN出力またはPNP出力が一般的です。接続するPLC入力の方式と一致させる必要があります。
- NPN出力:出力ON時に負荷電流を0V側へ流す
- PNP出力:出力ON時に負荷へプラス側電圧を供給する
直流2線式や交流2線式では、OFF時漏れ電流やON時残留電圧があるため、PLC入力やリレーとの適合を確認します。
配線時の注意点
動力線やインバーター出力線とセンサ配線を近接させると、ノイズによる誤動作が起こる場合があります。配線経路を分離し、必要に応じてシールド線やノイズ対策を行います。
コネクタ式センサでは、振動や水分による緩み・腐食を防ぎます。ケーブルを可動部で使用する場合は、屈曲耐久性のあるケーブルを選定します。
インターロックへの利用
近接センサは、設備が所定位置にあることを確認するインターロックに利用されます。例えば、リフターが上昇端へ到達していない場合は搬送を開始しない、台車が停止位置にない場合はゲートを開かない、といった制御です。
重要な安全機能では、一般的な近接センサだけに依存せず、安全規格に対応したセンサや安全回路を使用します。
異常時の確認
常時ONまたは常時OFFになる場合は、検出物体の位置、センサ面への金属粉付着、取付金具の影響、配線、電源電圧を確認します。
動作が不安定な場合は、検出距離不足、対象物の振動、周囲温度、近接する別センサとの相互干渉、インバーターノイズなどを点検します。
保守と交換
定期的に取付けの緩み、検出面の損傷、ケーブルの断線、対象物との距離を確認します。交換時に同じ形式を使用しても、感度や検出距離に差がある場合があるため、実機で動作確認を行います。
センサ交換後は、入力モニタだけでなく、設備が正しい順序で停止・起動することを確認します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、対象物の材質、検出距離、取付環境、出力方式を確認し、近接センサとPLC入力回路を組み合わせます。
搬送設備、移動台車、リフター、回転ラックなどの位置確認、インターロック、異常履歴、タッチパネル表示に利用する制御構成を検討します。
よくある質問
Q. 近接センサは樹脂も検出できますか?
A. 一般的な誘導形は金属を検出します。樹脂を検出する場合は静電容量形などを検討します。
Q. NPN出力とPNP出力はどちらを選べばよいですか?
A. 接続するPLCや入力機器の回路方式に合わせて選定します。
Q. 検出距離ぎりぎりで取り付けてもよいですか?
A. 位置ずれや温度変化を考慮し、安定検出できる余裕を持たせる必要があります。
Q. 金属粉が付着すると誤動作しますか?
A. 誘導形では検出面への金属粉付着によって常時ONになる場合があります。定期的な清掃が必要です。
Q. 近接センサを安全装置として使用できますか?
A. 一般的な近接センサだけでは安全機能を満たさない場合があります。必要な安全性能に対応した機器と回路を選定します。