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サーボモータ位置決め
(サーボモータいちぎめ)
サーボモータ
サーボモータ位置決めとは、サーボモータの回転量と回転速度を制御し、機械や搬送物を指定した位置へ移動させる制御です。移動台車、昇降装置、位置決めテーブル、供給装置、切断機構など、停止位置の精度と動作の再現性が求められる設備に使用されます。
サーボモータには回転位置を検出するエンコーダが組み込まれています。サーボアンプは、指令位置とエンコーダで検出した現在位置を比較し、その差が小さくなるようにモーターの速度とトルクを調整します。
ハカルプラスでは、機械構造、移動距離、負荷重量、必要速度、停止精度、設備のタクトを確認し、サーボモータ、PLC、位置決めユニット、各種センサを組み合わせた位置決め制御を設計します。
サーボモータ位置決めの仕組み
PLC、位置決めユニット、モーションコントローラなどから、目標位置、移動速度、加速時間、減速時間をサーボアンプへ指令します。
サーボアンプは指令に従ってモーターを回転させ、エンコーダから返される現在位置を監視します。目標位置との差を位置偏差と呼び、位置偏差が設定範囲内に収まるまで補正を続けます。
位置だけでなく速度や電流も内部で監視することで、負荷が変化した場合でも目標位置へ追従しやすくなります。
指令パルス数と移動量
パルス列による位置決めでは、指令するパルス数によってモーターの回転量を決定します。
1回転当たりの指令パルス数をP、モーターの回転数をN、必要な指令パルス数をCとすると、次の式で表されます。
C=P×N
例えば、1回転当たり10,000パルスの設定でモーターを5回転させる場合は、50,000パルスを指令します。
通信方式のサーボシステムでは、パルス列を使用せず、位置データを数値として送信する場合もあります。
ボールねじによる直線移動
サーボモータでボールねじを回し、回転運動を直線運動へ変換する場合、移動量はボールねじのリードによって決まります。
ボールねじのリードをL、モーターの回転数をN、直線移動量をDとすると、直結の場合は次の式で表されます。
D=L×N
リード10mmのボールねじを5回転させると、直線移動量は50mmです。
1回転当たり10,000パルスの場合、1パルス当たりの理論移動量は次のようになります。
10÷10,000=0.001mm/パルス
ただし、この値は制御上の指令単位です。実際の停止精度は、ボールねじの精度、バックラッシ、機械剛性、熱変位、取付状態などにも左右されます。
減速機を使用する場合
モーターと機械の間に減速機を使用する場合は、減速比を含めて移動量を計算します。
モーター回転数をNm、減速比をi、出力軸回転数をNoutとすると、次の式になります。
Nout=Nm÷i
減速比10の場合、モーターが10回転すると出力軸は1回転します。出力側の速度は低下しますが、得られるトルクは増加します。
実際には減速機の効率やバックラッシも考慮します。
電子ギアの役割
電子ギアは、PLCから与える指令単位と、サーボアンプ内部で扱う位置単位の比率を設定する機能です。
例えば、PLCから1,000パルスを指令したときに機械を10mm移動させる場合、指令単位は次のようになります。
10÷1,000=0.01mm/パルス
電子ギアを適切に設定すると、PLC側でmmや度などの分かりやすい単位を使って位置データを管理できます。
設定を誤ると指令距離と実際の移動量が一致しないため、エンコーダ分解能、減速比、ボールねじリード、ローラー径などを確認します。
速度・加速度と移動時間
一定速度で移動する部分だけを考えると、移動距離D、速度v、移動時間tの関係は次のようになります。
t=D÷v
500mmを100mm/sで移動する場合、一定速度部分の所要時間は5秒です。
実際の位置決めでは、停止状態から加速し、定速で移動した後、目標位置の手前で減速します。そのため、総移動時間には加速時間と減速時間も含まれます。
加速度を大きくするとタクトを短縮できますが、必要トルク、機械への衝撃、搬送物のずれ、振動が増える場合があります。
原点復帰
インクリメンタルエンコーダを使用する設備では、電源投入後にPLCが管理する位置と実際の機械位置が一致していないことがあります。そのため、原点センサを使用して基準位置を確定する原点復帰を行います。
一般的には、原点方向へ高速で移動し、原点センサを検出すると低速へ切り替え、センサの再検出やエンコーダの基準信号によって原点を確定します。
原点センサを検出できない場合に備え、正限・負限リミット、動作距離、動作時間を監視します。
絶対位置と相対位置
絶対位置決め
原点を基準として、指定した座標へ移動する方式です。現在位置にかかわらず、目標位置を座標値で指定します。
相対位置決め
現在位置から指定した距離だけ移動する方式です。「現在位置から100mm前進する」といった繰返し動作に使用します。
連続運転
目標位置を指定せず、一定速度で正転・逆転させる方式です。手動操作、原点への接近、調整運転などに使用します。
位置決め精度に影響する要因
- ボールねじや減速機のバックラッシ
- 機械フレームや軸のたわみ
- カップリングや固定部の緩み
- 負荷重量や摩擦の変化
- 停止後の振動やオーバーシュート
- ボールねじやフレームの熱膨張
- エンコーダ分解能と指令単位
サーボアンプの位置偏差がゼロに近くても、モーター以降の機械部分にバックラッシやたわみがあれば、実際の機械位置はずれることがあります。
高い精度が必要な場合は、機械先端にリニアスケールなどを設置し、実位置を直接測定するフルクローズド制御を検討します。
モーター容量と負荷慣性
サーボモータは、負荷重量だけでなく、摩擦、移動速度、加速度、回転体の慣性を考慮して選定します。
回転体を加速するために必要なトルクTは、慣性モーメントJと角加速度αから、概略的に次の式で表されます。
T=J×α
負荷慣性が大きい設備で急加速すると、大きなトルクが必要になります。容量不足の場合は、位置偏差過大、過負荷、加速時間の延長などにつながります。
モーターと負荷の慣性比が大きすぎると制御が不安定になる場合があるため、減速機の使用や加減速条件の見直しも行います。
位置決め完了とインターロック
サーボアンプから位置決め完了信号を受け取り、目標位置へ到達したことを確認してから次工程を開始します。
移動指令が完了していても、機械が振動していたり、位置偏差が残っていたりする場合があります。そのため、位置決め完了信号に加え、クランプ、扉、前後設備の状態も確認します。
- 正限・負限リミットが動作していない
- 移動経路に干渉物がない
- 対象物が正しく保持されている
- 目的位置の設備が受入れ可能である
- 位置決め完了信号が成立している
異常発生時の復旧
過負荷、位置偏差過大、エンコーダ異常、リミット検出、通信異常などが発生した場合は、サーボを停止して異常内容を表示します。
異常解除後にその場から再開するか、手動で安全位置へ移動するか、原点復帰を行うかは、設備構造と現在位置の信頼性に応じて決定します。
昇降軸や垂直軸では、サーボOFF時に負荷が落下しないよう、電磁ブレーキや機械的な保持機構も必要です。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、移動距離、停止位置、負荷重量、必要速度、タクト、機械構造を確認し、サーボモータを使用した位置決めシステムを設計します。
PLC、位置決めユニット、サーボアンプ、エンコーダ、原点センサ、リミットセンサを組み合わせ、絶対位置決め、相対位置決め、原点復帰、速度切替、異常監視を構成します。
さらに、ボールねじ、減速機、搬送機構などの機械設計、制御盤、PLCソフトウェア、タッチパネル画面、前後設備とのインターロックまで含め、設備全体として安全で再現性のある動作を実現します。
よくある質問
Q. 指令位置と実際の停止位置がずれる原因は何ですか?
A. 電子ギアや減速比の設定違い、バックラッシ、機械のたわみ、取付部の緩み、負荷過大などが考えられます。サーボの現在位置だけでなく、機械先端の実位置も確認します。
Q. 電源を切っても現在位置を保持できますか?
A. 絶対位置対応エンコーダを使用すれば、電源再投入後も位置情報を保持できる構成があります。ただし、機械を手で動かした場合や電池異常時は原点復帰が必要になることがあります。
Q. 位置決め完了信号が入らない場合はどうしますか?
A. 位置偏差、負荷、機械干渉、速度設定、完了判定幅を確認します。原因が分からないまま次工程へ進めると、設備干渉につながるため、通常は運転を停止します。
Q. バックラッシはソフトウェアだけで補正できますか?
A. 一定量のバックラッシであれば補正できる場合がありますが、摩耗や負荷によって変化する場合は十分ではありません。機械構造の改善も必要です。
Q. サーボモータとインバーターはどのように使い分けますか?
A. 高い停止精度、応答性、回転量管理が必要な場合はサーボモータが適しています。主に速度調整を目的とし、位置精度をあまり求めない場合はインバーターが使用されます。
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