Technology
計量コントローラ・ハード設計
(けいりょうコントローラ・ハードせっけい)
計量コントローラ
計量コントローラ・ハード設計とは、重量センサであるロードセルから出力される微小な電気信号を取り込み、重量値へ変換するための電子回路と機器構成を設計することです。計量コントローラは、重量表示だけでなく、フィーダー、ゲート、ポンプ、バルブなどを制御するための基準信号も出力します。
ロードセルの出力は非常に小さく、電源ノイズ、温度変化、配線抵抗、周辺機器の影響を受けやすいため、増幅回路、A/D変換回路、電源回路、絶縁回路、入出力回路を適切に構成する必要があります。
ハカルプラスでは、バッチ計量、減算計量、分割計量、連続減算計量などの用途に応じて、ロードセル入力、表示、操作、外部入出力、通信機能を備えた計量コントローラのハードウェアを検討します。
計量コントローラの基本構成
計量コントローラは、主に次の回路や機能で構成されます。
- ロードセルへ電源を供給する励起電源回路
- ロードセルの微小信号を増幅するアナログ回路
- アナログ信号を数値へ変換するA/D変換回路
- 重量演算や補正を行うマイコン回路
- 重量値や設定値を表示する表示回路
- スイッチ、キー、タッチ操作などの入力回路
- 接点、アナログ、通信などの外部入出力回路
必要な計量精度、応答速度、接続するロードセルの台数、使用環境に応じて回路構成を決めます。
ロードセル入力回路
ロードセルは、荷重によって生じるひずみを電気信号へ変換します。出力は一般にmV/Vで表され、励起電圧に対して数mV程度の非常に小さな信号です。
例えば、定格出力2mV/Vのロードセルへ10Vを印加した場合、定格荷重時の出力は約20mVです。この微小信号を安定して取り込むため、低ノイズで温度変化の少ない増幅回路が必要です。
複数のロードセルを使用する場合は、和算箱や入力回路で各ロードセルの信号を合成します。偏荷重による誤差を抑えるため、各ロードセルの出力バランスも調整します。
励起電源回路
ロードセルへ供給する励起電圧が変動すると、出力信号も変化します。そのため、安定した定電圧回路を使用し、電源変動や温度変化による影響を抑えます。
ロードセルの台数や入力抵抗によって必要な供給電流が変わります。多数のロードセルを並列接続する場合は、励起電源の容量不足や配線による電圧降下に注意します。
長距離配線では、ロードセル端での実際の励起電圧を検出して補正するセンシング方式を用いる場合があります。
増幅回路とA/D変換
ロードセルの出力は、計装アンプなどで必要な範囲まで増幅し、A/D変換器でデジタル値へ変換します。
A/D変換器の分解能が高いほど細かな重量変化を読み取れますが、機械振動、電源ノイズ、ロードセルの特性によって、すべての分解能を有効に使えるとは限りません。
計量精度を確保するには、回路の分解能だけでなく、計量機の構造、ロードセル容量、配線、振動環境を含めて検討します。
バッチ計量への対応
バッチ計量は、空の計量容器へ原料を加え、目標重量まで計量する方式です。計量コントローラには、粗供給、微供給、供給停止、計量完了などの信号を入出力する回路が必要です。
供給停止後の落差量を補正し、重量値が安定してから完了信号を出力します。高速な供給機器を制御する場合は、入力更新速度と出力応答時間も重要です。
減算計量への対応
減算計量は、原料を入れた計量機から減少した重量を供給量として扱う方式です。供給中も重量変化を連続して監視するため、振動やフィーダー動作による変動を考慮した入力回路とフィルタ処理が必要です。
計量機から外部へ接続する配管やケーブルが荷重へ影響すると、正しい減算量を測定できません。ハードウェア設計と機械構造を合わせて検討します。
分割計量への対応
分割計量では、一つの目標量を複数回に分けて計量します。各回の計量値と累積値を保持し、最終回に残量を調整します。
停電や異常停止時に途中までの計量結果が失われないよう、不揮発性メモリなどへ状態を保存する構成を検討します。書込み回数やデータ保持期間も確認します。
連続減算計量への対応
連続減算計量は、一定時間内に減少した重量からkg/hなどの供給量を求め、フィーダー速度を連続制御する方式です。
短時間の重量変化を捉える必要があるため、入力信号の更新速度、ノイズ除去、演算処理能力が重要です。インバーターやモーターから発生するノイズが入力回路へ影響しないよう、絶縁や配線にも配慮します。
外部入出力回路
計量コントローラは、PLCや供給機器と接続するため、接点入出力、トランジスタ出力、アナログ出力、通信回路などを備えます。
- 計量開始、停止、ゼロ指令などの入力
- 粗供給、微供給、完了、異常などの出力
- 重量値を伝送するDC4~20mAなどのアナログ出力
- PLCや表示器と接続するシリアル・Ethernet通信
外部設備との電位差やノイズを考慮し、必要に応じてフォトカプラや絶縁変換回路を使用します。
ノイズ対策
ロードセル信号は微小であるため、インバーター、モーター、電磁接触器などのノイズの影響を受けやすくなります。
シールドケーブルの使用、アナログ回路とデジタル回路の分離、電源フィルタ、適切な接地、基板上の配線配置などによって影響を抑えます。
表示回路や通信回路のスイッチングノイズが計量入力へ回り込まないよう、電源系統やグランドの構成にも注意します。
異常検出と保護
計量コントローラでは、ロードセル断線、入力オーバー、励起電源異常、メモリ異常、通信異常などを検出します。
誤配線や外部からの過電圧によって回路が損傷しないよう、入力保護、過電流保護、サージ保護を設けます。異常時は重量値を無効化し、外部へ異常信号を出力します。
ハカルプラスの対応
ハカルプラスでは、粉体や液体の特性、計量方式、必要精度、応答速度を確認し、用途に適した計量コントローラのハードウェアを検討します。
ロードセル入力、励起電源、増幅、A/D変換、表示、操作、接点・アナログ・通信入出力などを、製品仕様に合わせて構成します。
電子回路だけでなく、計量コントローラの組込ソフト、制御盤、PLC、タッチパネル、供給機器との連携まで含めて設計できます。既設コントローラの更新についても、ロードセルと外部入出力の仕様を確認して対応方法を検討します。
よくある質問
Q. どのメーカーのロードセルでも接続できますか?
A. 定格出力、入力抵抗、励起電圧、配線方式が適合すれば接続を検討できます。ロードセルの合計抵抗と電源容量も確認します。
Q. A/D変換器の分解能が高ければ計量精度も高くなりますか?
A. 分解能は重要ですが、ロードセル容量、機械構造、振動、温度、ノイズも精度へ影響します。設備全体で評価する必要があります。
Q. バッチ計量と連続減算計量で同じ回路を使用できますか?
A. 共通化できる部分もありますが、連続減算計量では高速な重量変化の検出や連続制御が必要なため、応答性能を確認します。
Q. 計量コントローラからPLCへ重量値を送信できますか?
A. アナログ出力や通信機能を設けることで送信できます。必要な精度、更新周期、通信方式に応じて構成します。
Q. 古い計量コントローラを置き換えられますか?
A. ロードセル、電源、入出力、通信、取付寸法を確認し、現行機器や新規設計品への置換を検討します。