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Wi-Fi
(Wi-Fi)
Wi-Fiとは、無線LAN規格を利用して、パソコン、タブレット、産業用端末、PLC、センサ、IoTゲートウェイなどをネットワークへ接続する通信方式です。工場や倉庫では、設備データの収集、タッチパネルの遠隔確認、ハンディターミナルの通信、保守用パソコンの接続などに利用されます。
配線が難しい場所へ通信を導入しやすく、機器の移動や増設にも対応しやすい点が特長です。一方、電波干渉、遮蔽物、セキュリティ、通信切断を考慮した設計が必要です。
ハカルプラスでは、通信距離、設備配置、金属構造、必要な通信量を確認し、アクセスポイント、アンテナ、ネットワーク分離、通信異常時の処理を含むWi-Fi構成を検討します。
Wi-Fiの主な用途
- ハンディターミナルやタブレットの業務通信
- 設備データの収集と上位システム連携
- 保守用パソコンからのPLC・表示器接続
- 無線対応センサやIoTゲートウェイの接続
- 監視カメラや画像機器の通信
- 移動体・搬送台車とのデータ交換
アクセスポイントと端末
Wi-Fiでは、アクセスポイントを中心に複数の端末を接続する構成が一般的です。アクセスポイントは有線LANと無線端末の間を中継します。
工場内へ複数のアクセスポイントを設置する場合は、電波範囲が適度に重なるように配置します。重なりが少なすぎると移動時に通信が切れ、多すぎると干渉が増える場合があります。
2.4GHz帯
2.4GHz帯は、壁や障害物を比較的回り込みやすく、対応機器が多い周波数帯です。
一方、Bluetooth、電子レンジ、他の無線LANなども同じ周波数帯を使用するため、混雑や干渉が起こりやすい傾向があります。利用可能なチャンネル数も限られます。
5GHz帯
5GHz帯は、利用できるチャンネルが多く、高速通信に適しています。2.4GHz帯より周辺機器の干渉を受けにくい場合があります。
ただし、壁や設備による減衰が大きく、遮蔽物の多い工場では通信距離が短くなることがあります。屋外利用では、使用できるチャンネルと法令上の条件を確認します。
6GHz帯
対応機器では、6GHz帯を利用できる場合があります。広い周波数帯域を利用しやすく、混雑回避や高速化に有効です。
既設端末が対応しているとは限らず、電波の到達性や利用条件も確認が必要です。設備ネットワークへ導入する場合は、アクセスポイントと端末双方の対応状況を確認します。
通信速度
規格上の最大速度と、実際の通信速度は一致しません。端末数、電波強度、干渉、通信距離、再送、アクセスポイント性能などによって変化します。
計測データや指図情報では大容量通信を必要としない場合が多い一方、画像や動画を扱う場合は帯域と遅延を確認します。
電波強度
受信電波が弱いと、通信速度低下、再送増加、切断が発生しやすくなります。
設置前に電波調査を行い、アクセスポイント候補位置での受信状態を確認します。設備稼働時と停止時で電波環境が変化する場合もあります。
金属設備の影響
制御盤、タンク、サイロ、棚、機械フレームなどの金属は、電波を反射・遮蔽します。
アクセスポイントを盤内へ設置すると、扉を閉めた際に通信できなくなることがあります。外部アンテナ、樹脂窓、盤外設置などを検討します。
反射とマルチパス
工場内では、電波が金属へ反射し、複数経路から端末へ届きます。これをマルチパスと呼びます。
同じ場所でもアンテナ位置を少し変えるだけで通信状態が改善・悪化する場合があります。実際の設備配置で確認することが重要です。
アンテナの選定
アンテナには、周囲へ広く電波を出す無指向性アンテナと、特定方向へ集中させる指向性アンテナがあります。
広い作業エリアでは無指向性、建屋間や長い通路では指向性が適する場合があります。アンテナ利得だけでなく、取付高さと方向を確認します。
アクセスポイントの配置
アクセスポイントを高い位置へ設置すると、設備による遮蔽を減らせる場合があります。
ただし、保守しにくい場所や高温・粉じん環境は避けます。電源、LAN配線、アンテナケーブル、雷保護も含めて設置場所を決めます。
ローミング
移動するハンディターミナルや搬送台車は、移動先に応じて接続するアクセスポイントを切り替えます。これをローミングと呼びます。
切替時間が長いと、通信アプリケーションがタイムアウトする場合があります。端末、アクセスポイント、認証方式を含めて実機確認します。
SSID
SSIDは、無線ネットワークを識別する名称です。
設備用、業務端末用、来客用などを分けることで、用途ごとにアクセス範囲を制限できます。SSIDを隠すだけでは十分なセキュリティ対策にはなりません。
暗号化と認証
Wi-Fi通信では、適切な暗号化と認証を使用します。古い方式や共有パスワードの長期利用は避けます。
複数利用者が同じパスワードを共有する方式より、利用者・端末ごとの認証を行う方式の方が、端末紛失や退職時に管理しやすくなります。
設備ネットワークの分離
Wi-Fi端末を設備制御ネットワークへ直接接続すると、不要な通信や不正アクセスが設備へ影響する可能性があります。
VLAN、ファイアウォール、ルーターなどを使用し、設備用ネットワーク、事務用ネットワーク、来客用ネットワークを分離します。
固定IPと自動割当
設備機器では、通信先を明確にするため固定IPアドレスを使用する場合があります。ハンディターミナルやタブレットでは、自動割当を利用することが一般的です。
IPアドレス重複や割当範囲の不足がないよう、ネットワーク管理ルールを整備します。
通信断時の処理
Wi-Fiは有線通信より接続状態が変化しやすいため、通信断を前提に設計します。
設備側へデータを一時保存し、復旧後に再送します。遠隔からの運転指令が途絶えた場合は、設備を安全側へ移行するか、ローカル制御を継続するかを決めます。
リアルタイム制御への利用
一般的なWi-Fiでは、遅延や通信周期が一定にならない場合があります。
高速モーション制御や非常停止など、確実な応答が必要な機能をWi-Fiだけに依存させず、有線通信や安全回路を使用します。監視、実績収集、保守用途に適しています。
端末数と通信負荷
一つのアクセスポイントへ多数の端末が接続すると、端末ごとの通信時間が増えます。
常時通信する端末、短時間だけ接続する端末、画像機器を分け、必要に応じてアクセスポイントを増設します。
干渉対策
隣接アクセスポイントへ同じチャンネルを設定すると、相互に待ち時間が増える場合があります。
利用状況を調査し、チャンネルと送信出力を調整します。送信出力を最大にすれば必ず改善するわけではなく、端末側の送信能力との釣合いも重要です。
屋外・建屋間通信
屋外では、防水、防雷、温度、紫外線、アンテナ固定を考慮します。
建屋間を無線接続する場合は、指向性アンテナを向かい合わせ、途中に樹木や車両などの遮蔽物が入らないようにします。重要通信では有線や別経路との冗長化も検討します。
保守と監視
アクセスポイントの接続端末数、電波強度、再送率、通信量を監視します。
通信不良が発生した時刻と場所を記録すると、端末移動、設備稼働、周辺無線との関係を調査しやすくなります。
異常時の確認
接続できない場合は、SSID、パスワード、認証、IPアドレス、電波強度を確認します。
特定場所だけ切れる場合は、遮蔽物、アクセスポイント配置、ローミングを点検します。速度が遅い場合は、干渉、端末数、チャンネル、再送率を確認します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、設備配置、通信範囲、利用端末、必要データ量を確認し、アクセスポイントとアンテナを選定します。
電波調査、ネットワーク分離、端末認証、通信断時の一時保存を組み合わせ、設備監視やハンディターミナルに適したWi-Fi構成を検討します。
よくある質問
Q. 制御盤の中にアクセスポイントを設置できますか?
A. 金属扉によって電波が遮られる場合があるため、盤外アンテナや盤外設置を検討します。
Q. Wi-Fiで設備をリアルタイム制御できますか?
A. 遅延や切断が変動するため、監視やデータ収集には適しますが、高速・安全制御は有線方式を検討します。
Q. 工場内で通信できない場所を減らせますか?
A. 電波調査を行い、アクセスポイント、アンテナ、チャンネルを調整することで改善できます。
Q. 通信が切れても実績データを残せますか?
A. 端末や設備側へ一時保存し、接続復旧後に再送できます。
Q. 既設の事務用Wi-Fiを設備でも使えますか?
A. 通信負荷とセキュリティを確認し、設備用SSIDやネットワーク分離を行うことが望まれます。