IEC 60204-1とは、産業機械に使用される電気・電子・プログラマブル電子装置について、安全に関する一般要求を定めた国際規格です。機械の電気装置における感電、火災、誤動作、予期しない起動などのリスクを低減するために利用されます。

制御盤単体だけでなく、電源引込部、モーター、センサ、操作機器、配線、保護接地、停止機能、技術文書など、機械の電気装置全体が対象となります。

ハカルプラスでは、機械の電源条件、負荷、制御方式、安全機能を確認し、制御盤ハード設計、配線、保護、表示、試験を含む構成を検討します。

IEC 60204-1の主な目的

  • 感電を防止する
  • 過電流・短絡による火災を防止する
  • 設備の予期しない起動を防止する
  • 停止・非常停止を適切に機能させる
  • 保守時の安全な電源遮断を可能にする
  • 配線・表示・文書を統一する

適用範囲

一般に、機械の電源接続点から、機械に搭載される電気装置までを対象として考えます。

受配電設備や建築設備側の配線、製品固有規格、安全機能規格などは、別規格と併せて確認します。

電源条件

機械へ供給される電圧、周波数、相数、許容変動、短絡電流などを確認します。

輸出設備では、国内と異なる電圧・周波数・接地方式が使用されます。変圧器、電源装置、モーターの対応を確認します。

主電源遮断装置

機械の電気装置を電源から切り離すため、主電源遮断装置を設けます。

操作しやすい位置に配置し、OFF位置で施錠できる構造を検討します。保守作業者が誤投入を防止できることが重要です。

電源遮断後の残留電圧

コンデンサ、インバーター、電源装置には、電源遮断後も危険な電圧が残る場合があります。

放電回路、表示、待機時間、測定手順を設けます。扉を開ける前に安全な電圧へ低下することを確認します。

感電保護

充電部への直接接触と、絶縁故障によって金属部へ電圧が現れる間接接触の両方を防止します。

カバー、絶縁、保護接地、過電流保護、漏電保護などを組み合わせます。

保護接地回路

筐体、扉、モーターフレームなどの露出導電部を保護接地へ接続します。

故障電流を確実に流し、保護装置を動作させるため、接地導体の太さ、接続方法、連続性を確認します。

扉の接地

制御盤扉に電気機器を取り付ける場合や、蝶番だけでは接地連続性が不十分な場合は、専用の接地線を設けます。

扉開閉によって断線しない柔軟な導体を使用し、機械的保護を行います。

過電流保護

配線や機器を短絡・過負荷から保護するため、ヒューズ、配線用遮断器、モーター保護機器などを設けます。

負荷電流だけでなく、電線許容電流、始動電流、短絡電流を考慮して選定します。

短絡電流

設置場所で想定される短絡電流に対し、遮断器、接触器、端子、母線などが耐えられることを確認します。

部品単体の定格だけでなく、組み合わせ時の短絡性能を確認する場合があります。

モーター保護

モーターには、過負荷、拘束、欠相、過熱などに対する保護を設けます。

インバーター駆動では、電子サーマル、モーター温度センサ、出力側短絡などを含めて保護方法を検討します。

制御回路電源

制御回路には、変圧器や直流電源を使用し、動力回路から適切に分離します。

制御電圧、接地方式、過電流保護、電圧低下時の動作を確認します。一般に、操作回路へ安全性の高い低電圧を用いることがあります。

電圧低下・停電時の動作

電圧低下や停電によって機械が危険な状態にならないようにします。

復電時に自動再起動しない構成、ブレーキや保持機構の動作、データ保存、再始動手順を検討します。

始動機能

機械の始動は、意図した操作によってのみ行われるようにします。

運転モード切替、扉開閉、停電復帰、異常リセットだけで自動的に起動しないようにします。

停止機能

通常停止、運転停止、非常停止など、用途に応じた停止機能を設けます。

停止方法には、直ちに動力を遮断する方式や、制御された停止後に動力を遮断する方式などがあります。機械の慣性や危険状態を考慮します。

停止カテゴリ

停止時に動力をどのように扱うかによって、複数の停止カテゴリが定義されています。

負荷を即時遮断すると危険な機械では、制御停止後に動力を切る方法を採用する場合があります。安全機能の妥当性はリスクアセスメントで確認します。

非常停止

非常停止は、発生中または差し迫った危険を停止させるための機能です。

赤色の操作部と黄色の背景を用い、押した状態を機械的に保持し、意図的な操作で解除します。解除しただけで機械が再起動しないようにします。

非常停止の配置

作業位置、保守位置、危険区域の出入口など、緊急時に操作しやすい場所へ配置します。

機械が長い場合や複数作業位置がある場合は、複数の非常停止機器を設けます。

運転モード

自動、手動、段取り、保守などの運転モードを設ける場合、選択状態を明確にします。

モードによって安全機能を変更する場合は、権限、選択スイッチ、制限速度、保持操作などを検討します。

手動操作

保守や調整でアクチュエータを個別操作する場合も、機械干渉や人体への危険を防止します。

押している間だけ動作する操作、低速運転、イネーブル装置、視認可能な範囲での操作を検討します。

表示色

表示灯や画面の色には、異常、警告、正常、運転状態などの意味を持たせます。

同じ色を異なる意味で使用せず、設備全体で統一します。色だけでなく文字や記号も併用します。

押しボタンの色

始動、停止、非常停止、リセットなどの操作部には、役割に応じた色を使用します。

非常停止と通常停止を混同しないようにし、周囲の表示や配置も含めて分かりやすくします。

配線

動力線、制御線、通信線を整理し、ノイズ、安全、保守性を考慮して配線します。

端子部での緩み、電線被覆損傷、可動部への接触を防ぎます。盤外配線の保護と固定も重要です。

電線識別

電線色、マークチューブ、端子番号を使用し、回路図と実配線を対応させます。

保護接地、中性線、制御回路などは、適切な識別を行います。海外向けでは、現地規格や顧客仕様も確認します。

端子台

外部配線と内部配線を分け、保守しやすい端子台構成とします。

異なる電圧、動力、信号、接地を区分し、必要な絶縁距離と表示を設けます。

盤内スペース

機器間の放熱、配線作業、端子増締め、部品交換に必要な空間を確保します。

部品を詰め込みすぎると、温度上昇、誤配線、保守困難につながります。

試験・検証

保護接地回路の連続性、絶縁抵抗、耐電圧、残留電圧、機能動作などを確認します。

試験項目は機械構成と適用規格に応じて決め、結果を記録します。

技術文書

回路図、盤配置図、端子図、部品表、取扱説明書、保守手順などを整備します。

設定値、保護装置定格、電源条件、予備品情報を記載し、現地保守で利用できるようにします。

機械改造時の注意

モーター追加、PLC更新、インバーター化、安全機器追加によって、電源容量や保護協調が変化します。

既設図面だけを部分修正せず、短絡電流、電線、遮断器、停止機能を再評価します。

異常時の確認

遮断器が頻繁に動作する場合は、負荷電流、始動電流、短絡、選定定格を確認します。

復電時に自動起動する場合は、自己保持回路、PLC初期処理、運転指令を点検します。接地異常では、接地線と接続部の連続性を確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、機械設備の電源、負荷、安全機能、運転方法を確認し、IEC 60204-1を考慮した制御盤を設計します。

主電源遮断、過電流保護、接地、非常停止、配線、試験、図面を含め、既設設備の改造や海外向け機械の電気設計に対応できる場合があります。

よくある質問

Q. IEC 60204-1は制御盤だけの規格ですか?

A. 制御盤を含む、機械の電源接続点以降の電気装置全体を対象として考えます。

Q. 非常停止を押すと必ず主電源を切る必要がありますか?

A. 機械の危険と停止方法に応じて、適切な停止カテゴリを選定します。

Q. 復電後に自動運転を再開してもよいですか?

A. 予期しない起動が危険となる場合は、自動再始動を防止し、再始動操作を必要とします。

Q. 制御盤扉にも接地線が必要ですか?

A. 蝶番だけで十分な接地連続性を確保できない場合などは、専用接地線を設けます。

Q. 既設機械の改造でも適用を検討しますか?

A. 改造範囲とリスクを確認し、電源、保護、停止、配線を再評価する必要があります。

関連ワード

ISO 13849-1とは、機械の安全に関連する制御システムについて、必要な安全性能を設計・評価するための国際規格です。非常停止、安全扉、ライトカーテン、両手操作、速度監視などの安全機能を、センサ、論理処理、出力機器まで含めて評価します。

安全リレーや安全PLCを採用するだけで規格適合が完了するわけではありません。危険源、必要なリスク低減、安全機能の構成、部品故障率、診断能力、共通原因故障などを総合的に確認します。

ハカルプラスでは、機械のリスクアセスメントと安全機能を確認し、必要パフォーマンスレベル、回路カテゴリ、診断、検証を含む安全制御構成を検討します。

安全関連制御システム

安全関連制御システムとは、危険を低減するために動作する制御部分です。

例えば、安全扉が開いた際にモーターを停止する機能では、扉スイッチ、配線、安全リレー、安全PLC、接触器、フィードバック回路までが安全関連部分となります。

安全機能

最初に、機械に必要な安全機能を明確にします。

  • 非常停止による危険動作の停止
  • 安全扉開放時の運転禁止
  • 危険区域への侵入検出
  • 両手操作による起動
  • 安全速度・安全位置の監視
  • 予期しない再起動の防止

一つの機械に複数の安全機能が存在し、それぞれに必要性能が異なる場合があります。

リスクアセスメント

危険源を特定し、負傷の重さ、危険へさらされる頻度、回避可能性などから必要なリスク低減を判断します。

設計による危険除去、ガードなどの保護方策を行った後に、安全関連制御で低減すべきリスクを整理します。

要求パフォーマンスレベル

安全機能に必要な信頼性を、要求パフォーマンスレベルとして設定します。一般にPLrと表記されます。

PLはaからeまでの段階で表され、eに近いほど高いリスク低減能力が求められます。

PLrの決定

危害の重さ、危険への暴露頻度、危険回避の可能性などを基に、必要なPLrを判断します。

判断根拠をリスクアセスメントへ記録し、機械の使用方法や作業内容が変わった場合は再評価します。

達成パフォーマンスレベル

実際の安全回路が達成するPLは、回路カテゴリ、部品の危険側故障率、診断範囲、共通原因故障対策などから評価します。

達成PLがPLr以上であることを確認します。

カテゴリ

カテゴリは、安全関連制御システムの構造的な特徴を示します。

単一系統、二重化、診断、故障時の機能維持などの考え方により、B、1、2、3、4のカテゴリへ分類されます。

カテゴリB

基本的な安全原則と、用途に適した部品を使用する構成です。

単一故障によって安全機能が失われる可能性があります。比較的低い要求性能で検討されます。

カテゴリ1

カテゴリBの要求に加え、十分に吟味された部品と安全原則を使用します。

単一系統であるため、故障時に安全機能を失う可能性はありますが、故障発生確率を低減します。

カテゴリ2

安全機能を一定間隔で試験・診断する構成です。

試験と試験の間に故障が発生すると、安全機能が失われる可能性があります。診断周期と安全機能の使用頻度を考慮します。

カテゴリ3

安全機能を二重化し、単一故障が発生しても安全機能を維持できるようにします。

一部の故障は検出されますが、検出されない故障が蓄積すると安全機能を失う可能性があります。

カテゴリ4

二重化と高い診断能力によって、単一故障時にも安全機能を維持し、故障を適切な時点で検出します。

検出されない故障の蓄積によって安全機能が失われないようにします。

MTTFd

MTTFdは、部品やチャンネルが危険側故障に至る平均時間を表す指標です。

部品メーカーの安全データ、規格の代表値、使用回数などから求めます。接触器やリレーでは、年間動作回数が評価へ影響します。

B10d

機械的・電気機械的部品では、一定割合の部品が危険側故障へ至る動作回数を示すB10d値を利用する場合があります。

年間動作回数からMTTFdへ換算し、想定使用期間で必要な信頼性を満たすか確認します。

DCavg

DCavgは、危険側故障をどの程度検出できるかを示す平均診断範囲です。

入力の短絡監視、二重チャンネル不一致、接触器フィードバック、出力テストなどが診断へ寄与します。

共通原因故障

二重化した二つのチャンネルが、同じ原因で同時に故障することを共通原因故障と呼びます。

同じケーブルの損傷、共通電源喪失、同じ環境ノイズ、同一接触器の機械故障などが例です。

共通原因故障対策

配線分離、異なる経路、適切な接地、過電圧保護、環境条件への適合、設計レビューなどを行います。

二重化していても、同じ端子や同じケーブルへまとめると同時故障の可能性が高まります。

安全入力

非常停止、安全扉スイッチ、ライトカーテンなどから安全入力を受けます。

二重チャンネル、短絡監視、同時性監視、テストパルス対応などを確認します。

安全論理

安全リレー、安全PLC、安全コントローラなどで安全条件を処理します。

必要なカテゴリ、PL、入力・出力点数、診断機能、応答時間を確認して選定します。

安全出力

接触器、遮断器、ドライブの安全機能などを制御し、危険なエネルギーを停止します。

出力回路の溶着、短絡、動力遮断能力を確認します。二台の接触器を直列に使用する場合もあります。

接触器フィードバック

接触器の補助接点を安全制御へ戻し、主接点が正しく開放したかを確認します。

接点溶着を検出した場合は、次回起動を禁止します。補助接点が主接点状態を適切に反映する部品を選定します。

リセット

安全機能が作動した後、危険区域が安全であることを確認してリセットします。

リセット操作だけで機械が自動起動しないようにします。危険区域を見渡せる位置へリセットボタンを配置します。

再起動防止

安全扉を閉める、非常停止を解除する、電源が復帰するだけで危険動作が再開しないようにします。

別の意図的な始動操作を必要とします。

安全距離と停止時間

ライトカーテンやエリアセンサでは、人が危険点へ到達する前に機械が停止する距離を確保します。

センサ応答、安全制御応答、接触器開放、機械停止までの合計時間を測定・計算します。

安全速度

段取りや保守時に、低速運転を条件として危険区域内の操作を許可する場合があります。

通常PLCの設定値だけでなく、安全対応センサ、ドライブ、安全PLCによって速度を監視します。

安全PLC

複数の安全機能や複雑な条件を扱う場合、安全PLCを使用すると構成を整理しやすくなります。

安全プログラムの変更権限、版管理、検証、署名などを管理します。

一般PLCとの関係

一般PLCは運転制御、表示、履歴などを担当し、安全PLCは安全機能を担当する構成があります。

一般PLCの信号は安全PLCの代替にはならず、安全機能の成立を一般通信だけへ依存させないようにします。

ソフトウェア安全要求

安全PLCを使用する場合は、プログラム構造、変数、診断、変更管理、検証を適切に行います。

通常プログラムの変更が安全プログラムへ影響しない構成とし、変更後は安全機能を再確認します。

検証

計算上のPLだけでなく、実際の回路と動作が安全要求仕様どおりであるかを検証します。

配線誤り、接点溶着、断線、短絡、電源喪失などを模擬し、期待する診断と停止が行われるか確認します。

妥当性確認

安全機能が機械のリスクを適切に低減していることを、設計資料、試験、動作確認で確認します。

安全回路単体ではなく、実際の機械停止時間、ガード、操作方法まで含めます。

定期点検

非常停止、安全扉、接触器、センサなどは定期的に機能試験を行います。

試験周期は、故障検出能力や使用条件に影響します。点検結果と部品交換履歴を保存します。

設計変更

モーター、接触器、安全センサ、運転速度、ガード位置を変更すると、安全性能へ影響します。

PL計算、停止時間、安全距離、検証記録を見直します。

異常時の確認

安全回路をリセットできない場合は、入力チャンネル不一致、接触器フィードバック、配線短絡を確認します。

安全機器が頻繁に動作する場合は、取付位置、振動、電源、ノイズを点検します。原因を無視して安全機能を解除しないようにします。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、機械の危険源と安全機能を整理し、要求PLrに応じた安全回路を検討します。

安全センサ、安全リレー、安全PLC、接触器、フィードバックを組み合わせ、PL評価、図面、試験記録を含む安全制御設計に対応できる場合があります。

よくある質問

Q. 安全リレーを使えばISO 13849-1へ適合しますか?

A. 部品採用だけでなく、安全機能全体のカテゴリ、故障率、診断、共通原因故障を評価する必要があります。

Q. PLrはどのように決めますか?

A. 危害の重さ、暴露頻度、回避可能性などを基に、リスクアセスメントで決定します。

Q. 一般PLCで非常停止を制御できますか?

A. 通常のPLCだけでは必要な安全性能を満たさない場合が多く、安全対応機器を使用します。

Q. 接触器を二台使えばカテゴリ4になりますか?

A. 二重化だけでなく、診断、故障率、共通原因故障、回路全体の構成を評価する必要があります。

Q. 設備改造後は再評価が必要ですか?

A. 安全機能や停止時間へ影響する変更では、PL評価と妥当性確認を見直します。

関連ワード

REACH規則とは、EUにおける化学物質の登録、評価、認可、制限を定める規則です。化学物質そのものだけでなく、成形品に含まれる高懸念物質についても、含有量や用途に応じて情報伝達・届出などが必要になる場合があります。

電気・電子機器では、樹脂、電線、塗料、接着剤、ゴム、めっき、潤滑剤など、多くの材料が関係します。RoHSが特定物質の使用制限を中心とするのに対し、REACHではより広い化学物質情報を継続的に管理する必要があります。

ハカルプラスでは、製品材料、部品メーカー、輸出先を確認し、SVHC調査、制限物質、情報伝達、設計変更管理を含むREACH対応を検討します。

REACHの目的

  • 化学物質による人の健康と環境への影響を低減する
  • サプライチェーンで化学物質情報を共有する
  • 高懸念物質の把握と代替を促進する
  • 特定用途での化学物質使用を制限する
  • EU市場へ出荷する製品の適合情報を整備する

REACHの主な仕組み

REACHには、化学物質の登録、評価、認可、制限などの仕組みがあります。

完成品メーカーがすべての登録手続きを直接行うとは限りませんが、製品に含まれる物質、輸入量、用途を確認する必要があります。

成形品

製品の形状、表面、設計が、その化学組成より機能を大きく決める物品を成形品として扱います。

電子部品、筐体、電線、ねじ、基板などは、成形品または複合物品として情報管理の対象になります。

複合物品

複数の部品を組み合わせた製品では、完成品全体だけでなく、構成する成形品単位で高懸念物質の濃度を判断する考え方が重要です。

例えば、製品全体では含有率が低くても、特定コネクタや樹脂部品では基準を超える場合があります。

SVHC

SVHCはSubstances of Very High Concernの略で、高懸念物質を意味します。

発がん性、生殖毒性、難分解性・蓄積性、内分泌かく乱などの特性を持つ物質が候補リストへ追加されます。

候補リスト

SVHC候補リストは定期的に更新され、対象物質が追加されます。

過去に適合確認した製品でも、新しい物質が追加された際には、部品・材料の再調査が必要になる場合があります。

情報伝達義務

成形品中にSVHCが一定濃度を超えて含まれる場合、供給先へ安全な使用に必要な情報を伝達する義務が生じる場合があります。

少なくとも物質名を含む情報を、対象部品や製品と対応付けて管理します。

消費者からの問い合わせ

消費者から製品中のSVHC情報について問い合わせを受けた場合、所定期間内に回答が必要になる場合があります。

迅速に回答できるよう、製品型式と材料情報を整理しておきます。

届出

SVHCの含有濃度、年間取扱量、用途などの条件により、関係機関への届出が必要になる場合があります。

EU域内の製造者・輸入者など、誰が義務を負うかを取引形態に応じて確認します。

SCIP情報

EU市場へ供給される成形品にSVHCが一定濃度を超えて含まれる場合、所定のデータベースへの情報提出が必要になることがあります。

対象物品、物質、濃度範囲、材料、使用上の情報などを整理します。

認可対象物質

一部のSVHCは認可対象となり、原則として所定期限後の使用が制限され、特定用途で使用するには認可が必要になる場合があります。

部品メーカーが対象物質を使用している場合、用途と供給継続性を確認します。

制限物質

特定物質について、製造、上市、使用を制限する規定があります。

製品分野や用途ごとに条件が異なり、SVHC候補リストとは別に確認が必要です。

RoHSとの違い

RoHSは、主に電気電子機器の特定有害物質を均質材料単位で制限します。

REACHは対象製品・物質の範囲が広く、SVHC情報伝達、認可、制限などを含みます。RoHS適合だけではREACH対応を満たすとは限りません。

部品・材料調査

電子部品、樹脂、電線、塗料、接着剤、ゴム、包装材などについて、SVHCと制限物質の含有情報を収集します。

部品メーカーの宣言書、材料データ、業界共通様式などを利用します。

調査対象リストの版

調査回答では、どの時点の候補リストを対象としているかを明確にします。

「REACH対応」とだけ記載された古い証明書では、最新追加物質を確認していない可能性があります。

サプライヤー証明

証明書には、対象部品、対象物質リストの版、含有有無、含有部位、濃度範囲などが記載されます。

不明・未調査の回答を適合と扱わず、追加確認が必要な部品を区別します。

含有部位の把握

SVHCが含まれる場合、製品全体に含まれることだけでなく、どの部品・材料に含まれるかを把握します。

安全な使用、廃棄、代替設計、顧客回答に必要です。

代表的な含有可能部位

  • 軟質樹脂・電線被覆
  • ゴム部品・パッキン
  • 接着剤・シール材
  • 塗料・インク
  • めっき・金属合金
  • 潤滑剤・グリース

分析試験

サプライヤー情報が得られない場合や、含有リスクが高い材料では分析を検討します。

REACH対象物質は種類が多く、すべてを一度の簡易分析で確認できるとは限りません。材料と対象物質に合った分析方法を選定します。

材料変更

樹脂配合、可塑剤、難燃剤、接着剤、塗装が変更されると、SVHC含有状態が変わる可能性があります。

部品型式が同じでも材料変更される場合があるため、サプライヤーから変更通知を受ける仕組みを整えます。

部品表との連携

製品の部品表へ、各部品のREACH調査結果、証明書、含有物質情報を関連付けます。

候補リスト更新時に、未回答・含有ありの部品を抽出しやすくします。

製品型式と版管理

同じ製品名でも、製造時期によって使用部品が異なる場合があります。

設計変更履歴、製造番号、部品表版を管理し、どの出荷品にどの材料情報が該当するかを追跡します。

顧客への情報提供

顧客指定様式で、SVHC含有有無、物質名、部位、濃度範囲などの回答を求められる場合があります。

法令上の義務と顧客独自の禁止物質基準を分けて確認します。

顧客独自基準

顧客によっては、SVHC候補物質を一定濃度以下に制限するなど、法令より厳しい購買基準を設けています。

「REACH適合」という表現だけでなく、顧客要求物質としきい値を確認します。

輸入者との役割分担

EU域外で製造した製品をEUへ輸出する場合、輸入者、販売者、代理人などの役割を整理します。

誰が届出や情報提出を行うか、必要な製品情報をどの形式で提供するかを確認します。

包装材

包装材は製品本体とは別の成形品として扱われる場合があります。

袋、緩衝材、ラベル、ケーブルタイなどについても、取引先要求や対象規則を確認します。

保守部品

交換部品や修理材料も、EU市場へ供給される場合は対象確認が必要です。

量産終了後も長期間供給する保守部品では、候補リスト追加と材料変更を継続管理します。

候補リスト更新時の対応

新たなSVHCが追加された場合、材料用途から含有可能性を絞り、サプライヤーへ追加調査します。

既存製品、在庫品、保守部品への影響を確認し、顧客回答とデータベース情報を更新します。

代替設計

SVHC含有部品を直ちに使用禁止とする必要がない場合でも、将来の認可・制限や顧客要求を考慮し、代替品を検討します。

代替材料による電気性能、耐熱性、耐候性、機械強度への影響を評価します。

文書保存

部品調査回答、証明書、分析結果、顧客回答、適用判断を保存します。

資料の発行日と対象リスト版を管理し、古い資料を最新回答として誤使用しないようにします。

不適合時の対応

未申告のSVHC含有や制限物質違反が判明した場合は、対象部品、製品、製造期間、出荷先を特定します。

出荷停止、顧客連絡、情報提出、部品変更などを検討します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、製品部品表と材料用途を確認し、SVHCや制限物質の調査対象を整理します。

サプライヤー調査、候補リスト更新、含有部位管理、顧客回答、代替部品検討を含むREACH対応を検討します。

よくある質問

Q. RoHSに適合していればREACHにも適合していますか?

A. 対象物質と要求内容が異なるため、REACHについて別途確認が必要です。

Q. SVHCが含まれている製品は販売できませんか?

A. 含有だけで直ちに販売禁止とは限りませんが、情報伝達や届出などが必要になる場合があります。

Q. 一度調査すれば継続して使えますか?

A. 候補リストの追加や材料変更があるため、定期的な更新確認が必要です。

Q. 製品全体の濃度が低ければ問題ありませんか?

A. 複合製品では、構成する成形品単位で濃度を確認する考え方が重要です。

Q. サプライヤーから回答が得られない場合はどうしますか?

A. 材料リスク、代替調達、分析試験を検討し、不明状態のまま適合と判断しないようにします。

関連ワード

IP保護等級とは、電気機器や筐体について、人体や工具などの固形物が内部へ触れることを防ぐ性能と、水の浸入を防ぐ性能を数字で示す等級です。IPコード、IP等級、防塵・防水等級などと呼ばれます。

制御盤、計測器、センサ、表示器、屋外機器では、粉じん、水滴、雨、洗浄水などの環境に応じて必要なIP保護等級を選定します。ただし、IP等級が高ければすべての環境へ対応できるわけではなく、油、薬品、結露、腐食、高圧蒸気などは別途評価が必要です。

ハカルプラスでは、設置場所、粉じん、水のかかり方、扉開閉、配線引込方法を確認し、筐体、パッキン、ケーブルグランド、通気構造を含む保護設計を検討します。

IPコードの基本

IPの後ろには、通常二つの数字が続きます。最初の数字は固形物に対する保護、二つ目の数字は水に対する保護を示します。

例えばIP54では、最初の「5」が防じん性能、二つ目の「4」が水の飛まつに対する保護性能を表します。

第一特性数字

第一特性数字は、人体の接触や固形異物の侵入に対する保護を示します。

  • 0:保護なし
  • 1:大きな物体や手の甲などに対する保護
  • 2:指などに対する保護
  • 3:工具や太い電線などに対する保護
  • 4:細い電線や小さな固形物に対する保護
  • 5:機能を損なう量の粉じん侵入を防ぐ
  • 6:粉じんの侵入を防ぐ

第二特性数字

第二特性数字は、水の浸入に対する保護を示します。

  • 0:保護なし
  • 1:垂直に落ちる水滴に対する保護
  • 2:傾けた状態での水滴に対する保護
  • 3:散水に対する保護
  • 4:あらゆる方向からの飛まつに対する保護
  • 5:噴流水に対する保護
  • 6:強い噴流水に対する保護
  • 7:一時的な水中浸せきに対する保護
  • 8:継続的な水中使用に対する保護

高圧・高温の噴流水などについては、追加の表示や別条件で評価される場合があります。

IP54

IP54は、機能を損なう量の粉じん侵入を抑え、あらゆる方向からの水の飛まつに対する保護を示します。

屋内の一般的な工場設備や、軽い粉じん・水滴が想定される制御盤で採用されることがあります。ただし、直接洗浄水がかかる場所には不足する場合があります。

IP65

IP65は、粉じんの侵入を防ぎ、噴流水に対する保護を示します。

屋外機器や水洗いされる設備で採用されることがありますが、水没を保証する等級ではありません。ケーブル引込部や扉の締付状態を含めて性能を維持します。

IP66

IP66は、粉じんの侵入を防ぎ、強い噴流水に対する保護を示します。

強い雨風や比較的強い洗浄水が想定される場所で検討されます。高圧洗浄機を近距離から使用する条件とは一致しない場合があります。

IP67・IP68

IP67は一時的な水中浸せき、IP68は製造者と利用者で定めた条件による継続的な水中使用に対する保護を示します。

IP68では、水深、時間、温度などの条件を製品仕様で確認します。IP68だからといって、すべての水深・時間で使用できるわけではありません。

複数等級の関係

IP67の機器が自動的にIP65やIP66の噴流水試験にも適合するとは限りません。

水中浸せきと噴流水では試験条件が異なるため、必要な用途ではIP66・IP67のように複数条件への適合を確認します。

防水と結露の違い

IP試験は、外部から水が浸入する条件を評価します。温度変化によって筐体内部で発生する結露は、別の問題です。

密閉度を高めても、内部へ湿った空気が入った状態で温度が下がると結露する場合があります。ヒーター、除湿、通気膜などを検討します。

パッキン

扉、カバー、表示器の取付部では、ゴムや発泡材のパッキンを使用します。

材質、圧縮率、継ぎ目、経年劣化、薬品耐性を確認します。締付不足や過大圧縮は、密封性能低下の原因になります。

扉とカバー

筐体本体が高いIP等級でも、扉の変形、蝶番、ロック、開口部によって性能が低下します。

扉全周で均一にパッキンを圧縮し、ロック数と配置を検討します。大きな扉では、筐体のたわみにも注意します。

ケーブルグランド

電線を筐体へ引き込む部分には、必要なIP等級へ対応したケーブルグランドを使用します。

ケーブル外径とグランドの適合範囲を確認し、未使用穴には同等性能の閉止プラグを取り付けます。

コネクタ

外部コネクタは、嵌合した状態と、キャップを閉じた状態で保護性能が異なる場合があります。

未接続時、保守時、相手側コネクタを含む状態で必要等級を満たすかを確認します。

表示器・スイッチの取付け

タッチパネル、押しボタン、表示灯などを盤面へ取り付ける場合、部品単体の正面保護等級だけでなく、取付穴とパッキンを含めて評価します。

裏面側は同じ等級を持たない場合があるため、盤内環境も確認します。

通気孔とファン

放熱のために通気孔やファンを設けると、防塵・防水性能は低下しやすくなります。

フィルタ、ルーバー、熱交換器、盤用クーラーなどを使用し、必要な保護性能と放熱性能を両立させます。

通気膜

水や粉じんの侵入を抑えながら、筐体内外の圧力差を緩和する通気膜を使用する場合があります。

急激な温度変化による負圧で、水がパッキン部から吸い込まれることを抑える効果があります。流量と取付位置を確認します。

屋外設置

屋外では、雨だけでなく、直射日光、紫外線、温度変化、風、塩害も考慮します。

ひさし、二重屋根、日射遮蔽、耐候塗装を組み合わせます。水が滞留しない取付方向と排水構造も重要です。

洗浄環境

食品・薬品工場などでは、洗浄剤、高温水、高圧水が使用される場合があります。

IP等級だけでなく、洗浄圧力、距離、温度、薬品濃度、洗浄頻度を確認し、材質と構造を選定します。

粉じん環境

粉体設備では、粉じんがパッキン面、ヒンジ、フィルタへ堆積します。

扉開放時に粉じんが内部へ落下しない構造や、清掃しやすい形状を検討します。可燃性粉じんがある場合は、防爆要求も別途確認します。

試験時の構成

IP試験は、量産品と同じ筐体、パッキン、コネクタ、ケーブル引込部で行います。

試験用に穴を塞いだ構成と、実際の製品構成が異ならないようにします。取付姿勢も使用状態に合わせます。

設計変更

筐体、パッキン、コネクタ、扉ロック、ケーブルグランドを変更した場合は、保護性能への影響を確認します。

部品単体が同じIP等級でも、形状や取付方法が変われば完成品性能が変化する場合があります。

保守

パッキンのひび割れ、硬化、剥がれ、扉の変形、グランドの緩みを定期点検します。

保守後に扉を完全に閉め忘れたり、閉止プラグを戻さなかったりすると、設計上のIP等級を維持できません。

異常時の確認

内部へ水が入った場合は、扉上部、ケーブル引込部、表示器取付部、結露を切り分けます。

粉じん侵入では、フィルタ目詰まり、負圧、パッキン圧縮、未使用穴を確認します。侵入経路を推定するため、水跡や堆積方向も観察します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、設置環境と必要な保護等級を確認し、筐体、扉、表示器、配線引込部を含む構造を検討します。

防塵・防水だけでなく、結露、放熱、腐食、保守性とのバランスを考慮し、既設制御盤の更新や屋外機器の構成に対応できる場合があります。

よくある質問

Q. IP65なら水中でも使用できますか?

A. IP65は噴流水に対する保護であり、水中浸せきへの適合を示すものではありません。

Q. IP67ならIP66にも適合しますか?

A. 浸せきと強い噴流水は別試験のため、必要な場合は両方への適合を確認します。

Q. IP等級が高ければ結露しませんか?

A. 内部の湿気と温度変化による結露は発生する可能性があり、別途対策が必要です。

Q. ケーブルグランドもIP等級へ影響しますか?

A. 引込部は主要な浸入経路となるため、ケーブル径と必要等級に適合した部品を使用します。

Q. 既設制御盤の防水性能を高められますか?

A. パッキン、扉、引込部、開口部を確認し、改善できる場合があります。

関連ワード

UL規格とは、主に北米市場で使用される電気製品、部品、制御盤、産業機械などについて、安全性を評価するための規格・認証体系です。感電、火災、過熱、機械的危険などを防止する観点から、部品、材料、配線、保護装置、構造を確認します。

ULマーク付き部品を使用するだけで、完成品や制御盤全体が自動的に認証されるわけではありません。部品の認定条件、使用電圧、温度、配線、短絡電流、筐体などを完成品として評価します。

ハカルプラスでは、輸出先、製品区分、電源、負荷、盤構成を確認し、UL認定部品、配線、保護、表示、検査を含む対応を検討します。

UL規格の主な目的

  • 感電・火災・過熱のリスクを低減する
  • 材料や部品の安全性を確認する
  • 短絡・過負荷時の保護性能を確保する
  • 北米市場で求められる認証条件を満たす
  • 量産品を認証構成と同じ状態に維持する

UL Listed

完成品として評価され、所定の用途で使用できることを示す認証区分があります。

最終利用者が使用する機器や、完成品として出荷される装置に適用されることがあります。

UL Recognized Component

他の製品へ組み込む部品として評価された認定区分があります。

電源、端子台、リレー、樹脂材料などに見られます。使用条件や組込条件が定められているため、完成品設計で確認します。

部品の認定条件

認定部品には、最大電圧、最大電流、温度、取付方法、周辺部品などの条件が設定される場合があります。

認定マークがあっても、条件外で使用すると認定根拠を利用できない可能性があります。

産業用制御盤

北米向け産業用制御盤では、制御盤に関するUL規格や米国電気規程を考慮した設計が求められる場合があります。

主回路、分岐回路、制御回路、配線、短絡電流定格、盤表示などを確認します。

フィールド評価

認証を取得していない装置を現地へ設置した場合、現地で評価機関による確認を受けることがあります。

設計段階で要求を考慮せず、現地で大幅な改造が必要になることを避けるため、出荷前に適用条件を確認します。

短絡電流定格

制御盤が安全に耐えられる短絡電流の大きさを示す指標があります。一般にSCCRと呼ばれます。

設置場所で利用可能な短絡電流以上の定格を持つ必要があります。主遮断器だけでなく、分岐回路内の各部品が影響します。

SCCRの決定

遮断器、ヒューズ、接触器、端子台、電源装置などの短絡定格を確認します。

定格の低い部品が制御盤全体のSCCRを制限する場合があります。認められた組み合わせ定格を利用できることもあります。

過電流保護

電線と負荷を短絡・過負荷から保護するため、ヒューズや遮断器を設けます。

定格電流、遮断容量、配線サイズ、負荷特性を確認し、主回路と分岐回路で適切に保護します。

分岐回路と制御回路

動力負荷へ電力を供給する分岐回路と、リレーやPLCなどを動作させる制御回路では、適用する部品や保護方法が異なる場合があります。

補助回路用部品を分岐回路の保護装置として誤使用しないようにします。

ヒューズ

北米向け装置では、用途に応じたクラスや性能を持つヒューズを使用することがあります。

電流定格だけでなく、遮断容量、限流性能、対応ホルダを確認します。

遮断器

配線用遮断器、補助保護器などは、用途区分と認定条件が異なる場合があります。

見た目が似ていても、分岐回路保護へ使用できるかを確認します。

電線

盤内電線、機器配線、外部配線には、用途、温度、電圧に合った認定電線を使用します。

導体サイズはAWGで指定されることが多く、許容電流、端子適合範囲、温度定格を確認します。

AWG

AWGは北米で広く使用される電線サイズの表し方です。

数値が小さいほど導体が太くなるため、国内の平方ミリメートル表記と混同しないようにします。

端子台

端子台は、電圧、電流、電線サイズ、締付トルク、極数などの認定条件を確認します。

現地配線を接続する端子には、適用可能な電線材質や温度条件を表示する場合があります。

締付トルク

端子ねじの締付不足は発熱、緩み、火災の原因になります。

指定締付トルクを図面、盤表示、取扱説明書へ記載し、製造・保守時に管理します。

接地

金属筐体、扉、取付板、モーターフレームなどを保護接地へ接続します。

接地端子の識別、導体サイズ、接続順序、塗装除去などを確認します。

電気的間隔

異なる電位の導電部間には、空間距離と沿面距離を確保します。

使用電圧、回路区分、汚損、材料に応じて必要距離が変わります。端子や基板だけでなく、盤内配線も確認します。

筐体

筐体は、充電部への接触防止、火災拡大防止、環境保護などの役割を持ちます。

材質、厚さ、開口部、扉ロック、換気、接地を確認します。

エンクロージャタイプ

北米では、設置環境に応じた筐体のタイプ区分が使用されます。

屋内、屋外、粉じん、水、腐食などに対する保護を示します。IP等級と考え方が似ていますが、試験条件と評価範囲は同一ではありません。

IP等級との違い

IP保護等級と北米のエンクロージャタイプは、単純な一対一対応ではありません。

北米では腐食、氷結、油などを含む条件が評価される場合があります。輸出先要求に応じて適切な区分を確認します。

材料の難燃性

樹脂筐体、端子部品、絶縁材料などは、燃焼性区分や使用温度を確認します。

難燃性が高い材料でも、厚さや使用条件によって認定範囲が異なる場合があります。

温度上昇

端子、電線、電源、変圧器、抵抗器などの温度が、部品・材料の定格を超えないことを確認します。

盤内最高温度と周囲温度を考慮し、必要に応じて温度試験を行います。

電源装置

AC/DC電源には、入力、出力、絶縁、温度、過電流保護に関する認定条件があります。

オープンフレーム電源では、完成品側で筐体、空間距離、感電保護を追加する必要があります。

変圧器

制御用変圧器は、容量、電圧、温度、過電流保護を確認します。

一次側と二次側の保護、接地、分岐回路との関係を設計します。

モーター回路

モーター用の遮断器、ヒューズ、接触器、過負荷保護器を組み合わせます。

モーター定格電流、始動電流、運転方式、短絡電流を確認します。

インバーター

インバーターの入力保護、出力配線、モーター適合、短絡定格を確認します。

複数モーターを接続する場合や、出力側へ接触器を設ける場合は、メーカー条件に従います。

盤表示

電源定格、短絡電流定格、製造者、盤型式、警告、端子条件などを銘板やラベルへ表示します。

現地作業者が必要な情報を確認できる言語と位置へ表示します。

図面・文書

回路図、部品表、端子図、電線表、定格、締付トルクなどを整備します。

認定部品の型式と使用条件を記録し、無断代替を防止します。

フォローアップサービス

認証製品では、量産品が認証構成どおりに製造されているか、定期的な工場検査が行われる場合があります。

部品変更、材料変更、製造場所変更は、認証への影響を確認します。

代替部品

供給停止や納期対策で部品を変更する場合、認定条件、定格、SCCR、温度を確認します。

電気的仕様が同等でも、認証上は使用できない場合があります。

異常時の確認

端子や電線が発熱する場合は、締付トルク、電線サイズ、定格電流を確認します。

SCCRが不足する場合は、低定格部品、ヒューズ組み合わせ、分岐構成を点検します。現地検査で指摘された場合は、要求規格と認定条件を確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、北米向け制御盤や計測機器について、適用規格、電源、負荷、設置環境を確認します。

UL認定部品、SCCR、電線、端子、筐体、表示、図面を含め、制御盤設計や認証機関との調整に対応できる場合があります。

よくある質問

Q. UL認定部品だけを使えば盤全体も認証されますか?

A. 部品の使用条件、配線、保護、短絡定格、筐体を完成品として評価する必要があります。

Q. SCCRは主遮断器の定格だけで決まりますか?

A. 分岐回路内の各部品や組み合わせ定格も影響し、最も低い部分が制限する場合があります。

Q. IP65の筐体は北米でも同じ等級として扱えますか?

A. IP等級と北米の筐体タイプは試験条件が異なるため、別途確認が必要です。

Q. 国内向け電線をそのまま使用できますか?

A. 北米向け認定、温度、電圧、電線サイズ、端子適合を確認します。

Q. 部品変更時に認証機関への確認が必要ですか?

A. 認証条件へ影響する変更では、追加評価や登録変更が必要になる場合があります。

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ATEX・IECExとは、可燃性ガス、蒸気、ミスト、粉じんなどによって爆発性雰囲気が形成される場所で使用する機器について、安全性を評価する制度・規格体系です。化学工場、塗装設備、石油・ガス設備、粉体設備、サイロ、集じん設備などで関係します。

ATEXは主にEU市場で適用される法令体系、IECExはIEC規格に基づく国際的な認証制度です。両者は共通する技術規格を利用することがありますが、表示、証明書、法的責任、対象地域は同一ではありません。

ハカルプラスでは、対象物質、危険場所の区分、温度、設置方法を確認し、防爆構造、機器選定、配線、接地、技術文書を含む構成を検討します。

爆発性雰囲気

可燃性物質と空気が一定の割合で混合し、着火源があると爆発的に燃焼する可能性がある雰囲気です。

通常運転中だけでなく、充填、排出、清掃、故障、漏えい時に形成される可能性も確認します。

主な対象物質

  • 可燃性ガス
  • 可燃性蒸気
  • 可燃性ミスト
  • 可燃性粉じん
  • 繊維・飛散物

物質ごとに着火温度、爆発範囲、最小着火エネルギーなどが異なります。

爆発の三要素

可燃性物質、酸素、着火源がそろうと爆発が発生する可能性があります。

防爆設計では、爆発性雰囲気の形成防止、着火源の除去、爆発影響の抑制を組み合わせます。

着火源

電気火花、高温表面、静電気、機械的摩擦、アーク、電磁波などが着火源となる可能性があります。

通常動作だけでなく、部品故障、短絡、軸受異常、粉じん堆積による温度上昇も確認します。

危険場所区分

爆発性雰囲気が存在する頻度と継続時間に応じて、危険場所を区分します。

ガス・蒸気と粉じんでは区分名称が異なります。設備利用者や専門担当者が、物質と工程に基づいて区域を決定します。

ガス雰囲気のゾーン

  • Zone 0:爆発性雰囲気が連続的、長時間または頻繁に存在する場所
  • Zone 1:通常運転中に爆発性雰囲気が発生する可能性がある場所
  • Zone 2:通常運転中には発生しにくく、発生しても短時間の場所

粉じん雰囲気のゾーン

  • Zone 20:可燃性粉じん雲が連続的、長時間または頻繁に存在する場所
  • Zone 21:通常運転中に可燃性粉じん雲が発生する可能性がある場所
  • Zone 22:通常運転中には発生しにくく、発生しても短時間の場所

機器グループ

使用場所や対象物質に応じて、機器グループが区分されます。

鉱山用途と、それ以外のガス・粉じん用途では要求が異なります。一般産業設備では、対象ガス・粉じんに合ったグループを確認します。

機器カテゴリ・保護レベル

危険場所の区分に応じて、機器へ求められる保護レベルが変わります。

高い危険度の区域では、通常動作だけでなく複数故障を考慮した高い安全性が必要です。

ガスグループ

可燃性ガスは、着火しやすさや火炎伝ぱ特性に応じてグループ分けされます。

機器が対応するガスグループを確認し、対象物質より低い要求の機器を使用しないようにします。

粉じんグループ

可燃性粉じんは、導電性粉じん、非導電性粉じん、可燃性繊維などの特性に応じて分類されます。

導電性粉じんでは、筐体内部への侵入や短絡に対して、より厳しい対策が必要になる場合があります。

温度等級

ガス雰囲気では、機器表面の最高温度を温度等級で示します。

対象物質の発火温度より十分低い表面温度となる機器を選定します。周囲温度条件も確認します。

粉じんの表面温度

粉じん雰囲気では、粉じん雲と堆積粉じんの発火温度を考慮します。

機器表面へ粉じんが堆積すると断熱され、内部温度が上昇する可能性があります。堆積厚さと清掃条件を確認します。

周囲温度

防爆機器の認証には、使用可能な周囲温度範囲が定められています。

屋外、炉周辺、寒冷地などで範囲を外れる場合は、対応機器や追加評価が必要です。

耐圧防爆構造

筐体内部で爆発が発生しても、筐体が圧力に耐え、火炎が外部へ伝わらないようにする構造です。

接合面、ねじ、ケーブル引込部などが重要で、現地での穴あけや加工は認証条件を損なう可能性があります。

本質安全防爆構造

電気回路のエネルギーを制限し、通常時や想定故障時にも爆発性雰囲気へ着火しないようにする構造です。

センサ、計測回路、通信回路などの低電力機器で利用されます。機器単体だけでなく、バリア、配線、ケーブル容量を含むシステムとして確認します。

安全増防爆構造

通常動作で火花や高温を生じない機器について、絶縁、端子、温度、機械強度を高めて着火を防止する構造です。

モーター、端子箱、照明機器などで利用される場合があります。

内圧防爆構造

筐体内部へ保護ガスを供給し、外部の爆発性ガスや粉じんが侵入しないようにする構造です。

運転開始前のパージ、圧力監視、圧力低下時の電源遮断などが必要です。

樹脂充填・油入・非点火など

用途に応じて、回路を樹脂で封止する、油へ浸す、Zone 2向けの非点火構造を使用するなど、複数の防爆構造があります。

機器機能、保守性、発熱、危険場所区分から選定します。

防じん防爆

粉じんが筐体内部へ侵入し、電気火花や高温部へ接触することを防ぎます。

筐体の防塵性能、表面温度、パッキン、ケーブル引込部を確認します。一般的なIP等級だけで防爆適合を判断しないようにします。

粉じん堆積

機器表面やモーターの冷却部へ粉じんが堆積すると、放熱が妨げられ、表面温度が上昇します。

清掃周期、堆積しにくい形状、取付姿勢を検討します。

静電気

粉体の流動、ベルト搬送、樹脂ホース、作業者の動作によって静電気が発生します。

導電化、接地、流速制限、帯電防止材料を使用し、放電による着火を防ぎます。

接地・等電位化

金属製サイロ、配管、ホース、筐体などを適切に接地し、電位差を抑えます。

塗装、ガスケット、可とう継手によって導通が途切れる場合は、ボンディング線を設けます。

ケーブルグランド

防爆機器には、対象防爆構造とケーブルに適合した認証済みグランドを使用します。

ねじ規格、ケーブル外径、シール方式、アーマー有無を確認します。未使用口には認証済み閉止プラグを使用します。

配線

本質安全回路と非本質安全回路を分離し、識別します。

ケーブルの静電容量・インダクタンス、接地、シールドを確認します。端子台や配線ダクト内でも必要な分離を行います。

本質安全バリア

安全区域側から危険場所側へ供給される電圧・電流を制限する機器です。

ツェナーバリアや絶縁バリアがあり、接地条件、絶縁、入出力仕様を確認します。

ループ計算

本質安全回路では、電源側機器と危険場所側機器、ケーブルの電気的条件が適合することを確認します。

許容電圧、電流、電力、静電容量、インダクタンスを比較し、組み合わせ可能か判断します。

ATEX

ATEXでは、EUで爆発性雰囲気に使用する機器・保護システムについて、法令要求への適合を確認します。

機器カテゴリ、適合性評価、CE表示、防爆表示、EU適合宣言などを整備します。

IECEx

IECExは、IEC防爆規格に基づき、機器、サービス、要員能力などを国際的に評価する制度です。

IECEx証明書が、そのまますべての国で販売許可になるとは限らず、各国の法令・認証制度を確認します。

ATEXとIECExの違い

技術的に共通する規格を利用することがありますが、ATEXはEU法令への適合、IECExは国際認証制度としての性格を持ちます。

同じ試験結果を活用できる場合でも、証明書、表示、製造者責任は別途確認します。

マーキング

防爆機器には、機器グループ、カテゴリ・保護レベル、防爆構造、ガス・粉じんグループ、温度、周囲温度などを表示します。

設置者はマーキングを確認し、危険場所区分と対象物質に適合する機器を選定します。

認証範囲

認証は、機器型式、部品、筐体、ケーブルグランド、ソフトウェア、使用条件などの特定構成に対して行われます。

認証品へ現地で穴を追加する、異なる電源を使用する、部品を代替する場合は、認証への影響を確認します。

設置

認証機器であっても、設置方法が不適切であれば安全性を維持できません。

ケーブル引込、接地、締付トルク、取付方向、周囲温度を取扱説明書に従って施工します。

点検・保守

筐体の腐食、パッキン、ねじ、ケーブルグランド、接地、粉じん堆積を点検します。

耐圧接合面を傷つける、指定外ボルトを使用するなどの保守は、防爆性能を損なう可能性があります。

修理

防爆機器の修理には、規格に基づく知識と手順が必要です。

コイル巻替え、接合面加工、樹脂封止部の修理などは、認証や修理資格への影響を確認します。

非防爆機器の設置

一般機器を危険場所へそのまま設置することはできません。

安全区域へ移設する、内圧容器へ収容する、本質安全回路を介するなどの方法を検討します。

異常時の確認

筐体温度が高い場合は、周囲温度、負荷、粉じん堆積、冷却を確認します。

内圧低下では、ガス供給、漏れ、圧力スイッチを点検します。本質安全回路の異常では、バリア、接地、配線分離、ループ条件を確認します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、対象物質、危険場所区分、設備構成を確認し、防爆対応機器と制御盤構成を検討します。

本質安全回路、バリア、配線、接地、防爆表示、技術文書を含め、粉体・液体・ガス設備の計測制御に対応できる場合があります。

よくある質問

Q. IP65の機器なら粉じん防爆区域で使用できますか?

A. IP等級だけでは防爆適合を示さないため、対象区域と粉じんに対応した防爆認証が必要です。

Q. ATEX認証があればIECEx対応国でも使えますか?

A. 技術要件が共通する場合はありますが、各国の法令と必要認証を個別に確認します。

Q. 認証済み防爆筐体へ現地で穴を追加できますか?

A. 認証条件を損なう可能性が高いため、認証図面と製造者の許可を確認する必要があります。

Q. 本質安全回路は機器だけ認証されていればよいですか?

A. バリア、危険場所側機器、ケーブルを含むループ全体の適合確認が必要です。

Q. 既設設備を防爆対応へ改造できますか?

A. 危険場所区分、着火源、機器認証、配線を確認し、改造可能な範囲を検討します。

関連ワード

CEマーキングとは、欧州経済領域などで流通させる製品が、対象となるEU法令の要求事項へ適合していることを製造者が示す表示です。産業機械、制御盤、計測機器、無線機器、電気電子製品など、製品の種類によって対象法令が異なります。

CEマークは、特定の認証機関が一律に製品品質を保証する表示ではありません。製造者が対象法令を特定し、リスク評価、設計、試験、技術文書、適合宣言を整備したうえで表示します。

ハカルプラスでは、輸出先、製品構成、使用電圧、無線機能、機械的危険を確認し、適用法令、試験項目、技術文書の整理を検討します。

CEマーキングの目的

  • EU域内の安全・健康・環境要求へ適合する
  • 対象市場で製品を流通させる条件を満たす
  • 製品に適用した法令と規格を明確にする
  • 設計・試験・リスク評価の根拠を記録する
  • 市場監視当局からの照会へ対応する

対象法令の特定

CEマーキングでは、製品に関係するすべての対象法令を確認します。

例えば、電気安全、電磁両立性、機械安全、無線、特定有害物質など、複数の法令が同時に適用される場合があります。

低電圧に関する要求

一定の電圧範囲で使用する電気機器には、感電、火災、過熱、機械的危険などを防止する安全要求が適用される場合があります。

絶縁、沿面距離、空間距離、保護接地、温度上昇、異常動作などを評価します。

EMCに関する要求

機器が周囲へ過度な電磁妨害を与えず、想定される電磁環境でも正常に動作することが求められます。

放射・伝導エミッション、静電気、放射無線周波電磁界、サージ、ファストトランジェントなどを評価します。

機械安全に関する要求

機械や装置では、可動部、挟まれ、切断、落下、予期しない起動などの危険を評価します。

危険源を除去し、除去できない危険へ保護方策を設け、残留リスクを取扱説明書や警告で示します。

無線機器に関する要求

Wi-Fi、Bluetooth、LTE、特定周波数の無線機能を持つ製品では、無線に関する法令が対象になる場合があります。

無線周波数の有効利用、EMC、電気安全などを評価します。採用した無線モジュールが認証済みでも、完成品としての確認が必要になることがあります。

RoHSとの関係

電気電子機器では、特定有害物質の使用制限に関する要求が適用される場合があります。

部品・材料の含有情報、サプライヤー証明、適用除外を確認し、技術文書へ根拠を保存します。

整合規格

EU法令の要求へ適合する方法として、整合規格を利用することがあります。

製品に適用可能な整合規格を適切に使用すると、法令の基本要求へ適合していると推定される範囲が明確になります。

規格の版管理

規格は改訂され、整合規格としての適用開始・終了時期が設定される場合があります。

設計開始時だけでなく、出荷時点で有効な規格、経過措置、後継規格を確認します。

リスクアセスメント

製品の使用、設置、保守、廃棄までを考慮し、危険源とリスクを評価します。

通常使用だけでなく、合理的に予見可能な誤使用、故障、保守作業も対象とします。リスク低減策と残留リスクを記録します。

設計によるリスク低減

最初に危険そのものを設計で除去・低減します。

次にガード、インターロック、安全回路などの保護方策を設け、それでも残るリスクを警告表示や取扱説明書で伝えます。

EMC設計

試験直前にフィルタを追加するだけでなく、回路、基板、筐体、配線、接地を設計初期から検討します。

電源入口、外部I/O、通信ポートなど、ノイズの侵入・放出経路を確認します。

電気安全設計

使用電圧、過電圧カテゴリ、汚損度、絶縁材料に応じて、絶縁距離や保護構造を決めます。

保護接地、ヒューズ、温度保護、難燃材料、端子カバーなどを組み合わせます。

適合性評価

対象法令に定められた手順に従って、設計評価、試験、品質管理などを行います。

製品によっては製造者による自己適合宣言が可能ですが、特定の製品・条件では第三者機関の関与が必要になる場合があります。

試験機関の利用

EMC、安全、無線などの試験を外部試験所へ依頼することがあります。

試験対象の構成、ソフトウェア版、ケーブル、周辺機器を量産品と一致させます。合格した試作品と量産品が異ならないよう変更管理を行います。

技術文書

技術文書には、製品を評価した根拠をまとめます。

  • 製品仕様と用途
  • 設計図、回路図、部品表
  • 適用法令・規格一覧
  • リスクアセスメント
  • 試験報告書・計算書
  • 取扱説明書・警告表示
  • 適合宣言書

EU適合宣言

製造者または責任を負う事業者が、製品が対象法令へ適合することを宣言する文書です。

製品識別、製造者情報、適用法令、使用規格、署名者などを記載します。

CEマークの表示

CEマークは、規定された形状と比率を守り、製品、銘板、包装、文書などへ表示します。

容易に確認でき、消えにくい方法とします。表示場所は製品形状や対象法令の条件を確認します。

銘板表示

製品型式、製造者名、定格、製造番号などを銘板へ記載します。

完成品、制御盤、機械のどの単位で責任を負うかを明確にし、技術文書と製品識別を一致させます。

取扱説明書

対象市場で必要な言語へ翻訳し、設置、使用、保守、安全上の注意を記載します。

翻訳によって意味が変わらないよう、警告文、単位、操作名称を統一します。

完成機械と部分完成機械

他の機械へ組み込まれることを前提とし、単独では特定用途を果たさない装置は、完成機械と異なる扱いになる場合があります。

組込宣言、組立説明書、最終機械側での適合評価など、責任範囲を整理します。

制御盤単体と設備全体

制御盤単体で試験しても、長い外部配線、モーター、センサを接続した完成設備ではEMC性能が変わる場合があります。

どの構成を製品として出荷し、どこまでを評価対象とするかを明確にします。

部品のCE表示

使用部品にCEマークがあっても、それだけで完成品全体の適合を保証するものではありません。

部品の使用条件、組込み方法、周辺回路を確認し、完成品として評価します。

設計変更

電源、基板、筐体、無線モジュール、ソフトウェアなどを変更した場合、過去の評価が引き続き有効かを確認します。

変更内容に応じて、リスク評価、試験、技術文書を更新します。

量産品の管理

試験合格品と量産品の部品、配線、ファームウェアを一致させます。

代替部品の採用や基板改版時には、EMC・安全性能への影響を評価します。

輸入者・代理人

EU域外の製造者が製品を販売する場合、輸入者や代理人に一定の義務が生じる場合があります。

技術文書の提示、製品表示、市場からの問い合わせ対応など、関係者の役割を確認します。

市場監視

当局から技術文書や適合根拠の提示を求められる場合があります。

文書を所定期間保存し、製品型式、製造番号、出荷先を追跡できるようにします。

異常・不適合時の対応

市場で安全・適合上の問題が見つかった場合は、原因調査、出荷停止、是正、顧客通知などを検討します。

変更履歴と出荷履歴を管理し、影響範囲を特定します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、機器、制御盤、設備の輸出先と構成を確認し、適用が考えられる法令・規格を整理します。

回路、筐体、制御、EMC対策、技術文書、試験機関との調整を含め、CEマーキング対応を検討します。

よくある質問

Q. CEマーク付き部品を使えば完成品も適合しますか?

A. 部品の適合は参考になりますが、完成品の構成と使用条件で改めて評価する必要があります。

Q. CEマーキングは必ず第三者認証が必要ですか?

A. 製品と適用法令によって異なり、自己適合宣言が可能な場合と第三者関与が必要な場合があります。

Q. EMC試験だけでCEマーキングできますか?

A. 製品に適用されるすべての法令を確認し、安全、機械、無線、RoHSなども評価する必要があります。

Q. 制御盤だけCE対応すれば設備全体も適合しますか?

A. 完成設備では外部配線や機械的危険を含めた評価が必要です。

Q. 設計変更後も以前の試験結果を使えますか?

A. 変更による影響を評価し、必要に応じて追加試験や技術文書更新を行います。

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FCC認証とは、米国で使用・販売される無線機器やデジタル機器について、電波利用と電磁妨害に関する要求への適合を確認する制度です。FCCはFederal Communications Commissionの略で、米国の連邦通信委員会を指します。

対象となる手続きは、製品が意図的に電波を送信する無線機器か、デジタル回路から不要な電波を発生する機器かによって異なります。Wi-Fi、Bluetooth、LTEなどを搭載した製品では、無線モジュールの認証条件と完成品の構成を確認する必要があります。

ハカルプラスでは、米国向け製品の無線機能、クロック周波数、筐体、アンテナ、外部ケーブルを確認し、必要なFCC対応と試験構成を検討します。

FCC対応の目的

  • 他の無線・通信機器へ有害な妨害を与えない
  • 認められた周波数・出力条件で無線を使用する
  • 米国市場での販売条件を満たす
  • 認証情報、表示、取扱説明書を整備する
  • 量産品を試験・認証した構成と一致させる

意図的放射機器

通信のために意図的に電波を送信する機器が該当します。

Wi-Fi、Bluetooth、無線リモコン、特定周波数の送信機、セルラー通信などが例です。周波数、送信出力、帯域幅、不要放射などを評価します。

非意図的放射機器

無線通信を目的としなくても、マイコン、クロック、スイッチング回路などから不要な高周波が放射される機器があります。

パソコン周辺機器、制御装置、計測器などでは、伝導・放射エミッションを評価する場合があります。

産業用機器の確認

工場内だけで使用する装置であっても、搭載回路や無線機能によってFCC要求の対象となる場合があります。

使用場所だけで判断せず、製品機能、販売形態、接続機器を確認します。

無線モジュールの認証

FCC認証済みのWi-Fi・Bluetoothモジュールを採用すると、無線部の評価を簡略化できる場合があります。

ただし、指定アンテナ、アンテナ利得、シールド、電源、設置距離など、モジュール認証時の条件を守る必要があります。

完成品としての評価

認証済みモジュールを使用しても、完成品のデジタル回路や電源から発生する不要放射の確認が必要になる場合があります。

モジュールと他の送信機を同時使用する場合や、認証条件外のアンテナを使用する場合は追加評価が必要になることがあります。

アンテナの選定

無線モジュールの認証で認められたアンテナ形式、利得、コネクタを確認します。

高利得アンテナへの変更、延長ケーブルの追加、アンテナ位置変更によって送信特性が変化する可能性があります。

アンテナと人体の距離

無線機器では、人体への高周波曝露に関する評価が必要になる場合があります。

固定設備、携帯機器、身体へ近接して使用する機器では条件が異なります。想定する設置・使用距離を明確にします。

送信出力

無線機器は、使用周波数帯ごとに認められた送信出力や電力密度の条件を満たす必要があります。

ソフトウェア設定で出力を変更できる場合は、出荷地域に応じた設定が保持され、利用者が規定外へ変更できないようにします。

周波数帯

米国で利用できる無線周波数やチャンネルは、他地域と異なる場合があります。

日本・欧州向けと同じ設定のまま出荷せず、地域設定、チャンネル、帯域幅を確認します。

不要放射

送信周波数以外に発生する高調波やスプリアス放射が規定値を超えないことを確認します。

アンテナ、基板、電源、シールド、クロックが影響します。無線モジュール周辺のレイアウト条件を守ります。

伝導エミッション

電源線を通じて外部へ流出する高周波ノイズを測定する場合があります。

AC電源機器では、電源フィルタ、接地、スイッチング電源、筐体構造が結果へ影響します。

放射エミッション

機器や外部ケーブルから空間へ放射される不要電波を測定します。

筐体の開口部、ケーブル長、シールド接続、基板クロックなどを確認します。試験時の配線状態を実使用に近づけます。

クラス区分

デジタル機器では、使用環境に応じた区分が設けられています。

住宅環境で使用される機器は、一般に工業・商業環境向けより厳しい放射制限が求められる場合があります。

試験構成

製品本体だけでなく、電源、通信ケーブル、センサ、周辺機器を含めて構成します。

複数動作モードがある場合は、最も高い放射が予想される状態を確認します。

ケーブルの影響

長い外部ケーブルはアンテナのように動作し、不要放射を増やすことがあります。

シールド、フェライト、接地、コネクタ処理を設計し、取扱説明書で使用可能なケーブル条件を指定する場合があります。

筐体とシールド

金属筐体やシールドケースは不要放射を抑えますが、開口部、継ぎ目、樹脂窓から漏れる場合があります。

無線アンテナの放射を妨げず、デジタル回路のノイズを抑える配置を検討します。

基板設計

高速クロックの配線を短くし、リターン経路を確保します。

電源デカップリング、グランド面、コネクタ近傍のフィルタを適切に配置し、外部ケーブルへ高周波電流を流さないようにします。

認証手続き

製品分類に応じて、試験、技術資料、認証申請などの手続きを行います。

無線送信機では、認定試験所や認証機関を介した手続きが必要になる場合があります。

FCC ID

認証された無線機器には、FCC IDが付与されます。

モジュールを組み込む場合は、完成品に内蔵モジュールのFCC IDを示す表示が必要になる場合があります。

製品ラベル

製品へFCC ID、適合表示、製品識別などを表示します。

製品が小さく本体表示が難しい場合の取扱いも含め、適用される表示条件を確認します。

取扱説明書の記載

利用者へ必要な適合文言、改造禁止、干渉発生時の対応などを記載する場合があります。

認証時に指定されたアンテナや設置方法がある場合は、その条件も説明します。

ソフトウェアによる地域制御

複数地域へ共通ハードウェアを出荷する場合、ソフトウェアで使用チャンネルや出力を切り替えることがあります。

利用者が不正な地域設定へ変更できないようにし、更新後も規制条件を維持します。

複数無線の同時送信

Wi-Fi、Bluetooth、LTEなど複数の送信機を同時に搭載する場合、相互干渉や合成した高周波曝露を確認します。

アンテナ間距離、同時送信条件、認証済み構成を確認します。

設計変更

アンテナ、無線モジュール、基板、筐体、電源などを変更すると、認証への影響が生じる場合があります。

変更区分を確認し、追加試験、資料更新、再申請が必要かを判断します。

量産管理

認証試験を行った構成と量産品を一致させます。

モジュール型式、アンテナ、基板版、ソフトウェア地域設定を製造記録へ残します。

輸入・販売時の責任

米国内で製品を販売する事業者には、表示、文書、適合状態の維持などの責任が生じる場合があります。

製造者、輸入者、販売者の役割を整理します。

異常・不適合時の対応

認証条件外の部品使用や不要放射の超過が見つかった場合は、出荷停止、原因調査、是正、再評価を行います。

対象製造番号と出荷先を追跡できるようにします。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、米国向け計測機器、制御機器、無線機器の構成を確認し、対象となるFCC要求を整理します。

認証済みモジュールの採用条件、アンテナ、EMC対策、試験構成、製品表示を含めた対応を検討します。

よくある質問

Q. FCC認証済み無線モジュールを使えば完成品の試験は不要ですか?

A. 無線部を簡略化できる場合がありますが、完成品の不要放射やモジュール使用条件の確認が必要です。

Q. 日本向け無線設定のまま米国で使用できますか?

A. 利用可能な周波数・チャンネル・出力が異なる場合があるため、米国向け設定を確認します。

Q. アンテナを高利得品へ変更できますか?

A. 認証条件を外れる可能性があるため、認められた種類と利得を確認する必要があります。

Q. 無線機能がなくてもFCC対応が必要ですか?

A. 高速デジタル回路から不要放射が発生する機器では、対象となる場合があります。

Q. 筐体や基板を変更した場合は再試験が必要ですか?

A. 放射特性への影響を評価し、必要に応じて追加試験や申請更新を行います。

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RoHS指令とは、電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用を制限するEUの法令です。鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、一部の臭素系難燃剤、フタル酸エステル類などが対象となります。

RoHS対応では、完成品を分析するだけでなく、部品、はんだ、電線、樹脂、塗装、めっきなどの均質材料ごとに規制物質の含有状況を確認します。サプライヤーからの証明書や材料データを収集し、適合根拠を維持することが重要です。

ハカルプラスでは、製品構成、輸出先、使用部品、適用除外を確認し、部品調査、証明書管理、設計変更時の確認を含むRoHS対応を検討します。

RoHS指令の目的

  • 電気電子機器に含まれる有害物質を削減する
  • 廃棄・リサイクル時の環境と健康への影響を抑える
  • サプライチェーン全体で材料情報を管理する
  • EU市場へ出荷する製品の適合根拠を整備する

対象となる製品

電気・電子機器を広く対象としますが、用途、製品区分、固定設備への組込み、適用除外などにより判断が異なる場合があります。

制御盤、計測機器、センサ、通信機器、付属ケーブルなど、それぞれの位置付けを確認します。

規制対象物質

代表的な規制物質には、次のようなものがあります。

  • 水銀
  • カドミウム
  • 六価クロム
  • ポリ臭化ビフェニル
  • ポリ臭化ジフェニルエーテル
  • 特定のフタル酸エステル類

対象物質と最大許容濃度は、最新の法令と適用条件を確認します。

均質材料

RoHSの濃度基準は、製品全体の平均ではなく、機械的に分離できる均質材料単位で評価します。

例えば、電線の導体、被覆、端子めっき、コネクタ樹脂は別々の均質材料として考えます。

鉛は、はんだ、合金、ガラス、セラミックなどに使用されることがあります。

鉛フリーはんだを使用していても、電子部品内部やめっき、合金へ含まれる場合があるため、部品全体の材料情報を確認します。

カドミウム

カドミウムは、めっき、顔料、接点材料などに含まれる可能性があります。

他の対象物質より厳しい最大濃度が設定されることがあるため、材料証明を確認します。

六価クロム

六価クロムは、防錆処理、クロメート処理などに使用されてきました。

ねじ、板金、筐体部品の表面処理仕様を確認し、三価クロム処理などの代替技術を使用します。

臭素系難燃剤

樹脂や基板材料の難燃化に使用される物質のうち、特定のものが規制対象です。

難燃材料であることだけで判断せず、対象物質の含有情報を確認します。

フタル酸エステル類

軟質樹脂の可塑剤として、電線被覆、ケーブル、樹脂部品などに使用される場合があります。

古い部品や長期継続品では、追加された規制物質への対応状況を再確認します。

適用除外

技術的に代替が困難な用途では、特定条件で適用除外が設定される場合があります。

除外には対象用途と期限があり、永久に使用できるとは限りません。適用根拠、期限、代替状況を管理します。

除外期限の管理

使用している部品が適用除外へ依存する場合、除外の更新、終了、条件変更を確認します。

期限終了直前に代替部品を探すのではなく、早期に置換計画を検討します。

部品調査

部品メーカーや商社から、RoHS適合証明、含有化学物質情報、分析報告書などを入手します。

型式、製造場所、材料変更によって適合状態が異なる場合があるため、対象部品を明確にします。

適合証明書

サプライヤーの適合証明書には、対象法令、対象物質、部品型式、発行日などが記載されます。

単に「環境対応品」と書かれた資料ではなく、必要な規制物質と版に対応しているかを確認します。

材料宣言

部品に含まれる化学物質や材料構成を所定様式で回答する仕組みがあります。

顧客指定様式や業界共通の情報伝達様式を利用し、部品表と関連付けて管理します。

分析試験

証明書が得られない、情報の信頼性が不足する、リスクが高い部品では分析試験を行う場合があります。

蛍光X線分析によるスクリーニングや、詳細な化学分析を利用します。測定方法と検出限界を確認します。

蛍光X線分析

部品を大きく破壊せず、鉛、カドミウム、臭素、クロムなどの元素を測定できます。

元素の存在は確認できますが、六価クロムか三価クロムか、対象臭素化合物かを直接区別できない場合があります。必要に応じて追加分析を行います。

部品表との連携

製品の部品表へ、各部品のRoHS適合状態、証明書、除外番号を関連付けます。

未確認部品が含まれる製品を抽出し、出荷前に確認できるようにします。

購入品の管理

同じ仕様に見える代替品でも、材料や表面処理が異なる場合があります。

RoHS確認済みのメーカー・型式を指定し、無断代替を防止します。

はんだと実装

鉛フリーはんだは、従来の鉛入りはんだより融点が高くなる傾向があります。

部品耐熱、基板設計、こて温度、リフロー条件、接合信頼性を確認します。

修理・保守部品

量産時はRoHS対応でも、修理時に古い非対応部品や鉛入りはんだを使用すると、製品状態が変わります。

保守部品、修理材料、作業手順も含めて管理します。

梱包材と付属品

RoHSの直接対象範囲は製品区分によりますが、付属ケーブル、ACアダプタ、リモコンなども別の電気電子機器として対象になる場合があります。

完成品に同梱するすべての電気部品を確認します。

CEマーキングとの関係

EU向け電気電子機器では、RoHS指令への適合がCEマーキングの対象となる場合があります。

EU適合宣言、技術文書へRoHSの適合根拠を含めます。

技術文書

適用判断、部品表、サプライヤー証明、分析結果、除外根拠などを保存します。

製品型式と使用部品の版を対応付け、どの出荷品にどの部品が使用されたかを追跡できるようにします。

変更管理

部品メーカーの製造場所、材料、めっき、樹脂が変更されると、適合状態が変わる可能性があります。

部品変更申請時にRoHS情報を確認し、必要な証明書を更新します。

サプライヤー管理

新規取引先や部品採用時に、環境規制への対応体制を確認します。

証明書の発行方法、変更通知、調査回答の期間を購買条件へ含めることがあります。

在庫管理

対応品と非対応品が同じ倉庫に混在すると、誤使用の可能性があります。

型式、ラベル、保管場所を分け、切替時には旧在庫の扱いを決めます。

顧客への回答

顧客からRoHS適合証明や含有調査を求められる場合があります。

製品型式、対象法令、適用除外を明確にし、部品情報と整合する回答を作成します。

法令改正への対応

規制物質、適用範囲、除外条件は変更される可能性があります。

最新情報を定期確認し、既存製品の部品調査と設計変更を計画します。

不適合時の対応

規制物質の超過や証明不備が判明した場合は、対象部品、製品、製造期間、出荷先を特定します。

出荷停止、代替部品への切替、顧客連絡、技術文書更新を行います。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、製品の部品表と輸出先を確認し、RoHS調査が必要な部品・材料を整理します。

部品メーカーへの調査、証明書管理、適用除外、代替部品、設計変更を含めた対応を検討します。

よくある質問

Q. 完成品全体の含有量が基準以下なら適合しますか?

A. 製品全体の平均ではなく、均質材料ごとの含有濃度で評価します。

Q. RoHS対応部品だけを使えば製品も適合しますか?

A. はんだ、電線、塗装、付属品などを含むすべての構成材料を確認する必要があります。

Q. 適用除外を使えば継続して同じ部品を使えますか?

A. 除外には用途と期限があるため、最新条件と終了時期を管理します。

Q. 分析試験はすべての部品に必要ですか?

A. 通常はサプライヤー資料を基礎とし、情報不足や高リスク部品で分析を検討します。

Q. 修理時のはんだや交換部品も管理が必要ですか?

A. 修理後も適合状態を維持するため、保守材料と交換部品も管理します。

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VCCI Class Bとは、電子機器から発生する妨害波について、VCCI協会が定めるクラスBの許容値を満たしたマルチメディア機器の区分です。

電子機器は、クロック信号、スイッチング電源、通信回路などの動作によって、意図しない電磁ノイズを発生することがあります。妨害波が大きいと、周囲のラジオ、テレビ、通信機器などへ影響を与える可能性があります。

ハカルプラスでは、メディカルケア製品の一部でVCCI Class Bへの適合実績があります。また、回路、基板、電源、ケーブル、筐体を含め、製品から発生する妨害波を抑えるハードウェア設計に対応しています。

VCCIとは

VCCIは、日本国内へ出荷されるマルチメディア機器を主な対象として、機器から発生する妨害波を抑制するための自主規制制度です。

法律に基づく強制認証とは異なりますが、VCCIマークを表示するには、VCCI協会の規程に従って適合確認試験と届出を行う必要があります。

一般的には、製品の適用範囲とクラスを確認し、登録された測定設備で試験を行います。許容値への適合を確認した後、出荷前に届出を行い、製品や取扱説明書へ所定の表示を行います。

Class AとClass Bの違い

区分 主な使用環境 考え方
Class A 主に商業・工業環境 Class Aの妨害波許容値を満たす機器
Class B 主に住宅環境 住宅環境の放送受信などを考慮した許容値を満たす機器

一般にClass Bは、住宅環境での使用を想定するため、Class Aより厳しい妨害波の許容値が設定されています。

ただし、Class Bは製品の性能、耐久性、安全性などがClass Aより優れていることを示すものではありません。あくまで、機器から外部へ放出される妨害波に関する区分です。

放射妨害波と伝導妨害波

放射妨害波

筐体、基板、配線、ケーブルなどから、空間へ電波として放射される妨害波です。高速なクロック信号や長いケーブルがアンテナのように働くことがあります。

伝導妨害波

電源線や通信線を通じて外部へ伝わる妨害波です。スイッチング電源、DC-DCコンバータ、モーター駆動回路などから発生したノイズが、配線を介して周辺機器へ伝わります。

VCCI Class Bへの適合を目指す場合は、基板からの放射だけでなく、電源線や通信線を通じたノイズも考慮します。

VCCIとEMCの関係

EMCは「Electromagnetic Compatibility」の略で、日本語では電磁両立性と呼ばれます。

  • エミッション:機器から発生する妨害波を抑えること
  • イミュニティ:外部から受ける電磁ノイズに耐えること

VCCIが主に対象とするのはエミッションです。静電気、雷サージ、放射電磁界、電源瞬断などに対する耐性は、イミュニティ試験として別に評価します。

そのため、VCCI Class Bに適合していても、外部ノイズによる誤動作への耐性まで保証されるわけではありません。

設計段階で行う妨害波対策

回路・基板パターン

高速信号の配線を短くし、リターン電流が適切に流れる経路を確保します。クロック回路、電源回路、入出力回路の配置を整理し、ノイズ源と影響を受けやすい回路を分離します。

電源回路

バイパスコンデンサ、フィルタ、フェライトビーズなどを適切に配置し、電源線へ流れる高周波ノイズを抑えます。

部品を追加するだけでなく、部品の配置やグランドへの接続経路も重要です。配線が長いと、期待した効果を得られない場合があります。

ケーブル・コネクタ

電源線や通信線は、基板内のノイズを外部へ伝える経路や、電波を放射するアンテナになることがあります。

コネクタ付近へフィルタや保護回路を配置し、必要に応じてシールドケーブルやフェライトコアを使用します。

筐体・接地

金属筐体やシールド部材を利用して放射を抑えます。ただし、開口部、接合部、ケーブル引出口などからノイズが漏れることがあるため、機械設計と回路設計を連携させます。

信号グランド、筐体、ケーブルシールド、保護接地について、高周波電流がどの経路を流れるかを考慮して構成します。

開発段階での予備評価

完成品の正式試験で許容値を超えると、基板、回路、筐体などの大幅な変更が必要になる場合があります。そのため、試作段階から簡易的な評価を行います。

  • 近傍界プローブによる発生源の確認
  • 電源線・通信線に流れるノイズの測定
  • 筐体へ組み込んだ状態での予備測定
  • ケーブルや周辺機器を接続した状態での確認
  • 動作モードごとの比較

測定値が許容値を下回るだけでなく、部品ばらつきや量産時の変化を考慮した余裕を確保することが重要です。

試験構成で注意する点

妨害波は、製品の動作状態や接続条件によって変化します。適合確認試験では、妨害波が大きくなりやすい条件を考慮して構成を決めます。

  • 代表的な動作モード
  • 接続する周辺機器
  • 電源・通信ケーブルの種類と長さ
  • 使用する電源アダプター
  • オプション機器の構成
  • 基板・筐体・ソフトウェアのバージョン

製品単体では問題がなくても、長い通信ケーブルや外部電源を接続すると測定結果が悪化することがあります。

量産後の変更管理

適合確認後に部品、基板、電源、筐体、ケーブルなどを変更すると、妨害波の周波数や大きさが変化する可能性があります。

特に、DC-DCコンバータ、クロック部品、電源アダプター、通信部品などの変更は影響が大きい場合があります。変更内容を確認し、必要に応じて予備測定や再評価を行います。

量産中の部品変更へ対応するため、試験時の構成、部品表、基板版数、ソフトウェア版数を記録しておくことが重要です。

ハカルプラスのVCCI Class B対応

ハカルプラスでは、メディカルケア製品の一部でVCCI Class Bの許容値に適合した製品の開発実績があります。

計測機器、通信機器、表示機器などの開発で培った技術を活用し、回路、基板、電源、通信インターフェース、ケーブル、筐体を含めて妨害波対策を検討します。

試作段階でのノイズ確認、発生源と伝達経路の切り分け、フィルタやシールドの検討、正式試験に向けた構成整理まで、製品仕様に応じて対応します。

よくある質問

Q. VCCI Class Bに適合すれば住宅で必ず問題なく使用できますか?

A. 妨害波を抑えた製品であることを示しますが、接続するケーブル、周辺機器、設置条件によって状態が変わるため、あらゆる環境で妨害が発生しないことを保証するものではありません。

Q. Class BはClass Aより高品質という意味ですか?

A. 違います。Class AとClass Bは妨害波の許容値と想定環境に関する区分であり、製品の性能、安全性、耐久性の優劣を示すものではありません。

Q. VCCIに適合すればイミュニティ試験は不要ですか?

A. VCCIは主に機器から発生する妨害波を対象とします。外部ノイズへの耐性が必要な製品では、静電気、サージ、放射電磁界などの試験を別途検討します。

Q. 正式試験で不適合になった場合は対策できますか?

A. 測定周波数、動作条件、ケーブル、発生源を確認し、基板、フィルタ、シールド、接地などを見直します。ただし、大幅な変更を避けるため、試作段階から予備評価することが重要です。

Q. 適合確認後に部品を変更できますか?

A. 変更自体は可能ですが、妨害波特性へ影響する場合があります。変更部品の機能や配置を確認し、必要に応じて再測定や再評価を行います。

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