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作業実績管理
(さぎょうじっせきかんり)
作業実績管理とは、製造、計量、投入、検査、包装、保守などの作業について、誰が、いつ、どの設備で、どの品種を、どれだけ処理したかを記録・集計する仕組みです。作業計画に対する進捗、生産数量、作業時間、停止理由などを把握し、生産性向上や原価管理へ活用します。
紙の日報や表計算ソフトでも実績は管理できますが、設備から自動取得したデータと作業者の入力を組み合わせることで、入力負担と転記ミスを減らせます。製造指図、ロット、計量実績、異常履歴などを関連付けることも重要です。
ハカルプラスでは、現場の作業手順、設備信号、管理したい項目を確認し、PLC、タッチパネル、ハンディターミナル、データベースを組み合わせた作業実績管理を検討します。
作業実績管理の目的
- 計画に対する進捗状況を確認する
- 製品別・設備別の生産数量を把握する
- 作業時間や待ち時間を分析する
- 作業者ごとの実績を記録する
- 停止・手直し・廃棄の原因を把握する
- 原価計算や改善活動へ利用する
単に完成数量だけを記録するのではなく、どの工程で時間や損失が発生したかを確認できる情報を残します。
管理する主な情報
作業実績として記録する項目は、工程や管理目的によって異なります。
- 製造指図番号、品種、ロット番号
- 作業開始時刻、終了時刻
- 設備番号、作業場所
- 作業者、確認者
- 良品数量、不良数量、廃棄数量
- 原料使用量、計量実績
- 停止時間、停止理由
- 手直し、再作業、追加投入の内容
計画と実績の比較
製造指図や日別計画には、品種、予定数量、開始予定、完了予定などが登録されます。作業実績と比較することで、進捗遅れや予定超過を把握できます。
例えば、予定数量1,000個に対して実績が800個であれば、残数200個を表示します。予定終了時刻を超えている場合は、遅延として管理できます。
作業開始・終了の記録
タッチパネル、ハンディターミナル、パソコンなどから作業開始・終了を登録します。バーコードやICカードを利用すると、製造指図と作業者を簡単に識別できます。
設備の運転信号から自動的に開始・終了を判断する方法もあります。ただし、段取り、清掃、検査など設備が動かない作業は、別途入力が必要です。
設備からの自動実績取得
PLCや計量コントローラから、生産数量、計量値、運転時間、異常停止などを取得できます。
設備が一回のサイクルを完了した時点で実績数を加算し、製造指図やロットへ関連付けます。人手による集計を減らせますが、手動運転や再処理をどのように扱うかを決める必要があります。
手入力実績
設備から取得できない作業は、作業者が数量、時間、理由などを入力します。
自由入力を多くすると表記がばらつくため、作業区分、停止理由、手直し理由などは選択式にする方法が有効です。入力が必要な項目と、自動取得できる項目を分けます。
作業者の識別
作業実績へ作業者情報を関連付けるには、個人ID、バーコード、ICカード、NFCなどを使用します。
共通アカウントでは誰が作業したか特定できないため、品質記録や教育管理へ利用する場合は個人単位で識別します。複数人で作業する工程では、主担当者と補助者を分けて記録することもあります。
数量実績
完成数量だけでなく、投入数量、処理数量、良品数量、不良数量、廃棄数量を分けて記録します。
数量の関係が一致しない場合は、入力漏れや仕掛品残りが考えられます。例えば、投入数量と良品・不良・仕掛数量の合計を照合します。
重量・計量実績
粉体、粒体、液体を扱う設備では、数量だけでなく重量実績を管理します。
原料ごとの目標重量、実績重量、誤差、補正、手動投入を保存し、製造ロットへ関連付けます。原料使用量と完成品重量を比較すると、残留や廃棄の把握にも利用できます。
作業時間
作業時間は、開始から終了までの経過時間だけでなく、実作業、段取り、待ち、停止、清掃などに分類すると改善へ活用しやすくなります。
設備運転時間と作業者の拘束時間は一致しない場合があります。管理目的に応じて、機械時間と人作業時間を分けて記録します。
段取り時間
品種切替、原料切替、治具交換、洗浄、設定変更などに要した時間を段取り時間として記録します。
製品別・設備別に集計すると、切替順序の見直しや作業標準化の効果を確認できます。段取り開始・終了を操作入力または設備状態から取得します。
停止理由の管理
設備停止を「停止」とだけ記録しても、改善には利用しにくいため、原因を分類します。
- 設備故障
- 原料待ち
- 作業者待ち
- 品質確認待ち
- 段取り・清掃
- 上流・下流設備待ち
- 計画停止
短時間停止が頻発する場合もあるため、自動判定と作業者選択を組み合わせます。
不良・手直し実績
不良数量だけでなく、不良内容、発生工程、処置、手直し時間を記録します。
同じ不良が特定設備、品種、時間帯に集中していないかを分析できます。再投入や再計量を行った場合は、元のロットとの関係を残します。
進捗表示
現場画面には、予定数量、実績数量、残数量、進捗率、予定終了時刻などを表示します。
管理者向け画面では、複数設備・複数指図の進捗を一覧化できます。遅延、停止、品質保留などを区別して表示すると、優先対応を判断しやすくなります。
リアルタイム集計
設備から実績をリアルタイムに収集すると、日報作成を待たずに現在の進捗を確認できます。
ただし、通信断や設備側の未確定実績を考慮する必要があります。確定前、確定済み、修正済みなどの状態を管理します。
日報・月報
作業実績から、生産日報、設備別実績、作業者別実績、停止時間一覧などを作成できます。
手集計を減らせますが、現場で必要な帳票と管理者が必要な集計は異なるため、目的別に表示・出力します。
原価管理への利用
作業時間、設備時間、原料使用量、不良数量を製品や製造指図へ関連付けることで、実績原価の基礎データになります。
標準時間や標準使用量との差を確認し、原料ロス、作業遅延、設備停止の影響を分析できます。
製造指図管理との連携
製造指図を作業実績の起点とすると、計画から完了までを一貫して管理できます。
作業開始時に指図番号を選択し、生産数量、計量値、作業者、停止時間を同じ指図へ保存します。完了条件を満たしたら指図を完了状態へ変更します。
ロット管理との連携
製造ロット、原料ロット、完成品ロットを作業実績へ関連付けます。
品質問題が発生した際に、どの作業者、設備、製造条件で処理されたかを追跡できます。ロットの分割や統合がある場合は親子関係も保存します。
修正と監査証跡
作業実績を修正する場合は、変更前後の値、修正理由、操作者、日時を記録します。
確定済みの実績を自由に上書きすると、品質記録や原価計算の信頼性が低下します。修正権限や承認手順を設定します。
通信断時の対応
設備とサーバーの通信が切れた場合でも、設備側へ実績を一時保存し、通信復旧後に再送します。
二重登録を防ぐため、一意の実績番号や通し番号を持たせます。未送信件数を画面へ表示すると保守しやすくなります。
異常時の確認
実績数量が合わない場合は、設備カウンタ、手動運転、再処理、通信再送、取消処理を確認します。
作業時間が異常に長い場合は、終了操作忘れ、設備停止、日付またぎ処理を点検します。実績が上位へ送信されない場合は、通信と指図番号の整合を確認します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、製造、計量、検査、保守などの作業工程を整理し、自動取得する情報と作業者が入力する情報を検討します。
PLC、タッチパネル、ハンディターミナル、産業用コンピュータ、データベースを組み合わせ、進捗、数量、作業時間、停止理由を管理する仕組みに対応できる場合があります。
よくある質問
Q. 作業実績は設備から自動的に取得できますか?
A. 生産数量、運転時間、計量値などは設備から取得できますが、段取りや手作業は入力が必要な場合があります。
Q. 作業者ごとの実績を管理できますか?
A. 個人ID、ICカード、バーコードなどで作業者を識別し、実績へ関連付けられます。
Q. 停止理由も集計できますか?
A. 設備信号と作業者入力を組み合わせ、故障、原料待ち、段取りなどに分類して集計できます。
Q. 計量実績と製造数量を関連付けられますか?
A. 製造指図やロット番号を共通キーとして、原料別計量実績と完成数量を関連付けられます。
Q. 既存の日報を電子化できますか?
A. 現在の記入項目と設備から取得できる情報を整理し、段階的に電子化できる場合があります。