Technology
LTE・5G通信
(LTE・5Gつうしん)
LTE・5G通信とは、携帯電話事業者の移動通信網を利用して、遠隔地の設備、センサ、IoTゲートウェイ、監視カメラなどをインターネットやクラウドへ接続する通信方式です。有線回線を敷設しにくい場所や、全国に分散した設備の遠隔監視に利用されます。
LTEは広いエリアで安定した通信を利用しやすく、5Gは高速・大容量・低遅延などを特長とします。ただし、実際の利用可能エリアや通信品質は設置場所、建物、基地局、契約内容によって変化します。
ハカルプラスでは、通信エリア、必要データ量、遠隔接続方式、セキュリティを確認し、ルーター、アンテナ、SIM、VPN、通信断時の一時保存を含む構成を検討します。
LTE・5G通信の主な用途
- 遠隔設備の状態・異常監視
- 計測データのクラウド送信
- 保守用パソコンからの遠隔接続
- 監視カメラや画像データの送信
- 移動体・仮設設備のネットワーク接続
- 有線回線障害時のバックアップ通信
LTE
LTEは、広いサービスエリアと対応機器の多さから、産業用遠隔監視で広く利用されています。
計測値、異常通知、設備履歴などの送信には十分な速度を得られる場合が多く、産業用ルーターやIoTゲートウェイも多数提供されています。
5G
5Gは、高速・大容量通信、低遅延、多数端末接続などを目標とする移動通信方式です。
高精細映像、遠隔作業支援、多数センサの接続などへ利用できます。ただし、エリアや端末対応、通信品質は場所によって異なります。
公衆網とローカル5G
携帯電話事業者が提供する全国的なネットワークを公衆網として利用する方法があります。
特定の工場や敷地内に専用の5Gネットワークを構築するローカル5Gもあります。専用性は高まりますが、免許、基地局、運用、保守を含む検討が必要です。
産業用ルーター
SIMカードを装着し、LTE・5G回線と有線LAN・Wi-Fi機器を中継します。
使用温度、電源電圧、耐振動、アンテナ端子、VPN、遠隔管理、冗長SIMなどを確認します。一般家庭用ルーターより長期運用や盤内設置に適した製品を選定します。
SIM
SIMは、通信回線の契約情報を持つ識別媒体です。物理SIMと、機器へ内蔵されるeSIMがあります。
通信事業者、料金プラン、データ容量、利用エリア、固定IPの有無を確認します。多数設備へ導入する場合は、回線の一括管理機能も重要です。
データ通信量
計測値や異常通知は通信量が小さい一方、画像、動画、ファームウェア更新は大きな通信量を必要とします。
送信周期、1件あたりのデータ量、端末数から月間通信量を見積もります。通信量超過時の速度制限や追加料金も確認します。
通信エリア
地図上でエリア内でも、山間部、地下、建物内部、金属筐体内では通信できない場合があります。
設置候補場所で実際の受信電波と通信速度を確認します。可能であれば複数時間帯や設備稼働中にも試験します。
アンテナ
ルーター内蔵アンテナ、外部アンテナ、屋外アンテナなどがあります。
制御盤内で電波が弱い場合は、アンテナだけを盤外や建物外へ設置します。アンテナケーブルが長いと損失が増えるため、ルーター位置とのバランスを取ります。
MIMO
LTE・5Gでは、複数アンテナを利用して通信品質や速度を高めるMIMOが使用されます。
対応ルーターでは複数のアンテナ端子があり、指定本数と配置を守る必要があります。アンテナ同士を近づけすぎると効果が低下する場合があります。
固定IPアドレス
遠隔側から設備へ接続する場合、固定のグローバルIPアドレスを利用する方法があります。
ただし、設備をインターネットへ直接公開するとセキュリティリスクが高まります。VPNや閉域網と組み合わせます。
プライベートIPとNAT
一般的なモバイル回線では、端末側へプライベートIPが割り当てられ、外部から直接接続できない場合があります。
設備側からクラウドへ接続を開始する方式や、VPNサービス、遠隔保守用中継サーバーを利用します。
VPN
VPNを利用すると、移動通信網やインターネット上に暗号化された通信経路を構築できます。
遠隔からPLCや産業用コンピュータへ接続する場合は、利用者認証、接続時間制限、アクセス先制限を設定します。
閉域網
通信事業者の閉域サービスを利用し、一般インターネットを経由せず拠点間を接続する方法があります。
セキュリティと運用性を高めやすい一方、対応回線、費用、接続拠点の構成を確認します。
遠隔監視
設備状態、計測値、異常履歴をクラウドや監視サーバーへ送信します。
常時接続する方式と、一定周期または異常時だけ接続する方式があります。電池駆動機器では通信時間を短くして消費電力を抑えます。
遠隔操作
LTE・5G経由で設備へ指令を送ることは可能ですが、通信遅延、切断、不正アクセスを考慮する必要があります。
遠隔操作だけで安全を確保せず、現地の安全回路、操作許可、状態確認、タイムアウトを設けます。重要操作では現地承認を求める方法もあります。
通信遅延
通信遅延は、基地局、ネットワーク混雑、クラウド処理などによって変動します。
監視や指図送信では問題にならなくても、高速制御には適さない場合があります。設備のリアルタイム制御は現地PLCで行い、LTE・5Gは上位監視へ利用する構成が一般的です。
通信断時の処理
電波状態や通信事業者の障害により、接続が一時的に失われる可能性があります。
設備側へデータを一時保存し、復旧後に再送します。通信断中も現地制御を継続するか、安全停止するかを用途に応じて決めます。
自動再接続
通信が切れた場合は、ルーターやアプリケーションが自動再接続します。
一定回数失敗した場合にルーターを再起動する、別回線へ切り替えるなどの処理を設ける場合があります。無制限な再起動は避け、履歴を残します。
冗長SIM
二枚のSIMへ対応するルーターでは、主回線が利用できない場合に別事業者の回線へ切り替えられることがあります。
同じ基地局設備や通信経路へ依存する場合もあるため、必要な冗長性を確認します。切替時間とIPアドレス変更の影響も考慮します。
ファームウェア更新
遠隔地のルーター、ゲートウェイ、組込機器へ更新データを配信できます。
通信量、更新中の停電・切断、更新失敗時の復旧を考慮します。更新時間帯と対象機器を管理します。
セキュリティ
初期パスワードの変更、不要ポートの閉鎖、VPN、証明書、ファイアウォールを使用します。
ルーター管理画面を外部へ無条件に公開せず、接続元や利用時間を制限します。遠隔保守の操作履歴も保存します。
異常時の確認
接続できない場合は、SIM、契約状態、アンテナ、電波強度、APN設定を確認します。
通信が不安定な場合は、アンテナ位置、周辺基地局、時間帯、データ量を点検します。遠隔接続だけできない場合は、VPN、固定IP、ファイアウォールを確認します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、設置場所、通信内容、遠隔保守の範囲を確認し、LTE・5Gルーターとアンテナを選定します。
VPN、クラウド連携、通信断時のデータ保存、回線冗長化を組み合わせ、全国に分散した設備の遠隔監視構成を検討します。
よくある質問
Q. 有線回線がない場所でも遠隔監視できますか?
A. LTE・5Gの通信エリア内であれば、産業用ルーターを使って接続できる場合があります。
Q. 制御盤の中へルーターを設置できますか?
A. 金属盤で電波が弱くなる場合は、外部アンテナを盤外へ設置します。
Q. 遠隔からPLCを操作できますか?
A. VPNなどで接続できますが、現地安全回路、操作権限、通信断時処理が必要です。
Q. 通信が切れてもデータは残りますか?
A. 設備側へ一時保存し、回線復旧後に再送できます。
Q. LTEと5Gはどちらを選べばよいですか?
A. 必要速度、通信量、設置場所のエリア、対応機器、費用を確認して選定します。