Technology
ミキサ2基制御
(ミキサ2きせいぎょ)
ミキサ2基制御とは、2台のミキサを1つの製造システムとして連携させ、原料の投入、混合、排出、次工程への受け渡しを自動制御する技術です。2基のミキサを交互に運転する方式、同時並行で運転する方式、品種や処理量によって使用するミキサを切り替える方式などがあります。
ミキサを2基設置することで、一方のミキサが混合している間に、もう一方へ原料を投入するなど、各工程の待ち時間を減らせる場合があります。ただし、計量機、供給機、搬送装置、排出先などを共用する場合は、原料や製品が誤ったミキサへ入らないよう、運転順序とインターロックを適切に設計する必要があります。
ミキサ2基制御の基本的な仕組み
ミキサ2基制御では、PLCが各ミキサの運転状態、投入可能状態、混合中、排出可能状態、異常の有無などを管理します。製造指示を受けると、使用するミキサを選択し、計量済み原料を所定のミキサへ投入します。
原料投入が完了すると、投入ゲートが閉じていることを確認し、ミキサを運転します。設定された混合時間や工程条件を満たした後、排出先が受入可能であることを確認して排出ゲートを開きます。排出完了後は、次の製造に備えてミキサの空状態やゲートの閉状態を確認します。
2基のミキサが同じ計量機や搬送経路を使用する場合は、その時点で使用可能なミキサをPLCが判断します。先に準備が完了したミキサを使用する方法のほか、生産計画や品種に従って使用先を固定する方法もあります。
主な運転方式
交互運転
ミキサ1号機と2号機を交互に使用する方式です。一方が混合・排出している間に、もう一方へ次バッチの原料を投入することで、計量設備や供給設備の待ち時間を抑えます。
並列運転
2基のミキサで同時に異なるバッチを処理する方式です。各ミキサに独立した計量・投入設備がある場合や、原料供給のタイミングをずらせる設備で採用されます。
品種別運転
品種、原料、製造条件などに応じて、使用するミキサを分ける方式です。例えば、特定の品種を1号機、別の品種を2号機で製造することで、原料残留や品種切り替えの影響を抑える場合があります。
予備機運転
通常は一方のミキサを使用し、点検や異常時にもう一方へ切り替える方式です。ただし、完全な自動切り替えが可能かどうかは、計量機や搬送設備を共用しているか、製造途中の原料をどのように扱うかによって異なります。
主な用途
- 粉体・粒体原料の配合、混合設備
- 製造能力を高めるための交互バッチ運転
- 異なる品種や配合を分けて製造する設備
- 計量機や供給機を2基のミキサで共用する設備
- 混合後の製品を複数の排出先へ振り分ける設備
- 保守や清掃を考慮して運転対象を切り替える設備
設計・制御上のポイント
投入先の誤りを防ぐ
計量済み原料を誤ったミキサへ投入すると、配合間違いや異品種混入につながります。分岐ゲート、移動ホッパー、トロリーなどが所定位置にあることを確認し、投入先が確定するまで排出ゲートを開かない制御が必要です。
PLCでは、製造指示、選択されたミキサ、搬送経路、各ゲートの開閉状態を照合し、条件が一致した場合だけ投入を許可します。
計量工程とのタイミング調整
共通の計量機から2基のミキサへ原料を供給する場合、ミキサが投入可能になる前に次の計量を開始すると、計量済み原料の待機場所が必要になります。反対に、ミキサの準備完了を待ってから計量すると、設備能力が低下する場合があります。
計量時間、投入時間、混合時間、排出時間を整理し、どの時点で次バッチの計量を開始するかを設計します。中間ホッパーを設けて計量工程と混合工程を分離する構成もあります。
混合時間と工程管理
混合開始の条件には、すべての原料投入が完了していること、投入ゲートや排出ゲートが閉じていること、安全カバーが正常であることなどがあります。設定した混合時間が経過した後も、次工程が受入不可の場合は、ミキサ内で待機させる場合があります。
長時間の待機によって品質へ影響する原料では、許容待機時間を設定し、超過時に警報を出すなどの管理が必要です。
排出先とのインターロック
排出先のホッパー、容器、コンベアなどが満杯または異常状態の場合は、ミキサから排出できません。排出先の空き状態、搬送経路、ゲート位置を確認してから排出を開始します。
2基のミキサが同じ排出経路を使用する場合は、同時に排出して原料が混ざらないよう、一方の排出が完了するまで他方を待機させます。
排出完了と残留確認
排出ゲートを開いても、付着性のある粉体ではミキサ内に原料が残る場合があります。排出時間、重量変化、ゲート状態などから排出完了を判断し、必要に応じてアジテータやノッカーなどを動作させます。
異なる品種を連続して製造する場合は、残留量や清掃条件を考慮して製造順序を決めることも重要です。
異常時の処理
一方のミキサで過負荷、ゲート動作異常、モーター異常などが発生した場合、異常機だけを停止できるのか、共通の計量・搬送設備も停止する必要があるのかを整理します。
製造途中で異常が発生した場合は、投入済み原料、計量中の原料、次バッチの製造指示をどのように扱うかも定めます。作業者が復旧しやすいよう、タッチパネルへ各ミキサの工程、投入済み原料、異常内容を表示します。
生産管理・実績保存との連携
ミキサ2基を並行運転する場合は、各バッチがどちらのミキサで製造されたかを管理する必要があります。製造番号、品種、配合、使用原料、計量実績、混合開始・終了時刻、排出先などをミキサ番号とひも付けて保存します。
生産管理システムや配合管理システムから製造指示を受け取り、設備の空き状況に応じて使用するミキサを決める構成も可能です。製造完了後は、実績データを上位システムへ返し、進捗やトレーサビリティに活用します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、原料の種類、配合数、必要な製造能力、計量・混合時間、設置スペースなどを確認し、2基のミキサを含む計量・配合・搬送設備の制御構成を検討します。
計量ホッパー、供給機、分岐ゲート、移動ホッパー、搬送装置、ミキサ、排出設備などを含む機械構成と、制御盤、PLC、タッチパネルを組み合わせ、投入、混合、排出の一連のシーケンスを設計します。
交互運転、品種別運転、共通設備の使用順序、異常時の運転制限などを設備条件に合わせて設定します。また、品種ごとの配合・混合時間の管理、各ミキサの運転状態表示、製造実績や警報履歴の保存、生産管理システムとの連携についても検討できます。
よくある質問
Q. ミキサを2基にすると製造能力は必ず2倍になりますか?
A. 必ず2倍になるとは限りません。計量機、供給機、搬送経路、排出先などを共用する場合、それらの処理能力が設備全体の上限になります。各工程の所要時間を確認して能力を算出します。
Q. 2基のミキサで異なる品種を同時に製造できますか?
A. 設備構成によって可能です。ただし、計量機や搬送経路を共用する場合は、原料の取り違えや混入を防ぐ制御と、清掃・残留への配慮が必要です。
Q. 一方のミキサが故障しても、もう一方で運転を続けられますか?
A. 共通設備が正常で、故障したミキサを安全に切り離せる構成であれば、片側運転できる場合があります。異常内容や搬送経路によっては設備全体を停止する必要があります。
Q. 使用するミキサを自動で選択できますか?
A. ミキサの空き状態、品種、製造順序、異常の有無などをPLCで確認し、自動選択できます。運用上必要であれば、作業者が使用先を指定する方式も設けられます。
Q. 各ミキサの製造実績を個別に保存できますか?
A. 製造番号、品種、計量値、混合時間、排出先、警報などを、1号機・2号機の区別を付けて保存できます。上位の生産管理システムへ送信する構成も検討できます。
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