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タッチパネル実績保存制御
(タッチパネルじっせきほぞんせいぎょ)
タッチパネル裏面
タッチパネル実績保存制御とは、設備の運転結果、計量値、生産数、異常履歴、操作履歴などをタッチパネルへ記録し、画面上で確認・検索できるようにする制御です。
設備の現在状態を表示するだけでなく、「いつ、何を、どれだけ処理したか」「どのような異常が発生したか」を履歴として残すことで、生産実績の確認、品質管理、トラブル原因の調査、保守作業に活用できます。
ハカルプラスでは、PLC、タッチパネル、SDカード、USBメモリ、上位システムを組み合わせ、設備の運用目的に応じた実績保存制御を設計します。
保存する主なデータ
保存項目は設備によって異なりますが、代表的なデータには次のものがあります。
- 運転開始・終了日時
- 品種名、製品番号、配合番号
- 目標値、実績値、計量誤差
- 生産数、処理量、供給量
- ロット番号、容器番号、設備番号
- 異常の発生・復旧日時
- 設定値や運転条件の変更履歴
- 作業者名や操作権限
すべてのデータを同じ周期で保存するのではなく、計量完了、生産完了、異常発生、設定変更など、意味のあるタイミングで記録すると、容量を抑えながら有用な履歴を残せます。
周期保存とイベント保存
周期保存
温度、圧力、重量、電力などを一定間隔で保存する方式です。設備状態の推移をトレンドグラフで確認する用途に適しています。
保存対象時間をT、保存周期をt、1点当たりの保存回数をNとすると、次の式で求められます。
N=T÷t
例えば、24時間のデータを10秒ごとに保存する場合は、8,640件です。周期を短くすると細かな変化を記録できますが、保存件数と書込み回数が増えます。
イベント保存
計量完了、生産完了、異常発生、異常復旧、設定変更など、特定の条件が成立したときに保存する方式です。
不要な記録を減らし、重要な結果だけを残せます。実際の設備では、運転中の測定値を周期保存し、生産結果や異常をイベント保存するなど、両方式を組み合わせます。
必要な保存容量
必要容量は、1件当たりのデータ量、1日の保存件数、保存日数から見積もります。
1件当たりのデータ容量をD、1日の保存件数をN、保存日数をT、必要容量をCとすると、概略的に次の式で表せます。
C=D×N×T
例えば、1件500バイト、1日2,000件、30日間保存する場合、必要容量は約30MBです。
実際には、日時、文字コード、区切り記号、ファイル管理情報なども加わるため、余裕を持って容量を確保します。また、タッチパネルには最大保存件数、ファイル数、1ファイル当たりの行数などの制限があります。
主な保存先
タッチパネル内部メモリ
外部媒体を使わず、タッチパネル本体へ保存します。構成は簡潔ですが、保存容量や書換え回数に制限があります。
SDカード・USBメモリ
CSV形式などで保存し、パソコンへ取り込んで集計・分析できます。長期保存や設備外へのデータ持出しに適しています。
ただし、書込み中の抜取り、媒体の容量不足、接点不良、寿命による書込み失敗を考慮し、異常監視や交換手順を定めます。
パソコン・上位システム
複数設備の実績を一元管理する場合は、PLCやタッチパネルから生産管理システムへデータを送信します。
タッチパネル側には短期間のデータを保存し、長期保管はサーバーやデータベースで行う構成もあります。
保存タイミングの設計
実績保存では、どの時点の値を正式な結果とするかを明確にします。
計量設備であれば、供給停止時の値ではなく、後落ちが収まり安定判定が成立した後の確定重量を保存します。生産設備では、工程開始時ではなく、正常完了を確認した時点で完了実績を記録する場合があります。
複数のデータを1件として保存する場合は、品種、目標値、実績値、時刻などを同じ処理時点で一時保持し、途中で次の生産データへ切り替わらないようにします。
ファイル分割とデータ更新
1つのファイルへ保存し続けると、ファイルが大きくなり、画面表示や読出しに時間がかかる場合があります。
そのため、次の単位でファイルを分割します。
- 日単位
- 月単位
- ロット単位
- 品種単位
- 設備単位
容量が上限へ達した場合に、古いデータから上書きするか、保存を停止して警報を出すかも決めておきます。品質記録やトレーサビリティへ使用する場合は、意図しない上書きを防ぐ必要があります。
画面での表示と検索
保存したデータは、用途に応じて一覧表、トレンドグラフ、異常履歴画面などで表示します。
- 日時による絞込み
- 品種・配合番号による検索
- ロット番号・容器番号による検索
- 正常・異常結果の絞込み
- 異常コードによる検索
画面内へ全件を読み込むと表示が遅くなる場合があるため、期間や件数を限定して表示する設計も重要です。
電源断とデータ破損への対策
ファイル書込み中に電源が切れると、保存中のデータやファイルが破損する可能性があります。
対策として、PLCやタッチパネル内へ一時保存してから外部媒体へ書き込む方法、書込み完了を確認する方法、無停電電源装置を使用する方法があります。
電源復旧後には、未保存データの有無、ファイルの状態、前回の生産処理が正常に完了していたかを確認します。
時刻管理
履歴データでは、日時の正確性が重要です。PLC、タッチパネル、管理用パソコンの時計がずれていると、異常の発生順序や生産記録の対応関係が分かりにくくなります。
必要に応じて、PLCを基準に時刻を合わせる方法や、ネットワーク上の時刻サーバーと同期する方法を採用します。
操作権限と改変防止
品質記録として使用するデータは、誰でも削除・変更できる状態にしないことが重要です。
- 管理者と一般作業者の権限を分ける
- 設定変更時に作業者情報を記録する
- 実績削除や媒体初期化を管理者操作に限定する
- 操作履歴と設定変更履歴を保存する
保存したCSVファイル自体の改変防止が必要な場合は、上位システムへの自動転送やデータベース管理を検討します。
通信異常時の処理
上位システムへ実績を送信する構成では、通信異常によってデータが欠落しないようにします。
送信前のデータをタッチパネルやPLCへ一時保持し、正常応答を受信した後に送信済みとする方法があります。通信復旧後に未送信データを再送することで、上位システム側の実績欠落を防ぎます。
再送時には同じ実績を二重登録しないよう、実績番号やロット番号などの識別情報を付与します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、計量設備、搬送設備、製造設備などを対象に、タッチパネルを利用した実績保存制御を設計します。
保存項目、保存タイミング、周期、件数、保存期間を整理し、内部メモリ、SDカード、USBメモリ、上位システムから適切な保存先を選定します。
PLCからのデータ取得、CSV出力、履歴検索、トレンド表示、異常履歴、操作権限、電源断対策まで含めて構成します。
さらに、生産管理システムや基幹システムと連携し、計量実績、生産実績、ロット情報を設備から自動収集する仕組みも検討できます。
よくある質問
Q. 実績が保存されていない場合はどこを確認しますか?
A. 保存条件が成立しているか、SDカードなどの媒体が認識されているか、容量不足や書込み異常が発生していないかを確認します。
Q. 保存中に電源が切れた場合、データは失われますか?
A. 書込み中の1件やファイルが破損する可能性があります。一時保持、書込み完了確認、無停電電源装置などの対策を検討します。
Q. 古い実績を自動的に削除できますか?
A. 古いデータから上書きする構成や、日・月単位でファイルを更新する構成が可能です。必要な保存期間を確認して設定します。
Q. 上位システムとの通信が切れた場合も実績を残せますか?
A. PLCやタッチパネルへ未送信データを一時保存し、通信復旧後に再送する構成を検討できます。
Q. タッチパネルだけで長期間の実績管理ができますか?
A. 保存件数が少ない設備では可能ですが、複数設備の集計、長期保管、改変防止が必要な場合は、上位システムやデータベースとの連携が適しています。
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