レベルセンサとは、タンク、ホッパー、サイロなどに貯蔵された液体や粉粒体の高さ、残量、満空状態を検出するセンサです。液面センサ、レベル計、残量センサなどと呼ばれる場合もあります。

レベルセンサには、上限・下限など特定位置への到達を検出する方式と、貯蔵量の変化を連続的に測定する方式があります。対象物の性質、容器形状、必要な測定範囲、粉じん、泡、付着などを考慮して方式を選定します。

ハカルプラスでは、液体タンクや粉体サイロの残量監視について、センサ選定、表示、警報、PLC制御、無線通信、履歴保存まで含めた構成を検討します。

ポイント式と連続式

ポイント式レベルセンサは、設定した高さに原料や液体が到達したかを検出します。満杯、空、供給開始、供給停止などの判定に適しています。

連続式レベルセンサは、容器内の高さを連続値として測定します。残量表示、消費量の把握、補充時期の予測、遠隔監視などに利用できます。

  • ポイント式:上限、下限、満空、オーバーフロー検知
  • 連続式:高さ、残量率、容積、質量換算

主な測定方式

レベルセンサには、対象物や環境に応じたさまざまな方式があります。

  • フロート式:液面に浮くフロートの位置を検出
  • 静電容量式:対象物の有無による静電容量変化を検出
  • 超音波式:超音波の往復時間から距離を測定
  • レーダー式:電波の反射時間から距離を測定
  • 圧力式:液体の静水圧から液位を算出
  • 回転式:羽根の回転停止から粉体の到達を検出
  • 振動式:振動体の状態変化から対象物の有無を検出

一つの方式がすべての用途に適するわけではありません。対象物の誘電率、粒径、かさ密度、粘度、温度、圧力などを確認します。

液体を測定する場合

液体タンクでは、フロート式、圧力式、静電容量式、超音波式、レーダー式などが使用されます。水や油だけでなく、薬液、粘性液体、泡立つ液体などでは、接液材質や測定方式に注意が必要です。

圧力式では、タンク底部にかかる静水圧から液位を求めます。液体密度が変化すると換算値に影響するため、温度や液種が変わる設備では補正を検討します。

粉体・粒体を測定する場合

粉体サイロやホッパーでは、表面が水平にならず、投入位置を中心に山形となることがあります。排出時には逆円すい状のくぼみができるため、一点の高さだけでは正確な残量を表せない場合があります。

また、粉じん、付着、ブリッジ、ラットホールが測定へ影響します。非接触式センサを使用しても、センサ面への付着や内部構造物からの反射に注意します。

高さから残量へ換算する方法

連続式センサが直接測定するのは、センサから対象物表面までの距離です。タンクの基準高さから測定距離を差し引き、対象物の高さへ換算します。

円筒タンクで断面積が一定なら、高さと容積は比例します。しかし、底部が円すい形や角すい形の場合、高さと容積は単純比例しません。容器形状に合わせた換算テーブルや演算式を使用します。

粉体重量へ換算する場合は、容積にかさ密度を掛けます。ただし、かさ密度は締まり方や含水率によって変動するため、概算値として扱う場合があります。

センサの取付位置

非接触式レベルセンサは、投入流や槽内構造物を避けて設置します。投入原料が直接センサへ当たる位置や、補強材、はしご、配管が測定範囲に入る位置では誤検出が起こる場合があります。

粉体表面が傾斜する場合は、代表的な高さを測定できる位置を選びます。大型サイロでは複数点を測定し、平均値や最小値を用いる場合もあります。

出力と制御への利用

ポイント式では、接点出力やトランジスタ出力をPLCへ入力し、供給機やポンプの起動・停止に使用します。連続式では、4~20mA、電圧出力、デジタル通信などを利用して残量を取り込みます。

上限到達時に供給を停止し、下限到達時に補充を開始する制御では、チャタリングを防ぐために上限と下限を分けたり、判定時間を設けたりします。

異常検出とフェールセーフ

レベルセンサが故障すると、満杯にもかかわらず供給を続けたり、空の状態でポンプやフィーダーを運転したりする危険があります。

重要設備では、上限センサと連続式センサを併用するなど、異なる検出手段を組み合わせます。信号断線、測定範囲外、応答停止を異常として判定し、安全側へ設備を停止する構成を検討します。

異常値が表示された場合の確認

値が急に変化する場合は、投入中の原料、泡、粉じん、撹拌、波立ちなどの影響を確認します。値が固定された場合は、センサ面への付着、導圧管の詰まり、フロートの固着、信号断線を点検します。

実際の残量と表示が合わない場合は、基準高さ、空点・満点、容器形状、かさ密度、PLC側のスケーリング設定を確認します。

保守と点検

センサ面や検出部への付着を定期的に確認し、対象物に応じた方法で清掃します。分解清掃が必要な場合は、設備を停止し、安全を確保して作業します。

満杯・空の模擬試験や、実測値との比較を行い、警報、表示、通信、制御出力まで正常に動作することを確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、対象物、容器形状、測定範囲、粉じん、泡、付着、温度などを確認し、適切なレベルセンサを選定します。

残量表示、上限・下限警報、供給機やポンプとの連動、無線通信、遠隔監視、データ保存まで含めた構成を検討します。

よくある質問

Q. 液体用と粉体用のレベルセンサは共用できますか?

A. 共用できる方式もありますが、誘電率、粉じん、付着、泡などの条件が異なるため、対象物に合わせた選定が必要です。

Q. レベルセンサで重量を測定できますか?

A. 高さから容積を求め、かさ密度を掛けて重量を推定できますが、直接計量するロードセルより誤差が大きくなる場合があります。

Q. サイロ内の粉じんが多くても測定できますか?

A. 粉じん環境に適した方式を選び、取付位置やセンサ面への付着対策を行うことで測定できる場合があります。

Q. 満杯時だけ検出したい場合もレベルセンサを使いますか?

A. 上限位置を検出するポイント式レベルセンサが適しています。

Q. 既設タンクの残量を遠隔監視できますか?

A. センサ、表示器、通信機器を組み合わせ、既設タンクの残量を遠隔監視する構成を検討できます。

関連ワード

近接センサとは、対象物に接触することなく、物体の有無や接近を検出するセンサです。機械設備では、金属部品の位置確認、シリンダの動作端検出、搬送物の通過確認、回転体の速度検出などに使用されます。

機械式リミットスイッチと異なり、対象物との接触がないため、摩耗が少なく、高速で繰り返し検出できる点が特長です。一方、検出できる対象物、距離、周囲金属、温度などによって動作が変わるため、使用条件に合わせた選定が必要です。

ハカルプラスでは、近接センサをPLCや制御盤へ接続し、位置確認、動作順序の判定、インターロック、異常監視に利用する構成を検討します。

代表的な検出方式

近接センサとして広く使用されるのは、誘導形、静電容量形、磁気形などです。

  • 誘導形:金属による電磁界の変化を検出
  • 静電容量形:物体の接近による静電容量変化を検出
  • 磁気形:磁石や磁界を検出

一般に「近接センサ」と呼ぶ場合は、金属を検出する誘導形を指すことが多くあります。

誘導形近接センサの原理

誘導形近接センサは、検出面の近くに高周波磁界を発生させます。金属が接近すると、金属内部に渦電流が流れ、発振状態が変化します。この変化を検出して出力を切り替えます。

鉄、ステンレス、アルミニウム、銅などを検出できますが、材質によって検出距離が異なります。カタログに記載された検出距離は、指定された標準検出物体を使った値であるため、実際の対象物で確認します。

静電容量形近接センサ

静電容量形は、対象物が近づいた際の静電容量変化を利用します。金属だけでなく、樹脂、ガラス、液体、粉体なども検出できる場合があります。

容器の外側から内部の液体や粉体を検出する用途にも利用できますが、水分、付着物、周囲温度、容器厚さの影響を受けやすいため、感度調整が必要です。

主な用途

  • シリンダやアクチュエータの前進・後退端検出
  • 移動台車やトラバーサの停止位置確認
  • 回転ラックの位置決め
  • 歯車や金属突起を利用した回転数検出
  • ワークや容器の有無確認
  • ゲート、扉、カバーの開閉確認

設備の動作完了を近接センサで確認してから次工程へ進むことで、機械同士の干渉や誤動作を防止できます。

検出距離と取付余裕

近接センサには定格検出距離がありますが、実際の設計では温度、電源電圧、材質、個体差などを考慮し、定格距離ぎりぎりで使用しないようにします。

対象物が振動したり位置ずれしたりしても確実に検出でき、同時にセンサへ衝突しない距離を確保します。機械の停止精度とセンサの応差も確認します。

シールド形と非シールド形

誘導形近接センサには、金属へ埋め込んで取り付けられるシールド形と、検出距離を長く取りやすい非シールド形があります。

非シールド形は側面にも磁界が広がるため、周囲金属から距離を取る必要があります。取付金具や機械フレームの影響を考慮し、メーカー指定の取付間隔を守ります。

出力方式

直流3線式では、NPN出力またはPNP出力が一般的です。接続するPLC入力の方式と一致させる必要があります。

  • NPN出力:出力ON時に負荷電流を0V側へ流す
  • PNP出力:出力ON時に負荷へプラス側電圧を供給する

直流2線式や交流2線式では、OFF時漏れ電流やON時残留電圧があるため、PLC入力やリレーとの適合を確認します。

配線時の注意点

動力線やインバーター出力線とセンサ配線を近接させると、ノイズによる誤動作が起こる場合があります。配線経路を分離し、必要に応じてシールド線やノイズ対策を行います。

コネクタ式センサでは、振動や水分による緩み・腐食を防ぎます。ケーブルを可動部で使用する場合は、屈曲耐久性のあるケーブルを選定します。

インターロックへの利用

近接センサは、設備が所定位置にあることを確認するインターロックに利用されます。例えば、リフターが上昇端へ到達していない場合は搬送を開始しない、台車が停止位置にない場合はゲートを開かない、といった制御です。

重要な安全機能では、一般的な近接センサだけに依存せず、安全規格に対応したセンサや安全回路を使用します。

異常時の確認

常時ONまたは常時OFFになる場合は、検出物体の位置、センサ面への金属粉付着、取付金具の影響、配線、電源電圧を確認します。

動作が不安定な場合は、検出距離不足、対象物の振動、周囲温度、近接する別センサとの相互干渉、インバーターノイズなどを点検します。

保守と交換

定期的に取付けの緩み、検出面の損傷、ケーブルの断線、対象物との距離を確認します。交換時に同じ形式を使用しても、感度や検出距離に差がある場合があるため、実機で動作確認を行います。

センサ交換後は、入力モニタだけでなく、設備が正しい順序で停止・起動することを確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、対象物の材質、検出距離、取付環境、出力方式を確認し、近接センサとPLC入力回路を組み合わせます。

搬送設備、移動台車、リフター、回転ラックなどの位置確認、インターロック、異常履歴、タッチパネル表示に利用する制御構成を検討します。

よくある質問

Q. 近接センサは樹脂も検出できますか?

A. 一般的な誘導形は金属を検出します。樹脂を検出する場合は静電容量形などを検討します。

Q. NPN出力とPNP出力はどちらを選べばよいですか?

A. 接続するPLCや入力機器の回路方式に合わせて選定します。

Q. 検出距離ぎりぎりで取り付けてもよいですか?

A. 位置ずれや温度変化を考慮し、安定検出できる余裕を持たせる必要があります。

Q. 金属粉が付着すると誤動作しますか?

A. 誘導形では検出面への金属粉付着によって常時ONになる場合があります。定期的な清掃が必要です。

Q. 近接センサを安全装置として使用できますか?

A. 一般的な近接センサだけでは安全機能を満たさない場合があります。必要な安全性能に対応した機器と回路を選定します。

関連ワード

光電センサとは、投光部から光を照射し、対象物によって生じる受光量の変化を利用して、物体の有無や通過を非接触で検出するセンサです。搬送ライン、包装機、充填設備、自動倉庫などで広く使用されます。

金属だけでなく、樹脂、紙、ガラス、液体容器なども検出でき、近接センサより長い距離を検出できる場合があります。一方、対象物の色、表面状態、透明度、周囲光、粉じんなどの影響を受けるため、用途に合った方式を選定します。

ハカルプラスでは、光電センサを搬送制御や計量・充填設備へ組み込み、ワーク確認、通過検出、詰まり監視、誤投入防止に利用する構成を検討します。

主な検出方式

光電センサは、投光器と受光器の配置によって、透過形、回帰反射形、拡散反射形などに分類されます。

  • 透過形:投光器と受光器を向かい合わせ、光の遮断を検出
  • 回帰反射形:反射板で光を戻し、往復光の遮断を検出
  • 拡散反射形:対象物から反射した光をセンサで受光

検出距離や安定性を重視する場合は透過形、配線を片側にまとめたい場合は回帰反射形、反射板を設置できない場合は拡散反射形が候補になります。

透過形の特長

透過形は、投光器と受光器の間に対象物が入って光を遮ることで検出します。対象物の色や表面状態の影響を受けにくく、長距離検出に適しています。

一方、投光器と受光器の両方へ配線が必要で、光軸を正確に合わせる必要があります。機械の振動や取付けのずれで受光量が低下しないよう、剛性のある取付構造とします。

回帰反射形の特長

回帰反射形は、センサから出た光を反射板で戻し、その途中を対象物が遮ることで検出します。投光・受光が一体化されているため、配線を片側へまとめられます。

鏡面体や光沢のある対象物では、対象物自身の反射光によって誤検出することがあります。偏光フィルタを用いた回帰反射形を使用すると、反射板と鏡面反射を区別しやすくなります。

拡散反射形の特長

拡散反射形は、対象物へ光を当て、対象物から戻る反射光を検出します。センサだけで構成できるため設置が簡単ですが、対象物の色、材質、表面の光沢によって検出距離が変わります。

白色物体は反射光が多く、黒色物体は少ない傾向があります。背景の壁や機械部品を誤検出する場合は、背景抑制機能を持つセンサを検討します。

透明体の検出

透明なボトル、フィルム、ガラスなどは光を完全には遮らないため、一般的な光電センサでは検出が不安定になる場合があります。

透明体検出対応の回帰反射形センサは、わずかな受光量変化を高感度で検出します。汚れや結露でも受光量が変わるため、安定動作する余裕を確認します。

主な用途

  • コンベヤ上のワーク有無確認
  • 容器の通過数カウント
  • 袋、箱、パレットの位置確認
  • 搬送物の詰まりや滞留検知
  • 充填前の容器確認
  • 扉やシャッター周辺の物体検知

搬送設備では、複数の光電センサを配置し、ワークの進行、間隔、滞留を監視することがあります。

応答時間と検出速度

高速で移動する小さなワークを検出する場合は、センサの応答時間とPLC入力の応答時間を確認します。対象物が光軸を遮る時間よりも処理が遅いと、信号を取りこぼす可能性があります。

高速カウントでは、高速入力ユニットやパルス入力を使用する場合があります。PLCプログラムのスキャン時間も考慮します。

周囲光と相互干渉

直射日光、照明、溶接光などが受光部へ入ると、誤動作する場合があります。外乱光に強い変調方式のセンサを使用し、必要に応じて遮光板を設けます。

複数の光電センサを近接して設置すると、隣のセンサの投光を受光する相互干渉が起こる場合があります。取付角度、距離、投光周波数切替機能などを確認します。

粉じん・汚れへの対策

粉じんや油分がレンズや反射板へ付着すると、受光量が低下します。正常時の受光余裕が小さいと、少しの汚れで誤動作する可能性があります。

エアパージ、保護カバー、清掃しやすい取付構造を採用し、受光量表示や安定表示を点検に活用します。

制御への利用

光電センサの信号をPLCへ入力し、対象物があることを確認してから搬送、充填、計量、印字などの工程を開始します。

一定時間内に次のセンサへ到達しない場合は、詰まりや搬送異常として設備を停止できます。複数センサの順序を監視することで、逆流や誤搬送も検出できます。

異常時の確認

検出しない場合は、光軸ずれ、レンズ汚れ、検出距離、感度設定、配線、電源を確認します。対象物がないのにONする場合は、背景反射、外乱光、反射板の位置、相互干渉を点検します。

時々信号が途切れる場合は、対象物の振動、透明度のばらつき、レンズの結露、ケーブル断線、コネクタの接触不良を確認します。

保守と点検

レンズと反射板を定期的に清掃し、取付けの緩みや光軸ずれがないか確認します。清掃にはレンズを傷つけない材質を使用します。

センサ交換後は、対象物あり・なしの両方で入力状態を確認し、搬送停止や警報が正しく動作することを点検します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、対象物の材質、色、透明度、検出距離、搬送速度、設置環境を確認し、適切な光電センサと入力機器を選定します。

搬送制御、容器確認、誤投入防止、詰まり検知、数量カウント、異常履歴保存などをPLCやタッチパネルへ組み込む構成を検討します。

よくある質問

Q. 黒い対象物も検出できますか?

A. 検出できますが、拡散反射形では反射光が少なくなるため、方式や検出距離を確認する必要があります。

Q. 透明な容器も検出できますか?

A. 透明体検出対応のセンサを使用し、受光量や取付条件を調整することで検出できる場合があります。

Q. 屋外でも使用できますか?

A. 保護構造、使用温度、直射日光、雨水の影響を確認し、屋外対応機種や遮光対策を選定します。

Q. 高速で通過する製品を数えられますか?

A. センサの応答時間、対象物が光を遮る時間、PLC入力速度を確認すればカウントできます。

Q. 粉じんの多い場所で使用できますか?

A. 受光余裕を確保し、エアパージや定期清掃を行うことで使用できる場合があります。

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皮相電力とは、交流回路における電圧の実効値と電流の実効値を掛け合わせた電力です。単位にはVA(ボルトアンペア)またはkVA(キロボルトアンペア)を使用します。設備や変圧器、発電機、無停電電源装置などの必要容量を考える際の基準となります。

交流回路では、電源から供給された電力のすべてが、仕事や熱として有効に使われるとは限りません。実際に消費される有効電力と、モーターや変圧器などの磁界をつくるために往復する無効電力を合わせた電力の大きさが皮相電力です。

ハカルプラスでは、電圧、電流、有効電力、無効電力、力率などを計測し、受配電設備や負荷設備の容量確認、デマンド監視、省エネルギー分析に活用できる構成を検討します。

皮相電力の求め方

単相交流回路の皮相電力は、次の式で求められます。

S=V×I

  • S:皮相電力[VA]
  • V:電圧の実効値[V]
  • I:電流の実効値[A]

例えば、電圧200V、電流10Aの場合、皮相電力は2,000VA、すなわち2kVAです。

三相3線式の平衡回路では、一般に次の式を用います。

S=√3×V×I

ここでVは線間電圧、Iは線電流です。実際の設備で相ごとの電圧・電流が異なる場合は、各相の計測値や計測器の演算方式を確認します。

有効電力・無効電力との関係

有効電力、無効電力、皮相電力には次の関係があります。

S2=P2+Q2

  • S:皮相電力[VA]
  • P:有効電力[W]
  • Q:無効電力[var]

有効電力は、モーターの機械出力、ヒーターの発熱、照明などに実際に使われる電力です。無効電力は、モーターや変圧器の磁界形成などに必要ですが、負荷と電源の間を往復し、直接仕事には変換されません。

皮相電力と力率

力率は、皮相電力に対して有効電力がどの程度含まれているかを表す指標です。

力率=有効電力÷皮相電力

例えば、皮相電力100kVA、有効電力80kWの場合、力率は0.8、または80%です。同じ有効電力を使用する場合でも、力率が低いと流れる電流が増え、変圧器や配線に必要な容量が大きくなります。

ただし、高調波を含む波形では、電圧と電流の位相差だけでなく波形ひずみも力率へ影響します。進相コンデンサだけでは改善できない場合があります。

設備容量との関係

変圧器、発電機、無停電電源装置などの容量は、一般にkVAで表されます。これらの機器は、有効電力だけでなく、負荷へ流れる電流全体に対応する必要があるためです。

例えば、容量100kVAの変圧器へ力率80%の負荷を接続した場合、理論上の有効電力は約80kWです。力率が95%であれば、同じ100kVAでも約95kWまで有効に利用できます。

ただし、実際の選定では、始動電流、負荷変動、将来増設、高調波、温度条件なども考慮します。

電流増加と設備への影響

同じ有効電力を使用していても、力率が低下して皮相電力が増えると、電源から流れる電流が増加します。電流が増えると、配線や変圧器での損失と発熱が増え、設備容量に余裕がなくなる可能性があります。

  • 変圧器や発電機の使用可能容量が減る
  • 配線、遮断器、接触器の負担が増える
  • 配線での電圧降下が増える
  • 設備の発熱や電力損失が増える

受電設備の余裕を確認する場合は、有効電力だけでなく皮相電力、電流、力率を併せて確認します。

皮相電力を計測する方法

皮相電力は、計測した電圧と電流の実効値から演算します。低圧設備では電圧を計測器へ入力し、電流はCTを通して取り込みます。高圧設備では、高圧回路に対応したCTや電圧変成器などを使用します。

三相回路では、配線方式、電圧入力の相、CTの取付相と方向を正しく設定します。相の取り違えやCT比の設定誤りがあると、皮相電力、有効電力、力率などが正しく表示されません。

異常値が表示された場合の確認

皮相電力が通常より大きい場合は、実際の負荷増加だけでなく、力率低下、電圧変動、電流不平衡、高調波の増加を確認します。

有効電力がほとんど変わらず皮相電力だけが増えた場合は、無効電力または高調波電流が増えている可能性があります。モーターの軽負荷運転、進相コンデンサの異常、インバーター負荷の追加などを点検します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、単相・三相回路の電圧、電流、皮相電力、有効電力、無効電力、力率などを計測する機器と監視システムを検討します。

現在値の表示、上限警報、デマンド監視、通信、データ保存を組み合わせ、変圧器の負荷率確認、設備増設前の容量確認、省エネルギー分析に利用できる構成に対応します。

よくある質問

Q. 皮相電力と消費電力は同じですか?

A. 同じではありません。一般に消費電力は有効電力を指し、皮相電力は電圧と電流から求めた電力全体の大きさです。

Q. 皮相電力の単位がWではなくVAなのはなぜですか?

A. 実際に仕事へ変換される有効電力と区別するため、皮相電力にはVAを使用します。

Q. 力率が低いと皮相電力は大きくなりますか?

A. 同じ有効電力であれば、力率が低いほど皮相電力と電流が大きくなります。

Q. 変圧器の容量はkWとkVAのどちらで選びますか?

A. 基本的にはkVAで確認します。負荷の力率、始動電流、高調波、将来増設も考慮して選定します。

Q. 既設設備の皮相電力を継続監視できますか?

A. 電圧入力とCTを計測器へ接続し、現在値や履歴を表示・保存する構成を検討できます。

関連ワード

三相不平衡とは、三相交流回路において、各相の電圧または電流の大きさや位相関係が均等でない状態です。理想的な三相交流では、各相の大きさが等しく、位相は互いに120度ずれています。

単相負荷の偏り、配線や接点の異常、モーター巻線の劣化などがあると、各相の電流や電圧に差が生じます。不平衡が大きくなると、モーターや変圧器の発熱、振動、損失増加、設備容量の低下につながる可能性があります。

ハカルプラスでは、三相各相の電圧・電流を計測し、不平衡状態の表示、警報、通信、履歴保存を行う設備監視を検討します。

平衡した三相交流

三相交流は、R相、S相、T相の三つの交流で構成されます。平衡状態では、各相の電圧と電流の大きさがほぼ等しく、位相が120度ずつずれています。

三相モーターなどの負荷が平衡していると、各相へ均等に電流が流れ、機器を効率よく運転できます。三相4線式回路では、各相電流が均等であれば中性線電流も小さくなります。

電流不平衡が発生する原因

電流不平衡は、負荷の接続状態や設備異常によって発生します。

  • 単相負荷が特定の相へ集中している
  • ヒーターや負荷機器の一部が停止している
  • 端子や接触器の接触不良がある
  • 三相モーターの巻線抵抗に差がある
  • 欠相または半断線が発生している
  • インバーターや整流負荷が各相へ偏っている

受電設備全体では平衡していても、分岐回路や特定設備だけで大きな偏りが生じていることがあります。

電圧不平衡が発生する原因

電圧不平衡は、電源系統や配線のインピーダンス、負荷電流の偏りなどによって発生します。特定の相へ大きな負荷が集中すると、その相の電圧降下が大きくなります。

変圧器、遮断器、接触器、端子台、ケーブルなどの接続不良も原因になります。上位系統から不平衡が供給されている場合もあるため、受電点と負荷側の両方を測定すると原因を絞り込みやすくなります。

不平衡率の考え方

簡易的な電流不平衡率は、各相電流の平均値と、平均値から最も離れた相との差を用いて算出します。

不平衡率=最大偏差÷三相平均値×100

例えば、三相電流が100A、105A、95Aの場合、平均値は100A、最大偏差は5Aであり、不平衡率は5%です。

一方、電圧不平衡を厳密に評価する場合は、三相電圧を対称分へ分解し、逆相電圧と正相電圧の比率を用いる方法があります。使用する規格や機器によって演算方法が異なるため、表示値の定義を確認します。

モーターへの影響

三相モーターへ不平衡電圧を加えると、基本波とは逆方向に回転する磁界成分が発生し、モーター電流の不平衡が大きくなることがあります。

その結果、巻線や鉄心の発熱、振動、騒音、トルク低下、絶縁劣化が進む可能性があります。わずかな電圧不平衡でも電流不平衡が大きくなる場合があるため、電流だけでなく電圧も確認します。

変圧器・配線への影響

各相の負荷が偏ると、特定相の配線、遮断器、変圧器巻線だけに大きな電流が流れます。設備全体の合計電力に余裕があっても、一相だけ定格へ近づく場合があります。

三相4線式回路では、単相負荷の偏りや第3高調波によって中性線電流が増加することがあります。各相電流と中性線電流を併せて確認することが重要です。

三相不平衡の測定

電流不平衡を確認するには、R相、S相、T相へCTを設置し、各相の電流を同時に計測します。電圧不平衡では、各線間電圧または相電圧を測定します。

一時的な負荷変動と継続的な不平衡を区別するため、瞬時値だけでなく一定時間の最大値・平均値や履歴を確認します。設備の運転状態と計測時刻を記録すると、原因となる負荷を特定しやすくなります。

異常が見つかった場合の確認

一相の電流だけが大きい場合は、その相に接続された単相負荷やヒーター回路を確認します。一相だけ小さい場合は、負荷停止、ヒューズ切れ、接触不良、欠相などを点検します。

電圧に差がある場合は、受電点と負荷端で測定し、どの区間で電圧降下が発生しているかを確認します。端子や接触器の温度上昇、変色、緩みがないかも点検します。

不平衡の改善方法

単相負荷の接続相を変更し、三相へ均等に配分することが基本です。設備増設時には、現在の各相負荷を確認して接続相を決めます。

接点や配線の異常が原因の場合は、締付け、部品交換、配線修理を行います。モーター内部の異常が疑われる場合は、巻線抵抗や絶縁状態を確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、三相各相の電圧・電流を計測し、現在値、最大値、不平衡状態を表示する構成を検討します。

不平衡が設定値を超えた場合の警報出力、通信、データ保存を組み合わせ、モーター、変圧器、受配電設備の異常監視や保全判断に利用できます。

よくある質問

Q. 三相の電流は完全に同じでなければ異常ですか?

A. 負荷変動や測定誤差による小さな差は発生します。設備仕様と正常時の値を基準に判断します。

Q. 電圧不平衡が小さくてもモーターへ影響しますか?

A. 小さな電圧不平衡でも、モーター電流にはより大きな不平衡が生じる場合があります。

Q. 一相だけ電流が小さい場合は欠相ですか?

A. 欠相の可能性はありますが、負荷停止、ヒューズ切れ、接触不良なども確認する必要があります。

Q. 三相不平衡は力率にも影響しますか?

A. 各相の負荷状態が変わるため、回路全体の力率や電力計測値にも影響する場合があります。

Q. 三相不平衡を継続的に監視できますか?

A. 各相の電圧・電流を計測し、しきい値判定、警報、履歴保存を行う構成を検討できます。

関連ワード

総合高調波ひずみ率(THD)とは、電圧や電流の波形に含まれる高調波成分の大きさを、基本波に対する割合で表した指標です。THDはTotal Harmonic Distortionの略で、電圧ではTHD-V、電流ではTHD-Iと表記されることがあります。

理想的な交流波形は滑らかな正弦波ですが、インバーター、整流器、スイッチング電源などの非線形負荷が接続されると波形がひずみます。THDを確認することで、波形全体が基本波からどの程度ひずんでいるかを数値として把握できます。

ハカルプラスでは、高調波、電圧、電流、電力、力率などを計測し、設備状態の表示、警報、通信、データ保存に活用できる構成を検討します。

THDの算出方法

THDは、第2高調波以降の各高調波成分を合成し、基本波成分に対する割合として求めます。

THD=√(第2高調波2+第3高調波2+…)÷基本波×100

例えば、基本波電流が100Aで、高調波成分の二乗和平方根が20Aの場合、THD-Iは20%です。

測定器によって、対象とする最高次数や演算方式が異なる場合があります。複数の機器を比較するときは、測定帯域と演算条件を確認します。

THD-VとTHD-Iの違い

THD-Vは電圧波形のひずみ率、THD-Iは電流波形のひずみ率です。負荷機器が高調波電流を発生すると、その電流が配線や変圧器のインピーダンスを流れることで高調波電圧が生じます。

そのため、発生源を調査する場合はTHD-I、系統全体や他設備への影響を調べる場合はTHD-Vが重要になります。ただし、いずれか一方だけでは原因と影響を判断しにくいため、電圧・電流の両方を確認します。

THDが高くなる主な設備

  • インバーターやサーボアンプ
  • スイッチング電源を使用する情報機器
  • LED照明や電子安定器
  • 無停電電源装置や充電器
  • 整流器、溶接機、電力変換装置

同じ種類の負荷でも、回路方式、負荷率、入力リアクトルの有無などによって高調波の大きさは変わります。

THDだけで判断できない理由

THDは基本波を基準とする割合です。そのため、負荷電流が非常に小さい状態では、実際の高調波電流が小さくてもTHD-Iが大きく表示される場合があります。

例えば、基本波が2A、高調波が1AならTHDは50%ですが、基本波が100A、高調波が20AならTHDは20%です。後者の方が実際に流れている高調波電流は大きくなります。

設備への影響を評価する際は、THDだけでなく、各次数の電流値、基本波電流、設備容量、運転状態を併せて確認します。

各次数の確認

THDは波形ひずみ全体を一つの数値で示すため、どの次数が大きいかは分かりません。原因を調べるには、第3、第5、第7など各次数の値を確認します。

単相の電子機器が多い設備では第3高調波、三相整流負荷では第5、第7高調波などが現れやすい傾向があります。対象次数は負荷の回路方式によって異なります。

設備への影響

高調波が増えると、基本波だけで運転している場合より配線や変圧器の実効電流が増え、発熱や損失が大きくなることがあります。

  • 変圧器、配線、リアクトルの温度上昇
  • 進相コンデンサの過熱・損傷
  • 三相4線式回路の中性線電流増加
  • モーターの振動、騒音、損失増加
  • 計測・制御・通信機器の誤動作

設備増設後に温度上昇や異音が発生した場合は、負荷電流とともにTHDや各高調波次数を確認します。

THDの測定方法

高調波計測に対応した電力計測器や電源品質測定器を使用し、電圧・電流波形を一定周期でサンプリングして演算します。

設備全体を見る場合は受電点や変圧器二次側、発生源を見る場合はインバーターや負荷回路の入力側で測定します。負荷率によってTHDが変わるため、通常運転、最大負荷、軽負荷など複数条件で確認します。

測定時の注意点

CTや計測器の周波数特性が不足すると、高次高調波を正しく測定できません。確認したい次数に対応する測定帯域があるかを確認します。

インバーター出力側は高速スイッチング波形であり、一般的な商用電源向け計測器では正確に測定できない場合があります。測定目的に適した機器を選定します。

異常値が見つかった場合の確認

THD-Iが高い場合は、運転しているインバーター、電源装置、LED照明などを確認します。設備を順に停止した際の変化を比較すると、主な発生源を特定しやすくなります。

THD-Vが高い場合は、受電点と各分岐回路を比較し、高調波電流が流れる経路、変圧器容量、配線インピーダンス、進相コンデンサなどを確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、高調波計測に対応した機器を用いて、THD、次数別高調波、電圧、電流、電力、力率を監視する構成を検討します。

現在値の表示、上限警報、通信、データ保存を組み合わせ、設備増設前後の比較、異常傾向の把握、保全判断に活用できます。

よくある質問

Q. THDが高いと必ず設備に異常がありますか?

A. 必ずしも異常とは限りません。負荷電流が小さい場合は、実際の高調波電流が小さくてもTHDが高く表示されます。

Q. THD-VとTHD-Iはどちらを測ればよいですか?

A. 発生源の確認にはTHD-I、電源系統や他設備への影響確認にはTHD-Vが重要です。可能であれば両方を測定します。

Q. THDだけで高調波対策を選定できますか?

A. 各次数、高調波電流値、負荷方式、系統構成も確認して対策を検討する必要があります。

Q. インバーターを追加するとTHDは増えますか?

A. 増える場合がありますが、インバーターの回路方式、リアクトル、負荷率によって異なります。

Q. THDを継続的に記録できますか?

A. 対応する計測器と通信・保存機能を組み合わせ、時間変化を記録する構成を検討できます。

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瞬時電圧低下とは、電源電圧が短時間だけ所定の値より低下する現象です。一般に「瞬低」と呼ばれます。停電とは異なり、電圧が完全にゼロにならない場合や、短時間で元の電圧へ復帰する場合も含まれます。

瞬低の継続時間は短くても、PLC、パソコン、インバーター、電磁接触器、通信機器などが停止・リセットする可能性があります。生産設備では、一つの機器が停止しただけでも工程全体の復旧に時間を要することがあります。

ハカルプラスでは、電圧の低下を検出し、警報、履歴保存、設備状態の記録、停電・復電時の制御へ活用する構成を検討します。

瞬低と停電の違い

停電は電力供給が失われた状態を指します。一方、瞬低は電圧が一時的に低下する現象で、電圧が残っている場合があります。

また、電圧が短時間完全にゼロになる瞬時停電と、電圧が低い状態で残る瞬時電圧低下は区別されます。ただし、設備側ではどちらも制御機器の停止やリセットを引き起こす可能性があります。

瞬低が発生する主な原因

  • 送配電系統での落雷や地絡事故
  • 大容量モーターや変圧器の投入
  • 溶接機など大電流負荷の動作
  • 短絡事故や保護装置の動作
  • 受電設備や配線の接触不良
  • 発電機・電源切替時の一時的な電圧変動

系統事故による瞬低は、工場内に異常がなくても発生する場合があります。一方、特定設備の起動時だけ発生する場合は、工場内の電源容量や配線条件を確認します。

設備への主な影響

電子機器は、入力電圧が一定値を下回ると正常動作を維持できません。瞬低による主な影響には次のものがあります。

  • PLC、マイコン、パソコンのリセット
  • 電磁接触器やリレーの釈放
  • インバーター、サーボアンプの不足電圧停止
  • 通信機器やネットワークの再起動
  • 計測値、設定値、処理中データの消失
  • 搬送・計量・混合工程の途中停止

瞬低時間が短くても、接触器が一度釈放すると、その後電圧が戻っても設備が自動復帰しない場合があります。

影響を受けやすい機器

電源保持時間の短い制御電源、交流電源で直接駆動する接触器、低電圧保護を持つインバーターなどは瞬低の影響を受けやすい傾向があります。

同じ電源系統でも、機器ごとの入力電源回路、設定、負荷状態によって停止する機器と継続動作する機器が分かれる場合があります。

瞬低の測定方法

瞬低を確認するには、電圧波形や実効値を短い周期で記録できる電源品質測定器を使用します。通常の監視装置で長い周期の平均値だけを保存している場合、短時間の瞬低を捉えられないことがあります。

測定では、低下した電圧の大きさ、継続時間、発生時刻、対象相を記録します。三相回路では、一相だけ低下する場合と三相すべてが低下する場合があります。

原因を調べる方法

瞬低発生時刻と、モーター起動、溶接機運転、設備停止、雷情報などを照合します。特定設備の運転と一致する場合は、起動電流、電源容量、配線の電圧降下を確認します。

受電点と設備側の両方で電圧を測定すると、瞬低が上位系統から来ているのか、工場内で発生しているのかを判断しやすくなります。

瞬低対策

対策は、保護する設備の重要度、必要な保持時間、消費電力によって選定します。

  • 制御電源や通信機器への無停電電源装置の設置
  • DC電源の保持用コンデンサやバックアップ電源の追加
  • 瞬低補償装置の採用
  • 接触器やリレーの保持回路の見直し
  • 大容量モーターの始動方式や起動順序の変更
  • 重要負荷と大電流負荷の電源系統分離

設備全体を補償すると容量と費用が大きくなるため、PLC、通信、操作端末など重要な制御系だけを保護する方法もあります。

復電時の制御

瞬低や停電から電圧が復帰した際に、設備が無条件で再起動すると危険な場合があります。モーター、コンベヤ、バルブなどは、設備状態を確認してから再起動させます。

復電時には、出力をいったん安全側へ戻し、センサ状態、残留原料、通信接続、異常履歴を確認します。工程途中で停止した場合は、自動復旧と手動復旧のどちらを採用するかを事前に決めます。

データ保護

電圧低下中にメモリーへ書き込むと、設定値や実績データが破損する可能性があります。電圧低下を早めに検出し、重要データを不揮発性メモリーへ保存してから停止する処理を設けます。

保存中の電源を維持するため、コンデンサやバックアップ電源を利用する場合があります。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、電圧低下の検出、警報出力、履歴保存、PLCやマイコンへの入力、停電・復電時の制御を検討します。

制御盤、電源回路、PLC、タッチパネル、通信、データ保存を組み合わせ、設備の安全停止と復旧手順を含めた構成に対応します。

よくある質問

Q. 瞬低は通常の電圧計で確認できますか?

A. 表示更新が遅い電圧計では捉えられないことがあります。短い周期で記録できる測定器が必要です。

Q. 瞬低と瞬時停電は同じですか?

A. 瞬低は電圧が低下する現象、瞬時停電は短時間電圧が失われる現象です。設備への影響は似る場合があります。

Q. PLCだけを瞬低から保護できますか?

A. 制御電源へUPSやバックアップ電源を設け、PLCや通信機器だけを保護する構成を検討できます。

Q. 瞬低後に設備を自動再起動してもよいですか?

A. 設備状態や安全性を確認せず再起動すると危険なため、復旧条件と再起動手順を設計する必要があります。

Q. 瞬低の発生時刻を記録できますか?

A. 電圧低下を検出して時刻、相、継続時間などを保存する構成を検討できます。

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零相変流器(ZCT)とは、複数の電線をまとめて通し、回路から大地へ漏れた電流を検出するための変流器です。ZCTはZero-phase Current Transformerの略で、漏電リレー、絶縁監視装置、漏電警報器などと組み合わせて使用します。

正常な回路では、負荷へ流れる電流と戻ってくる電流の合計はほぼゼロです。絶縁劣化や配線損傷によって一部の電流が大地へ流れると、ZCTを通る電流の合計に差が生じます。ZCTはこの差分となる零相電流を検出します。

ハカルプラスでは、ZCTを用いた漏電・絶縁監視について、対象回路、電流範囲、配線方式、警報条件を確認し、表示、警報、通信、履歴保存まで含む構成を検討します。

ZCTの検出原理

単相2線式回路では、往路と復路の電線を同じZCTへ通します。正常時は二つの電流による磁束が打ち消し合い、ZCTの出力はほぼゼロになります。

漏電が発生すると、負荷へ流れた電流の一部が接地線や大地を通って戻るため、往路と復路の電流が一致しません。この差分による磁束をZCTが検出し、二次側へ信号を出力します。

三相3線式では三相すべての電線を、三相4線式では三相と中性線をまとめてZCTへ通します。

一般的なCTとの違い

一般的なCTは、一つの相に流れる負荷電流を計測します。一方、ZCTは複数の電線をまとめて通し、各電流の合計となる零相電流を検出します。

  • CT:負荷電流、電力、設備運転状態の計測
  • ZCT:漏電電流、地絡電流、絶縁劣化の監視

外形が似ていても、出力特性や目的が異なるため、通常のCTをZCTの代わりに使用することはできません。

ZCTへ通す電線

ZCTには、その回路の電流が流れるすべての活線をまとめて通します。接地線は通常、ZCTの中へ通しません。

例えば単相3線式では、二本の電圧線と中性線をまとめて通します。一部の線だけを通すと、正常な負荷電流を漏電として検出してしまいます。

複数回路の電線を一つのZCTへ通すと、漏電が発生した回路を特定しにくくなります。監視単位に合わせて設置場所を決めます。

主な用途

  • 受配電設備や分岐回路の漏電監視
  • モーター、ヒーター、ポンプなどの絶縁劣化監視
  • 設備停止前の微小な漏電傾向の把握
  • 漏電発生時の警報・遮断
  • 遠隔監視システムへの漏電状態送信

漏電遮断器のように直ちに電源を遮断する用途だけでなく、警報を出して保全担当者へ通知する予防保全にも利用されます。

ZCTの選定

ZCTを選定する際は、貫通させるケーブル本数と外径、検出したい漏電電流、接続する監視装置の入力仕様を確認します。

既設設備へ追加する場合は、電線を取り外さずに設置できる分割形ZCTを使用できることがあります。ただし、分割面の密着不良や異物の挟み込みは計測誤差の原因になります。

大電流回路では、負荷電流そのものが大きくても打ち消し合うため、理論上ZCTの出力には現れません。ただし、導体位置の偏りや外部磁界が微小電流の検出へ影響する場合があります。

感度と警報設定

警報設定を低くすると小さな漏電を早期に検出できますが、インバーターやノイズフィルタ、長いケーブルから流れる対地漏れ電流によって警報が発生しやすくなります。

一時的な変動で警報を出さないよう、しきい値だけでなく判定時間やヒステリシスを設定します。正常時の漏電電流を測定し、設備特性に合わせて警報値を決めることが重要です。

インバーター設備での注意点

インバーターやサーボアンプでは、高周波成分を含む漏れ電流が発生することがあります。モーターケーブルが長い場合やノイズフィルタを使用する場合は、正常運転時でも対地漏れ電流が増えることがあります。

ZCTと監視装置が対象周波数に対応していないと、表示値や警報動作が不安定になる場合があります。インバーター対応の監視機器を選定し、設置場所と配線条件を確認します。

誤検出を防ぐ取付方法

ZCTの近くに大電流配線、電磁接触器、変圧器などがあると、外部磁界の影響を受ける場合があります。必要な距離を確保し、電線をZCTの中心付近へまとめて通します。

ZCTを通過した電線の一部が別経路で戻る構成や、接地線を誤って通した構成では正しく測定できません。回路図と現地配線を照合します。

異常値が表示された場合の確認

漏電値が高い場合は、負荷設備を分岐ごとに停止し、値の変化を確認します。モーター、ヒーター、配線、端子箱などの絶縁状態を点検します。

設備運転時だけ増加する場合は、インバーター、フィルタ、ケーブルの対地容量なども確認します。常に一定値が表示される場合は、ZCTへの電線の通し方、接地線、配線、外部磁界の影響を点検します。

保守と定期確認

ZCT本体だけでなく、監視装置、警報出力、通信、遮断回路が正常に動作することを定期的に確認します。試験機能や模擬漏電電流を利用し、検出から警報までの一連の動作を点検します。

分割形ZCTでは、固定部の緩み、分割面の汚れ、ケーブルとの干渉を確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、低圧設備を中心に、回路方式、ケーブル寸法、正常時の漏れ電流、警報条件に合わせてZCTと監視機器を選定します。

現在値表示、上限警報、接点出力、通信、履歴保存を組み合わせ、漏電の早期発見や絶縁劣化の傾向監視に利用できる構成を検討します。

よくある質問

Q. ZCTと通常のCTは同じものですか?

A. 同じではありません。通常のCTは負荷電流を測定し、ZCTは複数線の電流差から漏電電流を検出します。

Q. 接地線もZCTへ通しますか?

A. 通常は通しません。接地線を通すと漏電電流が打ち消され、正しく検出できない場合があります。

Q. 分割形ZCTを既設設備へ取り付けられますか?

A. ケーブル寸法、設置スペース、監視装置との適合を確認し、取り付けられる場合があります。

Q. インバーター設備では漏電値が高くなりますか?

A. 高周波漏れ電流やケーブルの対地容量によって、正常時でも値が増える場合があります。

Q. 漏電値を遠隔監視できますか?

A. ZCTと通信対応の監視機器を組み合わせ、現在値、警報、履歴を遠隔確認する構成を検討できます。

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圧力センサとは、気体や液体が物体を押す力を検出し、電気信号へ変換するセンサです。配管、タンク、ポンプ、空気圧機器、油圧装置などの圧力監視に使用されます。設備の運転状態を把握するだけでなく、定圧制御、異常警報、詰まり検知、空運転防止などにも利用できます。

圧力は、単位面積あたりに加わる力であり、Pa(パスカル)、kPa、MPaなどで表します。産業設備では、用途によってbar、mbar、kgf/cm2などが使用される場合もあります。センサを選定するときは、単位だけでなく、基準となる圧力の考え方も確認する必要があります。

圧力センサの測定原理

圧力センサは、圧力によって変形するダイヤフラムなどの受圧部を持ち、その微小な変形を電気信号として検出します。代表的な方式には、ひずみゲージ式、圧電式、静電容量式、半導体式などがあります。

ひずみゲージ式や半導体式では、受圧部の変形に伴う電気抵抗の変化を検出します。静電容量式では、圧力によって変化する電極間の距離を静電容量の変化として測定します。圧電式は、圧力変化によって生じる電荷を利用するため、急激に変化する圧力や脈動の測定に適しています。

絶対圧・ゲージ圧・差圧

圧力センサは、何を基準に圧力を測るかによって分類されます。

  • 絶対圧:真空を基準として測定する圧力
  • ゲージ圧:大気圧を基準として測定する圧力
  • 差圧:二つの測定点の圧力差

一般的な配管やタンクの圧力監視ではゲージ圧が多く使われます。真空設備や大気圧変動の影響を避けたい用途では絶対圧、フィルタの詰まりや流量の推定には差圧が用いられます。

主な用途

  • ポンプ吐出圧や吸込圧の監視
  • 空気圧・油圧装置の圧力確認
  • タンク内圧や配管圧力の監視
  • フィルタ前後の差圧による目詰まり検知
  • 液体供給設備の定圧制御
  • エア漏れや配管破損の異常検出

圧力値を表示するだけでなく、設定値を下回った場合にポンプ空運転を疑ったり、上限を超えた場合にバルブ閉塞や配管詰まりを検出したりできます。

出力信号の種類

産業用圧力センサでは、4~20mA、0~10V、1~5Vなどのアナログ出力がよく使用されます。PLCや計測器へ接続し、圧力値を連続的に取り込むことができます。

上限・下限の判定だけが必要な場合は、接点出力やトランジスタ出力を持つ圧力スイッチを使用することもあります。デジタル通信に対応する機種では、測定値だけでなく設定値や診断情報を取得できる場合があります。

測定範囲の選定

圧力センサは、通常運転時の圧力だけでなく、起動時の急上昇、脈動、ウォーターハンマー、異常時の最大圧力を考慮して選定します。定常圧力が測定範囲の端に近いと、過圧による故障や測定精度の低下につながります。

一方、測定範囲を必要以上に大きくすると、実際に使用する圧力範囲に対する分解能が低くなります。通常圧力と最大圧力の両方を確認し、適切な余裕を持たせます。

接液部材質と使用流体

圧力センサの受圧部は、測定する液体や気体に直接触れる場合があります。水、油、薬液、食品、粉じんを含む空気など、使用流体に適した材質を選ぶ必要があります。

腐食性のある液体では、ステンレス材質の種類やシール材を確認します。粘度が高い液体や固形分を含む流体では、圧力導入口が詰まりにくいフラッシュダイヤフラム形を使用する場合があります。

温度と設置条件の影響

圧力センサは、周囲温度や流体温度によってゼロ点や感度が変化する場合があります。高温流体を測定する場合は、サイフォン管、冷却部、隔膜シールなどを介してセンサへ熱が直接伝わらない構成を検討します。

ポンプやコンプレッサの近くでは振動や脈動の影響を受けるため、取付位置や配管方法を見直します。急激な圧力変動がある場合は、ダンパーや絞りを使用して変動を緩和することがあります。

圧力制御への利用

圧力センサの測定値をPLCやコントローラへ入力し、ポンプ回転速度やバルブ開度を調整することで、圧力を一定に保つ制御ができます。

インバーターでポンプ速度を変える場合、圧力の現在値と目標値の偏差をもとにPID制御を行います。負荷変動が大きい場合は、制御応答を速くしすぎると圧力が振動するため、調整が必要です。

異常値が表示された場合の確認

圧力値が変化しない場合は、センサ故障だけでなく、導圧口の詰まり、元弁の閉鎖、配線断線、電源異常を確認します。値が大きく変動する場合は、ポンプ脈動、エア混入、配管振動、接地・ノイズの影響を点検します。

実際の圧力と表示値が合わない場合は、基準圧力計との比較、ゼロ点確認、レンジ設定、PLC側のスケーリングを確認します。4~20mA入力では、入力抵抗や断線検出設定も点検します。

保守と定期点検

定期点検では、基準圧力を加えて表示値と出力信号を確認します。圧力導入口の付着物、漏れ、コネクタの緩み、ケーブルの損傷も点検します。

重要設備では、圧力センサの異常を検出できるよう、断線時の出力、上限・下限警報、他センサとの相互監視を設けます。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、測定範囲、使用流体、温度、配管条件、必要精度を確認し、圧力センサと入力機器を組み合わせた計測・制御構成を検討します。

4~20mAなどの信号をPLC、計測器、タッチパネルへ取り込み、圧力表示、上限・下限警報、ポンプ制御、通信、データ保存に利用できます。

よくある質問

Q. 圧力センサと圧力スイッチは同じですか?

A. 圧力センサは連続的な圧力値を出力し、圧力スイッチは設定圧力を超えたかどうかを接点などで出力する機器です。

Q. 水用の圧力センサを薬液にも使用できますか?

A. 接液部やシール材が薬液に耐えられるかを確認する必要があります。使用流体に適した材質を選定します。

Q. 4~20mA出力の圧力センサをPLCへ接続できますか?

A. 対応するアナログ入力ユニットを使用し、測定範囲に合わせてスケーリングすれば接続できます。

Q. ポンプの空運転を圧力で検出できますか?

A. 吐出圧や吸込圧の低下を監視することで検出できる場合があります。流量や液面との組み合わせも有効です。

Q. 既設設備へ圧力監視を追加できますか?

A.取付口、配管条件、電源、信号配線を確認し、既設設備へ追加できる構成を検討します。

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ロードセルとは、力や荷重によって生じるわずかな変形を電気信号へ変換し、重量を検出するセンサです。電子台秤の内部だけでなく、ホッパー、タンク、容器、搬送台車などへ組み込み、設備そのものを計量機として構成できます。

ロードセルから出力される信号は非常に小さいため、計量コントローラやロードセルアンプで増幅・演算し、重量値へ変換します。圧縮型、引張型、ビーム型などがあり、荷重方向、設置構造、必要精度に応じて使い分けます。

ハカルプラスでは、計量対象、最大荷重、設備形状、要求精度を確認し、ロードセル、荷重受け機構、計量コントローラ、制御盤、PLCを含む計量装置を設計します。

ロードセルの検出原理

一般的なひずみゲージ式ロードセルでは、金属製の起歪体にひずみゲージを貼り付けています。荷重によって起歪体がわずかに変形すると、ひずみゲージの電気抵抗が変化します。

複数のひずみゲージをブリッジ回路として接続し、その出力電圧を測定することで荷重を求めます。信号は定格荷重時でも数mV程度と小さいため、安定した電源、増幅回路、ノイズ対策が必要です。

主な種類

ロードセルは、荷重のかかり方と機械構造に合わせて選定します。

  • 圧縮型:上から押し込む荷重を測定し、タンクやホッパーに使用
  • 引張型:吊り下げ方向の荷重を測定し、吊り秤などに使用
  • ビーム型:曲げによる変形を利用し、台秤や小型ホッパーに使用
  • S字型:引張・圧縮の両方向に対応し、吊り下げや試験装置に使用
  • シングルポイント型:一台で偏荷重に対応し、小型の台秤に使用

同じ定格容量でも、取付方法や許容される横荷重、温度範囲、防水性能などが異なります。

定格容量の選定

ロードセルの定格容量は、計量物の最大重量だけで決めません。ホッパーやタンク本体、架台、付属機器、配管など、ロードセルへ常時加わる重量も含めます。

複数台のロードセルで支える場合は、総荷重を台数で割った値だけでなく、重心の偏りや投入時の衝撃を考慮します。例えば四点支持でも、荷重が均等に四分割されるとは限りません。

容量に余裕を持たせすぎると、使用範囲に対する信号変化が小さくなり、分解能を得にくくなることがあります。過荷重への安全率と必要精度のバランスを考えて選定します。

荷重受け機構の設計

ロードセルの性能を引き出すには、荷重を正しい方向へ伝える機械構造が重要です。斜め方向の力、ねじれ、横荷重が加わると、表示値の誤差やロードセルの損傷につながります。

タンクやホッパーでは、ロードセル用の取付金具、揺れ止め、浮き上がり防止機構などを設けます。ただし、揺れ止めを強く拘束しすぎると、荷重の一部がロードセル以外へ逃げ、正しい重量を測定できません。

温度変化によるタンクの膨張や収縮も考慮し、必要な方向には動ける構造としながら、転倒や過大な移動を防ぎます。

配管やケーブルの影響

計量タンクに固定配管が接続されていると、配管の硬さや熱伸縮による力がロードセルへ加わります。重量が変わっていないのに表示値が変化したり、ゼロへ戻らなくなったりする原因になります。

計量部と固定側の接続には、フレキシブルホースや伸縮継手を用い、できるだけ荷重を伝えない構造とします。電線やエア配管についても、短く張った状態にせず、十分なたるみを持たせます。

計量コントローラとの接続

ロードセルの信号は、計量コントローラやロードセルアンプへ入力します。コントローラでは信号を増幅し、ゼロ点と基準荷重から重量値へ換算します。

複数のロードセルを使用する場合は、和算箱で信号をまとめる構成があります。各ロードセルの出力差を調整し、偏った位置へ荷重を載せても同じ重量となるようにします。

計量コントローラからPLCへは、通信、アナログ出力、デジタル信号などで重量値や計量状態を伝えます。

校正とゼロ調整

設置後は、荷重がない状態をゼロとして登録し、基準分銅や既知重量を載せてスパン調整を行います。大型タンクなど、基準分銅を載せにくい設備では、校正方法を設計段階で検討します。

使用中に原料の付着や機械部品の追加があると、ゼロ点が変化します。自動ゼロ追従を使用する場合もありますが、原料が残った状態をゼロとして処理しないよう、適用範囲を設定します。

精度へ影響する要因

ロードセル自体が高精度でも、設備全体の精度は機械構造や設置環境によって変わります。主な影響要因には次のものがあります。

  • 配管やケーブルから加わる力
  • 機械振動や攪拌機の動作
  • 原料の偏りや偏荷重
  • 温度変化による架台・タンクの変形
  • 粉体付着や異物の噛み込み
  • インバーターなどから発生する電気ノイズ

必要精度が高い場合は、ロードセルの仕様だけでなく、設備を実際に運転した状態で重量の安定性を確認します。

断線・異常の検出

重量値が急に最大値や最小値へ振り切れた場合は、ロードセルケーブルの断線、端子の緩み、アンプ電源の異常などが考えられます。値が徐々にずれる場合は、原料付着、機械接触、温度変化を点検します。

複数台構成では、一台だけが故障しても合計重量が表示されることがあります。四隅へ既知重量を載せて表示差を確認すると、不良ロードセルや荷重伝達不良を特定しやすくなります。

過荷重と保護

ロードセルへ定格を超える荷重や強い衝撃が加わると、ゼロ点が戻らなくなったり、内部が損傷したりすることがあります。投入物の落下衝撃や、保守作業時に人が設備へ乗る場合も考慮します。

必要に応じて、機械式ストッパーや過荷重保護機構を設けます。ただし、通常計量範囲でストッパーへ接触すると誤差になるため、隙間の調整と定期点検が必要です。

ロードセルを使用するメリット

ロードセルを設備へ組み込む方式では、タンク、ホッパー、台車、架台など、計量対象に合わせて形状を自由に設計できます。原料を別の秤へ移さず、その工程内で重量を測定できます。

一方で、電子台秤のような完成品と比べ、荷重受け構造、配管、振動、校正方法を個別に検討する必要があります。精度はロードセル単体ではなく、計量装置全体で評価します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、圧縮型、引張型、ビーム型などから用途に適したロードセルを選定し、ホッパー、タンク、台車、計量架台へ組み込む構造を設計します。

荷重受け機構、揺れ止め、配管接続、過荷重保護、和算箱、計量コントローラ、制御盤を含め、設備全体で必要な精度を得られる構成を検討します。

PLCによる粗供給・微供給、落差補正、重量安定判定、実績保存、上位システム連携についても、要求仕様に合わせて対応します。

よくある質問

Q. ロードセルの容量は計量物の最大重量と同じでよいですか?

A. 設備本体の重量、偏荷重、衝撃、ロードセル台数も考慮して選定する必要があります。

Q. ロードセルを取り付ければ高精度に計量できますか?

A. ロードセルだけでなく、荷重受け構造、配管、振動、温度、校正方法が精度へ大きく影響します。

Q. タンクに接続した配管は計量値へ影響しますか?

A. 配管の硬さや熱伸縮による力が加わるため、フレキシブル継手などで影響を抑えます。

Q. 複数のロードセルを使用できますか?

A. 大型タンクなどでは複数台で支持します。和算箱や調整機構を用いて各ロードセルの出力をそろえます。

Q. 既設タンクへロードセルを追加できますか?

A. 架台構造、配管、設備重量、据付スペースを確認し、改造できる場合があります。

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