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特定小電力無線

(とくていしょうでんりょくむせん)

特定小電力無線とは、日本国内で定められた条件の範囲内で、無線局免許を個別に取得せず利用できる小電力の無線通信です。工場、倉庫、農業施設、介護施設などで、センサ信号、接点状態、警報、簡単な計測データを送る用途に利用されます。

送信電力や使用周波数、通信方法に制限がありますが、配線工事が難しい場所へ比較的導入しやすい点が特長です。通信距離は、周囲の建物、金属設備、アンテナ、取付高さによって大きく変化します。

ハカルプラスでは、送信するデータ量、設置距離、電源条件、障害物を確認し、無線機、アンテナ、中継器、通信異常時の処理を含む構成を検討します。

主な用途

  • 接点入力・警報信号の無線伝送
  • 温度、湿度、電力、レベルなどの計測値送信
  • 離れた建屋・設備間の状態共有
  • 屋外設備や仮設設備の監視
  • 電池駆動センサのデータ収集
  • 有線工事が難しい既設設備への後付け

免許不要で利用できる条件

特定小電力無線は、定められた技術基準に適合する無線機を、規定の用途・条件で使用する場合に免許不要で利用できます。

利用者が自由に送信電力を上げたり、未認証の無線回路へ変更したりすることはできません。適合表示と使用条件を確認します。

技術基準適合

国内で無線機器を使用する場合は、対象機器が日本の技術基準へ適合していることを確認します。

海外向け無線機をそのまま国内で使用できるとは限りません。アンテナ交換や回路改造によって適合条件を外れる場合もあります。

通信距離

見通しの良い屋外では比較的長い距離を通信できても、工場内では金属設備や壁によって大きく低下します。

仕様書の最大通信距離だけで判断せず、実際の設置場所で通信試験を行います。送信側と受信側の高さを上げると改善する場合があります。

見通し

送受信アンテナの間に障害物が少ないほど、通信は安定しやすくなります。

設備、車両、原料、扉の開閉など、時間によって障害物が変化する場合があります。通常運用時に最も厳しい状態で確認します。

周波数帯

特定小電力無線には、用途に応じた複数の周波数帯・方式があります。

周波数によって電波の回り込み、アンテナ寸法、通信速度、利用できるチャンネルなどが異なります。対象製品の仕様と法令条件を確認します。

通信速度とデータ量

特定小電力無線は、大容量動画や高速制御より、少量データの周期送信に適しています。

接点状態、温度、重量、電池残量などを数秒・数分ごとに送る用途で利用されます。データ量と送信頻度を増やすと、通信時間と電池消費が増えます。

送信時間の制限

使用方式によっては、連続送信時間や送信間隔に制限がある場合があります。

常時連続でデータを送り続ける用途ではなく、必要なデータを短時間で送信する設計が必要です。

チャンネル

複数の無線システムが近くで動作する場合、同じチャンネルを使用すると通信が混雑する可能性があります。

設置時に周辺利用状況を確認し、チャンネルを分けます。無線機が自動的に空きチャンネルを選択する機能を持つ場合もあります。

キャリアセンス

送信前に、他の無線機が同じ周波数を使用していないか確認する仕組みをキャリアセンスと呼びます。

使用中の場合は送信を待つため、混雑時には遅延が増えます。重要警報では再送や別経路を検討します。

接点信号の伝送

スイッチやリレー接点のON・OFFを無線で送る製品があります。

有線接点と同じように見えても、送信周期、通信遅延、通信断時の出力状態が異なります。非常停止や安全回路へ無線だけを使用しないようにします。

アナログ値の伝送

4~20mA、0~10V、温度、重量などを無線機でデジタル化し、受信側で再出力する構成があります。

分解能、精度、更新周期、通信断時の保持値を確認します。変換器自身の誤差も計測系へ加わります。

電池駆動

低消費電力の無線機を使用し、電池で長期間動作させる構成があります。

測定周期、送信回数、送信出力、温度によって電池寿命が変化します。電池低下警報と交換時期管理を行います。

スリープ動作

送信していない間は無線機とセンサを休止させ、消費電力を抑えます。

周期を長くすると電池寿命を延ばせますが、異常検出や表示更新が遅れます。必要な監視応答とのバランスを取ります。

アンテナ

アンテナの種類、取付方向、周辺金属によって通信性能が変わります。

制御盤内へ無線機を設置する場合は、外部アンテナや樹脂窓を検討します。アンテナを金属面へ密着させないよう、取付条件を確認します。

中継器

直接通信できない場所では、中継器を設置して通信範囲を広げる方法があります。

中継段数が増えると遅延や障害点も増えるため、通信経路、電源、異常監視を確認します。中継器の故障で複数端末が通信できなくなる場合があります。

一対一と一対多

一台の送信機と一台の受信機を接続する構成と、複数の送信機を一台の親機で収集する構成があります。

一対多では、端末ID、送信周期、同時送信の回避、最大接続台数を確認します。

再送

受信確認が得られない場合に、同じデータを再送する方式があります。

再送回数を増やすと成功率は高まりますが、電池消費と通信混雑が増えます。重要度に応じて設定します。

データの重複

再送によって同じデータが複数回届く場合があります。

通し番号や時刻を付け、受信側で重複を除外します。積算値や生産実績を単純加算すると二重登録になるため注意します。

通信断時の動作

一定時間データを受信できない場合は、通信異常として表示します。

受信側出力をOFF、保持、事前設定値へ移行するなどの動作を用途に応じて決めます。古い計測値には通信正常フラグと最終更新時刻を付けます。

安全用途への注意

一般的な特定小電力無線は、非常停止、安全扉、人体保護などの安全機能を単独で担うものではありません。

安全規格へ対応した専用無線システムを除き、安全回路は有線や認証された安全機器で構成します。

異常時の確認

通信できない場合は、電源、電池、チャンネル、端末ID、アンテナを確認します。

特定時間だけ不安定な場合は、周辺無線、設備稼働、扉・車両の影響を点検します。距離不足では、アンテナ位置や中継器を検討します。

ハカルプラスの対応

ハカルプラスでは、接点、計測値、警報などの送信内容と必要周期を確認し、無線機とアンテナを選定します。

電池駆動、中継器、受信異常監視、PLC連携を組み合わせ、有線工事が難しい既設設備への無線追加を検討します。

よくある質問

Q. 特定小電力無線は免許なしで使えますか?

A. 技術基準に適合した機器を定められた条件で使用する場合は、個別免許なしで利用できます。

Q. 工場内でどの程度の距離を通信できますか?

A. 金属設備や壁の影響が大きいため、仕様値だけでなく現地試験が必要です。

Q. 電池で長期間動作できますか?

A. 測定・送信周期を抑えた低消費電力設計により、長期動作できる場合があります。

Q. 接点信号をそのまま無線化できますか?

A. 接点入出力対応機器を使用できますが、遅延と通信断時の出力状態を確認します。

Q. 通信距離が足りない場合はどうしますか?

A. アンテナ位置の変更、中継器の追加、別の無線方式を検討します。

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