Technology

結露対策設計

(けつろたいさくせっけい)

結露対策設計とは、筐体、制御盤、電子機器、センサなどの内部や表面に水滴が発生し、腐食、絶縁低下、短絡、誤動作が起こることを防ぐための設計です。屋外設備、冷蔵・冷凍設備、高湿度環境、温度変化の大きい場所では特に重要です。

結露は、空気中の水蒸気を含む量と、機器表面の温度によって発生します。防滴構造だけでは内部結露を防げないため、温度、湿度、換気、密閉、断熱、加温を組み合わせて対策します。

ハカルプラスでは、設置環境、筐体構造、発熱量、電源条件を確認し、板金・樹脂ケース設計、ヒーター、換気、温度・湿度監視を含む結露対策を検討します。

結露が発生する仕組み

空気中には水蒸気が含まれており、温度が低下すると保持できる水蒸気量が減少します。空気または物体表面の温度が露点温度を下回ると、水蒸気が水滴となって現れます。

例えば、冷えた筐体内へ暖かく湿った空気が入った場合や、夜間に屋外盤の表面温度が低下した場合に結露が発生しやすくなります。

結露が起こりやすい環境

  • 昼夜の温度差が大きい屋外
  • 冷蔵庫、冷凍庫、低温倉庫の周辺
  • 洗浄水や蒸気を使用する工場
  • 地下、ピット、沿岸部など湿度の高い場所
  • 装置停止後に内部温度が急低下する設備
  • 空調された室内と屋外を移動する機器

筐体が密閉されていても、組立時に内部へ入り込んだ湿気や、パッキン、ケーブル引込部から徐々に侵入した水分によって結露する場合があります。

結露による機器への影響

基板や端子へ水滴が付着すると、絶縁抵抗が低下し、短絡や漏電が起こる可能性があります。水分に粉じんや塩分が混ざると導電性が高まり、腐食も進みやすくなります。

  • 基板パターンや端子の腐食
  • センサ入力やアナログ信号の変動
  • リレー、スイッチ、コネクタの接触不良
  • 絶縁低下による漏電・地絡
  • 表示器や透明窓の曇り
  • カビや異臭の発生

筐体の密閉と換気

外気の侵入を抑えるために筐体を密閉する方法があります。ただし、完全密閉が困難な場合や、内部に湿気が残った場合は、かえって水分が抜けにくくなります。

自然換気を行う場合は、通気口へ防水・防じんフィルタを設けます。通気膜を利用すると、気圧差を調整しながら液体水の侵入を抑えられる場合があります。

盤用ヒーターによる対策

盤内ヒーターで内部温度を周囲よりわずかに高く保つと、部品表面が露点温度を下回りにくくなります。設備停止中や夜間だけヒーターを運転する方法もあります。

ヒーター容量が不足すると効果が得られず、過大だと部品温度上昇や消費電力増加につながります。筐体容積、断熱性、外気温、換気量を考慮して選定します。

湿度調節器と温度制御

湿度調節器を使い、盤内湿度が設定値を超えたときにヒーターやファンを運転できます。温度調節器と組み合わせ、低温時のみ加温する構成もあります。

湿度だけでなく温度も測定し、露点に近づいた段階で加温する制御を行うと、必要以上のヒーター運転を抑えられます。

断熱と熱橋対策

筐体の一部だけが外気で冷やされると、その部分が最初に結露します。金属製の取付金具、ボルト、筐体壁などが熱を伝える経路を熱橋と呼びます。

断熱材、二重構造、樹脂スペーサなどを使用し、局所的な低温部を減らします。ただし、断熱材が水分を吸収すると性能が低下するため、材質と施工方法を確認します。

水抜きと排水構造

結露を完全に防げない設備では、発生した水が電子部品へ到達しない構造とします。筐体底部に水がたまらないよう傾斜や排水口を設け、端子台や基板を底面から離して配置します。

ケーブルを伝って水が浸入しないよう、引込部の位置、ケーブルグランド、ドリップループを検討します。

基板・部品側の対策

基板へ防湿コーティングを施すと、水分や腐食性物質から回路を保護できます。ただし、コネクタ、スイッチ、調整部品など、塗布できない部分があります。

防湿コーティングだけに依存せず、筐体構造、温度管理、部品配置と併用します。腐食しにくい端子・ねじ・金属材料の選定も重要です。

放熱設計との両立

結露対策のために筐体を密閉すると、内部の熱が逃げにくくなります。一方、通風口を増やすと湿気や粉じんが侵入しやすくなります。

発熱量が大きい場合は、密閉型熱交換器、筐体外部のヒートシンク、盤用クーラーなどを検討し、防滴・防じんと放熱を両立させます。

異常時の確認

盤内に水滴や腐食が見つかった場合は、パッキン、ケーブル引込部、通気口からの浸水か、内部結露かを切り分けます。雨天時だけ発生する場合は浸水、急な気温変化や設備停止後に発生する場合は結露が疑われます。

ヒーター、ファン、湿度調節器が正常に動作しているか、通気口やフィルタが詰まっていないかも確認します。

保守と定期点検

筐体内部の水滴、さび、緑青、変色、カビを点検します。パッキンの硬化や亀裂、ケーブルグランドの緩み、排水口の詰まりも確認します。

温湿度を継続記録すると、結露が発生しやすい時間帯や運転条件を把握できます。異常傾向が見られた場合は、ヒーター設定や換気方法を見直します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、屋内・屋外、温度、湿度、洗浄水、粉じんなどの条件を確認し、筐体、パッキン、通気、断熱、盤用ヒーターを含む結露対策を検討します。

温度・湿度センサ、警報、ヒーター制御、通信、履歴保存を組み合わせ、結露リスクを監視できる構成にも対応します。

よくある質問

Q. 防滴構造なら結露は発生しませんか?

A. 防滴構造は外部からの水の侵入を抑えますが、内部の湿気や温度変化による結露は別途対策が必要です。

Q. 密閉すれば結露を防げますか?

A. 湿気の侵入は抑えられますが、内部に水分が残ると結露する場合があります。

Q. 盤用ヒーターは常時運転が必要ですか?

A. 使用環境によって異なります。温度・湿度条件に応じて自動運転する方法があります。

Q. 防湿コーティングだけで十分ですか?

A. 回路保護には有効ですが、端子やコネクタを含め、筐体と温湿度管理を組み合わせる必要があります。

Q. 既設盤へ結露監視を追加できますか?

A. 温湿度センサ、ヒーター、調節器、通信機器を追加できる場合があります。

関連ワード

お問い合わせ窓口

この技術について
お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォーム
お問い合わせ