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ソフトスターター制御
(ソフトスターターせいぎょ)
ソフトスターター制御とは、三相誘導モーターの始動時に供給電圧を段階的に上昇させ、始動電流と始動トルクを抑えながら滑らかに加速させる制御です。ポンプ、ファン、コンベヤ、撹拌機など、一定速度で運転する設備に使用されます。
モーターを電源へ直接接続する直入れ始動では、定格電流の数倍に達する始動電流が流れることがあります。ソフトスターターを使用すると、電源設備への負担、機械的衝撃、配管内の圧力変動を低減できます。
ハカルプラスでは、モーター容量、負荷特性、始動時間、停止方法を確認し、ソフトスターター、遮断器、バイパス回路、PLCを組み合わせた制御を検討します。
ソフトスターターの仕組み
ソフトスターターは、サイリスタなどの半導体素子を使用し、モーターへ加える交流電圧を制御します。始動時は低い電圧から開始し、設定した時間をかけて定格電圧まで上昇させます。
モーターの発生トルクは電圧の影響を大きく受けるため、電圧を下げすぎると負荷を加速できません。必要な始動トルクを確保しながら設定します。
直入れ始動との違い
直入れ始動は、構成が簡単で大きな始動トルクを得られますが、始動電流と機械的衝撃が大きくなります。
ソフトスターターは、始動電流を抑えて滑らかに加速できます。ただし、始動中に電圧を下げるため、重負荷や高始動トルクが必要な設備には適さない場合があります。
インバーターとの違い
インバーターは電源周波数を変えて、始動後もモーター速度を連続的に調整できます。ソフトスターターは、主に始動・停止時の電圧を制御し、通常運転では商用周波数の一定速度となります。
- ソフトスターター:始動・停止の衝撃低減が中心
- インバーター:始動制御に加え、運転中の速度調整が可能
速度調整が不要で、始動時の負担だけを抑えたい設備では、ソフトスターターが候補となります。
主な適用設備
- ポンプ
- 送風機・排気ファン
- ベルトコンベヤ
- 撹拌機・ミキサー
- コンプレッサ
- 遠心分離機
負荷トルク、慣性、始動頻度によって適否が変わります。
始動電流の抑制
大容量モーターの始動電流は、受電設備や発電機の電圧低下を引き起こすことがあります。周辺機器が瞬時電圧低下の影響を受け、誤動作する可能性もあります。
ソフトスターターで電圧を徐々に上げることで、電源系統へ流れる始動電流を抑えます。ただし、負荷条件によって必要電流は異なります。
機械的衝撃の低減
コンベヤを直入れ始動すると、ベルト、チェーン、カップリングへ急激な張力が加わります。ソフトスタートにより加速を緩やかにすると、機械部品への衝撃を低減できます。
搬送物の転倒や荷崩れを抑えられる場合もあります。
ポンプでの利用
ポンプを急始動・急停止すると、配管内の流速が急変し、ウォーターハンマーが発生することがあります。
ソフトスターターによる滑らかな始動とソフトストップを利用すると、圧力変動を抑えられる場合があります。ただし、逆止弁や配管条件も含めて検討します。
始動電圧と始動時間
始動電圧が低すぎるとモーターが回転を始めず、拘束電流が長時間流れる可能性があります。高すぎると始動電流と衝撃を十分に抑えられません。
始動時間を長くしすぎると、半導体素子とモーターの発熱が増えます。実負荷で電流と加速状態を確認して調整します。
電流制限始動
ソフトスターターには、始動電流が設定値を超えないよう電圧を制御する電流制限機能を持つ機種があります。
電源容量に制約がある場合に有効ですが、電流を制限しすぎると加速トルクが不足し、始動時間が長くなります。
バイパス回路
モーターが定常速度へ達した後、電磁接触器でソフトスターターの半導体部分をバイパスする構成があります。
通常運転中の発熱と電力損失を抑えられます。バイパス接触器を内蔵する機種と、外付けする機種があります。
始動頻度
ソフトスターターは始動中に発熱するため、短時間に何度も始動すると許容温度を超える可能性があります。
1時間あたりの始動回数、始動時間、負荷電流を確認します。頻繁な起動停止が必要な設備では、容量や冷却方法を見直します。
保護機能
機種によって、過負荷、欠相、逆相、拘束、始動時間超過、過熱などの保護機能を備えています。
ソフトスターターの保護範囲を確認し、遮断器、ヒューズ、モーター保護継電器と組み合わせます。
PLCとの連携
PLCから運転指令を出し、運転中、始動完了、異常などの信号を取り込みます。下流設備やバルブの状態を確認してから始動します。
始動完了信号が一定時間内に入らない場合は、始動タイムアウトとして設備を停止します。
異常時の確認
モーターが始動しない場合は、始動電圧不足、負荷拘束、相欠相、配線を確認します。始動時間が長い場合は、負荷増加、電流制限値、加速設定を点検します。
過熱異常が発生する場合は、始動頻度、盤内温度、換気、負荷電流を確認します。
保守と更新
端子の緩み、冷却ファン、通風口、バイパス接触器を定期的に点検します。異常履歴や始動電流を記録すると、負荷増加や機械劣化の把握に役立ちます。
既設のスターデルタ始動や直入れ始動から更新する場合は、盤内スペース、発熱、配線、保護協調を確認します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、モーター容量、始動トルク、電源容量、始動頻度を確認し、適切なソフトスターターと保護機器を選定します。
制御盤、PLC、バイパス回路、異常表示を組み合わせ、既設設備の始動衝撃や始動電流を低減する構成を検討します。
よくある質問
Q. ソフトスターターでモーター速度を変更できますか?
A. 主に始動・停止時の制御に使用し、通常運転中の連続速度制御にはインバーターが適しています。
Q. すべてのモーターへ使用できますか?
A. 重負荷始動や大きな始動トルクが必要な設備では適さない場合があります。
Q. ソフトスターターで省エネできますか?
A.始動時の電流を抑えられますが、通常運転時の速度を下げる省エネ効果は基本的にインバーターとは異なります。
Q. ポンプのウォーターハンマーを抑えられますか?
A. ソフトスタート・ソフトストップで低減できる場合がありますが、配管や逆止弁も確認します。
Q. 既設の直入れ始動回路から変更できますか?
A. モーター、盤内スペース、発熱、保護回路を確認し、変更できる場合があります。
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