Technology
累積計量
(るいせきけいりょう)
累積計量とは、一つの計量器へ複数の原料を順番に投入し、それぞれの重量増加量を計測する方式です。前の原料を排出せずに次の原料を加え、合計重量を積み上げながら一つのバッチを作ります。
計量ホッパーやロードセルを共用できるため、設備を小型化しやすく、複数原料の配合設備で使用されます。一方、先に計量した原料の誤差や重量変動が後の原料へ影響するため、計量順序と制御方法が重要です。
ハカルプラスでは、原料数、配合量、必要精度、計量時間を確認し、累積計量に適した機械構成と計量制御を検討します。
累積計量の流れ
例えば、原料Aを100kg、原料Bを50kg、原料Cを20kg計量する場合、次のように進めます。
- 空の計量ホッパーをゼロ確認
- 原料Aを投入し、合計100kgで停止
- 原料Bを投入し、合計150kgで停止
- 原料Cを投入し、合計170kgで停止
- 全原料の計量完了後に一括排出
各原料の実績量は、投入前後の重量差から求めます。
個別計量との違い
個別計量では、原料ごとに専用の計量器を設けます。複数原料を同時に計量できるため時間を短縮しやすく、原料ごとの誤差も独立して管理できます。
累積計量は計量器を共用できるため、設備費、設置スペース、保守対象を減らしやすい方式です。ただし、原料を順番に計量するため、原料数が多いと計量時間が長くなります。
計量順序
計量順序は、投入量、供給速度、付着性、誤差の影響を考慮して決めます。少量原料を最後に計量すると、計量ホッパーの合計重量が大きくなり、小さな重量変化を検出しにくくなる場合があります。
一方、少量原料を先に入れると、後から投入する大量原料の衝撃や混合によって飛散・付着することがあります。製造条件を確認して順序を決定します。
ロードセル容量と分解能
ロードセルは、計量ホッパー自重と全原料の最大合計重量を支えられる容量が必要です。累積計量では最終重量が大きくなるため、少量原料に対する分解能が不足しやすくなります。
例えば、最大計量量が数トンの計量器で数百グラムを正確に計量することは難しい場合があります。大小原料の比率が大きい場合は、小量原料だけ別計量とする方法もあります。
各原料の計量値
原料Bの実績重量は、原料B投入後の合計重量から、投入前の合計重量を差し引いて求めます。
そのため、投入前後の重量が安定していることが重要です。前原料の落下やホッパー振動が残っていると、差分計量値に誤差が生じます。
粗供給・微供給
各原料について、目標値から離れている間は粗供給、目標値へ近づいたら微供給へ切り替えます。
原料ごとに流動性、落差、供給速度が異なるため、粗供給停止点、微供給停止点、補正値を個別に設定します。
落差補正
供給機を停止した後も空中にある原料が落下するため、目標値より手前で供給を停止します。累積計量では、現在の合計重量に、対象原料の目標増加量を加えた値を停止基準とします。
前回実績から過量・不足を学習し、原料ごとの落差補正値を更新すると精度を安定させやすくなります。
誤差の累積
先に計量した原料の誤差は、最終合計重量にも含まれます。ただし、後続原料の実績量は投入前後の差分で求めるため、前原料の重量誤差がそのまま後原料の差分へ加わるとは限りません。
一方、ゼロドリフト、振動、原料の落下継続などは後続計量へ影響します。各工程で安定判定を行います。
少量原料への対応
添加剤や顔料など少量原料は、計量器全体の容量に対して割合が小さく、精度を確保しにくいことがあります。
小型計量器で別計量する、手計量して投入する、専用フィーダーを使用するなどの方法を検討します。手計量では、バーコード照合や自動記録化を組み合わせることができます。
原料切替と誤投入防止
累積計量では、複数の供給装置が同じ計量ホッパーへ接続されます。誤った供給機が動作すると、計量済み原料を分離できないため、バッチ全体が不良になる可能性があります。
配合データ、原料番号、供給機番号を照合し、対象原料以外は起動できないインターロックを設けます。
計量時間
原料を順番に計量するため、計量時間は各原料の供給時間と安定待ち時間の合計となります。生産能力を上げるには、供給能力、粗供給・微供給切替、安定判定時間を最適化します。
計量と下流工程を並行して行える設備構成も検討します。
排出と残留
全原料の計量完了後、計量ホッパーから一括して排出します。原料が壁面やゲートに残ると、次バッチへ持ち越されます。
ホッパー角度、内面仕上げ、ゲート開口、バイブレータなどを検討し、排出後のゼロ重量を確認します。
計量実績の保存
原料ごとの目標値、実績値、誤差、計量順序、補正値、警報を保存します。最終合計重量だけでなく、各原料の差分実績を記録することが重要です。
配合管理やトレーサビリティに使用し、上位システムへ送信することもできます。
異常時の確認
後半の原料だけ誤差が大きい場合は、ロードセル容量、重量安定、計量順序を確認します。計量時間が長い場合は、微供給量や安定判定条件を見直します。
最終重量が合わない場合は、各原料実績、排出残り、供給途中の原料落下を確認します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、原料ごとの投入量、供給能力、計量順序を確認し、計量ホッパーとロードセルを選定します。
配合管理、粗供給・微供給、落差補正、安定判定、誤投入防止、実績保存を含む累積計量システムを検討します。
よくある質問
Q. 累積計量では原料ごとの重量が分かりますか?
A. 各原料の投入前後の合計重量差から、原料ごとの実績重量を求めます。
Q. 少量原料も同じ計量器で計量できますか?
A. 計量器容量に対して量が小さすぎる場合は、必要精度を確保できないことがあります。
Q. 原料の計量順序は自由ですか?
A. 供給量、付着性、必要精度、投入衝撃を考慮して決める必要があります。
Q. 前の原料の誤差は後の原料へ影響しますか?
A. 差分で計量しますが、重量変動や落下継続があると後続原料へ影響する場合があります。
Q. 累積計量の実績を配合管理へ連携できますか?
A. 原料別実績、合計重量、配合番号などを保存し、上位システムへ連携できます。