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フロアスケール

(フロアスケール)

フロアスケール

フロアスケール

フロアスケールとは、工場や倉庫などの床面に設置し、容器、台車、パレット、フレコンバッグなどに載せた原料や製品の重量を計測する薄型の計量機です。大型の計量物を床面に近い高さで扱えるため、フォークリフト、ハンドリフト、台車などを使う工程に適しています。

床面へそのまま設置する床置き式と、床を掘り込んで計量面を周囲の床とほぼ同じ高さにする埋込式があります。計量物の総重量、外形、載せ降ろし方法、作業動線、洗浄や清掃の条件に応じて、計量台の寸法、秤量、材質、設置方法を選定します。

フロアスケールの仕組みと構成

フロアスケールは、主に計量台、ロードセル、架台、接続箱、計量指示計などで構成されます。計量物を載せると、その荷重によってロードセルがわずかに変形し、重量に比例した電気信号を出力します。計量指示計は、この信号を増幅・演算して重量値として表示します。

大型の計量台では、四隅などに複数のロードセルを配置する構成が一般的です。各ロードセルの信号を接続箱でまとめ、計量指示計へ入力します。計量物を中央以外へ載せた場合でも必要な精度を確保できるよう、計量台の剛性、ロードセルの配置、荷重の伝わり方を検討します。

用途によっては、既製品の電子台秤を使用する方法と、計量物の形状や設備条件に合わせて計量台、架台、ロードセルを個別設計する方法があります。要求される秤量、最小表示、計量台寸法、耐環境性、周辺設備との取り合いによって適した構成は異なります。

主な用途

  • 容器に入れた粉体や液体の重量確認
  • フレコンバッグの受入・出荷重量の計測
  • パレットに載せた原料や製品の計量
  • 台車やコンテナごとの重量計測
  • 入荷原料、仕掛品、完成品の重量管理
  • 充填前後の重量差による正味充填量の確認

例えば、空容器を計量して風袋値を登録し、その後に原料を充填して再計量することで、中身だけの重量を求められます。製品重量が管理範囲内かを判定したり、入出庫数量を重量から管理したりする用途にも利用されます。

総重量・風袋重量・正味重量

フロアスケールで容器やパレットごと計量する場合、表示される総重量には容器や台車の重量が含まれます。総重量をWg、風袋重量をWt、正味重量をWnとすると、次の式で表せます。

Wn=Wg-Wt

例えば、原料入り容器の総重量が620kg、空容器の重量が120kgの場合、原料の正味重量は500kgです。

容器やパレットごとに重量差がある場合は、個別に風袋引きを行います。毎回同じ容器を使用する場合でも、付着物や残留物によって風袋重量が変化することがあるため、必要な精度に応じて風袋値を確認します。

設置方式の違い

床置き式

床置き式は、工場の床面へ計量台を直接設置する方式です。床の掘削工事を抑えやすく、移設やロードセル交換、計量台下部の清掃を比較的行いやすいことが特徴です。

一方、床面との間に段差が生じるため、台車やハンドリフトで乗り入れる場合はスロープが必要です。スロープの勾配が急すぎると重量物を押し上げにくくなるため、作業方法と設置スペースを確認します。

埋込式

埋込式は、床面にピットを設け、計量台上面を周囲の床面とほぼ同じ高さにする方式です。台車やパレットを段差なく移動でき、頻繁に乗り入れる工程に適しています。

ただし、ピット内へ粉体、水分、異物が入り込むと、計量台と固定部が接触したり、ロードセル周辺が腐食したりする可能性があります。排水、清掃、点検、ロードセル交換のためのスペースを設計段階で確保します。

設計・選定上のポイント

秤量と最小表示

秤量は、その計量機で計測できる最大重量です。原料や製品だけでなく、容器、パレット、台車、治具などを含めた総重量を確認し、載せ降ろし時の衝撃も考慮して選定します。

最小表示を細かく設定しても、必ず同じ精度が得られるわけではありません。ロードセル容量、計量台の剛性、振動、偏荷重、使用環境などによって実際の安定性は変わります。必要な管理幅に合わせて仕様を決定します。

計量台寸法と偏荷重

計量台は、対象物が完全に載り、周囲の床や設備へ接触しない寸法とします。計量物がはみ出して壁やガイドへ触れると、重量の一部がロードセルへ伝わらず、実際より軽く表示される場合があります。

台車の車輪やパレット脚部など、一部へ荷重が集中する場合は、計量台のたわみやロードセルへの偏荷重に注意します。フォークリフトで載せる場合は、爪の接触位置や積載方法も確認します。

荷重の分担と四隅誤差

複数のロードセルを使用する計量台では、載せる位置によって各ロードセルが受ける荷重が変化します。計量物の位置を変えても表示値が大きく変わらないよう、四隅調整や偏置試験を行います。

例えば、同じ分銅を計量台の中央と各隅へ載せ、表示値の差を確認します。差が大きい場合は、ロードセル出力の調整、架台の水平、接触、計量台の変形などを確認します。

振動・風・外力の影響

近くにコンベア、振動機、撹拌機、フォークリフトの走行路などがあると、振動によって表示値が安定しない場合があります。必要に応じて設置場所の変更、防振、計量指示計のフィルター設定を検討します。

屋外や開口部付近では、風がフレコンバッグや大型容器へ当たり、荷重が変動する場合があります。計量中の容器へ配管、ホース、集塵ダクトが接続されている場合も、その張力や反力が計量値へ影響します。

載せ降ろし時の衝撃

重量物を勢いよく載せると、静止時の重量を上回る衝撃荷重がロードセルや計量台へ加わります。フォークリフト、ホイスト、クレーンなどで扱う場合は、通常荷重だけでなく、積載時の衝撃と横荷重を考慮します。

必要に応じて過負荷ストッパー、進入ガイド、車止めなどを設けます。ただし、ストッパーが通常計量時に接触すると誤差になるため、適切な隙間を確保します。

水分・粉じん・腐食への対策

洗浄水、粉じん、薬品、屋外環境などがある場合は、計量台、ロードセル、接続箱、計量指示計の材質と保護構造を確認します。ステンレス製計量台や耐食性のあるロードセルを使用する場合もあります。

粉体が計量台の下へ堆積すると、計量台が床や架台へ接触して計量値へ影響します。清掃用の隙間、着脱構造、ピット内の排水などを検討します。

重量判定と安定判定

フロアスケールを設備へ組み込む場合は、計量指示計から重量値や安定信号をPLCへ取り込みます。重量が設定範囲内に入ったことに加え、表示値の変動が十分に小さくなったことを確認して計量結果を確定します。

上限値をWH、下限値をWL、実績重量をWとすると、合格条件の一例は次のように表せます。

WL≦W≦WH

ただし、計量物を載せた直後は振動や揺れによって一時的に範囲内へ入ることがあります。そのため、一定時間にわたって安定していることを確認した後に合否判定します。

計量システムとの連携

フロアスケールは、重量を表示するだけでなく、PLC、タッチパネル、パソコン、ラベルプリンターなどと連携できます。重量値、安定信号、ゼロ点、過量信号などを取り込み、目標重量との比較、合否判定、充填設備の停止などを行います。

バーコードリーダーで容器、製品、作業指示を識別し、計量値を品種、ロット番号、作業日時、担当者とひも付けて保存することもできます。計量結果を現品票へ印刷したり、生産管理システムへ送信したりすることで、手書き記録の削減とトレーサビリティに活用できます。

異常監視・復旧・保守

主な異常には、ロードセル断線、重量信号の範囲外、ゼロ点異常、過荷重、計量値の不安定、通信異常などがあります。異常時は計量結果を確定せず、タッチパネルへ原因や確認箇所を表示します。

計量値が戻らない場合は、計量台と周囲の接触、計量台下部の異物、配線やホースによる引っ張り、ロードセルの損傷などを確認します。複数ロードセル方式では、特定のロードセルだけが異常となっている場合もあります。

定期点検では、計量台下部の清掃、ロードセルと取付金具、ストッパーの隙間、接続箱、配線、水平状態を確認します。既知重量による点検や校正を行い、ゼロ点、指示値、繰り返し性、偏置誤差が管理範囲内であることを確認します。

設備更新時の注意点

既設フロアスケールや計量指示計を更新する場合は、秤量、ロードセル定格、出力感度、接続方式、電源、通信仕様を確認します。指示計だけを交換しても、ロードセル仕様や接続箱が適合しない場合があります。

PLCや上位システムと連携している場合は、重量データの形式、通信アドレス、安定信号、ゼロ点信号、異常信号などの互換性も確認します。更新後は既知重量による校正と、実際の計量物を用いた動作確認を行います。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、計量物の重量・寸法、要求精度、載せ降ろし方法、設置環境、作業動線などを確認し、用途に適したフロアスケールを選定・設計します。

既製の電子台秤を用いる構成のほか、計量台、架台、ロードセルを組み合わせた専用計量設備にも対応します。スロープ、ピット、容器ガイド、台車の位置決め、過負荷保護など、周辺機械を含めて検討します。

計量指示計、制御盤、PLC、タッチパネルを組み合わせ、風袋引き、ゼロ補正、安定判定、上下限判定、充填設備との連動、異常監視まで一体的に構成します。

計量実績、警報履歴、品種、ロット番号などの保存、バーコードリーダーやラベルプリンターとの連携、生産管理システムへのデータ送信も、必要な運用と通信仕様に応じて検討します。

よくある質問

Q. 同じ物を載せても位置によって重量が変わる場合は何を確認しますか?

A. 計量台の水平、四隅調整、ロードセルの状態、計量台と周囲の接触、架台の変形などを確認します。偏置試験によって位置ごとの差を調べます。

Q. 計量値がゼロへ戻らない原因は何ですか?

A. 計量台下部の異物、周囲との接触、原料の付着、ホースや配線の張力、ロードセルの損傷などが考えられます。原因を除去してからゼロ点を確認します。

Q. フォークリフトで直接パレットを載せられますか?

A. 対応する構造であれば可能ですが、爪や荷物を計量台へ衝突させると過大な衝撃が加わります。計量台寸法、ひょう量、進入方向、作業方法を確認します。

Q. 埋込式を後から床置き式へ変更できますか?

A. 計量台を流用できる場合もありますが、架台、スロープ、配線、保守スペース、安全な乗り入れ方法を再設計する必要があります。

Q. 既設のフロアスケールへ実績保存機能を追加できますか?

A. 計量指示計から重量値や安定信号を取得できれば追加できる場合があります。通信機能がない場合は、指示計交換や信号変換器の追加を検討します。

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