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インバーター回路設計

(インバーターかいろせっけい)

インバーター回路設計

インバーター回路

インバータ回路設計とは、インバータを用いてモーターの回転速度やトルクを制御するために、主回路、電源、保護機器、制御信号、配線などを設計することです。

インバータは、商用電源の周波数や電圧を変換してモーターへ供給します。出力周波数を変更することでモーターの回転速度を調整できるため、コンベヤ、ポンプ、ファン、スクリューフィーダーなど、幅広い産業設備で利用されています。

ハカルプラスでは、計量・供給設備や搬送設備を中心に、必要なモーター容量、速度範囲、運転方法、設置環境を踏まえたインバータ回路を設計しています。

インバータを使用する目的

モーターを商用電源へ直接接続すると、基本的には一定速度で回転します。インバータを使用すると、設備の状態や工程に応じて回転速度を変更できるようになります。

主な利用目的は次のとおりです。

  • 供給機やコンベヤの速度調整
  • ポンプやファンの流量調整
  • 起動・停止時の衝撃軽減
  • 急加速・急減速の抑制
  • モーターのトルク制御
  • 設備の省エネルギー運転

必要以上の速度でモーターを運転しないことで、機械への負担軽減や消費電力の削減にもつながります。

計量設備でのインバータ制御

粉体や粒体を計量する設備では、供給速度と計量精度の両立が求められます。そのため、計量開始時は高速で供給し、目標重量へ近づいた段階で低速へ切り替える二段速制御が多く用いられます。

例えば、スクリューフィーダーを高速運転して短時間で原料を供給し、設定した切替重量に到達すると低速運転へ移行します。低速で少量ずつ供給することで、供給停止後に落下する原料の影響を抑え、目標重量へ近づけます。

インバータ回路設計では、高速・低速の速度指令だけでなく、運転信号、停止信号、異常信号、周波数指令などをPLCや計量コントローラと接続します。

主回路と制御回路

主回路

主回路は、電源からインバータを通してモーターへ電力を供給する回路です。インバータ容量、モーター容量、電源電圧、負荷電流などに応じて、配線用遮断器、電磁接触器、電線サイズなどを選定します。

制御回路

制御回路では、PLC、スイッチ、センサなどからインバータへ運転指令や速度指令を送ります。また、インバータの運転中、到達周波数、異常などの信号をPLCへ返し、設備全体の連動制御に利用します。

速度指令には、多段速の接点信号、0~10Vや4~20mAのアナログ信号、産業用ネットワーク通信などが使用されます。

インバータとモーターの選定

インバータは、モーターの定格出力だけで選定するのではなく、負荷の特性や運転条件も考慮する必要があります。

  • モーターの定格電圧・定格電流
  • 必要な回転速度と速度範囲
  • 始動時に必要なトルク
  • 加速時間・減速時間
  • 連続運転・間欠運転の別
  • 周囲温度、粉じん、湿気などの設置環境
  • 停止頻度や回生エネルギーの大きさ

低速運転を長時間続けると、モーター自身の冷却能力が低下して温度が上昇する場合があります。必要に応じて、インバータ駆動用モーターや強制冷却ファンを検討します。

リアクトルや周辺機器の役割

設備条件に応じて、インバータにはACリアクトル、DCリアクトル、ノイズフィルタ、制動抵抗器などの周辺機器を組み合わせます。

AC・DCリアクトル

電源側の高調波電流や電流変動を抑え、電源設備やインバータへの影響を軽減するために使用します。電源容量、配線条件、設備仕様に応じて要否を判断します。

ノイズフィルタ

インバータのスイッチング動作によって発生するノイズが、計測器、通信機器、センサなどへ影響することを抑えるために使用します。

制動抵抗器

短時間でモーターを減速させる場合などに発生する回生エネルギーを熱として消費します。搬送物の慣性が大きい設備や、頻繁に加減速する設備で検討します。

ノイズ対策と配線設計

インバータは高周波で電力を制御するため、周辺機器へ電磁ノイズを与える可能性があります。特に、ロードセルやアナログセンサなどの微小信号を扱う計量設備では、適切な配線設計が重要です。

  • 動力線と信号線を分離する
  • インバータとモーター間の配線を必要以上に長くしない
  • シールド線を使用して適切に接地する
  • インバータ、モーター、制御盤を適切に接地する
  • アナログ信号や通信線との離隔距離を確保する
  • 必要に応じてノイズフィルタやリアクトルを設置する

回路図上の設計だけでなく、制御盤内の機器配置や現地配線まで含めてノイズ経路を検討します。

保護・安全回路

インバータ回路では、短絡、過電流、過負荷、欠相、過熱などの異常から設備を保護する必要があります。

インバータが異常を検出した場合は、運転を停止するとともにPLCへ異常信号を送り、タッチパネルや表示灯へ異常内容を表示します。非常停止時には、設備のリスクに応じて電源遮断や安全停止を行う回路を設計します。

また、インバータ出力側で電磁接触器を開閉する場合は、運転中の開閉を避けるなど、機器仕様に沿った制御が必要です。

ハカルプラスのインバータ回路設計

ハカルプラスでは、三菱電機、富士電機、東芝など、各種メーカーのインバータを使用した制御盤設計の実績があります。

  • モーター・インバータ容量の選定
  • 主回路・制御回路の設計
  • 高速・低速の多段速制御
  • アナログ信号による速度指令
  • PLCや計量コントローラとの接続
  • 速度制御・トルク制御への対応
  • AC・DCリアクトルなど周辺機器の選定
  • ノイズ・高調波・回生への対策
  • 異常監視・安全回路の設計

インバータ単体の選定だけでなく、モーター、供給機、計量器、PLC、制御盤を含む設備全体として、必要な供給能力、計量精度、安全性を満たす回路を設計します。

よくある質問

Q. インバータ回路とは何ですか?

A. インバータを使用してモーターの速度やトルクを制御するための、電源、保護機器、制御信号、配線などで構成される回路です。

Q. インバータを使うとモーターの速度を自由に変えられますか?

A. 設定した周波数範囲内で変更できます。ただし、モーターの冷却、必要トルク、機械側の許容速度などを考慮する必要があります。

Q. 計量設備で高速と低速を切り替える理由は何ですか?

A. 高速供給で計量時間を短縮し、目標重量に近づいた後は低速供給へ切り替えて計量精度を確保するためです。

Q. 既設モーターにインバータを追加できますか?

A. モーター仕様、絶縁性能、負荷特性、配線距離などを確認し、適用可能かを判断します。

Q. ACリアクトルやDCリアクトルは必ず必要ですか?

A. 必須とは限りません。電源容量、設備条件、高調波対策などを確認して選定します。

Q. インバータが計量値へ影響することはありますか?

A. インバータから発生するノイズが、ロードセルやアナログ信号へ影響する場合があります。配線分離、接地、シールド、フィルタなどの対策が必要です。

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