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PWM出力制御

(PWMしゅつりょくせいぎょ)

PWM出力制御とは、出力を高速にON・OFFし、一定周期内におけるON時間の割合を変えることで、モーター速度、LED明るさ、ヒーター出力などを調整する制御です。PWMはPulse Width Modulationの略で、パルス幅変調と呼ばれます。

出力電圧そのものを連続的に変えなくても、負荷へ供給される平均電力を調整できる点が特長です。マイコンのタイマ機能や専用PWM回路を使用して生成します。

ハカルプラスでは、負荷の種類、必要な出力範囲、応答速度、ノイズ条件を確認し、周波数、デューティ比、駆動回路を含むPWM出力制御を検討します。

PWMの基本

PWM信号は、一定周期でONとOFFを繰り返すデジタル信号です。1周期のうちONしている時間の割合をデューティ比と呼びます。

デューティ比が0%なら常時OFF、50%なら周期の半分がON、100%なら常時ONです。

デューティ比=ON時間÷周期×100

平均電圧と平均電力

負荷がPWMの高速なON・OFFを平均化する場合、デューティ比に応じた平均電圧または平均電力として働きます。

例えば、24V電源をデューティ比50%で駆動すると、単純な平均値は約12V相当になります。ただし、モーターやヒーターの実際の応答は負荷特性によって異なります。

PWM周波数

1秒間にPWM周期を何回繰り返すかをPWM周波数と呼びます。周波数が低いと負荷の脈動やちらつきが目立ち、高いとスイッチング損失やノイズが増える傾向があります。

負荷、駆動素子、必要な分解能、マイコンタイマの能力から周波数を決めます。

モーター速度制御

直流モーターへPWM電圧を加えると、デューティ比に応じて平均電圧が変化し、回転速度を調整できます。

低デューティ比では始動トルクが不足し、モーターが回転しない場合があります。最低デューティ比、始動時のブースト、過電流保護を設定します。

LED調光

LEDを高速に点滅させると、人の目には平均的な明るさとして見えます。デューティ比を変えることで調光できます。

周波数が低いとちらつきが見えるほか、カメラ撮影時に縞や明暗が出る場合があります。使用環境に合わせて周波数を選定します。

ヒーター制御

ヒーターは熱応答が遅いため、比較的低い周波数の時間比例制御でも平均出力を調整できます。

機械式接触器を高速に開閉すると寿命が短くなるため、SSRやサイリスタを使用します。負荷容量と放熱を確認します。

ソレノイドやバルブ制御

ソレノイドへ初期は大きな電流を流し、動作後はPWMで保持電流を下げる方法があります。

消費電力と発熱を減らせますが、保持力不足による復帰や振動が起こらないよう、最低保持デューティ比を確認します。

PWM分解能

デューティ比を何段階で設定できるかを分解能と呼びます。8ビットなら256段階、10ビットなら1,024段階で設定できます。

周波数を高くすると、同じタイマクロックでは1周期あたりのカウント数が減り、分解能が低下する場合があります。

タイマによる生成

マイコンのタイマ・カウンタ機能を使用し、周期値と比較値を設定してPWMを生成します。ハードウェアで出力されるため、CPU処理の影響を受けにくい点が特長です。

複数チャンネルを使用する場合は、共通タイマによる周波数制約や端子割当を確認します。

出力回路

マイコン端子だけでは大きな電流を流せないため、MOSFET、トランジスタ、ゲートドライバなどを使用します。

負荷電流、電源電圧、スイッチング周波数、発熱を考慮して選定します。誘導負荷では、逆起電力を吸収するダイオードやサージ保護素子を設けます。

ハイサイドとローサイド駆動

負荷の0V側をスイッチする方式をローサイド駆動、電源側をスイッチする方式をハイサイド駆動と呼びます。

負荷の接地条件、安全性、配線構成によって選択します。ハイサイド駆動では、ゲート電圧を生成する専用ドライバが必要になる場合があります。

デッドタイム

Hブリッジやインバーター回路では、上下のスイッチング素子が同時にONすると短絡します。

一方をOFFしてから他方をONするまでに短い待ち時間を設けます。これをデッドタイムと呼びます。短すぎると短絡し、長すぎると出力波形がひずみます。

ノイズ対策

PWMは高速に電流を切り替えるため、電磁ノイズや電源電圧変動を発生させます。

  • 電流ループを短くする
  • 電源へバイパスコンデンサを配置する
  • ゲート抵抗で立上り速度を調整する
  • 信号線と動力線を分離する
  • 必要に応じてフィルタやシールドを設ける

アナログ出力への変換

PWM信号をローパスフィルタへ通すと、デューティ比に応じたアナログ電圧へ変換できます。

簡易的な電圧指令に利用できますが、負荷変動、リップル、応答速度、精度を確認します。高精度が必要な場合はD/A変換器を使用します。

出力異常の検出

PWM指令を出していても、MOSFET故障、配線断線、負荷短絡によって実際の出力が異なる場合があります。

電流、電圧、回転速度、温度などをフィードバックし、指令と実動作の一致を確認します。

停止時の出力状態

マイコンリセット時や起動途中にPWM端子が不定状態となると、負荷が意図せず動作する可能性があります。

プルダウン抵抗、出力許可信号、ハードウェア遮断回路を設け、初期化完了までは安全側を維持します。

異常時の確認

出力が変化しない場合は、タイマ設定、端子設定、デューティ比、駆動回路、電源を確認します。低出力で負荷が動かない場合は、最低動作電圧や始動トルクを点検します。

ノイズや発熱が大きい場合は、周波数、MOSFET選定、ゲート抵抗、放熱を見直します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、モーター、LED、ヒーター、ソレノイドなどの負荷特性を確認し、PWM周波数とデューティ比を設計します。

マイコンタイマ、MOSFET駆動、電流監視、サージ対策、フェールセーフを組み合わせた出力制御を検討します。

よくある質問

Q. PWMはアナログ出力ですか?

A. 信号自体はデジタルのON・OFFですが、デューティ比によって平均的な出力を調整できます。

Q. PWM周波数は高いほどよいですか?

A. ちらつきや脈動は減りますが、スイッチング損失とノイズが増えるため、負荷に合わせて設定します。

Q. 直流モーターの速度を制御できますか?

A. PWMのデューティ比を変えることで速度を調整できます。

Q. マイコン端子からヒーターを直接駆動できますか?

A. 出力電流が不足するため、MOSFET、SSR、サイリスタなどの駆動回路が必要です。

Q. PWMからアナログ電圧を作れますか?

A. ローパスフィルタを使用して平均化できますが、精度と応答速度を確認します。

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