Technology

コンベアスケール

(コンベアスケール)

コンベアスケールとは、ベルトコンベアで連続搬送される原料や製品の重量を、搬送を止めずに計測する装置です。ベルト上に載っている搬送物の荷重とベルト速度を測定し、それらを掛け合わせることで瞬時輸送量を求めます。

粉体、粒体、鉱石、骨材、飼料、原料などを連続的に搬送する設備で使用され、一定時間にどれだけ搬送したかを示す積算輸送量の管理にも利用されます。

コンベアスケールの基本原理

コンベアスケールでは、ベルト上の単位長さ当たりの荷重と、ベルトの移動速度を測定します。

単位長さ当たりの荷重をW、ベルト速度をv、瞬時輸送量をQとすると、基本的な関係は次の式で表されます。

Q=W×v

ここで、Wをkg/m、vをm/sで表した場合、Qの単位はkg/sとなります。

例えば、ベルト上の荷重が20kg/m、ベルト速度が1.5m/sの場合、瞬時輸送量は次のようになります。

Q=20×1.5=30kg/s

これを1時間当たりの輸送量に換算すると、次のようになります。

30×3,600=108,000kg/h=108t/h

積算輸送量の求め方

瞬時輸送量を時間とともに積算することで、一定期間に搬送した総重量を求めます。

積算輸送量をM、瞬時輸送量をQ、時間をtとすると、次の関係で表されます。

M=∫Qdt

瞬時輸送量が一定の場合は、次の式で求められます。

M=Q×t

例えば、瞬時輸送量が50t/hの状態で30分間搬送した場合、積算輸送量は次のようになります。

M=50×0.5=25t

実際の設備では搬送量が時間とともに変化するため、短い周期で瞬時輸送量を演算し、その値を順次加算して積算輸送量を求めます。

主な構成

計量ローラー・計量架台

ベルト上の搬送物による荷重を受ける部分です。計量ローラーに加わる力をロードセルへ伝え、ベルト上の荷重を検出します。

ロードセル

計量架台に加わる荷重を電気信号へ変換します。搬送物の重量だけでなく、ベルト自体の重量や張力の影響も受けるため、ゼロ点調整や補正が必要です。

速度検出器

ベルトまたはローラーの回転を検出し、ベルト速度を求めます。ローラー径をD、回転数をNとすると、理論上のベルト速度vは次の式で表されます。

v=πDN/60

Dをm、Nをmin⁻¹で表した場合、vの単位はm/sです。

計量コントローラ

ロードセルからの荷重信号と速度信号を取り込み、瞬時輸送量と積算輸送量を演算します。表示、警報出力、アナログ出力、パルス出力、上位機器との通信なども行います。

ゼロ点とスパンの調整

ゼロ点調整

搬送物がない状態でも、ベルト重量、ローラー重量、ベルト張力などによってロードセルには荷重が加わります。この状態を基準としてゼロ点を設定します。

ベルトの継ぎ目、付着物、張力変化、温度変化などによってゼロ点は変動するため、定期的な確認が必要です。

スパン調整

既知の荷重を加え、表示値が基準値と一致するように感度を調整します。分銅、チェーン、試験搬送物などを用いる方法があります。

実際の搬送物を一定量通過させ、別の秤で測定した重量と比較して補正する実搬送試験を行う場合もあります。

計測精度に影響する要因

ベルト張力の変化

ベルト張力が変化すると、計量架台へ加わる力も変化し、測定誤差の原因になります。テークアップ機構の状態やベルトの伸びを確認します。

ベルトの蛇行

ベルトが左右に偏ると、計量ローラーへ均等に荷重が加わらなくなる場合があります。計量部付近ではベルトが安定して走行するように調整します。

搬送物の偏り

搬送物がベルトの片側へ偏ると、ロードセルへの荷重伝達が不均一になります。投入シュートやガイドを調整し、できるだけ中央へ均一に供給します。

付着物

ベルトやローラーへ原料が付着すると、搬送物がない状態でも荷重が残り、ゼロ点が変化します。付着しやすい原料では、清掃やスクレーパーなどの対策を検討します。

速度の変化

瞬時輸送量は荷重と速度の積で求めるため、速度信号に誤差があると輸送量にも影響します。ベルトと速度検出ローラーの間に滑りがないことを確認します。

定量供給への利用

コンベアスケールの瞬時輸送量を使用して、ベルト速度や上流側フィーダーの供給量を制御することもできます。

目標輸送量をQset、実際の輸送量をQ、偏差をeとすると、次の式で表されます。

e=Qset-Q

実際の輸送量が目標値より少ない場合は供給速度を上げ、多い場合は速度を下げます。これにより、一定の輸送量を維持する定量供給制御が可能になります。

ただし、投入位置から計量位置までに搬送時間があるため、速度変更の効果が計測値へ反映されるまでに遅れが生じます。急激に補正すると輸送量が上下しやすくなるため、応答性を考慮した調整が必要です。

設計・運用上のポイント

計量部の設置位置

投入直後やカーブ部、振動が大きい場所では、ベルトや搬送物が安定せず測定値が変動しやすくなります。ベルトが直線的かつ安定して走行する場所へ計量部を設置します。

最大輸送量を確認する

最大時のベルト荷重と搬送速度から、ロードセル容量や計量コントローラの測定範囲を選定します。通常運転時の荷重が小さすぎると、分解能やゼロ点変動の影響が相対的に大きくなります。

起動・停止時の処理

ベルト起動時や停止直前は速度が安定しないため、積算を開始・停止する条件を定めます。速度が一定値以上になった後に積算を開始する方法などがあります。

異常監視

速度信号があるのに荷重がない場合、荷重があるのにベルトが停止している場合、ロードセル信号が測定範囲を外れた場合などを異常として監視します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、搬送物の種類、最大輸送量、ベルト幅、ベルト速度、設置環境などを確認し、コンベアスケールを含む計量・搬送システムを検討します。

ロードセル、速度検出器、計量コントローラ、制御盤、PLC、タッチパネルなどを組み合わせ、瞬時輸送量と積算輸送量の演算、表示、記録、警報、外部出力を構成します。

また、上流側フィーダーやインバーターと連携し、目標輸送量に合わせた定量供給制御や、生産管理システムへの実績データ連携についても検討できます。

よくある質問

Q. コンベアを停止せずに重量を測定できますか?

A. できます。ベルト上の単位長さ当たりの荷重とベルト速度を連続測定し、搬送中の瞬時輸送量と積算輸送量を求めます。

Q. ベルトが空の状態でも重量が表示されるのはなぜですか?

A. ベルト重量、付着物、張力変化、ゼロ点のずれなどが原因として考えられます。空運転状態でゼロ点を確認します。

Q. ベルト速度が変わっても輸送量を測定できますか?

A. 速度検出器で実際のベルト速度を測定していれば可能です。荷重と速度の両方を用いて瞬時輸送量を演算します。

Q. コンベアスケールで一定量を供給できますか?

A. 瞬時輸送量をもとにベルト速度や上流側フィーダーを調整することで、目標輸送量を維持する制御を構成できます。

Q. 計測精度を維持するために何が必要ですか?

A. ゼロ点とスパンの定期確認、ベルト張力や蛇行の調整、付着物の除去、速度検出器の点検などが必要です。

関連ワード

お問い合わせ窓口

この技術について
お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォーム
お問い合わせ