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設備稼働率管理
(せつびかどうりつかんり)
設備稼働率管理とは、生産設備が使用可能な時間のうち、実際にどれだけ運転・生産していたかを記録し、停止時間や能力低下の原因を分析する仕組みです。設備の利用状況を数値化し、生産能力、保全計画、設備投資の判断へ活用します。
単にモーターが動いている時間だけを稼働時間とすると、空運転や待機運転まで含まれる場合があります。設備の目的に合わせて、運転、実生産、待機、段取り、故障などの状態を定義することが重要です。
ハカルプラスでは、PLC信号、計量完了、生産数量、異常情報などを確認し、設備状態の収集、稼働率算出、停止理由集計を行う構成を検討します。
設備稼働率管理の目的
- 設備の実際の利用状況を把握する
- 停止時間と停止理由を分析する
- 生産能力低下の原因を確認する
- 故障や短時間停止の傾向を把握する
- 設備保全や更新の優先順位を決める
- 増産時の設備余力を確認する
稼働率の基本
設備稼働率は、対象時間に対する稼働時間の割合として算出できます。
設備稼働率=稼働時間÷対象時間×100
ただし、対象時間に休憩、休日、計画保全、段取りを含めるかによって結果が変わります。社内で定義を統一します。
対象時間の定義
対象時間には、暦時間、勤務時間、計画生産時間などがあります。
- 暦時間:24時間すべてを対象
- 勤務時間:作業者が勤務する時間を対象
- 計画生産時間:休憩や計画停止を除いた時間を対象
設備比較を行う場合は、同じ基準で算出する必要があります。
設備状態の分類
設備状態を細かく分類すると、停止や損失の原因を分析しやすくなります。
- 生産運転
- 空運転・待機運転
- 段取り・品種切替
- 清掃・洗浄
- 故障停止
- 原料待ち
- 作業者待ち
- 品質確認待ち
- 計画保全
運転信号からの取得
PLCの自動運転中、モーター運転中、サイクル運転中などの信号を取得し、設備状態を記録します。
一つの運転信号だけでは、実際に製品を生産しているか判断できない場合があります。製造指図、原料供給、計量完了、生産カウンタなどを組み合わせます。
実生産時間
設備が動いている時間のうち、良品を生産している時間を実生産時間として扱う方法があります。
空運転、調整運転、再処理などを分けることで、設備が価値を生み出している時間を把握できます。
停止時間
設備が停止した時刻と復旧した時刻を記録し、停止時間を算出します。
短時間停止が頻発する場合、合計すると大きな損失になることがあります。一定時間未満の停止も取りこぼさず記録します。
停止理由
PLCが自動判定できる異常は、異常コードから停止理由を登録します。原料待ち、作業者待ちなど設備信号だけで判断しにくい理由は、作業者が選択します。
自由入力だけでは集計しにくいため、主要な停止理由を分類し、必要に応じてコメントを追加します。
計画停止と非計画停止
保守、清掃、休憩、設備改造など予定された停止を計画停止、故障や材料不足など予定外の停止を非計画停止とします。
両者を分けることで、設備信頼性の問題と生産計画上の停止を区別できます。
稼働時間の積算
設備運転信号がONの間、PLCや上位システムで時間を積算します。
停電やPLC交換後も値を保持するには、不揮発性メモリやデータベースへ定期保存します。設備部品ごとにモーター運転時間や起動回数を積算する場合もあります。
生産能力との比較
設備が稼働していても、設計能力より処理速度が低い場合があります。
理論生産数量と実績数量を比較し、速度損失を把握します。計量時間、搬送待ち、供給速度、安定待ちなどを工程別に確認します。
設備総合効率
設備総合効率では、時間稼働率、性能稼働率、良品率を組み合わせて設備の生産性を評価します。
設備総合効率=時間稼働率×性能稼働率×良品率
稼働時間だけでなく、速度低下や不良損失も含めて確認できます。
時間稼働率
計画生産時間から故障、段取りなどの停止時間を差し引き、実際に運転できた割合を示します。
時間稼働率=稼働時間÷計画生産時間×100
性能稼働率
設備が稼働していた時間に対して、理論上生産できる数量と実際の生産数量を比較します。
設備の低速運転、小停止、供給待ちなどによる能力低下を把握できます。標準サイクル時間を製品ごとに設定します。
良品率
生産数量のうち、良品となった割合を示します。
良品率=良品数量÷総生産数量×100
手直し品や再処理品をどのように扱うかを統一します。
サイクル時間の監視
製造サイクルごとの開始・完了時刻を記録すると、サイクル時間の変化を確認できます。
計量時間が徐々に長くなる、排出時間が増えるなどの変化は、原料付着、供給機摩耗、機械劣化の兆候となる場合があります。
短時間停止
数秒から数分の停止は、作業者の日報に記録されにくい一方、頻発すると生産能力へ大きく影響します。
センサ待ち、ワーク詰まり、通信再試行などを自動記録し、発生回数と合計時間を集計します。
異常履歴との連携
設備停止時に発生していた異常を関連付けると、停止時間を異常種別ごとに集計できます。
最初に発生した異常と、連鎖的に発生した停止警報を区別すると、根本原因を把握しやすくなります。
作業実績との連携
製造指図、品種、作業者と稼働データを関連付けることで、製品別のサイクル時間や段取り時間を分析できます。
同じ設備でも品種によって標準能力が異なる場合は、品種別の基準値を使用します。
リアルタイム表示
現場や管理画面へ、現在状態、当日稼働率、生産数量、停止時間を表示します。
停止が長時間継続している設備や、生産計画に遅れがある設備を強調表示すると、対応を迅速に行えます。
日別・月別集計
設備別、ライン別、品種別、停止理由別に稼働率を集計します。
日ごとの変動だけでなく、週・月単位の傾向を確認し、改善前後の効果を比較します。
予防保全への利用
累積運転時間、起動回数、異常回数を部品交換基準へ利用できます。
設備停止が増加している場合や、サイクル時間が悪化している場合は、故障前の点検や部品交換を検討します。
通信断時の対応
上位システムとの通信が切れると、停止・運転時刻が欠落する可能性があります。
設備側で状態変化の時刻を一時保存し、復旧後に送信します。PLC、タッチパネル、サーバーの時計も同期します。
異常時の確認
稼働率が実態と合わない場合は、状態定義、運転信号、計画時間、日付切替を確認します。
停止理由が未分類となる場合は、入力操作、異常コード連携、通信を点検します。稼働時間が増えない場合は、信号極性や積算条件を確認します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、設備の運転工程とPLC信号を確認し、稼働、停止、段取り、待機などの状態を定義します。
異常履歴、作業実績、生産数量と組み合わせ、設備別稼働率、停止理由、サイクル時間を見える化する仕組みを検討します。
よくある質問
Q. モーターの運転時間だけで稼働率を計算できますか?
A. 概算はできますが、空運転や待機を含む可能性があるため、実生産状態も確認するのが有効です。
Q. 短時間の停止も記録できますか?
A. PLCの状態変化を自動記録し、数秒単位の小停止も回数と時間で集計できます。
Q. 停止理由を自動判定できますか?
A. 設備異常は自動判定できますが、材料待ちや作業者待ちは入力が必要な場合があります。
Q. 設備総合効率も算出できますか?
A. 稼働時間、標準サイクル、生産数量、良品数量を取得すれば算出できます。
Q. 既設設備でも稼働率を管理できますか?
A. 運転、停止、異常、生産数量などの信号を取得できれば、後付けできる場合があります。