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フェールセーフ制御
(フェールセーフせいぎょ)
フェールセーフ制御とは、機器の故障、断線、停電、通信異常などが発生した場合に、設備が危険側へ動作せず、あらかじめ定めた安全側の状態へ移行するように設計する考え方です。
故障を完全になくすのではなく、故障が起きることを前提として、その結果を安全な方向へ導きます。機械、人、製品、周辺設備のどれを保護するかによって、安全側の状態は異なります。
ハカルプラスでは、設備の危険性、停電時の動作、信号断線時の状態を確認し、PLC、リレー回路、バルブ、駆動機器を含むフェールセーフ制御を検討します。
安全側の状態
安全側は、単純にすべてを停止することとは限りません。
- 原料流出を防ぐためゲートを閉じる
- 圧力上昇を防ぐためバルブを開く
- 加熱を停止する
- ポンプを停止する
- 搬送物を保持するためブレーキを作動させる
- 危険物を安全な場所へ排出する
設備ごとに、故障時に最も危険が小さくなる状態を決定します。
停電時の設計
停電すると、モーターや電磁弁、PLC出力は停止します。ばね復帰式バルブやブレーキ付きモーターでは、電源喪失時の機械状態を選定できます。
停電時閉、停電時開、最終位置保持のどれが適切かを、原料流出、圧力、温度、重力落下などから判断します。
断線時の信号
異常信号や安全確認信号では、正常時に通電し、断線時にOFFとなる回路を使用することがあります。これにより、実際の異常と配線断線の両方を異常側として検出できます。
警報接点や非常停止回路では、b接点が使われることがあります。ただし、信号論理だけでなく短絡故障も考慮します。
センサ故障への対応
センサが固定値となった場合や、測定範囲外の値を出した場合を異常として判定します。
重要な制御では、二つの異なるセンサを比較する、計測値と機械動作を照合するなど、単一センサへ依存しない構成を検討します。
出力故障への対応
PLCが出力をOFFしても、接触器の接点溶着やバルブ固着によって機械が停止しない場合があります。
出力指令だけでなく、補助接点、位置センサ、電流、圧力などを使用し、実際に安全状態へ移行したことを確認します。
ウォッチドッグ監視
PLC、マイコン、通信機器が正常に処理を継続しているかをウォッチドッグで監視します。
一定時間内に正常信号が更新されない場合は、出力を安全側へ戻し、再起動または警報を行います。
通信異常時の動作
上位システムや遠隔操作との通信が途絶えた場合に、設備を停止するか、直前の設定で継続するかを決めます。
遠隔指令がない状態で継続運転すると危険な設備では停止し、単独運転が可能な設備ではローカル制御を継続する場合があります。
インターロックとの関係
インターロック制御は、条件が整っていない場合に動作を禁止します。フェールセーフ制御は、制御機器や信号が故障した場合にも安全側へ移行させる考え方です。
両者を組み合わせ、通常時の誤操作と故障時の危険の両方を低減します。
非常停止との関係
非常停止は、作業者が危険を認識した場合などに設備を停止させる機能です。必要な安全性能に応じて、安全リレー、安全PLC、強制開離接点などを使用します。
一般PLCのソフトウェアだけで安全機能を構成できない場合があります。
再起動防止
停電や非常停止から復帰した際に、設備が自動的に再始動すると危険な場合があります。
電源復帰後は停止状態を保持し、作業者が設備周辺を確認して再起動操作を行う構成とします。自動復旧する設備では、再起動条件を明確にします。
異常時の情報保持
安全停止後に原因が分からなくならないよう、停止直前の入力、出力、ステップ、警報を保存します。
停電時にも履歴を保持する必要がある場合は、不揮発性メモリやバックアップ電源を使用します。
定期点検
フェールセーフ機能は、通常運転では動作しないことが多いため、定期的な試験が必要です。
センサ断線、通信遮断、非常停止、電源喪失などを模擬し、設備が想定した安全状態へ移行することを確認します。
異常時の確認
安全停止が頻発する場合は、実際の設備異常だけでなく、断線、接触不良、電源変動、通信品質を確認します。
安易に監視を無効化せず、なぜ安全側へ移行したかを履歴から確認します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、故障モード、停電時動作、信号論理を整理し、PLC、リレー、バルブ、モーター回路を含む安全側動作を検討します。
インターロック、ウォッチドッグ、通信異常監視、再起動防止、異常履歴を組み合わせた制御に対応できる場合があります。
よくある質問
Q. フェールセーフとは故障しない設計ですか?
A. 故障をなくす考え方ではなく、故障した場合に危険側へ移行しないようにする設計です。
Q. 停電時はすべて閉じるのが安全ですか?
A. 設備によっては圧力解放のため開く方が安全な場合もあり、危険性評価が必要です。
Q. b接点を使えばフェールセーフになりますか?
A. 断線検出には有効ですが、短絡、接点溶着、機械固着なども考慮する必要があります。
Q. 一般PLCだけで安全制御を構成できますか?
A. 人の安全に関わる機能では、安全リレーや安全PLCが必要になる場合があります。
Q. フェールセーフ機能は定期点検が必要ですか?
A. 故障時に確実に動作することを確認するため、模擬試験や定期点検が必要です。
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