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UL規格
(ULきかく)
UL規格とは、主に北米市場で使用される電気製品、部品、制御盤、産業機械などについて、安全性を評価するための規格・認証体系です。感電、火災、過熱、機械的危険などを防止する観点から、部品、材料、配線、保護装置、構造を確認します。
ULマーク付き部品を使用するだけで、完成品や制御盤全体が自動的に認証されるわけではありません。部品の認定条件、使用電圧、温度、配線、短絡電流、筐体などを完成品として評価します。
ハカルプラスでは、輸出先、製品区分、電源、負荷、盤構成を確認し、UL認定部品、配線、保護、表示、検査を含む対応を検討します。
UL規格の主な目的
- 感電・火災・過熱のリスクを低減する
- 材料や部品の安全性を確認する
- 短絡・過負荷時の保護性能を確保する
- 北米市場で求められる認証条件を満たす
- 量産品を認証構成と同じ状態に維持する
UL Listed
完成品として評価され、所定の用途で使用できることを示す認証区分があります。
最終利用者が使用する機器や、完成品として出荷される装置に適用されることがあります。
UL Recognized Component
他の製品へ組み込む部品として評価された認定区分があります。
電源、端子台、リレー、樹脂材料などに見られます。使用条件や組込条件が定められているため、完成品設計で確認します。
部品の認定条件
認定部品には、最大電圧、最大電流、温度、取付方法、周辺部品などの条件が設定される場合があります。
認定マークがあっても、条件外で使用すると認定根拠を利用できない可能性があります。
産業用制御盤
北米向け産業用制御盤では、制御盤に関するUL規格や米国電気規程を考慮した設計が求められる場合があります。
主回路、分岐回路、制御回路、配線、短絡電流定格、盤表示などを確認します。
フィールド評価
認証を取得していない装置を現地へ設置した場合、現地で評価機関による確認を受けることがあります。
設計段階で要求を考慮せず、現地で大幅な改造が必要になることを避けるため、出荷前に適用条件を確認します。
短絡電流定格
制御盤が安全に耐えられる短絡電流の大きさを示す指標があります。一般にSCCRと呼ばれます。
設置場所で利用可能な短絡電流以上の定格を持つ必要があります。主遮断器だけでなく、分岐回路内の各部品が影響します。
SCCRの決定
遮断器、ヒューズ、接触器、端子台、電源装置などの短絡定格を確認します。
定格の低い部品が制御盤全体のSCCRを制限する場合があります。認められた組み合わせ定格を利用できることもあります。
過電流保護
電線と負荷を短絡・過負荷から保護するため、ヒューズや遮断器を設けます。
定格電流、遮断容量、配線サイズ、負荷特性を確認し、主回路と分岐回路で適切に保護します。
分岐回路と制御回路
動力負荷へ電力を供給する分岐回路と、リレーやPLCなどを動作させる制御回路では、適用する部品や保護方法が異なる場合があります。
補助回路用部品を分岐回路の保護装置として誤使用しないようにします。
ヒューズ
北米向け装置では、用途に応じたクラスや性能を持つヒューズを使用することがあります。
電流定格だけでなく、遮断容量、限流性能、対応ホルダを確認します。
遮断器
配線用遮断器、補助保護器などは、用途区分と認定条件が異なる場合があります。
見た目が似ていても、分岐回路保護へ使用できるかを確認します。
電線
盤内電線、機器配線、外部配線には、用途、温度、電圧に合った認定電線を使用します。
導体サイズはAWGで指定されることが多く、許容電流、端子適合範囲、温度定格を確認します。
AWG
AWGは北米で広く使用される電線サイズの表し方です。
数値が小さいほど導体が太くなるため、国内の平方ミリメートル表記と混同しないようにします。
端子台
端子台は、電圧、電流、電線サイズ、締付トルク、極数などの認定条件を確認します。
現地配線を接続する端子には、適用可能な電線材質や温度条件を表示する場合があります。
締付トルク
端子ねじの締付不足は発熱、緩み、火災の原因になります。
指定締付トルクを図面、盤表示、取扱説明書へ記載し、製造・保守時に管理します。
接地
金属筐体、扉、取付板、モーターフレームなどを保護接地へ接続します。
接地端子の識別、導体サイズ、接続順序、塗装除去などを確認します。
電気的間隔
異なる電位の導電部間には、空間距離と沿面距離を確保します。
使用電圧、回路区分、汚損、材料に応じて必要距離が変わります。端子や基板だけでなく、盤内配線も確認します。
筐体
筐体は、充電部への接触防止、火災拡大防止、環境保護などの役割を持ちます。
材質、厚さ、開口部、扉ロック、換気、接地を確認します。
エンクロージャタイプ
北米では、設置環境に応じた筐体のタイプ区分が使用されます。
屋内、屋外、粉じん、水、腐食などに対する保護を示します。IP等級と考え方が似ていますが、試験条件と評価範囲は同一ではありません。
IP等級との違い
IP保護等級と北米のエンクロージャタイプは、単純な一対一対応ではありません。
北米では腐食、氷結、油などを含む条件が評価される場合があります。輸出先要求に応じて適切な区分を確認します。
材料の難燃性
樹脂筐体、端子部品、絶縁材料などは、燃焼性区分や使用温度を確認します。
難燃性が高い材料でも、厚さや使用条件によって認定範囲が異なる場合があります。
温度上昇
端子、電線、電源、変圧器、抵抗器などの温度が、部品・材料の定格を超えないことを確認します。
盤内最高温度と周囲温度を考慮し、必要に応じて温度試験を行います。
電源装置
AC/DC電源には、入力、出力、絶縁、温度、過電流保護に関する認定条件があります。
オープンフレーム電源では、完成品側で筐体、空間距離、感電保護を追加する必要があります。
変圧器
制御用変圧器は、容量、電圧、温度、過電流保護を確認します。
一次側と二次側の保護、接地、分岐回路との関係を設計します。
モーター回路
モーター用の遮断器、ヒューズ、接触器、過負荷保護器を組み合わせます。
モーター定格電流、始動電流、運転方式、短絡電流を確認します。
インバーター
インバーターの入力保護、出力配線、モーター適合、短絡定格を確認します。
複数モーターを接続する場合や、出力側へ接触器を設ける場合は、メーカー条件に従います。
盤表示
電源定格、短絡電流定格、製造者、盤型式、警告、端子条件などを銘板やラベルへ表示します。
現地作業者が必要な情報を確認できる言語と位置へ表示します。
図面・文書
回路図、部品表、端子図、電線表、定格、締付トルクなどを整備します。
認定部品の型式と使用条件を記録し、無断代替を防止します。
フォローアップサービス
認証製品では、量産品が認証構成どおりに製造されているか、定期的な工場検査が行われる場合があります。
部品変更、材料変更、製造場所変更は、認証への影響を確認します。
代替部品
供給停止や納期対策で部品を変更する場合、認定条件、定格、SCCR、温度を確認します。
電気的仕様が同等でも、認証上は使用できない場合があります。
異常時の確認
端子や電線が発熱する場合は、締付トルク、電線サイズ、定格電流を確認します。
SCCRが不足する場合は、低定格部品、ヒューズ組み合わせ、分岐構成を点検します。現地検査で指摘された場合は、要求規格と認定条件を確認します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、北米向け制御盤や計測機器について、適用規格、電源、負荷、設置環境を確認します。
UL認定部品、SCCR、電線、端子、筐体、表示、図面を含め、制御盤設計や認証機関との調整に対応できる場合があります。
よくある質問
Q. UL認定部品だけを使えば盤全体も認証されますか?
A. 部品の使用条件、配線、保護、短絡定格、筐体を完成品として評価する必要があります。
Q. SCCRは主遮断器の定格だけで決まりますか?
A. 分岐回路内の各部品や組み合わせ定格も影響し、最も低い部分が制限する場合があります。
Q. IP65の筐体は北米でも同じ等級として扱えますか?
A. IP等級と北米の筐体タイプは試験条件が異なるため、別途確認が必要です。
Q. 国内向け電線をそのまま使用できますか?
A. 北米向け認定、温度、電圧、電線サイズ、端子適合を確認します。
Q. 部品変更時に認証機関への確認が必要ですか?
A. 認証条件へ影響する変更では、追加評価や登録変更が必要になる場合があります。
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