Technology
在庫管理
(ざいこかんり)
在庫管理とは、原料、部品、仕掛品、製品、包装資材などについて、品目、数量、保管場所、ロット、入出庫履歴を把握する仕組みです。必要な物を必要な時に使用できるようにし、欠品、過剰在庫、期限切れ、取り違いを防ぎます。
製造現場では、帳簿上の在庫と実際の在庫が一致しないと、製造停止や誤投入につながります。入荷、移動、投入、製造、廃棄、出荷の各時点で在庫を正しく更新することが重要です。
ハカルプラスでは、原料の計量・投入、製品の製造実績、バーコード読取、上位システムとの連携を組み合わせた在庫管理を検討します。
在庫管理の対象
- 粉体、粒体、液体などの原料
- 購入部品、組立部品
- 製造途中の仕掛品
- 完成品
- 袋、容器、ラベルなどの包装資材
- 保守部品、交換部品
在庫管理の目的
- 必要在庫を確保し欠品を防ぐ
- 過剰在庫や長期滞留を減らす
- 原料・製品ロットを追跡する
- 使用期限切れや誤使用を防ぐ
- 棚卸作業を効率化する
- 発注・生産計画へ在庫情報を反映する
在庫数量の基本
在庫数量は、入庫、出庫、移動、製造、廃棄などの履歴から算出します。
現在庫=前回在庫+入庫-出庫-廃棄±調整数
すべての増減理由を履歴として残し、単に現在値だけを書き換えないことが重要です。
品目管理
原料や製品ごとに一意の品目コードを付け、品名、単位、保管条件、使用期限、発注点などを登録します。
似た名称の品目を文字列だけで管理すると、取り違いが起こりやすくなります。品目コードと表示名を併用します。
保管場所管理
倉庫、棚、タンク、サイロ、ピットなどの保管場所を識別し、どこに何がどれだけあるかを管理します。
同じ品目が複数場所へ分散している場合は、場所別在庫と全体在庫を分けて表示します。
入庫管理
原料や部品の受入れ時に、品目、数量、ロット、入荷日、仕入先、保管場所を登録します。
受入検査が必要な場合は、検査待ち、合格、保留、不合格などの状態を管理し、未合格品を製造へ使用しないようにします。
出庫管理
製造指図や出荷指示に基づき、対象品目と数量を在庫から引き落とします。
実際の払出し数量をバーコードや計量器で取得すると、予定数量との差を確認できます。
原料投入と在庫減算
粉体・液体の配合設備では、計量実績を原料在庫から減算できます。
目標重量ではなく実績重量を使用することで、実際の使用量へ近づけられます。計量後に排出されなかった原料や回収原料をどのように扱うかも決めます。
タンク・サイロ在庫
タンクやサイロの在庫は、ロードセル、レベル計、流量計、入出庫実績などから把握します。
ロードセルは重量を直接測定できますが、配管荷重や付着の影響を受けます。レベル計から重量へ換算する場合は、形状とかさ密度の変化を考慮します。
理論在庫と実在庫
入出庫履歴から計算した在庫を理論在庫、現物を計量・棚卸して確認した在庫を実在庫とします。
両者に差がある場合は、入力漏れ、原料残留、計量誤差、廃棄未登録、漏れなどを確認します。
ロット別在庫
同じ品目でも、入荷ロットや製造ロットごとに数量を管理します。
品質問題や回収時に対象範囲を特定できるほか、先入先出や使用期限管理に利用できます。
先入先出
入庫日や製造日の古いロットから使用する方法を先入先出と呼びます。
システムが使用候補ロットを指示し、別ロットを読み取った場合に警告を出します。ただし、品質状態や保管条件によって使用順序を変更する場合もあります。
使用期限管理
ロットごとに使用期限を登録し、期限が近い在庫を表示します。
期限切れ品の出庫や投入を禁止し、保留・廃棄処理へ移します。温度や開封後日数によって期限が変わる品目では、その条件も管理します。
在庫予約
製造指図や受注に対して必要な在庫を予約し、他の指図で使用されないようにします。
現在庫が十分でも、予約済み数量を除くと使用可能在庫が不足する場合があります。
使用可能在庫=現在庫-予約在庫-保留在庫
発注点管理
在庫が一定量を下回った場合に、発注や補充を促します。
使用速度、調達期間、安全在庫を考慮して発注点を設定します。タンクやサイロでは、補充リードタイムを考慮して下限警報を設定します。
安全在庫
需要変動や納入遅延に備えて保持する在庫を安全在庫と呼びます。
多すぎると保管コストや劣化リスクが増え、少なすぎると欠品リスクが高まります。使用実績と調達条件から見直します。
仕掛品管理
工程途中の材料や半製品について、数量、現在工程、保管場所、ロットを管理します。
一時保管、工程間移動、再処理がある場合は、完成品や原料とは別の在庫状態として扱います。
製品入庫
製造完了時に、良品数量を製品在庫へ入庫します。
検査前の場合は検査待ち在庫とし、合格後に出荷可能在庫へ変更します。不良品や手直し品を良品在庫へ含めないようにします。
製品出庫・出荷
出荷指示に基づき、対象製品ロットと数量を在庫から減算します。
納品先、出荷日時、運送情報を関連付けると、ロット追跡に利用できます。
在庫移動
倉庫間、棚間、タンク間で在庫を移動する場合は、移動元を減算し、移動先を加算します。
移動途中の状態を管理し、受入れ確認が完了するまで移動中在庫として扱う場合があります。
在庫調整
棚卸差異や計量誤差によって在庫を修正する場合は、調整理由、変更前後数量、操作者を記録します。
在庫調整を頻繁に行うと根本原因が見えなくなるため、差異分析と改善を行います。
棚卸
定期的に現物数量を確認し、システム在庫と照合します。
バーコード、ハンディターミナル、台秤などを利用すると入力を効率化できます。棚卸中の入出庫を停止するか、基準時刻を明確にします。
バーコード・QRコード
品目、ロット、数量、保管場所をバーコードやQRコードで識別します。
入庫、移動、投入、棚卸、出荷時に読み取ることで、手入力ミスを減らします。
ERP・MESとの連携
購買、受注、原価、会計を管理するERPと在庫情報を連携できます。
現場の詳細な入出庫や計量実績はMES・製造システムで管理し、確定した在庫増減をERPへ送る構成もあります。
異常時の確認
在庫数が合わない場合は、未送信実績、取消処理、廃棄、移動中在庫、計量値を確認します。
同じロットが複数場所に表示される場合は、分割・移動履歴を点検します。負在庫が発生した場合は、出庫順序や入庫未登録を確認します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、原料受入れ、計量投入、製造、出荷までの在庫増減ポイントを整理します。
ロードセル、レベル計、バーコード、ハンディターミナル、PLC、データベースを組み合わせ、重量実績やロットと連携する在庫管理を検討します。
よくある質問
Q. 計量実績から原料在庫を自動で減らせますか?
A. 原料コードと計量実績を関連付け、実績重量を在庫から減算できます。
Q. サイロ内の在庫量も管理できますか?
A. ロードセル、レベル計、入出庫実績などを利用して管理できます。
Q. ロットごとに在庫を分けられますか?
A. 入荷・製造ロットごとに数量、期限、保管場所を管理できます。
Q. 棚卸差異を修正できますか?
A. 在庫調整は可能ですが、変更前後数量、理由、操作者を履歴として残します。
Q. ERPと在庫情報を連携できますか?
A. 品目コード、入出庫数量、ロット、在庫残高などを連携できます。