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放熱設計

(ほうねつせっけい)

放熱設計とは、電子部品、電源回路、制御盤、モーターなどで発生する熱を外部へ逃がし、機器内部の温度を許容範囲に保つための設計です。温度上昇を抑えることで、部品故障、性能低下、絶縁劣化、寿命短縮を防ぎます。

放熱は、部品の選定だけでなく、基板配置、筐体形状、通風経路、ヒートシンク、ファン、設置環境を含めて検討します。発熱量が小さくても、密閉筐体や高温環境では内部温度が大きく上昇することがあります。

ハカルプラスでは、回路設計、基板設計、板金・樹脂ケース設計、制御盤設計を組み合わせ、使用環境に応じた放熱構造を検討します。

熱が発生する主な部品

  • 電源回路、トランス、DC-DCコンバータ
  • インバーター、サーボアンプ、パワー半導体
  • リレー、電磁接触器、端子台
  • CPU、マイコン、通信モジュール
  • 抵抗、整流器、レギュレータ
  • 盤内ヒーターやバックライト

発熱量は、消費電力と効率から見積もります。入力電力と出力電力の差は、主に熱として機器内部へ放出されます。

熱の伝わり方

熱は、伝導、対流、放射の三つの方法で移動します。

  • 伝導:部品から基板、ヒートシンク、筐体へ直接伝わる
  • 対流:空気や液体の流れによって運ばれる
  • 放射:赤外線として周囲へ放出される

実際の機器では、これらが同時に発生します。密閉筐体では外気との対流が制限されるため、筐体表面から外部へ熱を逃がす構造が重要です。

熱抵抗の考え方

部品の温度上昇は、発熱量と熱抵抗から概算できます。

温度上昇=発熱量×熱抵抗

例えば、発熱量が10W、周囲までの熱抵抗が5℃/Wであれば、温度上昇は約50℃となります。周囲温度が40℃なら、部品温度は約90℃に達する可能性があります。

自然空冷

自然空冷は、温められた空気が上昇する性質を利用して放熱する方法です。ファンを使用しないため、騒音、消費電力、保守部品を減らせます。

発熱部品を上部へ集中させると、下側の部品が温められる場合があります。吸気口を下部、排気口を上部に設け、空気の通り道を確保します。

強制空冷

自然空冷で温度を抑えられない場合は、ファンで空気を循環させます。必要風量は、発熱量、許容温度上昇、筐体内部の圧力損失から検討します。

ファンを設けても、空気が発熱部品を通らず短絡して流れると十分に冷却できません。導風板や部品配置により、冷却対象へ空気を流します。

ヒートシンク

ヒートシンクは、部品から受け取った熱を広い表面積から空気へ放出します。材質、表面積、フィン形状、取付方向、風速によって性能が変わります。

部品とヒートシンクの間には、熱伝導シートやグリスを使用し、微小な隙間による熱抵抗を低減します。絶縁が必要な場合は、熱伝導性と絶縁性の両方を確認します。

基板の放熱設計

基板では、銅箔面積を広げたり、サーマルビアで基板裏面へ熱を逃がしたりします。発熱部品の周囲に温度に弱い部品を配置しないことも重要です。

電解コンデンサ、電池、基準電圧回路、温度センサなどは、発熱部品やヒートシンクから距離を取ります。デジタル回路とアナログ計測回路の温度影響も考慮します。

制御盤の放熱

制御盤では、インバーター、電源、トランスなどの発熱量を合計し、盤内温度を見積もります。機器間には必要な放熱間隔を確保し、メーカー指定の取付方向を守ります。

盤用ファン、熱交換器、クーラーを使用する場合は、周囲温度、粉じん、湿度、油煙、屋外設置などの条件を確認します。

防滴・防じんとの両立

通風口を設けると放熱しやすくなりますが、水や粉じんが侵入しやすくなります。高い保護等級が必要な場合は、密閉型熱交換器、盤用クーラー、筐体表面放熱などを検討します。

フィルタ付きファンを使用すると、フィルタの目詰まりによって風量が低下します。保守周期と交換しやすさを考慮します。

周囲温度と設置条件

直射日光を受ける屋外盤、炉の近く、天井付近、狭い機械内部では、周囲温度が想定以上に高くなる場合があります。

カタログ上の機器定格は、指定された周囲温度や取付条件を前提としています。盤内温度が高い場合は、機器の負荷率を下げるディレーティングが必要になることがあります。

温度監視

重要設備では、盤内や発熱部品の近くに温度センサを設置します。上限温度で警報を出し、さらに上昇した場合は負荷を停止するなど、段階的な保護を行います。

ファン故障、フィルタ目詰まり、周囲温度上昇を履歴として保存すると、予防保全に活用できます。

異常時の確認

温度が高い場合は、ファン停止、フィルタ目詰まり、通風口閉塞、機器の過負荷、端子の接触不良を確認します。

一部だけ異常に高温となる場合は、締付け不良、部品劣化、放熱材のずれ、ヒートシンク取付不良などを点検します。サーモグラフィを利用すると温度分布を確認できます。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、発熱量、周囲温度、筐体寸法、防滴・防じん条件、設置方法を確認して放熱構造を検討します。

基板、ヒートシンク、板金ケース、制御盤、ファン、熱交換器、温度監視を組み合わせ、機器の安定運転と長寿命化を図ります。

よくある質問

Q. ファンを付ければ放熱問題は解決しますか?

A. 風量だけでなく、空気が発熱部品を通る経路、吸排気口、周囲温度を確認する必要があります。

Q. 密閉筐体でも放熱できますか?

A. 筐体表面、ヒートシンク、熱交換器、盤用クーラーなどを利用して放熱できます。

Q. ヒートシンクは大きいほどよいですか?

A. 放熱性能は高くなりやすいですが、取付方向、風量、熱接触、設置スペースも重要です。

Q. 盤内温度を遠隔監視できますか?

A. 温度センサと通信機器を組み合わせ、現在値、警報、履歴を遠隔監視できます。

Q. 既設制御盤の温度対策もできますか?

A. 発熱源、温度分布、設置環境を確認し、ファン、熱交換器、機器配置変更などを検討できます。

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