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ウォッチドッグ監視
(ウォッチドッグかんし)
ウォッチドッグ監視とは、PLC、マイコン、産業用コンピュータ、通信機器などが正常に処理を継続しているかを監視し、処理停止や応答異常を検出する仕組みです。一定時間内に正常信号が更新されない場合、異常と判定して再起動、警報、安全停止などを行います。
制御装置は、プログラム異常、ノイズ、メモリ障害、通信停止、処理負荷の増加などによって、見かけ上は電源が入っていても制御処理が停止することがあります。ウォッチドッグ監視は、このような異常を早期に検出するために使用されます。
ハカルプラスでは、PLC、マイコン、上位システム、通信機器の役割を確認し、異常検出時間、復旧方法、安全側動作を含むウォッチドッグ監視を検討します。
ウォッチドッグ監視の基本
正常に動作している制御装置は、一定時間ごとに監視信号を更新します。この信号は、ハートビート、ライフチェック、定周期信号などと呼ばれます。
監視側は、信号が所定時間内に変化しているかを確認します。更新が止まった場合は、プログラム停止、通信断、機器電源喪失などが発生したと判断します。
ハードウェアウォッチドッグ
ハードウェアウォッチドッグは、マイコンやCPUとは別の監視回路を使用し、一定時間内にリセット信号が入力されない場合にCPUを再起動させます。
ソフトウェアが停止しても独立して動作できるため、組込機器で広く使用されます。ただし、単に周期信号を出すだけの処理では、主要な制御処理が停止していても正常と判断する可能性があります。
ソフトウェアウォッチドッグ
ソフトウェアウォッチドッグは、複数のプログラム処理やタスクが正常に実行されたことを確認します。
例えば、入力処理、制御演算、通信処理、データ保存がすべて完了した後に監視信号を更新する構成とします。これにより、一部の処理だけ停止した異常も検出しやすくなります。
PLC間の監視
複数のPLCが連携する設備では、通信データ内のカウンタやビットを一定周期で変化させ、相手機器が正常に動作しているかを確認します。
受信データが残っているだけでは通信継続を判断できないため、毎周期変化する値を使用します。一定時間変化がなければ通信異常または相手機器停止と判定します。
上位システムとの監視
PLCと産業用コンピュータ、生産管理システム、サーバーなどを接続する場合も、相互にハートビートを送信します。
上位システムが停止しても設備単独で運転を継続するか、次の製造開始を禁止するかは、設備の役割によって決めます。通信異常時の運転方針を事前に定めることが重要です。
監視時間の設定
監視時間が短すぎると、一時的な通信遅延や処理負荷で異常判定する可能性があります。長すぎると、異常検出が遅れて設備影響が大きくなります。
正常時の処理周期や通信周期を確認し、その数倍程度の余裕を持たせます。起動時、データ保存時、通信再接続時など、一時的に応答が遅れる処理も考慮します。
異常検出後の動作
ウォッチドッグ異常を検出した場合の動作には、次のようなものがあります。
- 警報を出して現在の工程を停止する
- 制御装置を自動再起動する
- 出力を安全側へ移行する
- 上位または保全担当者へ通知する
- 再起動回数や発生時刻を保存する
再起動だけで復旧させると、原因が残ったまま運転を再開する可能性があります。重要設備では、再起動回数を制限し、繰り返す場合は停止します。
フェールセーフとの関係
ウォッチドッグ監視は異常を検出する仕組みであり、検出後に設備をどの状態へ移行させるかはフェールセーフ設計で決めます。
例えば、PLC停止時にモーターを停止する、バルブを閉じる、ブレーキを作動させるなど、設備ごとに安全側の状態を定めます。
単純な定周期信号の注意点
プログラムの一部が停止していても、別の周期処理だけが動作していれば監視信号を更新できる場合があります。
重要な処理が正常完了したことを確認してから監視信号を更新する、複数の処理状態をまとめて判定するなど、監視対象を明確にします。
電源異常との区別
ウォッチドッグ信号が停止した原因は、プログラム停止だけでなく、電源喪失、通信断、ケーブル断線の場合もあります。
電源状態、通信エラー、機器診断情報を併せて記録すると、原因を切り分けやすくなります。
異常履歴
発生時刻、監視対象、最終正常時刻、再起動回数、通信状態を保存します。PLCやコンピュータの再起動後も履歴を残すには、不揮発性メモリや上位システムへの保存が必要です。
同じ時間帯や特定処理中に発生していないかを分析すると、原因調査に役立ちます。
定期試験
ウォッチドッグ機能は通常運転中に動作しないため、定期的に監視信号停止や通信断を模擬し、警報と安全停止が正しく行われることを確認します。
自動再起動後に、出力や工程状態が意図しない状態へ戻らないことも確認します。
異常時の確認
ウォッチドッグ異常が発生した場合は、制御装置の電源、CPUエラー、通信状態、処理負荷、メモリ使用量を確認します。
繰り返し再起動する場合は、自動復旧を継続せず、原因確認まで設備を停止する方が安全です。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、PLC、マイコン、産業用コンピュータ、通信機器の正常信号を設計し、監視周期とタイムアウトを設定します。
異常時の安全停止、自動再起動、再起動回数制限、タッチパネル表示、異常履歴保存まで含む構成を検討します。
よくある質問
Q. ウォッチドッグ監視と通信異常監視は同じですか?
A. 通信異常監視は通信経路を確認し、ウォッチドッグ監視は相手機器やプログラムが正常に処理を継続しているかを確認します。
Q. 異常時は自動再起動すればよいですか?
A. 設備状態を確認せず再起動すると危険な場合があるため、安全側動作と再起動条件を設計します。
Q. PLC同士でもウォッチドッグ監視できますか?
A. 周期的に変化するカウンタやビットを通信し、一定時間更新されない場合に異常判定できます。
Q. 監視時間は短いほどよいですか?
A. 短すぎると一時的な処理遅延を異常と判断するため、正常周期に余裕を加えて設定します。
Q. ウォッチドッグ異常の履歴を保存できますか?
A. 発生時刻、対象機器、最終正常値、再起動回数などを保存できます。
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