Technology
電子台秤
(でんしだいひょう)
電子台秤とは、計量台、ロードセル、重量指示計などを一体として構成した計量機です。容器、原料、製品などを計量台へ載せ、静止した状態の重量を高い精度で測定します。工場では、原料の受入、手計量、容器計量、製品検査、出荷前確認などに使用されます。
メーカーが計量台の構造、ロードセル、指示計を組み合わせて性能を確認した完成品であるため、比較的高い計量精度を得やすいことが特長です。重量値をRS-232Cなどの通信で計量コントローラやPLCへ取り込み、計量制御や実績保存へ利用することもできます。
ハカルプラスでは、必要なひょう量、精度、計量台寸法、設置環境、通信仕様を確認し、用途に適した電子台秤を選定します。供給機、搬送装置、制御盤、PLC、上位システムと組み合わせた設備についても構成を検討します。
電子台秤の基本構成
一般的な電子台秤は、計量物を載せる計量台、荷重を検出するロードセル、重量値を表示・出力する指示計で構成されます。計量物の荷重によってロードセルがわずかに変形し、その変化を電気信号として取り出します。
ロードセルからの微小な信号は指示計で増幅・変換され、kgやgなどの重量値として表示されます。風袋引き、ゼロ調整、上下限判定、安定判定、通信出力などの機能を備えた機種もあります。
主な用途
- 容器へ投入する原料の手計量
- 製造前後の容器・製品重量の確認
- 原料受入時の重量記録
- 充填後の重量検査
- バーコードと連携した計量実績の保存
作業者が重量表示を確認するだけでなく、設定重量へ到達したときにブザーや表示灯を作動させたり、供給機を停止させたりする運用も可能です。
ひょう量と目量の選定
電子台秤を選定する際は、最大計量重量である「ひょう量」と、表示できる最小の重量単位である「目量」を確認します。一般に、ひょう量が大きくなるほど目量も大きくなるため、必要以上に大きな秤を選ぶと、小さな重量変化を確認しにくくなる場合があります。
計量物だけでなく、容器、治具、台車などの重量もひょう量へ含めます。通常使用する重量がひょう量の上限に近すぎると、投入時の衝撃や載せ方によって過荷重となる可能性があります。
高精度計量のための設置条件
電子台秤は高精度な計量に適していますが、設置条件が悪いと重量値が安定しません。水平で十分な強度を持つ床へ設置し、周囲の機械振動や風の影響を受けにくくする必要があります。
計量物が計量台の端へ偏ると、機種によっては表示値に差が生じることがあります。容器の位置を一定にするガイドやストッパーを設け、配管、ケーブル、周辺設備が計量物へ接触しないようにします。
粉体を扱う現場では、計量台の下へ原料が入り込むとゼロ点のずれや動作不良につながります。清掃しやすい設置方法と、定期的なゼロ点確認が重要です。
重量安定判定
計量物を載せた直後は、計量台の振動や液面の揺れによって表示値が変化します。そのため、一定時間内の重量変化が設定範囲へ収まったことを確認してから、計量値を確定します。
安定条件を厳しくしすぎると作業時間が長くなり、緩くしすぎると変動中の値を採用する可能性があります。計量物、要求精度、作業速度に合わせて調整します。
PLC・計量コントローラとの接続
電子台秤の重量値は、RS-232C、RS-485、Ethernetなどの通信や、BCD・アナログ信号を用いて外部機器へ取り込めます。対応方式は指示計の機種によって異なります。
PLCへ重量値を取り込むことで、設定値との比較、供給機の停止、合否判定、次工程への搬送許可などに利用できます。通信では、重量値だけでなく、安定状態、正味・総重量、エラー情報を取得できる場合があります。
通信異常時に古い重量値を使用し続けないよう、更新時刻や応答状態を監視し、異常時は自動運転を停止するなどの処理を設けます。
計量実績の保存
電子台秤をバーコードリーダーや上位システムと連携すると、品種、原料ロット、作業者、目標重量、実重量、計量時刻などを関連付けて保存できます。
手書き記録を減らすことで、転記ミスや記録漏れを防ぎやすくなります。計量値が許容範囲を外れた場合は、再計量や管理者確認を求める運用も検討できます。
検定・校正と点検
取引や証明に使用する場合は、使用目的に適した検定付きの計量器が必要になることがあります。社内工程の管理に使用する場合でも、基準分銅による定期的な確認や校正を行うことが重要です。
点検時には、ゼロ点、既知重量での表示、計量台のがたつき、ケーブル損傷、指示計のエラーを確認します。急に表示値がずれた場合は、計量台への異物噛み込みや周辺設備との接触も点検します。
異常時の確認
重量値が安定しない場合は、床振動、風、計量物の揺れ、ケーブル接触、電気ノイズなどが考えられます。ゼロへ戻らない場合は、計量台の下への異物侵入や恒常的な接触を確認します。
重量値を取得できない場合は、指示計の電源、通信設定、ケーブル、通信速度、データ形式を点検します。指示計では正常表示されているのにPLC側だけ異常な場合は、通信処理や単位、小数点位置も確認します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、計量対象、ひょう量、必要精度、計量台寸法、設置環境に応じて電子台秤を選定します。
電子台秤単体の利用だけでなく、フィーダー、ポンプ、搬送コンベア、バーコードリーダー、制御盤、PLC、タッチパネルとの連携を検討します。重量値の取込み、上下限判定、供給停止、実績保存、上位システムへの送信まで、設備の運用に合わせて構成します。
よくある質問
Q. 電子台秤とロードセルを組み込んだ計量装置は何が違いますか?
A. 電子台秤は計量台、ロードセル、指示計を組み合わせた完成品です。ロードセル式の計量装置は、タンクやホッパーなど設備の形状に合わせて個別設計します。
Q. ひょう量が大きい電子台秤を選べば安心ですか?
A. 過荷重への余裕は必要ですが、大きすぎると目量も大きくなり、必要な精度を得にくくなる場合があります。
Q. 電子台秤の重量値をPLCへ取り込めますか?
A. 通信出力などを備えた指示計であれば取り込めます。通信方式とデータ形式を確認して接続します。
Q. 重量表示が安定しない原因は何ですか?
A. 床振動、風、液面の揺れ、計量台への接触、電気ノイズなどが考えられます。
Q. 既設の手計量工程を自動記録化できますか?
A. 電子台秤、バーコードリーダー、記録用端末を連携し、品種やロットと重量値を自動保存する構成を検討できます。