骨材サイロ残量計測とは、砂、砂利、砕石、再生骨材などを貯蔵するサイロやストックヤードの残量を測定することです。生コン工場やコンクリート製品工場で、材料切れの防止、骨材受入れ、在庫管理、高所確認作業の削減などに利用されます。

骨材は粉体と比べて粒径が大きく、投入や排出によって表面が大きく傾きます。サイロ上部から一点の高さを測定するだけでは、全体の残量を正確に把握しにくい場合があります。そのため、骨材の表面形状を複数点で捉える方式が利用されます。

骨材残量を把握する目的

  • 製造中の材料切れを防ぐ
  • 受入れ可能量を確認する
  • 補充するサイロを判断する
  • 骨材の在庫を見える化する
  • 高所での目視確認を減らす
  • 補充計画や製造計画へ活用する
  • 複数サイロを一画面で監視する

骨材搬入前に残量を確認できれば、誤ったサイロへの投入や受入れ容量不足を防ぎやすくなります。

骨材の粉面形状

骨材をコンベヤや投入シュートから投入すると、投入位置を頂点とする山形の表面になります。

下部ゲートから排出すると、排出口付近がくぼみ、すり鉢状になることがあります。

骨材の種類、粒径、水分、投入位置、排出位置によって表面形状が変化します。この形状を考慮せず、一点の高さだけから容量へ換算すると誤差が大きくなる場合があります。

2次元センサによる計測

ハカルプラスのコルゲートサイロ残量監視システムH-RMでは、2次元レーザースキャナーを利用して骨材表面を走査します。

一方向の複数点までの距離を取得し、骨材表面の高低差を波形として捉えます。

一点式センサよりも表面形状を把握しやすく、山形やすり鉢状の骨材残量を計算するために利用できます。

レーザースキャナーの仕組み

レーザー光を複数の角度へ照射し、それぞれの位置から反射して戻るまでの時間を測定します。

センサから骨材表面までの距離を角度ごとに取得し、断面形状を求めます。

サイロの直径、高さ、縦横寸法などの形状情報と組み合わせ、骨材の残量を換算します。

円形・矩形サイロへの対応

骨材サイロには、円形のコルゲートサイロや矩形サイロなどがあります。

残量換算では、円形の場合は直径と高さ、矩形の場合は縦、横、高さなどの寸法を設定します。

底部ホッパーや排出口の形状が複雑な場合は、その体積も考慮します。

センサの設置位置

センサは、投入配管、コンベヤ、補強材などが測定範囲を遮らない位置へ設置します。

投入位置に近すぎると、投入中の骨材や粉じんがセンサへ当たる可能性があります。離れすぎると、残量を代表する断面を測定できない場合があります。

サイロ形状、投入方向、排出口を確認し、測定角度を調整します。

粉じんと結露への対応

骨材投入時には粉じんが発生し、屋外サイロでは温度変化による結露も発生します。

センサの検出面へ粉じんや水滴が付着すると、測定状態へ影響する可能性があります。

H-RMでは、粉じん環境での計測を想定したセンサを使用し、ヒータ機能による結露対策を備えています。ただし、定期的な点検と清掃は必要です。

測定角度の調整

センサの測定方向を調整し、骨材表面の代表的な断面を測定します。

サイロ内の投入位置や内部構造に合わせ、固定角度を調整します。

設置後は、空状態、受入れ後、使用後などの表示を実残量と比較し、換算設定を確認します。

残量の表示

測定結果は、サイロ形状、骨材表面の波形、残量などとしてパソコン画面へ表示できます。

複数のサイロを一画面で表示し、残量低下、投入中、投入完了、通信異常などの状態を確認する構成があります。

屋外モニターを設置し、骨材を搬入する運転者が補充対象のサイロを確認できる構成も検討できます。

残量換算と骨材のかさ密度

センサで把握した骨材表面とサイロ形状から、骨材の体積を推定します。

重量へ換算する場合は、次の関係を使用します。

推定重量=推定体積×骨材のかさ密度

かさ密度は、骨材の種類、粒径、水分、締まり具合によって変化します。そのため、表示重量と実際の納入・使用重量に差が生じる場合があります。

計測周期

残量は一定間隔で計測し、画面へ反映します。

骨材投入中は表面が急激に変化するため、測定値が上下することがあります。投入完了後の安定した値を在庫管理へ使用する方法があります。

必要な更新周期は、骨材の使用速度や搬入頻度に合わせて設定します。

通信異常時の扱い

センサと監視装置の通信が途絶えた場合は、画面へ通信異常を表示します。

通信異常中の表示値は最新の実残量ではない可能性があるため、古い値であることを明確にします。

残量値を自動投入要求や製造制御へ使用する場合は、通信異常時に誤った動作をしないようインターロックを設けます。

ストックヤードでの計測

屋根付きのストックヤードや骨材置場でも、設置条件によって残量計測を検討できます。

サイロと比べて測定範囲が広く、骨材の積み方や重機の移動によって形状が大きく変化します。

測定可能範囲、遮蔽物、センサ設置場所を確認して構成します。

目視確認との使い分け

残量監視システムを導入すると、高所へ上がって日常的に目視確認する作業を減らせます。

ただし、センサ異常、設備改造、異物混入など、画面だけでは確認できない状態もあります。

定期保守や異常時には、必要に応じて安全な方法で現場を確認します。

異常値が出た場合の確認

  • センサ面の汚れや結露
  • センサ角度のずれ
  • 投入設備や内部構造物による遮蔽
  • サイロ寸法の設定間違い
  • かさ密度設定
  • 通信異常
  • 骨材の偏った堆積

センサ単体のスキャン状態や波形を確認し、反射状態に異常がないか点検します。

保守点検

定期的にセンサのスキャン状態、取付金具、ヒータ、配線、通信を確認します。

センサ面へ粉じんが付着している場合は清掃します。屋外モニターやパソコンについても、表示と通信状態を点検します。

骨材銘柄やサイロ形状を変更した場合は、表示名称、色、容量設定などを見直します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、コルゲートサイロ残量監視システムH-RMにより、2次元レーザースキャナーを用いて骨材表面の高低差を計測し、残量をパソコンなどへ表示する構成を提供しています。

円形・矩形サイロ、複数サイロの一括監視、屋外モニター、ログ保存などについて、サイロ形状や工場運用を確認して構成します。

よくある質問

Q. 骨材サイロはミリ波式で測定しますか?

A. ハカルプラスのH-RMでは、2次元レーザースキャナーを使用し、骨材表面の高低差を計測します。

Q. 骨材表面が山形でも残量を測定できますか?

A. 複数点を走査して断面形状を捉えるため、一点式より表面の高低差を反映しやすい方式です。

Q. 円形以外のサイロにも対応できますか?

A. 円形および矩形のサイロについて、寸法や内部構造を確認して設定します。

Q. 複数のサイロを一画面で確認できますか?

A. H-RMでは複数サイロを一画面で監視する構成に対応しています。

Q. 屋外の運転者も残量を確認できますか?

A. オプションの屋外モニターなどにより、補充対象となるサイロを確認できる構成を検討します。

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スランプ推定とは、生コンクリートの練混ぜ中に得られるミキサの負荷、電流、トルクなどの情報から、コンクリートの軟らかさを示すスランプを推定することです。従来のスランプ試験を完全に置き換えるものではなく、製造中の状態変化を早期に把握し、品質を安定させるための補助情報として利用されます。

生コンクリートのスランプは、単位水量、骨材の表面水率、配合、練混ぜ時間、混和剤、材料温度などによって変化します。これらの条件が変動すると、同じ配合設定でも練り上がりの状態が変わることがあります。スランプ推定を利用すれば、ミキサ内の負荷変化から、通常と異なる練混ぜ状態を製造中に把握しやすくなります。

スランプとは

スランプとは、所定の形状をしたスランプコーンへ生コンクリートを詰め、コーンを引き上げたときにコンクリートが沈下した量です。一般にセンチメートルで表し、値が大きいほど軟らかく、値が小さいほど硬い傾向を示します。

ただし、スランプが同じでも、材料分離のしやすさ、粘性、空気量、骨材粒度などが異なる場合があります。そのため、スランプだけでコンクリートの品質全体を判断することはできません。

スランプを推定する仕組み

生コンクリートをミキサで練り混ぜると、材料の硬さや粘性に応じてミキサの負荷が変化します。硬いコンクリートでは羽根が材料から受ける抵抗が大きくなり、モータ電流や駆動トルクが増加する傾向があります。軟らかいコンクリートでは、一般に負荷が小さくなる傾向があります。

この関係を利用し、あらかじめ実測スランプとミキサ負荷の関係を収集して推定式や判定基準を作成します。

概念的には、次のような関係で推定します。

推定スランプ=負荷データ、配合情報、練混ぜ条件などから求めた演算値

実際には、単純な電流値だけではなく、練混ぜ開始後の負荷波形、安定時の平均値、最大値、変化量、練混ぜ時間などを組み合わせる場合があります。

推定に利用される主な情報

  • ミキサモータの電流値
  • ミキサ軸のトルク
  • 油圧駆動装置の圧力
  • 練混ぜ開始からの経過時間
  • 配合番号や呼び強度
  • 骨材の表面水率
  • 計量された水量や混和剤量
  • 材料温度や外気温

推定精度を高めるには、対象となるミキサ、配合、材料ごとに実測データを蓄積することが重要です。異なるミキサや配合で作成した推定式をそのまま使用しても、適切な結果が得られない場合があります。

スランプ推定を利用する目的

スランプ推定は、製造中の全バッチを対象に状態を確認できる点が特長です。抜取りで行うスランプ試験だけでは、その間に製造したバッチの変化を把握できないことがあります。

  • 練混ぜ状態のばらつきを早期に把握する
  • 骨材表面水率の変動による影響を確認する
  • 材料投入や計量の異常を発見する
  • 通常と異なる負荷波形を検知する
  • 品質管理担当者の判断を支援する
  • 製造記録として負荷データを保存する

推定値が通常範囲から外れた場合に、実測試験の追加、材料計量値の確認、表面水率の再測定などへつなげる運用が考えられます。

実測スランプとの違い

スランプ試験は、実際に採取した生コンクリートを用いて沈下量を測定します。一方、スランプ推定は、ミキサ負荷などの間接的な情報からスランプに相当する値を求めます。

推定値は、材料や設備条件の影響を受けるため、実測値そのものではありません。日常管理では、定期的に実測スランプと推定値を比較し、差が大きくなっていないか確認します。

材料の産地変更、骨材粒度の変化、ミキサ羽根の摩耗、配合変更などがあった場合は、推定条件の見直しが必要になることがあります。

推定精度に影響する要因

  • 骨材の粒度や形状
  • 細骨材の表面水率
  • 単位水量
  • 混和剤の種類と添加量
  • コンクリート温度
  • ミキサへの投入順序
  • 練混ぜ量
  • ミキサ羽根やライナの摩耗
  • モータや駆動装置の状態

例えば、ミキサ羽根が摩耗すると、同じコンクリートでも負荷特性が変わる可能性があります。また、練混ぜ量が少ない場合と定格量に近い場合でも、電流値やトルクが異なります。

異常値が出たときの確認方法

推定スランプが通常より大きい場合は、水量の過多、骨材表面水率の設定誤り、混和剤量、計量ゲートからの漏れなどを確認します。通常より小さい場合は、水量不足、骨材量の過多、材料の未投入、混和剤不足などを確認します。

推定値だけでなく、各材料の計量実績、ミキサ電流波形、練混ぜ時間、実測スランプを併せて確認します。負荷波形が急に変化した場合は、ミキサ内部への異物混入や駆動部の異常も考えられます。

導入時のポイント

導入時には、ミキサの形式、モータ容量、負荷信号の取得方法、配合数、製造量、既存の制御装置との接続方法を確認します。

推定モデルを作成するには、実測スランプと負荷データを一定期間収集します。幅広い配合や季節条件のデータを収集することで、実際の製造条件に適した判定基準を作りやすくなります。

推定値を自動補正へ直接使用する場合は、誤推定による品質への影響を考慮し、補正範囲、操作権限、確認手順を慎重に設計します。

保守・更新時の注意点

ミキサ、モータ、電流変換器、制御盤などを更新した場合は、負荷特性が変わる可能性があります。更新前の推定式を継続使用できるか、実測値と比較して確認します。

定期的に電流センサや信号変換器の出力、配線、ゼロ点を確認します。ミキサ羽根やライナの交換後も、推定値の傾向が変わっていないか確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、生コンクリート製造設備の制御装置やミキサ負荷信号を利用した状態監視について、ミキサ形式、取得可能な信号、配合、既設制御装置などの仕様を確認して検討します。

製造画面への推定値表示、履歴保存、異常判定などについても、必要な機能と既設設備の構成を確認したうえで対応できる場合があります。

よくある質問

Q. スランプ推定でスランプ試験を省略できますか?

A. スランプ推定は実測試験を完全に置き換えるものではありません。製造中の傾向監視や、追加確認が必要なバッチを見つけるための補助情報として使用します。

Q. ミキサの電流値だけで推定できますか?

A. 電流値を利用できますが、配合、練混ぜ量、材料状態などの影響も受けます。複数の情報を組み合わせた方が安定した推定につながります。

Q. 配合ごとに設定が必要ですか?

A. 配合や材料によって負荷特性が異なるため、配合グループごとに推定条件を分ける場合があります。

Q. 推定値が実測値と合わなくなった原因は何ですか?

A. 骨材や混和剤の変更、ミキサ羽根の摩耗、センサのずれ、季節による材料温度の変化などが考えられます。

Q. 既設の生コン製造設備にも追加できますか?

A. ミキサ負荷信号の取得方法、制御装置、通信や入出力の条件によって対応できる場合があります。既設設備の仕様を確認して検討します。

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粉面検知とは、ホッパー、サイロ、貯槽、供給機などに入っている粉体や粒体の表面位置をセンサで検出することです。原料が所定位置まで到達したことや、設定した位置より少なくなったことを検知し、満量、空、補給要求、供給停止などの制御に利用します。

粉面検知は、サイロ内の残量を連続的な数値で測定する「レベル計測」とは役割が異なります。一般的な粉面検知では、上限、中間、下限など、あらかじめ決めた位置に原料があるかどうかを接点信号として出力します。

粉面検知を行う目的

粉体設備では、原料残量を目視しにくいことが多く、原料切れや過充填を防ぐために粉面検知が使用されます。

  • ホッパーの原料切れを検知する
  • 上部ホッパーへの補給を開始する
  • 満量時に原料供給を停止する
  • 空運転による供給機の異常を防ぐ
  • 原料受入れ時の過充填を防止する
  • 複数の検知点からおおよその残量段階を表示する

例えば、供給ホッパーの下限センサが原料なしを検知した場合、上位ホッパーや空気輸送設備へ補給要求を出します。上限センサまで原料が到達すると補給を停止します。

代表的な検知方式

粉面検知には、粉体の性質や設備構造に応じて複数の方式があります。

静電容量式

センサ周囲の静電容量変化を利用して原料の有無を検知します。粉体、粒体、液体など幅広い材料に使用できます。

原料の誘電率、付着、水分、周辺金属の影響を受けるため、感度調整が必要です。センサ表面へ粉体が付着した状態でも原料ありと誤検知する場合があります。

回転式

モータで羽根を回転させ、粉体が羽根の回転を妨げたときに原料ありと判定します。ロータリーパドル式、回転羽根式などと呼ばれます。

構造が分かりやすく、サイロやホッパーの上限・下限検知に使用されます。ただし、羽根へ強い荷重がかかる位置や、大きな塊を含む原料には注意が必要です。

振動式

フォーク状や棒状の検出部を振動させ、粉体へ接触したときの振動状態の変化を利用して検知します。

可動部が少なく、比較的細かい粉体にも使用できますが、付着性、かさ密度、粒径によって適否が異なります。

光学式・近接式

光や近接検知を利用して、透明窓の内側やシュート内の原料通過を確認する方式です。粉じんや付着によって検出面が汚れると、誤検知する可能性があります。

圧力・荷重式

原料が検出板へ加える圧力や荷重を利用する方式です。原料のかさ密度や流動状態によって検出感度が変化します。

上限検知と下限検知

上限検知は、原料が所定の高さまで到達したことを検知します。受入れ設備や供給設備を停止し、過充填や原料あふれを防止します。

下限検知は、原料がセンサ位置より少なくなったことを検知します。補給要求、原料不足警報、供給機停止などに使用します。

同じセンサでも、上限用と下限用では異常時の制御が異なります。上限センサが故障すると過充填につながる可能性があるため、重要設備では独立した満量センサを追加する場合があります。

センサの取付位置

粉体は、投入位置を中心に山形に堆積し、排出口を中心にすり鉢状に減少します。そのため、同じ原料量でも場所によって粉面高さが異なります。

上限センサを投入配管の近くへ設置すると、局所的な原料の山や投入中の原料を検知し、サイロ全体が満量になる前に動作する場合があります。

下限センサを排出口から離れた位置へ設置すると、センサ周辺に原料が残っている一方で、排出口側では原料切れが発生する可能性があります。

投入位置、排出口、安息角、ブリッジ、ラットホールなどを考慮して取付位置を決めます。

粉体付着による誤検知

付着性の高い粉体では、実際の粉面が下がっていても、センサ表面へ付着した原料を検知し続けることがあります。特に静電容量式や光学式では、付着の影響を受けやすい場合があります。

付着対策として、センサの取付角度を変更する、先端形状を選定する、感度を調整する、エアパージを行うなどの方法があります。

一方、感度を下げすぎると、低密度の粉体を検知できなくなる可能性があります。実際の原料を使用して調整することが重要です。

ブリッジやラットホールとの関係

上部の粉面センサが原料ありを検知していても、ホッパー下部でブリッジが発生していると、供給機へ原料が流れない場合があります。

粉面検知はセンサ位置の原料有無を確認するものであり、原料が正常に流れていることまで保証するものではありません。必要に応じて、供給機の回転検知、重量変化、流量検知などを組み合わせます。

制御への利用

粉面センサの接点はPLCやリレー回路へ入力します。下限検知後に原料補給を開始し、上限検知後に停止する制御が一般的です。

原料表面が揺れたり、投入中に一時的にセンサへ触れたりすると、信号が頻繁に切り替わることがあります。そのため、一定時間継続して検知した場合に状態を確定するタイマ処理を行います。

上限と下限の間に十分な距離を設けることで、供給設備の頻繁な起動と停止を抑えられます。

異常時の確認方法

原料がないのにセンサが原料ありを出力する場合は、センサ表面の付着、感度設定、配線短絡、検出部の固着を確認します。

原料があるのに検知しない場合は、感度不足、取付位置、電源、配線、原料のかさ密度や誘電率を確認します。回転式では羽根やモータの動作を確認します。

検知信号が不安定な場合は、原料投入による粉面変動、設備振動、ノイズ、端子の緩みを確認します。

選定時のポイント

センサを選定するときは、原料の粒径、かさ密度、付着性、含水率、温度、腐食性を確認します。設備側では、取付ねじやフランジ、ホッパー板厚、内部圧力、必要な挿入長を確認します。

屋外や洗浄環境では、防じん・防水性能も重要です。可燃性粉体を扱う場所では、設置区域に応じた防爆仕様の確認が必要です。

保守・更新

定期的にセンサ先端の付着、摩耗、変形、取付けの緩みを確認します。回転式では、羽根が滑らかに回転するか、軸部へ粉体が入り込んでいないかを点検します。

更新時には、接点方式、電源電圧、配線数、取付寸法、検出感度を確認します。同じ用途のセンサでも、出力論理が異なる場合があるため、PLCプログラムも確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、粉体計量設備や供給設備の粉面検知について、原料性状、ホッパー形状、検知位置、必要な制御などの仕様を確認して検討します。

上限・下限警報、原料補給制御、供給機とのインターロックについても、センサ出力や既設制御盤の条件を確認して構成します。

よくある質問

Q. 粉面検知でサイロ内の正確な残量が分かりますか?

A. 一般的な粉面センサは、設定位置に原料があるかどうかを検知します。連続的な残量値を確認するには、距離式レベル計などが必要です。

Q. 粉体がセンサへ付着しても使用できますか?

A. 付着の程度や検知方式によります。取付方法、感度調整、エアパージなどによって対応できる場合があります。

Q. 上限センサと下限センサは両方必要ですか?

A. 補給の開始と停止を自動化する場合は、上限と下限の両方を設置する構成が一般的です。

Q. ブリッジも粉面センサで検知できますか?

A. センサ位置の原料有無は検知できますが、ホッパー下部のブリッジを直接判定できない場合があります。

Q. 既設ホッパーへ後付けできますか?

A. 取付位置、板厚、内部スペース、電源、配線などの条件によって対応できる場合があります。

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離床検知とは、ベッドや布団で休んでいる人が、起き上がる、端座位になる、ベッドから離れるといった動作をセンサで検知することです。介護施設、病院、在宅介護などで、転倒・転落の予防や見守り支援に利用されます。

離床検知システムは、利用者の行動を制限するものではなく、介護職員や家族が必要なタイミングで対応できるように知らせる仕組みです。利用者の身体状況、生活習慣、介助方法に合わせて検知条件を設定することが重要です。

離床検知が必要とされる場面

歩行が不安定な人や、認知機能の低下によって一人で移動しようとする人は、ベッドから立ち上がった直後に転倒する可能性があります。

介護職員が常にベッドの横にいることは難しいため、離床の兆候をセンサで検知し、ナースコールや携帯端末などへ通知します。

  • 夜間の一人歩きを早期に把握する
  • 立ち上がり時の介助へつなげる
  • ベッドからの転落を予防する
  • トイレ移動時の見守りを支援する
  • 巡回の優先順位を判断する

離床までの動作段階

離床は、一つの瞬間的な動作ではなく、複数の段階に分けられます。

  • 寝返りや体動
  • 上半身を起こす
  • ベッド端へ移動する
  • 端座位になる
  • 足を床へ下ろす
  • 立ち上がる
  • ベッドから離れる

どの段階で通知するかによって、介護職員が対応できるまでの時間と、誤報の起こりやすさが変わります。

早い段階で通知すれば対応時間を確保しやすい一方、寝返りや一時的な起き上がりでも通知する可能性があります。

代表的な検知方式

マットセンサ

ベッド上、ベッド横、床面などにマット状のセンサを設置し、身体や足の荷重を検知します。

ベッド上の荷重がなくなったことや、床マットを踏んだことを検知します。設置が比較的分かりやすい一方、マットの位置ずれ、コード、耐久性、衛生管理に注意が必要です。

荷重センサ方式

ベッド脚やベッドフレームにセンサを設置し、利用者の荷重変化から起き上がりや離床を判定します。

身体へセンサを取り付ける必要がなく、ベッド上の重心移動や荷重変化を利用できます。ベッドの種類や設置状態によって適否が異なります。

赤外線・距離センサ方式

ベッド周辺の人の動きや距離変化を非接触で検知します。マットやコードを床へ置かずに使用できる場合があります。

家具、カーテン、介護者、同室者などの動きを誤って検知しないよう、検知範囲を調整します。

画像・レーダ方式

カメラ画像や電波を利用して、起き上がり、端座位、離床などを判定します。非接触で複数の動作を捉えられる場合があります。

プライバシー、設置位置、遮蔽物、照明などを考慮して選定します。

通知タイミングの設定

利用者によって、必要な通知タイミングは異なります。自力で座ることはできても、立ち上がり時に介助が必要な人には、端座位の段階で通知する方法があります。

一方、寝返りが多い人に起き上がり検知を設定すると、頻繁に通知が発生することがあります。その場合は、立ち上がりやベッドから離れた段階へ設定を変更します。

通知が多すぎると、職員が警報へ慣れ、重要な通知への対応が遅れる可能性があります。利用者ごとに検知感度、遅延時間、通知動作を調整します。

ナースコールとの連携

離床センサの信号をナースコール設備へ接続すれば、居室からの呼出しとして介護職員へ知らせられます。

ナースコール親機、廊下灯、携帯端末など、施設の設備構成に応じて通知先が異なります。接点信号の種類、呼出し保持、復旧方法などを確認します。

離床センサと利用者の手元にある呼出しボタンは役割が異なります。センサからの自動通知と、本人が操作する呼出しを区別して表示できる構成が望まれます。

誤報が起きる主な原因

  • 寝返りや大きな体動
  • 介護者がベッドへ触れる
  • センサやマットの位置ずれ
  • 寝具や荷物の荷重
  • 同室者やカーテンの動き
  • ベッド高さや角度の変更
  • 検知範囲の設定不良

誤報が多い場合は、単に感度を下げるだけでなく、利用者の動作とセンサの検知状況を確認します。必要に応じてセンサ方式や設置位置を見直します。

通知されない場合の確認

利用者が離床しても通知されない場合は、センサ電源、接続コード、ナースコール接続、検知範囲、設定モードを確認します。

マットセンサでは、利用者が実際にセンサを踏む位置に設置されているか確認します。非接触センサでは、ベッド柵、家具、寝具などが検知を妨げていないか確認します。

導入時だけでなく、ベッド移動、居室変更、利用者の身体状況変化があった場合にも再設定が必要です。

導入時のポイント

離床検知機器を選定するときは、利用者の身体状況、起き上がり方、介助が必要な段階、ベッドの種類を確認します。

施設側では、既設ナースコールとの接続、通知先、復旧操作、電源、無線通信の有無を確認します。

通知を受けた後に誰が対応するか、夜間と日中で運用を変えるかなど、職員の対応手順も決めておきます。

プライバシーと利用者への配慮

離床検知は安全確保を支援する一方、利用者に監視されていると感じさせる可能性があります。使用目的や仕組みを説明し、必要な範囲で使用します。

カメラを使用する方式では、画像の表示、保存、閲覧権限を確認します。画像を使用しない非接触センサを選択できる場合もあります。

離床センサだけに依存せず、ベッド高さ、手すり、照明、床環境、履物などの転倒予防対策と組み合わせます。

保守点検

定期的にセンサの動作試験を行い、実際に起き上がりや離床動作をして通知されるか確認します。

接続コードの断線、コネクタの緩み、マットの損傷、電池残量、センサ位置を確認します。無線式では、受信状態や電池交換時期も管理します。

清掃や消毒が必要な機器は、メーカーが指定する方法で手入れします。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、CAREaiシリーズによる離床検知について、利用者の動作、ベッド、居室環境、通知タイミングなどの条件を確認して構成します。

既設ナースコールとの連携についても、ナースコール設備の仕様や接続条件を確認したうえで対応できる場合があります。

よくある質問

Q. 離床する前の起き上がり段階で検知できますか?

A. 使用するセンサや設定によって、起き上がり、端座位、離床などの段階を検知できる場合があります。

Q. 寝返りでも通知されますか?

A. 検知方式や感度設定によっては通知される場合があります。利用者の動作に合わせて設定を調整します。

Q. 既設のナースコールへ接続できますか?

A. ナースコールのメーカー、型式、接点仕様などによって対応できる場合があります。設備仕様を確認します。

Q. センサを身体へ取り付ける必要がありますか?

A. マット、荷重、赤外線、レーダなど、身体へ取り付けずに検知する方式があります。

Q. 離床センサがあれば転倒を完全に防げますか?

A. 離床を知らせる支援機器であり、転倒を完全に防ぐものではありません。環境整備や介助体制と組み合わせて使用します。

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漏れ電流Ioとは、電路から大地へ流れる漏れ電流の合成値です。絶縁劣化によって流れる抵抗分漏れ電流Iorだけでなく、電線、モータ、インバータ、ノイズフィルタなどが持つ対地静電容量を通じて流れる容量分漏れ電流Iocも含みます。

漏れ電流Ioを継続的に計測すると、設備の漏電状態や絶縁状態の変化を把握するための基礎情報を得られます。ただし、Ioが大きいことだけで、直ちに危険な絶縁劣化が発生しているとは限りません。設備構成や使用機器によっては、正常時にも容量分漏れ電流が流れるためです。

漏れ電流Ioの構成

交流回路の漏れ電流Ioは、主に次の二つの成分で構成されます。

  • 抵抗分漏れ電流Ior:絶縁抵抗の低下などによって流れる成分
  • 容量分漏れ電流Ioc:電路と大地の間の静電容量を通じて流れる成分

Ioは、IorとIocを単純に足した数値ではありません。交流では両者の位相が異なるため、ベクトルとして合成されます。概念的には次のように表されます。

Io=IorとIocをベクトル合成した漏れ電流

Iocが大きい設備では、絶縁状態が正常でもIoが大きく表示されることがあります。そのため、絶縁劣化を詳しく判断するときは、IoだけでなくIorも確認します。

漏れ電流が発生する仕組み

電線や電気機器は、完全に大地から絶縁されているわけではありません。絶縁材料には有限の抵抗があり、電路と接地された金属部分との間には静電容量も存在します。

絶縁材料が劣化すると、電路から大地へ流れる抵抗分の電流が増加します。また、ケーブルが長い設備、インバータを多数使用する設備、ノイズフィルタを備えた設備では、対地静電容量を通じた容量分漏れ電流が増える場合があります。

Ioを計測する方法

漏れ電流Ioは、零相変流器や漏電計測に対応した変流器を使用して計測します。単相または三相回路のすべての活線を一括して変流器へ通すと、正常時の往復電流は打ち消し合います。

電路から大地へ電流が漏れると、往路と復路の電流に差が生じます。この差分が零相電流として検出されます。

計測時には、相線と中性線を含む対象回路のすべての活線を一括して通す必要があります。接地線を一緒に通すと正しく計測できない場合があります。

Io計測の主な用途

  • 低圧電路の漏電監視
  • 絶縁状態の傾向監視
  • 漏電警報の出力
  • 設備停止前の異常兆候把握
  • 漏電箇所を絞り込むための分岐回路監視
  • インバータ設備の漏れ電流傾向把握

漏電遮断器は設定値を超える漏れ電流が発生したときに回路を遮断します。一方、漏れ電流計測では、遮断に至る前の小さな変化を継続的に監視できます。

Ioが増加する主な原因

  • 電線や機器の絶縁劣化
  • 水分や結露の侵入
  • 粉じんや油による端子部の汚損
  • ヒータやモータの劣化
  • ケーブル延長による対地静電容量の増加
  • インバータやノイズフィルタの追加
  • 接続機器数の増加

設備増設後にIoが増えた場合は、絶縁劣化ではなく、容量分漏れ電流の増加が原因のこともあります。設備変更履歴と測定値を関連付けて確認します。

Ioだけでは絶縁劣化を判断しにくい理由

容量分漏れ電流Iocは、正常な設備でも流れます。特にインバータ、サーボアンプ、スイッチング電源、EMCフィルタなどを多く使用する設備では、Ioの大部分がIocとなる場合があります。

この状態ではIoが大きくても、絶縁抵抗が低下しているとは限りません。抵抗分漏れ電流Iorを分離して計測することで、絶縁劣化に関係する成分を確認しやすくなります。

警報値の設定

警報値は、設備の正常時に流れているIo、回路構成、漏電遮断器の設定、保全方針などをもとに決めます。

一律の値だけで管理すると、正常な容量分漏れ電流によって頻繁に警報が出たり、反対に異常を見逃したりする可能性があります。

設備導入時や保全後の正常値を記録し、絶対値だけでなく増加傾向も監視する方法が有効です。

測定値が不安定になる原因

漏れ電流は比較的小さな電流を扱うため、配線、ノイズ、変流器の取付状態などの影響を受ける場合があります。

  • 変流器へ対象回路の一部しか通していない
  • 接地線を変流器へ通している
  • 変流器の分割面が完全に閉じていない
  • 大電流配線やインバータ配線の近くに設置している
  • 高調波成分を多く含む漏れ電流が流れている
  • 計測器のレンジや設定が合っていない

異常値が出た場合は、計測器だけでなく、変流器と一次配線の構成を確認します。

保守点検での活用

定期的に同じ運転条件でIoを記録すると、設備の経年変化を把握しやすくなります。生産設備の運転台数やインバータ周波数が異なるとIoも変化するため、測定時の運転条件も残します。

Ioが急増した場合は、分岐回路ごとに測定し、原因となる設備を絞り込みます。必要に応じて絶縁抵抗測定やIor計測を行い、絶縁状態を確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、Io・Ior計測に対応した電子式マルチメータなどを用い、漏れ電流の表示、警報、通信、データ収集を行う構成を検討します。

対象回路の相線式、計測範囲、変流器、既設盤、上位通信などの仕様を確認し、設備条件に合わせて構成します。

よくある質問

Q. 漏れ電流Ioが大きいと必ず絶縁不良ですか?

A. 必ずしも絶縁不良とは限りません。正常な設備でも、対地静電容量による容量分漏れ電流Iocが流れます。

Q. IoとIorは何が違いますか?

A. Ioは抵抗分と容量分を含む漏れ電流の合成値です。Iorは、そのうち絶縁抵抗に関係する抵抗分です。

Q. インバータ設備ではIoが増えますか?

A. インバータやノイズフィルタの対地静電容量、高周波成分などによって増加する場合があります。

Q. Ioは絶縁抵抗計の代わりになりますか?

A. 運転中の傾向監視には利用できますが、絶縁抵抗測定と同じものではありません。必要に応じて両方を使い分けます。

Q. 既設配電盤へIo計測を追加できますか?

A. 変流器を取り付けるスペース、一次配線、計測器電源、通信などの条件によって対応できる場合があります。

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非接触動作検知とは、対象者の身体へセンサを装着したり、マットを踏ませたりせずに、人の動きや姿勢変化を検知する技術です。赤外線、電波、超音波、画像などを利用し、起き上がり、立ち上がり、離床、移動などの動作を検知します。

介護施設や病院では、ベッド周辺の見守りや転倒予防に利用されます。身体へ機器を取り付けないため、利用者の負担を抑えやすく、マットやコードを床面へ置かずに構成できる場合があります。

非接触で動きを検知する仕組み

非接触センサは、対象者へ向けて光や電波を照射したり、周囲の熱や画像を取得したりして、変化を検出します。

対象者が動くと、センサまでの距離、反射波、温度分布、画像内の位置などが変化します。この変化を演算し、あらかじめ登録した条件に基づいて動作を判定します。

単に動いたかどうかを検知する方式と、起き上がり、端座位、離床などの動作段階を判定する方式があります。

代表的な検知方式

赤外線方式

人体から放射される赤外線や、センサから照射した赤外線の反射を利用します。人感センサや距離センサとして広く使用されます。

室温と体表温度の差、衣服、寝具、設置角度などによって検知状態が変わる場合があります。

電波・レーダ方式

マイクロ波やミリ波などを照射し、反射波の変化から人の動きや距離を検知します。暗所でも使用しやすく、寝具越しの体動を捉えられる場合があります。

壁、家具、金属製品、同室者の動きなどによる反射の影響を考慮して設置します。

超音波方式

超音波を照射し、反射して戻るまでの時間から対象物までの距離を測定します。人が動くことで距離が変化したことを検知します。

カーテン、寝具、家具などにも反射するため、検知範囲の設定が重要です。

画像方式

カメラ画像を解析し、人の位置や姿勢を判定します。複数の動作を識別できる場合があります。

照明、遮蔽物、撮影角度、プライバシーへの配慮が必要です。画像を保存しない方式や、シルエット情報だけを利用する方式もあります。

介護現場で検知する主な動作

  • ベッド上での大きな体動
  • 上半身の起き上がり
  • ベッド端での端座位
  • 立ち上がり
  • ベッドからの離床
  • 居室内での移動
  • 一定時間動きがない状態

どの動作を検知できるかは、センサ方式と製品の機能によって異なります。

接触式センサとの違い

マットセンサや荷重センサは、身体や足から加わる力を利用します。動作と荷重変化の関係が分かりやすい一方、マットの位置ずれ、コード、清掃、耐久性への配慮が必要です。

非接触方式は、利用者や寝具へセンサを取り付けずに検知できます。床面へマットを置かないため、つまずきや車いす走行への影響を抑えられる場合があります。

一方、非接触方式は検知範囲内の介護者、同室者、カーテンなどの動きを拾う可能性があります。設置位置と検知範囲の調整が重要です。

検知範囲の設定

センサは、対象となるベッドや居室の必要な範囲だけを検知するように設置します。範囲が広すぎると、介護者や隣のベッドの動きを誤って検知する場合があります。

範囲が狭すぎると、利用者がセンサの検知外へ移動したときに通知されません。ベッド位置、高さ、柵、家具、カーテンなどを考慮して調整します。

居室のレイアウト変更やベッド移動を行った場合は、検知範囲を再確認します。

通知タイミングの考え方

起き上がりの早い段階で通知すると、介護職員が立ち上がり前に対応しやすくなります。一方で、単なる寝返りや一時的な体動を誤って通知する可能性があります。

利用者の動作速度や介助の必要性に応じて、起き上がり、端座位、離床などの通知タイミングを選びます。

一定時間だけ動作が継続した場合に通知する遅延設定を使用すると、一時的な動きによる通知を減らせる場合があります。

誤検知が発生する原因

  • 介護者が検知範囲へ入る
  • 同室者や隣のベッドの動きを検知する
  • カーテンや寝具が動く
  • 家具やベッド位置を変更する
  • 強い日射や暖房器具の影響を受ける
  • 検知感度や範囲が適切でない

誤検知が多い場合は、利用者の実際の動作を確認しながら、センサ位置、角度、感度、検知範囲を調整します。

通知されない場合の確認

対象者が動いても検知されない場合は、センサ電源、通信、取付位置、検知範囲を確認します。

ベッド柵、家具、寝具などがセンサと対象者の間に入り、検知を妨げていないか確認します。対象者が小柄な場合や動作がゆっくりな場合は、感度設定の調整が必要になることがあります。

ナースコール・見守りシステムとの連携

非接触センサで検知した信号は、ナースコール、携帯端末、見守り画面などへ通知できます。

既設設備と連携する場合は、接点信号、通信方式、通知保持、復旧操作を確認します。複数の居室を管理する場合は、どの利用者の通知かを識別できる構成が必要です。

プライバシーへの配慮

画像を利用する方式では、映像の表示方法、保存の有無、閲覧権限を確認します。利用者や家族へ使用目的を説明し、必要な範囲で運用します。

電波や赤外線を利用し、人物画像を表示しない方式は、プライバシーへの配慮が必要な場所で選択肢となります。

どの方式でも、見守りの目的と通知後の対応方法を明確にすることが重要です。

導入時のポイント

利用者の身体状況、起き上がり方、動作速度、居室の広さ、ベッド位置を確認します。必要な通知タイミングに対応するセンサを選定します。

施設では、既設ナースコール、無線環境、電源、職員の運用方法を確認します。試験設置を行い、実際の動作で検知状態を確認することが有効です。

保守点検

定期的にセンサの動作試験を行い、起き上がりや離床で通知されるか確認します。

センサ位置のずれ、取付けの緩み、レンズや検出面の汚れ、電池残量、通信状態を点検します。

居室レイアウトや利用者が変わった場合は、以前の設定をそのまま使用せず、検知範囲と通知条件を見直します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、CAREaiシリーズによる非接触動作検知について、利用者の動作、居室環境、ベッド配置、必要な通知タイミングなどの仕様を確認して構成します。

既設ナースコールや見守り機器との連携についても、接続仕様や施設運用を確認したうえで検討します。

よくある質問

Q. 身体にセンサを付けなくても動作を検知できますか?

A. 赤外線、電波、超音波、画像などを利用し、身体へ機器を取り付けずに検知できる方式があります。

Q. 暗い部屋でも使用できますか?

A. 電波方式や赤外線方式など、照明の影響を受けにくい方式があります。機器仕様を確認します。

Q. 介護者の動きも検知しますか?

A. 検知範囲に介護者が入ると反応する場合があります。設置位置や判定条件を調整します。

Q. カメラ映像は保存されますか?

A. 製品や方式によって異なります。画像を使用しない方式や、映像を保存しない方式もあります。

Q. 既設のナースコールへ通知できますか?

A. ナースコールの接続仕様を確認し、連携できる構成を検討します。

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抵抗分漏れ電流Iorとは、電路から大地へ流れる漏れ電流のうち、絶縁抵抗を通じて流れる成分です。絶縁材料の劣化、水分の侵入、端子部の汚損などによって増加しやすいため、通電中の設備で絶縁劣化の兆候を把握する指標として利用されます。

漏れ電流Ioには、Iorのほかに、電路と大地の間の静電容量を通じて流れる容量分漏れ電流Iocが含まれます。Iocは正常な設備でも流れるため、Ioだけでは絶縁劣化を判断しにくい場合があります。

IorとIoの違い

漏れ電流Ioは、抵抗分漏れ電流Iorと容量分漏れ電流Iocを含む合成値です。

  • Io:実際に計測される漏れ電流の合成値
  • Ior:絶縁抵抗を通じて流れる成分
  • Ioc:対地静電容量を通じて流れる成分

交流回路では、IorとIocの位相が異なります。そのため、IoからIocの数値を単純に引いてIorを求めることはできません。

Ior対応の計測器では、漏れ電流と基準となる電圧の位相関係を計測し、抵抗分に相当する成分を演算します。

絶縁劣化とIorの関係

絶縁抵抗をR、対地電圧をVとすると、抵抗分漏れ電流は概念的に次の関係を持ちます。

Ior=V÷R

絶縁抵抗Rが低下すると、Iorは増加します。ただし、実際の設備では相線式、対地電圧、負荷状態、非線形な漏れ経路などの影響を受けるため、単純な式だけで絶縁抵抗値を求められるとは限りません。

Iorを計測する目的

  • 運転中の設備で絶縁状態を監視する
  • 容量分漏れ電流の影響を抑えて劣化傾向を見る
  • 絶縁不良による停止を予防する
  • 点検対象となる回路を絞り込む
  • 設備の更新時期を判断する材料にする

絶縁抵抗計による測定では、一般に設備を停電させ、負荷機器を切り離す必要があります。Ior計測は通電中に継続監視できるため、停止しにくい設備の予防保全に利用できます。

Iorの計測方法

Ior計測では、零相変流器などで漏れ電流Ioを検出するとともに、回路電圧を基準信号として取り込みます。

計測器は、漏れ電流と電圧の位相関係から、電圧と同相方向の抵抗分を演算します。使用できる相線式や演算方式は計測器によって異なるため、対象回路への対応を確認します。

電圧入力の相や配線を誤ると、正しい位相関係を得られず、Iorの演算値が不正確になる可能性があります。

Ior計測が有効な設備

インバータ、サーボアンプ、スイッチング電源、ノイズフィルタなどを多く使用する設備では、容量分漏れ電流Iocが大きくなる傾向があります。

このような設備ではIoの値だけが高くなり、絶縁劣化との区別が難しくなる場合があります。Iorを併せて監視すると、抵抗分の変化を把握しやすくなります。

ただし、高調波成分や複雑な回路構成によっては、Ior演算に影響が出る場合があります。計測器の対応条件を確認します。

Iorが増加する主な原因

  • ケーブル被覆や巻線の経年劣化
  • 端子箱や制御盤への水分侵入
  • 結露
  • 導電性粉じんや油による汚損
  • ヒータやモータの絶縁劣化
  • 配線損傷
  • 絶縁物の熱劣化

Iorが増加した場合は、設備周辺の温度、湿度、洗浄、降雨などの環境変化も確認します。湿度が高いときだけ上昇する場合は、結露や吸湿の影響が考えられます。

測定値を評価する方法

Iorの評価では、一律の数値だけでなく、設備ごとの正常値と変化傾向を確認します。

新設時や整備後の値を基準として記録し、同じ運転条件で定期的に比較します。緩やかに増加している場合は劣化の進行、急激に増加した場合は水分侵入や配線損傷などを疑います。

測定値が設定値を超えた場合に警報を出すだけでなく、一定期間の上昇率を確認する方法もあります。

絶縁抵抗測定との使い分け

Ior計測は、設備を運転した状態で絶縁劣化の兆候を監視する方法です。一方、絶縁抵抗計は、停電状態で試験電圧を加え、絶縁抵抗を直接測定します。

Iorが増加した回路を抽出し、停止可能な時期に絶縁抵抗測定や詳細点検を行うことで、点検作業を効率化できます。

Iorの値だけで設備の安全性を断定せず、必要に応じて絶縁抵抗、温度、外観、接地状態などを確認します。

計測時の注意点

  • 対象回路の相線式が計測器に対応しているか確認する
  • 電圧入力の相と極性を正しく接続する
  • 対象回路のすべての活線を変流器へ通す
  • 接地線を変流器へ通さない
  • 高調波やノイズの影響を確認する
  • 設備の運転条件を記録する

負荷の運転台数やインバータ周波数が変わると、IoやIorの表示が変化する場合があります。比較時には同じ条件で測定します。

異常値が出た場合の確認

Iorが急に増加した場合は、同じ回路を再測定し、計測器の電圧入力、変流器、配線を確認します。

計測系に問題がなければ、分岐回路や接続機器を順番に切り分けて原因箇所を特定します。水分、端子汚損、ケーブル損傷、ヒータ、モータなどを点検します。

設備を停止できる場合は、絶縁抵抗測定などによって状態を確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、Io・Ior計測に対応した電子式マルチメータを使用し、漏れ電流の表示、警報、通信、履歴管理を行う構成を検討します。

対象回路の相線式、電圧、変流器、監視点数、上位システムとの通信などを確認し、設備条件に合わせて構成します。

よくある質問

Q. Iorが大きいと絶縁が劣化していますか?

A. 絶縁劣化の可能性がありますが、計測条件や回路構成も確認し、必要に応じて絶縁抵抗測定を行います。

Q. IoからIocを引けばIorを求められますか?

A. 位相が異なるため、数値を単純に引くことはできません。電圧との位相関係を使って演算します。

Q. Ior計測中に設備を停止する必要がありますか?

A. 通常は通電・運転中に計測できます。停止しにくい設備の傾向監視に利用できます。

Q. Ior計測は絶縁抵抗測定の代わりになりますか?

A. 完全な代替ではありません。Iorで傾向を監視し、異常時に絶縁抵抗測定を行う使い分けが考えられます。

Q. 既設のIo計測器でIorも測れますか?

A. Ior演算には漏れ電流に加えて電圧と位相情報が必要です。Ior計測対応機器かどうかを確認します。

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太陽光ストリング監視とは、太陽光パネルを直列接続したストリングごとに、直流電流などを計測し、発電状態の違いや異常兆候を監視することです。パワーコンディショナ単位の総発電量だけでは見つけにくい、特定ストリングの発電低下を把握するために利用します。

太陽光発電設備では、多数のストリングが並列に接続されています。一部のストリングで断線、影、汚れ、パネル故障などが発生しても、他のストリングが発電を続けるため、設備全体の発電量だけでは異常を発見しにくい場合があります。

ストリングとは

ストリングとは、複数枚の太陽光パネルを直列に接続した回路単位です。パネルを直列に接続すると電圧が加算され、各ストリングは接続箱や集電箱で並列にまとめられます。

同じ仕様、同じ枚数、同じ設置条件のストリングであれば、日射条件が同じときには近い電流が流れることが期待されます。

この性質を利用し、ストリング間の電流差を比較して異常兆候を確認します。

監視する主な項目

  • ストリングごとの直流電流
  • 接続箱または計測点の直流電圧
  • 日射量
  • パネル温度や周囲温度
  • 接点状態や機器警報
  • 発電量の時間変化

電流だけでなく、日射量や温度も併せて記録すると、天候による発電低下と設備異常を区別しやすくなります。

ストリング監視の仕組み

ストリングごとの直流配線へ電流センサを取り付け、計測ユニットで各電流を測定します。計測値はRS-485などの通信を通じて監視装置や上位パソコンへ送信します。

監視装置では、各ストリングの電流、平均値、最大値、最小値、前日値などを比較します。設定した条件から外れた場合には、警報や異常候補として表示します。

ストリング間比較

同一条件のストリング間で、特定の回路だけ電流が低い場合は、異常が発生している可能性があります。

例えば、各ストリングの平均電流を基準として、一定割合以上低いストリングを抽出する方法があります。

偏差率=(対象ストリング電流-基準電流)÷基準電流×100

ただし、設置方位、傾斜角、影、パネル枚数、パネル仕様が異なるストリングを単純に比較すると、正常な差を異常と判定する可能性があります。

検知できる可能性がある異常

  • ストリング配線の断線
  • コネクタの接触不良
  • ヒューズ切れ
  • パネル故障
  • 部分的な影
  • パネル表面の著しい汚れ
  • 積雪や落葉による遮光
  • バイパスダイオードの異常

電流低下から異常の兆候を発見できますが、測定値だけで原因を自動的に特定できるとは限りません。現地での外観点検、電圧測定、絶縁測定などが必要になる場合があります。

日射変動への対応

太陽光発電の電流は、日射量によって短時間に変化します。雲が流れているときには、設備が正常でも電流値が大きく上下します。

異常判定では、瞬時値だけでなく、一定時間の平均値、同一時刻のストリング間比較、日射量との関係を使用します。

早朝、夕方、雨天など発電量が小さい時間帯は、電流差の割合が大きくなりやすいため、判定対象から外す場合があります。

影や設置条件の影響

建物、電柱、樹木、架台などの影が特定のストリングだけにかかると、正常設備でも電流差が生じます。

季節や時刻によって影の位置が変わるため、毎日同じ時間帯に繰り返す低下は、影による可能性があります。

監視システムへ設置条件や既知の影を登録し、異常判定条件をストリングごとに調整する方法があります。

計測機器の選定

選定時には、ストリング数、最大直流電流、最大直流電圧、センサ方式、通信方式などを確認します。

既設設備へ後付けする場合は、接続箱内部の取付スペース、配線の取り回し、停電作業の可否、耐熱性なども確認します。

直流回路は交流と異なり、遮断時にもアークが継続しやすいため、作業は設備の安全手順に従って行います。

警報設定

異常判定値を厳しく設定しすぎると、雲、影、センサ誤差によって警報が多発します。緩すぎると小さな異常を見逃す可能性があります。

運転開始後の正常データを収集し、設備ごとのばらつきを確認してから、警報値と継続時間を調整します。

電流が一定時間ゼロになった場合の断線警報と、平均値から徐々に低下した場合の劣化警報を分ける方法もあります。

異常が表示されたときの確認

まず、同じ時間帯の他ストリング、日射量、天候、影の状態を確認します。次に、計測センサ、配線、通信異常の有無を確認します。

現地点検では、ヒューズ、コネクタ、配線、パネル表面、接続箱などを確認します。必要に応じてストリング電圧、絶縁抵抗、サーモグラフィなどを使用します。

保守への活用

ストリング監視では、完全に発電しなくなった異常だけでなく、以前より発電量が低下している回路を抽出できます。

点検対象を絞り込むことで、大規模な太陽光発電所における巡回作業を効率化できます。

清掃や部品交換の前後で測定値を比較すると、保守作業の効果も確認できます。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、ストリング計測ユニットを使用し、直流電圧と複数ストリングの直流電流を計測して、RS-485通信により上位システムへ伝送する構成を検討します。

ストリング数、電流範囲、電圧、通信方式、接続箱の構造などを確認し、設備条件に合わせて構成します。

よくある質問

Q. ストリング監視で故障原因まで分かりますか?

A. 異常が疑われるストリングを特定できますが、原因の確定には現地点検や追加測定が必要な場合があります。

Q. 雲による発電低下を異常と判定しませんか?

A. 同時刻のストリング間比較や継続時間を利用することで、天候変動による誤判定を抑えます。

Q. すべてのストリングが同じ電流になりますか?

A. パネル、配線、影、方位、温度などによって差が生じます。設備ごとの正常なばらつきを考慮します。

Q. 既設の太陽光発電設備へ後付けできますか?

A. 接続箱のスペース、配線、電流範囲、通信経路などの条件によって対応できる場合があります。

Q. ストリング監視だけで発電所全体を監視できますか?

A. 詳細な回路監視に有効ですが、パワーコンディショナ、日射、系統、通信などの監視も組み合わせます。

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GR・DGR試験とは、高圧受配電設備に設置される地絡継電器GRと地絡方向継電器DGRが、設定された条件で正しく動作するかを確認する試験です。地絡事故が発生したときに、遮断器へ適切な動作信号を出せる状態かを確認します。

GRは主に零相電流を検出して動作します。DGRは零相電流に加えて零相電圧と位相関係を確認し、地絡事故の方向を判定します。

GRとは

GRはGround Relayの略称で、地絡継電器を表します。零相変流器ZCTで検出した零相電流が整定値を超えると動作します。

地絡事故が発生したときに警報を出したり、遮断器を動作させたりするために使用します。

GRは地絡電流の大きさを基準に動作するため、事故電流の方向判定は行いません。

DGRとは

DGRはDirectional Ground Relayの略称で、地絡方向継電器を表します。

ZCTから得られる零相電流と、零相電圧検出装置から得られる零相電圧の大きさ・位相関係を使用して、自設備側の地絡か、系統の別方向で発生した地絡かを判定します。

配電系統や受電設備の構成によっては、不要動作を防ぐためにDGRが使用されます。

試験の主な項目

  • 最小動作電流試験
  • 最小動作電圧試験
  • 動作時間試験
  • 位相特性試験
  • 警報・表示の確認
  • 遮断器との連動確認

必要な試験項目は、継電器の種類、設備構成、点検目的によって異なります。

GRの動作電流試験

GRの動作電流試験では、継電器へ試験電流を加え、徐々に増加させます。継電器が動作したときの電流値を確認し、整定値や許容範囲と比較します。

出力を急に上げると動作点を正確に確認しにくいため、試験器の出力を確認しながら調整します。

試験後は、継電器の表示や動作接点が正常に復帰することも確認します。

DGRの試験

DGRでは、試験電流だけでなく試験電圧も入力します。さらに、電流と電圧の位相関係を継電器の動作領域に合わせる必要があります。

動作電流試験では所定の試験電圧と位相条件を加え、電流を変化させます。動作電圧試験では所定の試験電流を加え、電圧を変化させます。

位相条件が正しくない場合、電流と電圧が十分でもDGRが動作しないことがあります。

簡易動作試験と総合試験の違い

継電器の入力端子へ試験電流・試験電圧を加え、継電器単体の動作を確認する試験は、簡易動作試験または単体試験として行われます。

一方、ZCTや零相電圧検出装置などの一次側から試験信号を与え、継電器、配線、遮断器まで含めて動作を確認する試験は、総合試験として扱われます。

簡易動作試験で正常でも、一次検出器、配線、遮断回路まで正常とは限りません。点検目的に応じて試験範囲を決めます。

動作時間の確認

継電器には、事故検出から接点出力までの動作時間が設定されています。試験器から信号を出力し、継電器接点が動作するまでの時間を測定します。

動作時間が短すぎると他設備との保護協調に影響し、長すぎると事故回路の遮断が遅れる可能性があります。

継電器の整定値、メーカー仕様、保護協調の条件と比較します。

試験前に確認する項目

  • GRまたはDGRのメーカーと型式
  • 動作電流整定値
  • 動作電圧整定値
  • 動作時間整定値
  • 使用する試験端子
  • 電流・電圧入力の極性
  • 位相条件
  • 遮断器が実際に動作するかどうか

試験によって遮断器が動作すると設備停電につながるため、試験範囲と設備状態を事前に確認します。

安全上の注意

GR・DGR試験は高圧受配電設備に関係する作業です。停電範囲、充電部、接地、遮断器の状態などを確認し、有資格者や設備管理者の手順に従って実施します。

試験線を接続・取り外すときは、試験器の出力が停止し、調整値がゼロになっていることを確認します。

試験器の出力端子へ誤った電圧や外部電源が加わらないようにします。

試験結果が整定値と合わない場合

動作値が許容範囲から外れる場合は、試験器の接続、位相、出力値、継電器整定を再確認します。

接続に問題がない場合は、継電器の経年劣化、内部回路、接点、補助電源などを点検します。

総合試験でのみ異常が出る場合は、ZCT、零相電圧検出装置、配線、端子、遮断回路なども確認します。

試験記録

試験記録には、設備名、継電器型式、整定値、試験値、動作時間、試験日、試験者などを残します。

過去の結果と比較することで、動作値や動作時間の変化を確認できます。継電器を更新した場合は、更新前後の型式と整定値を明確にします。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、受配電設備に設置されたGR・DGRの簡易動作試験に使用するポータブル試験器を提供しています。

対象となる継電器、試験電流、試験電圧、電源、試験方法などを確認し、対応可能な試験範囲を検討します。

よくある質問

Q. GRとDGRは何が違いますか?

A. GRは主に地絡電流の大きさで動作し、DGRは地絡電流と零相電圧の位相関係から事故方向も判定します。

Q. DGR試験ではなぜ電圧も必要ですか?

A. DGRは零相電流だけでなく、零相電圧とその位相関係を使って方向を判定するためです。

Q. 簡易動作試験だけで保護設備全体を確認できますか?

A. 継電器単体の確認が中心です。ZCT、配線、遮断器まで確認するには、別途総合試験が必要です。

Q. 試験中に遮断器が動作しますか?

A. 接点回路や試験方法によっては動作します。試験前に遮断回路と停電範囲を確認します。

Q. すべてのGR・DGRを同じ条件で試験できますか?

A. メーカー、型式、整定値、試験端子、位相特性などが異なるため、対象機器の仕様確認が必要です。

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WBGTとは、気温だけでなく、湿度、日射、周囲からの熱などを考慮して、人体が受ける暑熱負担を表す指標です。Wet Bulb Globe Temperatureの略で、日本語では暑さ指数と呼ばれます。

気温が同じでも、湿度が高い、直射日光が強い、炉や設備からの放射熱が大きいと、人体の熱を外へ逃がしにくくなります。WBGTは、このような条件を含めて熱中症リスクを判断するために利用します。

WBGTを構成する温度

WBGTの算出には、主に次の温度が使用されます。

  • 自然湿球温度:湿度や風の影響を反映する温度
  • 黒球温度:日射や周囲から受ける放射熱を反映する温度
  • 乾球温度:一般的な気温に相当する温度

屋内で日射がない場合と、屋外で日射がある場合では算出式が異なります。

屋内におけるWBGT

屋内または日射のない場所では、一般に自然湿球温度と黒球温度を用いて算出します。

WBGT=0.7×自然湿球温度+0.3×黒球温度

工場や倉庫では直射日光がなくても、炉、乾燥機、成形機、屋根、蒸気配管などから放射熱を受ける場合があります。そのため、気温だけでは作業者が受ける暑さを適切に評価できないことがあります。

屋外におけるWBGT

屋外で日射がある場合は、自然湿球温度、黒球温度、乾球温度を組み合わせます。

WBGT=0.7×自然湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度

日射、地面からの照り返し、周囲の建物などによって黒球温度が高くなり、気温よりWBGTが高い危険状態となる場合があります。

気温との違い

気温は空気の温度を表しますが、人体の熱負担は気温だけでは決まりません。

湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体温を下げにくくなります。また、日射や高温設備から放射熱を受けると、人体へ加わる熱が増えます。

WBGTはこれらの影響を含むため、熱中症リスク管理では気温と併せて確認します。

測定場所の選び方

WBGT計は、作業者が実際に作業する位置に近い場所へ設置します。空調機の吹出口、窓際、直射日光、発熱設備の近くなど、局所的な影響を受ける場所では値が大きく異なります。

工場全体を一台で代表させるのではなく、環境が異なる作業区域ごとに測定する方法があります。

作業者の頭部や胴体に近い高さを考慮し、機械の陰や壁際など、実際の作業環境と異なる場所へ設置しないようにします。

測定値へ影響する要因

  • 気温
  • 相対湿度
  • 日射
  • 炉や配管からの放射熱
  • 風速
  • 測定器の設置高さ
  • 測定器周辺の遮蔽物
  • 測定開始からの経過時間

測定器を別の場所から移動した直後は、センサや黒球が周囲の温度へなじむまで時間が必要な場合があります。

WBGTを利用した安全管理

WBGTに応じて、休憩、水分・塩分補給、作業時間、作業強度、人員配置などを調整します。

同じWBGTでも、作業強度、服装、暑熱順化、年齢、健康状態によってリスクは異なります。数値だけで安全を判断せず、作業者の体調確認を組み合わせます。

高温環境では、管理者が定期的に測定値を確認し、設定値を超えた場合の対応を事前に決めておきます。

遠隔監視の活用

WBGTセンサを通信機器へ接続すると、離れた事務所や監視場所で複数地点の値を確認できます。

工場、倉庫、屋外作業場などを巡回して測定する負担を減らし、一定間隔でデータを記録できます。設定値を超えた場合に画面表示や通知を行う構成も検討できます。

ただし、通信が途絶えた場合に測定値を確認できなくなる可能性があるため、現場の表示、巡回、体調確認なども組み合わせます。

警報値の設定

警報値は、作業強度、作業時間、服装、作業者の状態、社内基準などをもとに設定します。

注意、警戒、作業中止など、複数段階のしきい値を設定する方法があります。警報が出たときに誰が確認し、どのような対応を取るかを決めます。

警報値を超えたことだけでなく、高い状態がどの程度続いたかも確認します。

データ記録

WBGTを時系列で保存すると、暑さが高くなる時間帯や場所を把握できます。気温、湿度、作業内容、熱中症発生状況などと関連付けることで、環境改善の検討に利用できます。

送風機、遮熱材、空調、休憩時間の変更前後でデータを比較すると、対策の効果を確認できます。

測定値が不自然な場合の確認

他の測定器と大きく異なる場合は、設置場所、日射、風、黒球の汚れ、センサ状態を確認します。

屋内用と屋外用の算出条件、表示モード、単位なども確認します。センサが発熱機器や冷気の吹出口へ近すぎると、作業区域を代表しない値となります。

保守・校正

定期的にセンサ部、黒球、通気部の汚れや破損を確認します。粉じんや水滴が付着すると、温度や湿度の応答へ影響する場合があります。

電池式では電池残量を確認し、通信式では通信状態や電源も点検します。管理用途に応じて、校正や他の基準器との比較を行います。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、WBGTセンサの信号を無線機などで収集し、離れた場所でモニタリングする構成を検討します。

測定場所、点数、通信距離、電源、表示方法、警報などの条件を確認し、作業環境に合わせて構成します。

よくある質問

Q. WBGTと気温は同じですか?

A. 同じではありません。WBGTは気温に加えて、湿度、日射、放射熱などの影響を含む暑さ指数です。

Q. 屋内でもWBGTを測定する必要がありますか?

A. 炉、蒸気、屋根、空調不足などによって暑熱負担が高くなる場所では、屋内でも有効です。

Q. WBGT計は工場に一台あればよいですか?

A. 発熱設備、日射、空調などの条件が異なる場合は、作業区域ごとに測定する方法があります。

Q. WBGTが低ければ熱中症は起こりませんか?

A. 作業強度、服装、体調などによっては発生する可能性があります。数値と体調管理を組み合わせます。

Q. WBGTを離れた事務所で確認できますか?

A. センサ出力、通信環境、電源などの条件を確認し、無線による遠隔監視を検討できます。

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