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PLC更新設計

(PLCこうしんせっけい)

PLC更新設計

PLC更新設計

PLC更新設計とは、生産終了や保守部品の供給終了、老朽化などによって継続使用が難しくなったPLCを、現行機種へ置き換えるための設計技術です。

PLCは設備の自動運転を担う中核機器であり、故障すると製造ラインや計量設備全体が停止する可能性があります。しかし、長期間稼働している設備では、PLC本体や入出力ユニット、通信ユニットなどが生産終了となり、故障時に同一機種を入手できない場合があります。

PLC更新では、PLC本体を新しい機種へ交換するだけでなく、入出力回路、特殊ユニット、通信、タッチパネル、PLCソフト、制御盤内の機器配置、現場配線などを確認し、既設設備の動作を新しい環境で再現する必要があります。

ハカルプラスでは、計量設備、搬送設備、混合設備、製造設備などのPLC更新について、現地調査、更新設計、PLCソフト移行、制御盤改造、試運転、動作確認まで一貫して対応しています。

PLCを更新する主な理由

PLCが生産終了している

PLCメーカーは、製品の販売終了後も一定期間は修理や保守部品の供給を行いますが、長期間が経過するとメーカー修理や部品供給が終了します。

生産終了したPLCを使い続けていると、故障時に交換品を確保できず、設備停止が長期化する可能性があります。

故障の可能性が高まっている

PLC本体だけでなく、電源ユニット、入出力ユニット、通信ユニット、バッテリー、端子台なども経年劣化します。

長期間使用した設備では、現在正常に動作していても、突然故障する可能性を考慮して計画的に更新することが重要です。

予備品を確保できない

中古市場から旧型PLCを入手できる場合もありますが、保管状態、使用履歴、内部部品の劣化などを確認できないことがあります。

中古品による延命は一時的な対策にはなりますが、長期的な保守を考えると、現行PLCへの更新が必要です。

設備の機能追加・改修を行いたい

古いPLCでは、プログラム容量、通信機能、処理速度、接続可能なユニットなどに制限があり、設備改修へ対応できない場合があります。

PLC更新と同時に、タッチパネルの更新、通信機能の追加、データ保存、遠隔監視、上位システム連携などを行うこともできます。

保守性を改善したい

旧型PLCの開発ソフトウェアが現在のパソコンで動作しない、接続ケーブルを入手できない、プログラムを読み出せないといった問題が発生することがあります。

現行機種へ更新することで、保守用パソコンや開発環境を整備しやすくなり、将来の改修や故障対応を行いやすくなります。

PLC更新は単純な機器交換ではない

旧PLCと新PLCでは、外形寸法、端子配列、入出力方式、命令、デバイス、処理速度、通信方法などが異なります。

そのため、旧PLCを取り外して新PLCを取り付けるだけでは、設備を正常に動作させられない場合があります。

PLC更新では、主に次の内容を確認します。

  • PLC CPUの機種と性能
  • 電源ユニットの仕様
  • デジタル入出力の点数と電圧
  • NPN・PNPなどの入出力方式
  • アナログ入出力の信号範囲
  • 通信ユニットと通信プロトコル
  • 位置決め・高速カウンタなどの特殊ユニット
  • タッチパネルやFAパソコンとの接続
  • 既設PLCソフトの命令・デバイス
  • 制御盤内の取付スペース
  • 現場配線と端子台の構成

PLC更新設計の対象範囲

PLC本体の更新

旧PLCのCPU、電源、ベースユニット、入出力ユニットなどを、新しいPLCシリーズへ置き換えます。

必要な入出力点数だけでなく、処理速度、プログラム容量、通信機能、特殊ユニット、将来の増設などを考慮して選定します。

PLCソフトの移行

旧PLCのプログラムを新しいPLCで動作するように変換・修正します。

メーカーの変換ツールを利用できる場合もありますが、すべての命令や設定が自動的に正しく変換されるとは限りません。

変換後は、命令、デバイス、タイマー、カウンタ、特殊レジスタ、通信処理などを確認し、必要な修正を行います。

入出力回路の更新

新旧PLCで端子配列や入出力方式が異なる場合は、配線変更が必要です。

既設配線を流用するための変換アダプタや変換端子台を使用できる場合もあります。制御盤の改造範囲、停止期間、コストなどを踏まえて選定します。

特殊ユニットの更新

アナログ、通信、位置決め、高速カウンタ、温度入力などの特殊ユニットは、新旧機種で仕様や設定方法が大きく異なる場合があります。

単純な型式置換ではなく、接続機器、信号範囲、分解能、通信仕様、制御方法まで確認します。

タッチパネルの更新

PLC更新によって通信方式やデバイス割付が変わると、既設タッチパネルの画面データも修正が必要です。

タッチパネル自体が生産終了している場合は、PLCと同時に更新することがあります。

上位システムとの通信更新

FAパソコン、生産管理システム、データベース、他のPLCなどと通信している場合は、通信仕様を維持または再構築する必要があります。

IPアドレス、通信ポート、局番、プロトコル、データ形式、通信周期、タイムアウトなどを確認します。

旧PLCソフトを移行する際の注意点

プログラムを読み出せるか

既設PLCからプログラムを読み出すためには、対応する開発ソフトウェア、接続ケーブル、パスワードなどが必要です。

PLCが故障してからではプログラムを取り出せない場合があるため、正常に稼働しているうちにバックアップを取得することが重要です。

コメントやシンボルが残っているか

PLC本体からプログラムを読み出せても、回路コメント、デバイスコメント、シンボル名などが保存されていない場合があります。

コメントがないプログラムでは、設備の動作や設計意図を読み解くために多くの調査が必要になります。

非対応命令がないか

旧PLCで使用していた命令が、新しいPLCでは廃止または仕様変更されている場合があります。

対応する命令へ置き換え、変換前と同じ動作になるかを確認します。

デバイスの仕様が異ならないか

内部リレー、データレジスタ、タイマー、カウンタ、特殊レジスタなどは、シリーズによって範囲や動作が異なります。

保持範囲、停電保持、初期値、データ型なども確認します。

処理速度の違い

新しいPLCは旧PLCより処理速度が速いことが一般的ですが、処理速度が変わることで、既設設備のタイミングが変化する場合があります。

短いパルス信号、通信応答、タイマー処理などについて、実機で確認します。

特殊ユニット更新の注意点

アナログ入出力ユニット

旧ユニットと新ユニットで、入力範囲、分解能、デジタル値、平均処理、断線検出などが異なる場合があります。

スケーリング処理やPLCソフト側の演算も含めて確認します。

シリアル通信ユニット

RS-232CやRS-485を使用している場合は、通信速度、データ長、パリティ、終端コード、通信手順などを確認します。

通信ユニットのバッファメモリや設定方法が変わる場合は、PLCソフトの通信処理も修正します。

Ethernetユニット

IPアドレス、ポート番号、接続方式、通信プロトコル、接続先機器などを確認します。

旧PLC独自の通信方式から、標準的なEthernet通信や産業用ネットワークへ変更することもあります。

位置決めユニット

サーボモーターやロボシリンダを制御している場合は、指令方式、位置データ、速度、加減速、原点復帰、エラー処理などを確認します。

PLCメーカーが異なる更新

同一メーカー内でのシリーズ更新に比べ、異なるメーカーへの更新では、プログラム命令、デバイス体系、特殊ユニット、通信方式などの違いが大きくなります。

メーカーが異なる場合は、既設プログラムをそのまま変換するのではなく、設備仕様と既存動作を確認し、新しいPLC向けに再設計することがあります。

主な確認事項は次のとおりです。

  • ラダー命令の違い
  • デバイス・アドレス体系の違い
  • タイマー・カウンタの単位
  • 停電保持領域の違い
  • 特殊ユニットの機能
  • 通信プロトコル
  • タッチパネルとの接続
  • 保守担当者の操作性
  • 社内標準との整合性

ハカルプラスでは、異なるメーカー間のPLC更新についても、既設設備の構成を確認したうえで対応可否を検討します。

ハードウェア更新方法

既設配線を引き直す方法

旧PLCの配線を取り外し、新PLCの端子へ接続し直す方法です。

回路構成を整理しやすい一方、配線作業が多くなり、設備停止期間が長くなる場合があります。

変換アダプタ・変換端子台を使用する方法

旧PLCの既設配線をできるだけ残し、変換アダプタや変換ケーブルを介して新PLCへ接続します。

工事時間を短縮しやすい一方、盤内スペース、対応機種、将来の保守性を確認する必要があります。

既設制御盤内を改造する方法

既設盤の筐体、端子台、動力回路などを流用し、PLC周辺だけを更新します。

盤の状態やスペースによっては、盤内改造が困難な場合があります。

制御盤全体を更新する方法

PLCだけでなく、電源、リレー、電磁接触器、インバーター、タッチパネル、端子台などを含め、制御盤全体を更新します。

初期費用は大きくなりますが、盤内機器全体の老朽化対策や保守性向上につながります。

更新前の現地調査

PLC更新を正確に計画するためには、既設設備の現地調査が重要です。

主な調査項目には、次のものがあります。

  • PLCのメーカー・型式・ユニット構成
  • 入出力点数と予備点数
  • 特殊ユニットの型式
  • 接続するセンサ・機器
  • 制御盤内の取付スペース
  • 既設図面と実際の配線の差異
  • PLCソフトの読出し可否
  • タッチパネルやFAパソコンとの接続
  • 他設備・上位システムとの通信
  • 通常運転と異常時の動作

長期間使用された設備では、納入後の改造が図面へ反映されていない場合があります。図面だけで判断せず、実際の配線や設備動作を確認します。

PLC更新設計の進め方

既設資料の確認

電気回路図、入出力表、PLCプログラム、タッチパネルデータ、取扱説明書などを確認します。

既設プログラムのバックアップ

PLCが正常に動作している段階でプログラムを読み出し、原本として保存します。

設備動作の確認

自動運転、手動運転、異常停止、復旧操作など、既設設備の実際の動作を確認します。

更新機種の選定

必要な入出力、通信、特殊ユニット、処理能力、盤内スペース、将来の保守性を踏まえて選定します。

回路・ソフトの更新設計

新PLCに合わせて回路図、入出力割付、PLCソフト、通信設定などを作成します。

事前検証

可能な範囲で、机上試験や模擬入出力によって、新PLCと移行したプログラムの動作を確認します。

現地切替工事

既設PLCを取り外し、新PLCの取付け、配線、通電確認を行います。

入出力確認

各センサ、スイッチ、モーター、電磁弁などが正しいPLCアドレスへ接続されていることを確認します。

試運転・動作確認

手動運転、自動運転、警報、インターロック、通信、停電復帰などを確認します。

設備停止期間を短くするための対策

PLC更新では、製造設備を停止して切替工事を行う必要があります。停止時間を短縮するため、事前準備が重要です。

主な対策には、次のものがあります。

  • 更新用PLCを事前に組み立てる
  • PLCソフトを事前に変換・検証する
  • 変換端子台や変換ケーブルを使用する
  • 現場作業前に配線番号を確認する
  • 切替手順書を作成する
  • 作業員の役割を明確にする
  • 復旧できない場合の切戻し方法を準備する

短い停止期間での更新が必要な場合は、事前に模擬盤を組み、PLC、タッチパネル、通信機器などの動作を確認することもあります。

更新後に確認する主な項目

入出力確認

すべての入力信号が正しく取り込まれ、出力機器が正しく動作することを確認します。

手動運転

各機器を個別に操作し、運転・停止、正転・逆転、開・閉などを確認します。

自動運転

設備が既設時と同じ順序・条件で動作することを確認します。

インターロック

危険な操作や不適切な運転が防止されることを確認します。

警報・異常処理

センサ異常、モーター異常、通信異常などを模擬し、設備の停止範囲、警報表示、復旧方法を確認します。

通信

タッチパネル、FAパソコン、計量器、インバーター、他のPLC、上位システムとの通信を確認します。

停電・復電

電源を再投入した際に、設備が意図せず起動しないこと、必要な設定値が保持されていることを確認します。

PLC更新と同時に検討できる改善

PLC更新は、単なる老朽化対策だけでなく、設備の機能や保守性を改善する機会にもなります。

例えば、次のような改善を検討できます。

  • タッチパネル画面の見直し
  • 警報内容の詳細化
  • 運転履歴・警報履歴の保存
  • Ethernet通信への変更
  • 遠隔監視機能の追加
  • 上位システムとのデータ連携
  • 省エネルギー制御の追加
  • 保守用入出力画面の追加
  • PLCソフトの整理・標準化
  • 予備入出力や通信ポートの確保

ただし、更新と同時に変更内容を増やすと、試運転項目やリスクも増加します。老朽化対策と機能改善の範囲を明確にして進めます。

PLC更新を計画する時期

PLCが故障してから更新を検討すると、既設プログラムを読み出せない、設備動作を確認できない、短期間で代替機を選定しなければならないといった問題が発生します。

次のような状態になった場合は、計画的な更新を検討する時期です。

  • メーカーの生産終了が発表された
  • メーカー修理や保守部品の供給期限が近い
  • 予備品が確保できない
  • 電源や入出力ユニットの故障が増えている
  • 開発ソフトウェアを使用できるパソコンが限られている
  • 既設プログラムのバックアップがない
  • 設備停止による影響が大きい

PLCが正常に動作しているうちに資料とプログラムを確保し、更新計画を立てることが重要です。

三菱電機製PLCの更新実績

ハカルプラスでは、三菱電機製の大型Aシリーズ、小型Aシリーズ、Kシリーズなど、旧型PLCから後継シリーズへの更新設計を多数行ってきました。

過去にはAシリーズなどからQシリーズへの更新実績を重ねてきましたが、設備の使用期間がさらに長期化する中で、既にQシリーズを使用している設備についても、より新しいシリーズへの更新を検討する時期を迎えています。

更新先は、既設PLCの構成、必要な入出力点数、通信方式、特殊ユニット、盤内スペース、設備の将来計画などを確認して選定します。

単にメーカーが案内する後継型式へ交換するのではなく、既設設備全体との適合性を確認することが必要です。

他メーカーPLCの更新

ハカルプラスでは、三菱電機製PLCだけでなく、次のようなメーカーのPLCを使用した設計経験があります。

  • キーエンス
  • オムロン
  • 横河電機
  • 日立産機システム
  • パナソニック
  • 富士電機

同一メーカー内での更新だけでなく、異なるメーカーへの置換についても、PLCソフト、入出力、通信、特殊ユニットなどを確認したうえで検討します。

ハカルプラスのPLC更新設計

ハカルプラスでは、PLCのハードウェア更新とPLCソフト更新を分離せず、制御盤と設備全体を確認しながら更新設計を行います。

主な対応内容には、次のものがあります。

  • 既設PLCと制御盤の現地調査
  • PLCプログラムの読出し・バックアップ
  • 既設設備の動作確認
  • 更新用PLC・ユニットの選定
  • PLC回路図・入出力表の更新
  • 既設PLCソフトの変換・再設計
  • タッチパネル画面の更新
  • 通信・特殊ユニットの更新
  • 制御盤の改造・製作
  • 現地切替工事
  • 入出力確認・試運転
  • 自動運転・異常動作の確認

計量コントローラ、インバーター、FAパソコン、データベース、上位システムなどがPLCと接続されている場合も、関連機器を含めて更新方法を検討します。

よくある質問

Q. PLC更新設計とは何ですか?

A. 生産終了や老朽化によって継続使用が難しくなったPLCを、現行機種へ置き換えるための回路・ソフトウェア設計です。

Q. PLCが正常に動いていても更新した方がよいですか?

A. 生産終了や修理対応終了が近い場合は、故障する前に更新計画を立てることが重要です。

Q. 既設PLCのプログラムをそのまま使用できますか?

A. メーカーやシリーズによっては変換できますが、命令、デバイス、特殊ユニットなどの違いを確認し、修正と動作検証が必要です。

Q. PLCプログラムがない場合でも更新できますか?

A. PLCから読み出せる場合は対応できます。読み出せない場合は、回路図や設備動作からソフトウェアを再設計する必要があります。

Q. 回路図がなくても更新できますか?

A. 現地調査や配線確認によって検討できますが、調査工数や更新リスクが増える場合があります。

Q. PLCだけを交換すればよいですか?

A. 入出力ユニット、特殊ユニット、通信、タッチパネル、電源、端子配列なども確認する必要があります。

Q. 設備停止期間を短くできますか?

A. 事前検証、変換端子台、更新盤の事前製作などにより短縮できる場合があります。設備構成に応じて計画します。

Q. 別メーカーのPLCへ変更できますか?

A. 可能な場合がありますが、プログラム、入出力、通信、特殊ユニットなどを新しいメーカーに合わせて再設計する必要があります。

Q. タッチパネルも同時に更新できますか?

A. できます。PLCとの通信、デバイス割付、画面データを確認して更新します。

Q. PLC更新と同時に遠隔監視やデータ保存を追加できますか?

A. Ethernet通信、FAパソコン、データベースなどを組み合わせて追加できる場合があります。

Q. ハカルプラスでは現地工事や試運転まで対応できますか?

A. 現地調査、設計、制御盤改造、PLCソフト移行、切替工事、入出力確認、試運転まで一貫して対応を検討できます。

関連ワード

・PLCソフト設計
・PLC回路設計
・安全回路設計
・制御盤電源回路設計
・インバーター回路設計
・産業用ネットワーク通信(CC-Link/CC-Link IE/Ethernet/DeviceNet/MelsecNet/FL-net/CU-NET/CompoNet)
・タッチパネル実績保存制御
・計量コントローラ-ソフト設計

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