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ロボットアーム制御
(ロボットアームせいぎょ)
ロボットアーム制御
ロボットアーム制御とは、多関節ロボットなどのロボットアームと周辺設備を連携させ、搬送、移載、整列、投入、取出し、パレタイズなどを自動化する制御技術です。ロボット本体の姿勢、各軸の動き、移動軌跡は専用のロボットコントローラが制御し、PLCはコンベア、計量機、ストッパー、安全機器などを含む設備全体の運転順序を管理します。
製造設備では、ロボットを単独で動かすのではなく、搬送物の到着、移載先の空き、把持機器の状態、安全扉の閉鎖などを確認して作業を開始します。ロボット側から返される運転可能、動作中、作業完了、異常などの信号を前後工程と連携させることが重要です。
ロボットアーム制御の仕組み
一般的なシステムは、ロボットアーム、ロボットコントローラ、ハンドや吸着パッドなどのエンドエフェクタ、PLC、制御盤、コンベア、センサ、安全柵、安全機器などで構成されます。
ロボットコントローラには、搬送元、搬送先、退避位置、各工程の動作などをプログラムとして登録します。PLCは、品種番号や作業番号を指定し、ロボットが自動運転可能であることを確認して起動信号を出します。
ロボットは対象物を把持し、指定位置へ移動して解放した後、作業完了信号をPLCへ返します。PLCは完了を確認してから、次の搬送、計量、充填、パレット交換などを開始します。
主な用途
- 容器、箱、袋、トレー、パレットの移載
- 製品のパレタイズ・デパレタイズ
- コンベア間の搬送物受け渡し
- 計量済み容器の取出しと次工程への搬送
- 製品や部品の整列、仕分け、検査投入
- 原料袋や容器の投入・回収
例えば、コンベア上に到着した容器をロボットで把持し、品種ごとに異なるパレットへ積み付ける設備があります。PLCでパレット番号、段数、積付け数を管理し、所定数に達した時点で満載パレットを搬出します。
PLCとロボットコントローラの役割
ロボットコントローラは、各軸の位置、速度、加速度、姿勢、移動軌跡を制御します。PLCは、コンベア、計量機、ストッパー、パレット供給装置などを制御し、ロボットの作業開始条件を整えます。
一般には、PLCから各軸の座標を逐次指令するのではなく、ロボットコントローラに登録したプログラム番号や作業番号を選択して起動します。役割を分けることで、ロボット固有の動作制御と設備全体のシーケンス制御を連携させます。
信号連携の方法
接点入出力による連携
PLCとロボット制御盤の間で、運転可能、作業要求、起動、動作中、完了、異常などのON・OFF信号を受け渡します。構成が分かりやすく、異なるメーカーの機器同士でも接続しやすい方法です。
一方、品種番号や多数の状態を伝える場合は、複数ビットの組合せが必要となり、配線と入出力点数が増えます。
産業用ネットワークによる連携
Ethernet系の産業用ネットワークなどを使用すると、作業番号、品種、警報コード、稼働状態などをまとめて送受信できます。配線を削減し、多くの情報を扱いやすい点が特徴です。
通信を使用する場合は、通信断を検出する監視時間、異常時の停止方法、再接続後のデータ初期化、同じ作業指令の重複実行防止を決めます。
制御設計上のポイント
信号の順序をタイムチャートで整理する
PLCから作業要求を出す条件、ロボットが受付可能を返す条件、起動信号の保持時間、完了信号を解除する条件をタイムチャートへ整理します。
起動信号を出したままにすると、ロボット側の仕様によっては同じ作業を再度開始する可能性があります。作業番号を確定してから起動し、受付または動作開始を確認して起動信号を解除します。
把持確認を確実に行う
対象物を確実に把持していない状態で移動すると、搬送中の落下や設備損傷につながります。吸着式では真空圧、チャック式では開閉位置、磁気式では吸着確認などを監視します。
把持確認が成立しない場合は移動を開始せず、再把持または警報停止します。対象物の重量、形状、表面状態、通気性に応じてハンドを選定します。
搬送先の受入状態を確認する
対象物を解放する前に、搬送先のパレット、容器、コンベア、治具が正しい位置にあり、空き状態であることを確認します。位置ずれや満載状態のまま解放すると、落下や衝突が発生します。
解放後も、対象物がハンドから離れたことや、搬送先へ正常に載ったことをセンサで確認してから退避します。
周辺設備との干渉を防止する
ロボットの動作範囲にコンベア、リフター、ストッパー、扉などの可動機器がある場合は、互いの現在位置を確認してから動作させます。ロボットが退避位置にない間は、周辺機器の進入を禁止します。
品種変更によって対象物寸法や積付け高さが変わる場合は、すべての品種についてロボット、ハンド、周辺設備との隙間を確認します。
サイクルタイムを確認する
ロボットの作業時間だけでなく、搬送物の到着待ち、把持確認、移動、解放確認、退避、パレット交換を含めて設備能力を算出します。
1サイクルの時間をt秒とすると、理論上の1時間当たり処理数Qは次の式で概算できます。
Q=3,600÷t
1サイクルが12秒の場合、理論値は300個/hです。実際には、品種切替、作業待ち、異常復旧などによる停止時間も考慮します。
安全回路と作業者保護
ロボットの可動範囲では、接触、挟まれ、巻き込まれを防ぐ必要があります。安全柵、安全扉、非常停止、ライトカーテンなどを設け、安全条件が成立していない場合はロボットを動作させません。
安全機能は通常のPLCプログラムだけに依存させず、ロボットの安全機能、安全リレー、安全PLCなどを使用します。安全扉を開けた際にどの動力を停止するか、再起動時にどの操作を必要とするかは、リスクアセスメントに基づいて決定します。
協働ロボットを使用する場合でも、ハンド、対象物、動作速度、周辺設備によって危険が生じるため、ロボット本体の仕様だけで安全と判断せず、設備全体で検討します。
異常時の処理と復旧
主な異常には、ロボットの位置異常、過負荷、把持不良、対象物落下、通信異常、周辺設備未到達、安全機器作動などがあります。異常時はロボットと前後設備を停止し、タッチパネルへ異常箇所と状態を表示します。
対象物を把持したまま停止した場合は、対象物の位置、落下の可能性、周辺設備との干渉を確認します。警報を解除するだけで自動再開すると、同じ対象物を二重に取りに行く場合があります。
復旧時は、把持状態、搬送元の在荷、搬送先の空き、作業番号を確認し、手動運転で退避または対象物を安全位置へ置きます。その後、必要に応じて原点復帰や作業状態の初期化を行います。
通信断・停電時の管理
通信断時は、新しい作業指令を受付けない、動作中の作業を停止するなど、安全側の処理を設定します。通信復旧後に古い起動信号が残ると、同じ作業を再実行する可能性があるため、作業番号と処理状態を照合します。
停電時にはロボットが途中姿勢で停止する場合があります。復電後は自動で動作を再開せず、現在位置、把持物、周辺設備の状態を確認してから復旧します。
計量・搬送設備との連携
ロボットアームを計量機や搬送コンベアと組み合わせることで、空容器の供給、計量位置への設置、計量済み容器の取出し、パレット積みまでを自動化できます。
計量中はロボットやハンドが容器へ接触すると、重量値に外力が加わります。容器を完全に計量台へ置き、ハンドを離して退避した後、重量が安定してから計量値を確定します。
容器番号、品種、計量値、ロボット作業番号、搬送先をひも付けて保存すれば、製造実績やトレーサビリティに活用できます。
設備更新・追加時の注意点
既設設備へロボットを追加する場合は、可搬重量、動作範囲、床強度、設置スペース、安全柵、搬送物の供給精度を確認します。ロボットが届くだけでなく、周辺機器と干渉せずに必要な姿勢を取れることが重要です。
ロボットやPLCを更新する場合は、接点信号、通信データ、作業番号、完了条件、警報コードを確認します。新旧機種で信号の意味やタイミングが異なる場合は、PLCソフトやタイムチャートの変更が必要です。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、ロボットメーカーのロボットアームと、搬送設備・計量設備を連携させる制御を検討します。搬送物の重量、寸法、搬送元、搬送先、必要能力、周辺設備との取り合いを確認して構成します。
ロボット制御盤とハカルプラスの制御盤との接点入出力や産業用ネットワークによる信号連携を設計し、タイムチャート、入出力一覧、通信データを整理します。
コンベア、ストッパー、リフター、計量機、パレット供給装置などを含む機械・制御設計と、PLC、タッチパネル、安全回路を組み合わせ、作業開始条件、把持確認、干渉防止、異常監視、復旧操作を構成します。
品種や製造指示による作業番号の切り替え、計量・搬送実績の保存、生産管理システムとの連携についても、ロボットメーカーと信号仕様を確認して検討します。
よくある質問
Q. ロボットが対象物を取り損ねる場合は何を確認しますか?
A. 対象物の停止位置、ハンド位置、吸着圧力、チャック開閉、対象物の形状や表面状態を確認します。搬送物の位置ばらつきが大きい場合は、ガイドや位置補正も検討します。
Q. 作業完了信号が入らない場合はどう復旧しますか?
A. ロボットの警報、動作中信号、把持状態、搬送先の受入状態を確認します。対象物の位置を確認せずに再起動すると二重搬送につながるため、手動で状態を整理します。
Q. 異なるメーカーのPLCとロボットを接続できますか?
A. 共通して利用できる接点入出力または通信方式があれば接続できる場合があります。信号の意味、タイミング、電気仕様、通信データを事前に確認します。
Q. 既設の搬送ラインへロボットを追加できますか?
A. 可搬重量、動作範囲、安全スペース、搬送物の位置精度、PLC入出力などが適合すれば追加できる場合があります。周辺設備の改造範囲も含めて検討します。
Q. 停電後に自動で作業を再開できますか?
A. ロボットの現在位置、把持物、搬送元・搬送先の状態を正しく確認できれば再開できる場合がありますが、通常は作業者が確認してから復旧します。
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