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PLCソフト設計
(PLCソフトせっけい)
PLCソフト設計
PLCソフト設計とは、PLC(Programmable Logic Controller)を用いて、設備や機械を所定の手順・条件で自動運転させるための制御プログラムを設計することです。
PLCは、センサやスイッチから入力信号を受け取り、プログラムに基づいて状態や数値を判定し、モーター、インバーター、電磁弁、ランプ、ブザーなどへ出力します。
PLCソフトは、単に機器を動かすためのプログラムではありません。自動運転、手動操作、インターロック、異常監視、警報、通信、実績管理、停電復帰などを組み合わせ、設備全体を安全かつ安定して運転するための中核となります。
PLCソフトの主な役割
計量・搬送設備では、例えば次のような処理を行います。
- 非常停止や安全条件を確認する
- 品種、配合、設定重量などを読み込む
- 供給機器や搬送機器を順番に起動する
- 重量、流量、位置、機器状態を監視する
- 設定値へ近づいた段階で供給量を切り替える
- 計量完了を判定して次工程へ進む
- 異常時は必要な範囲を安全に停止する
- 運転結果や警報をタッチパネルや上位機器へ送る
設備ごとに運転順序、停止条件、許容時間、異常時の処置が異なるため、機械の動作と現場運用を理解したうえで設計します。
PLCで使用される主なプログラミング言語
PLCソフトは、ラダー図をはじめとする複数のプログラミング言語や表現方法を使用して作成します。使用できる言語は、PLCメーカー、CPUシリーズ、開発ソフトウェアによって異なります。
ラダー図
ラダー図は、リレー回路に似た形式で制御を表現する、PLCで広く使用されるプログラミング言語です。接点、コイル、タイマー、カウンタ、比較命令、演算命令などを組み合わせて処理を記述します。
センサ入力、モーター出力、インターロック、警報条件などを視覚的に確認しやすく、オンラインモニタを使用して条件の成立状況を確認しながら異常原因を調査できることが特長です。
ただし、ラダー図は実際のリレー回路と同じ動作をするわけではありません。PLCでは通常、入力状態の読み込み、プログラムの演算、出力状態の更新を繰り返します。そのため、命令の記述順序やスキャン動作を考慮して設計する必要があります。
ストラクチャードテキスト
ストラクチャードテキストは、条件分岐、繰り返し、数値演算、配列処理などを文字形式で記述する言語です。複雑な演算、データ変換、通信データの解析などを、ラダー図より簡潔に記述できる場合があります。
ファンクションブロック
ファンクションブロックは、演算、制御、通信などの機能を部品化し、入出力を接続して処理を構成する方法です。モーター制御やバルブ制御などの共通処理を再利用しやすくなります。
ステップ・工程表現
設備の運転工程をステップ単位で管理し、開始条件、動作内容、完了条件、異常条件を整理する方法もあります。複数の工程を順番に進める計量、搬送、混合設備では、現在の工程を把握しやすくなります。
ハカルプラスでは、設備の動作、保守性、既設プログラム、使用するPLCに応じて、ラダー図を中心に各種言語や処理方式を組み合わせて設計します。
PLCのスキャン動作
一般的なPLCは、入力信号を読み込み、プログラムを順番に演算し、演算結果を出力へ反映する処理を繰り返します。この一連の処理に要する時間をスキャンタイムと呼びます。
プログラム量、通信処理、数値演算、特殊ユニットの処理などが増えると、スキャンタイムが長くなる場合があります。短いパルス信号や高速な制御では、通常のスキャン処理だけでは信号を取りこぼす可能性があるため、高速カウンタ、割り込み、専用ユニットなどを使用します。
自動運転と手動運転
自動運転
各工程をステップに分け、開始条件、動作内容、完了条件、異常条件を定義します。前工程が完了していない状態で次工程へ進まないよう、設備状態を確認しながら順序制御します。
手動運転
点検、調整、詰まり除去などのため、機器を個別操作できるようにします。ただし、手動モードでも、非常停止、安全扉、正逆転の同時指令、搬送先満杯など、危険を防止するための条件は残します。
保守性を優先してすべてのインターロックを解除すると、誤操作による設備破損や事故につながります。解除可能な運転条件と、解除できない安全条件を分けて設計します。
シーケンス制御
PLCソフトでは、設備を決められた順番で動作させるシーケンス制御が中心となります。
例えば原料投入では、投入先の準備、搬送経路、ゲート位置、下流機器の運転状態を確認したうえで供給を開始し、重量や完了信号を監視して停止します。
工程途中で停止した場合は、単に最初から再開できるとは限りません。設備内に残っている原料、開いているゲート、運転中のコンベヤ、計量途中の実績などを確認し、継続、排出、取消、再計量のどれを行うか決めます。
インターロックと安全設計
インターロックとは、設備状態や機器同士の関係を確認し、不適切な操作や危険な動作を防止する仕組みです。
- 下流設備が停止しているときは上流から供給しない
- 搬送先が満杯のときは投入を開始しない
- 正転中に逆転指令を出さない
- 排出確認前に次の計量を開始しない
- 行先が確定していない原料を搬送しない
- 相互に干渉する機器を同時に動かさない
ただし、非常停止、安全扉、ライトカーテンなど、人の安全に直接関係する機能は、一般PLCのソフトだけに依存させません。必要な安全性能に応じて、安全リレー、安全PLC、接触器などを用いた安全回路として構築します。
異常監視と復旧
PLCソフトでは、モーター過負荷、インバーター異常、センサ不一致、供給時間超過、通信断、原料詰まりなどを監視します。
異常設計では、警報を表示するだけでなく、次の内容を明確にします。
- 異常と判定する条件と監視時間
- 停止する機器と停止順序
- 異常時に保持または解除する出力
- 警報解除に必要な条件
- 再起動を許可する設備状態
- 異常発生時の工程・実績の扱い
異常原因が解消しただけで設備を自動再起動すると危険な場合があります。作業者が現場状態を確認してリセットし、改めて起動操作を行う構成が基本です。
停電・瞬停・PLC再起動への対応
電源復帰時に、停電前の出力状態をそのまま再現すると、機器が予期せず起動する可能性があります。PLC起動時は出力を安全側へ初期化し、設備状態を確認してから運転を再開します。
計量途中や搬送途中で停電した場合は、保持されている重量、原料、工程番号、実績登録状態を確認し、再開可能か、手動排出が必要かを判断できる設計とします。
計量制御
計量設備では、PLCが計量コントローラやロードセル指示計と通信し、設定重量、実計量値、計量状態などを扱います。
供給初期は高速で投入し、設定値へ近づくと低速へ切り替え、機器停止後に落下する原料量を考慮して供給を止めます。原料の流動性、供給機器、残量などによって落差が変わるため、補正値を固定するのか、実績から更新するのかを検討します。
計量完了時には、設定値との差、許容範囲、安定状態、過計量、未達、手動操作の有無などを確認し、正常実績と異常実績を区別します。
アナログ信号の処理
4~20mAや0~10Vなどの信号を、重量、温度、圧力、流量などの工業単位へ換算します。
移動平均や一次遅れ処理によって表示値を安定させることができますが、平滑化を強くすると異常検出や制御応答が遅れます。表示用、警報用、制御用でフィルタ条件を分ける場合もあります。
入力範囲外の値を単なる測定値として扱わず、断線、短絡、変換器異常として判定する処理も必要です。
通信処理
PLCは、タッチパネル、FAパソコン、計量コントローラ、インバーター、他のPLC、上位システムなどと通信します。
通信設計では、データ形式やアドレスだけでなく、更新周期、応答待ち時間、タイムアウト、再送、接続復旧、古い受信値の扱いを定めます。
通信が途絶えた場合に最後の値を使用し続けると、実際とは異なる状態で設備を動かす可能性があります。受信時刻や通信状態を管理し、一定時間更新されないデータを無効にします。
データトラッキング
搬送設備では、品種、ロット番号、重量、行先などの情報を、搬送物の移動に合わせてPLC内部で移動させます。
センサ信号だけで位置を進めると、手動運転、空運転、センサ故障などによって、実際の搬送物と内部データがずれることがあります。そのため、どの条件でデータを移動、削除、復旧するかを明確にします。
保守しやすいPLCソフト
設備納入後には、機器交換、品種追加、能力変更、ライン増設などによる改修が発生します。
長期保守を考慮し、機能単位のプログラム構成、分かりやすいラベル名、処理コメント、警報番号の体系化、設定値と内部状態の分離、変更履歴、バックアップを整備します。
オンラインでPLCソフトを変更した場合は、設計データと実機プログラムに差異が残らないよう、変更後の正式データを回収して管理します。
PLC更新時のソフトウェア移行
古いPLCを新しい機種へ更新する際は、既存プログラムを変換するだけでは不十分です。
命令、デバイス、タイマー、スキャンタイム、特殊ユニット、通信方式、電源投入時の動作、タッチパネルや上位システムとの接続を確認します。
コメントや図面が不足している場合は、現地で入出力と設備動作を確認し、既存プログラムがどのような意図で作られているかを整理してから移行します。
ハカルプラスのPLCソフト設計
ハカルプラスでは、計量設備、搬送設備、混合設備、投入設備などのPLCソフトと制御盤を設計しています。
PLCソフト単体ではなく、制御盤回路、計量コントローラ、インバーター、タッチパネル、FAパソコン、通信、実績保存まで含め、機器間の役割と異常時動作を一体的に検討します。
新規設備の設計、既設ソフトの改修、PLC更新、他社製設備との接続、現地試運転などについて、PLCの機種、既存プログラム、図面、設備状態を確認したうえで対応方法を検討します。
よくある質問
Q. ラダー図しか残っていない古いPLCでも更新できますか?
A. ラダー図、入出力一覧、制御盤図面、設備動作を照合し、処理内容を整理したうえで更新を検討します。コメントがない場合は、現地での動作確認が特に重要です。
Q. ラダー図をストラクチャードテキストへ変更した方がよいですか?
A. 必ずしも全面的に変更する必要はありません。保守現場で確認する入出力やインターロックはラダー図、複雑な演算やデータ処理はストラクチャードテキストなど、処理に応じて使い分けます。
Q. PLC更新時に既設設備を長期間停止する必要がありますか?
A. 事前に新PLC上でプログラム変換、通信、画面、入出力を検証することで、現地停止期間を短縮できる場合があります。実機でしか確認できない機械動作や安全条件は切替後に試運転します。
Q. 通信異常が発生しても自動運転を継続できますか?
A. 通信相手とデータの役割によって異なります。監視表示だけであれば継続できる場合がありますが、製造指示や安全に関係する情報を取得できない場合は、工程開始を禁止する設計が必要です。
Q. 異常停止後に途中工程から再開できますか?
A. 設備内の原料、機器状態、計量実績などを確認できる構成であれば可能な場合があります。誤った再開を防ぐため、再開可能な工程と作業者の確認手順を定めます。
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